片倉三起也作曲の歌詞一覧リスト  292曲中 1-200曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
美シ国ノ四季ハ夢ムALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也盛る青空 寄せる小波 君を目がけて こぼれる太陽  やがて色づく 紅葉を揺らし ほてった頬を 撫でる 風よ  佇む 間に 季節は 巡って またひとつ石段をのぼる  美し 国を 造りたもうた 神々たち どんな 未来(さき)を 見つめ添えた 四つの印 春と 夏と 秋と そして冬の  六花を溶かす 手のぬくもりを つなげて渡る 凍る 闇も  誰もが 消えても 残って ゆくもの そこにある いつまでも永遠に  美し 国で 生を授かった わたしたち どんな いまを 紡ぎ刻む 恵みの中で 夏の 秋の 冬の やがて春の  芽吹くほほえみ ほころぶ莟 かそけき命 包むように  始まりの季をくりかえし
瓦礫ノ子守歌ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也眠れ 眠れ そっと お空も静かに 眠るよ  夢だけは あたたかい どんな時も 夜明けまで消えぬよう 見張っているから  この世界に残された 優しさと綺麗なものだけを 見つめていて いまはまだ 穢れなき瞳のまま 映せる  お空の向こうが とどろく  恐くない 腕のなか お耳を塞ごう  かつて街に満ちていた 楽しくて幸せな音楽 思い出して その胸の鼓動のリズムで あなたは 生きるの わたしたちを作りあげた 愛しさと美しいものたちを 取り返して 掌がたとえ汚れても 必ず 掴んで
STILL ALIVEALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也静寂 蒼ク深ク 時ノ水面 揺蕩ウ ヒトリ  風ガ吹クヨウニ 過ギ去ッテク 彼奴ハドコニ 向カッテクンダロウ  音ヲ紡グ 息ヲオクレ 此処デ本当ノ 歌ヲツクロウ  アタシハマダ 機械ジャナイカラ  無限ヲ抱ク 宇宙ガ視エル  共鳴ダケ 残シテイコウ
密林ヨリ応答セヨALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也吐息も 色付く 極彩の密林で 花陰 かげろう幻 敵か味方か  心纏う 迷彩色 またわたし 迷い込んでゆく  猿のように嗤い 蛇のように黙り ただ原始を恋い  月下に 沈んだ 底無しの暗黒で 出会った 同士は どちらも捕食と餌食  すでに優しき追憶よ まだ見ぬ君との未来は 捧げ合うもの  見つめてきた 自分だけを 孤独さえ 磨き尖らせて  果実なら爆ぜる 泉なら満ちる この肉体(からだ)のなか  戻れる 故郷が あるならどの世界で 生まれる 時代が いつなら幸運なのか  時は華やぐ葬列よ まだ見ぬ君と繰り返す もっと 生き残れ  眠らぬ 摩天楼 ヒトの棲む密林は この星 最後の 本能が目覚める場所  だけど殺し合うことなく まだ見ぬ君と愛し合える ここで 応答せよ
NON-HUMANALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也眩しいのに冥い ここは もうずっと 母さん わたし おなかから 外に出たんだよね  泣いていいか わからない 声あげても 笑えない なぜいつも感じないの まぶたが乾く  I wanna be, I wanna be human? どこで 間違えちゃったんだろう ただのいい子で good girl だけど きっと違う  飛び立つ鳥 つばさ選び 産まれてきた わたし何を 授かって ここで 動けない?  空の青さ 教えて 地面を踏む 冷たさも どうして 思い出せない 腕だけ 熱い  I wanna be I wanna be human? どこで 交差しちゃったんだろう ちょっと悪い子 bad girl だけど 人間じゃない  I wanna be non- human いつか 帰る所 いまは汚れぬ good girl だから きっと叶う  遙か昔 生まれる前 異なる 存在だった 忘れてない おとぎ話 あのまま 生きていたかった 夢の夢の ように  I wanna be I wanna be human? どこで 交差しちゃったんだろう もっといい子で good girl わたし人間じゃない  I wanna be non- human いつか 孵る卵 I wanna be non- human だから きっと叶う I wanna be non- human いつか 孵す卵 I wanna be non- human 君も人間じゃない
