LIVE REPORT

GLIM SPANKY ライブレポート

GLIM SPANKY

【GLIM SPANKY】『GLIM SPANKY 野音ライブ 2017』2017年6月4日 at 日比谷野外大音楽堂

2017年06月04日@日比谷野外大音楽堂

撮影:HAJIME KAMIIISAKA/取材:竹内美保

2017.06.20

抜けるような青空と公園の緑と無機質な官公庁のビル群。独特な環境の中に存在する野外の音楽堂から放たれていく重いグルーブが、その風景を揺らし、“GLIM SPANKYの特異な世界”に染め上げ、そして巻き込んでいく。幕開けのサイケデリックチューン「アイスタンドアローン」から前半はほぼノンストップで展開し、絶妙な緩急を付けながら心地良い酩酊感を誘う。これはまさしく合法的なトリップだ。まだ明るいうちに「闇に目を凝らせば」から「お月様の歌」までの流れをどう聴かせるかというのはひとつのチャレンジでもあったと思うが、音楽が風景を変えることを見事に具現化。とりわけ、インストから入るアートロック的な鳴らし方が成されていた「MIDNIGHT CIRCUS」は、それを象徴する一曲となっていた。

野音を埋め尽くすオーディエンス(立ち見エリアもびっしり!)との自然な一体感によるコーラスの大合唱から生まれた「風に唄えば」からの後半戦は、広がりながら突き抜けていくサウンドスケープを響かせる。スタジアムクラスのスケール感を湛えた「NEXT ONE」、疾走しながら畳み掛けていく「怒りをくれよ」、そしてアンコールの「ワイルド・サイドを行け」では若きロックのパイオニアとしての決意と誇りが、その声に、音に込められていた。ふたりと同世代の人たち、60〜70年代のロックをリアルタイムで体感したであろう人たちーーさまざまな世代が集まっていたが、とても印象的だったのは、4〜5歳の女の子が「時代のヒーロー」でノリノリで手を振り上げていたこと。そこに新たな“音楽の希望”を見た。

撮影:HAJIME KAMIIISAKA/取材:竹内美保

GLIM SPANKY

グリム・スパンキー:2007年、長野県内の高校にて結成。13年12月にインディーズでミニアルバム『MUSIC FREAK』を発表し、14年6月にミニアルバム『焦燥』でメジャーデビュー。15年7月に1stアルバム『SUNRISE JOURNEY』を発表。松尾レミのハスキーでパワフルなヴォーカル、亀本寛貴のブルージーなギタープレイが聴く者を魅了する、“オーセンティックロックの旗手”として人気急上昇中。

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