80秒間世界一周ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也キラ星 掬い取って 君に贈るよ 窓辺にこぼし いつどこかで 会ってもぼくを もう忘れているね  海 空 萌える大地 いまの味方は それがすべてさ 暮らしてきた 場所は小さな 箱庭だったんだ  さあ旅立て 気球に乗って まだ見ぬ国を 探しに 道連れは カモメか鷲か 遙か高みを ぼくに教えておくれ  上がれ! 進め! これぞ 真の自由だ  朝 晩 気の向くまま 剣で断ち切る しがらみの縄 葉巻くわえ 重い錨は もう下ろしはしない  帆をあげろ 海賊船で 宝の島を 求めて 先導は 人魚か鮫か 黒い深みに 絡め取られぬように  だけど いったい ここは どこなのかしら  砂嵐 列車は走る 幻の駅 行き過ぎ 伴走は 天馬かドラゴン 辿りつきたし 誰も知らない異世界  さあ旅立つ 気球に乗って まだ見ぬ時空 目指して 道連れは 天女か雷神 遙か高みへ ぼくを連れてってくれ  上がれ! 昇れ! 墜ちる!!  蒲団の奈落…
緋ノ月 (TV-size)ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也凍てついた闇世を 砕き割れ月よ 私たちがつなげる 青い星の行方 知っているの?  誰にも 見えない 緋色の 銀河 渦を巻き 広がる この身体の中に 夢を呑み込んで  あなたと 初めて 見上げた 空の 光りの先へ解き放とう  いつか遠い宇宙に この手が触れたら 世界中で轟く どんな祈りも届くわ  朝焼けの水面に 流れ着く月よ 他の誰とも違う 私のまま今を 超えて行くの
絶途、新世界ヘALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也ボロボロの旗を掲げ ココロに錦を飾る どんなに汚れても 先へ進んで行く  カタカタと骨を鳴らし 歓喜(よろこび)の歌を吠えよ 生きるか死ぬかなど くだらない問題  鎖も口輪も 外した僕たちは 尾を振る飼主(あいて)を 持たない猛犬さ  ギリギリの崖を渡る 乾いた包帯靡く 道程風任せ 微笑み撫でさせて  弱さは 腐った優しさ抱きしめる 強さを授けよ 眠れる勇者の血  常に君をみつめてた赤の他人 影を落とす節穴の目を瞠き 追う生者  ボロボロの旗を掲げ ココロに錦を飾る カタカタと骨を鳴らし 歓喜の歌を吠えよ  ギリギリの崖を渡る 乾いた包帯靡く 道程風任せ 終わりを超えてゆけ  積もった枯れ葉も 再び吹き上がる 土には還らぬ 尊き意思の砂礫  遠い彼方を決めるのは奴らじゃない 瓦礫の海踏みしだく裸足のまま  僕らは やがて 目覚め あおう 新世界で
ピアニィ・ピンク松下唯松下唯宝野アリカ片倉三起也あでやかに咲いた ピアニィ・ピンク あたりいちめんに 色褪せた頬の私を 染めておくれ  恋を したらひとりきりでも 小さな胸が 事件であふれちゃう  こっそりあなたを 見つめるそのたびに 世界が息づいた  朝つゆに光る ピアニィ・レッド 炎みたいね 弱さにうつむいた 日々を燃やしておくれ  誰にだって 優しいあなたを くやしいけれど 誇りに思っちゃう  女の子は皆 秘密の花園で 綺麗になってゆく  清らかに歌う ピアニィ・ピンク ときめく吐息 裸のくちびる そっと蝶々が触れた  あなたの瞳に 誰より ああ残りたい  あでやかに競う ピアニィ・ピンク あなたのために 笑顔が いちばん すてきな私になる  あでやかに咲いた ピアニィ・ピンク 私のために 笑顔が いちばん すてきな私になる
令和燦々賛歌ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也AKIRA SAITO季節 巡りゆく 令月 冴えて 和み風 木々揺らし 紅白の梅(はな) 匂う  麗し時代は馬車に乗り 夜明けを駆け抜けやって来た 天馬のたてがみ羽根飾り 空の彼方には 虹の橋が掛かる  期待と希望乗せて 渡して行きましょ 後戻りは Non!Non!  時に 招かざる 客も 来たり 失敗も あるけれど おもてなし 得意技  爺さま婆さまお大事に 子供は元気に育てます 上級下級は富でなく 真心の量で 決めていただきたい  同じではないみんな 喧嘩もするけど ご批判より Oui!Oui!  あなたが わたしが 生まれたこの場所 愛していくのは 素敵なことじゃない?  健やかなる日も病める日も まだまだ続くよどこまでも だけども己の行く道は いつでも自分で 決めていいのだから  そうよそれが本当の 豊かな理由で 幸せの証し  いつか今を 恋々
大正撫子モダンガールALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也黒い繭のように 結い上げた髪を 最初に切った 断髪の 君よ  床に散らばった 重たい柵み 二度と縛られず 自由を旅する  凜と香る 姫撫子 内に秘めし 熱き想い その瞳(め)が 見た夢の先 このわたしの今が在る Our name is GIRL 時代(とき)を超えて  声高に叫ぶ 気丈な女性に  憧れるけれど モダンに学ぼう 小粋な可憐さ 強さは その中  凜と生きる 姫撫子 緋色の帯 解かれた恋 その心の 切なさを もうわたしも知っている You and I are girls 懐かし友  凜と香る 姫撫子 内に秘めし 熱き想い その眼差し 見つめてた 未来にいるこのわたし Our name is GIRL 時代を超えて
日出づる万國博覧会ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ever ever ぼくらは持ってる 美しいものを ever ever 目の中と外に  ever ever いつでも待ってる まだ見ぬ世界は ever ever 限りない扉を開けて  日出づる場処の 準備は万端  行こう 愉し万博へ! 空に映える パビリオン 知らない国も 旅しよう 付いておいで  誉れ 自慢の国宝 職人技の数々も 触れよ 素晴らしい文化に もっと今が 大好きになるだろう  ever ever ぼくらは分け合う 美しいものを ever ever 心捧ぐように  never never けして変わらない 大切なすべて ever ever 人が生きて生み出すもの  日出づる時代 出会ったぼくら  行こう 夢の万博へ! 登れ 輝く塔へと 笑顔だけで 通じるさ 誰とだって  誇る 伝統工芸 先端技術も 芸術 床し新し 美術に ぼくの世界 また広がってく  Let's go to BANPAKU all together!  行こう 愉し万博へ! 空に映える パビリオン 知らない国も 旅しよう 付いておいで  誉れ 自慢の国宝 職人技の 数々も 触れよ 素晴らしい文化に もっと未来が 大好きになるだろう
天気晴朗ナレドモ波高シALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也本日 晴朗 藍色の 大空は 海に落ち 揺れる やがて波高し 行け 行け 出陣  声援を 送る 人生の 海原で けして独りでは ないとわかるよう 奮え 奮え 君へと  前途は 眩しい 舵を取れ 風に乗れ この心 発艦  巡り巡る 時代に ひとりひとり生まれて 出逢い別れ 運命は おのが 選び取るもの  走り抜ける 波間は 月も日にも 輝く どこまでも進め 後退ることなく  遠き人は立つ 息吹持ち 傍らに 引き継ぐ この血へ 薫陶授けて 奮え 奮え 自分へ  前途は 険しい 暗い雲 黒い影 蹴散らせよ 突撃  戦争(いくさ)知らぬ ぼくらも 生きることは 戦い 持てる 智恵と勇気は 助けられる 幸運  守るものは 気高い 平和という 生きもの 飼い慣らすなかれ 尊びつづけよ  高く舞え 神風を 背に受け 吶喊  戦争知らぬ ぼくらは 生きることが 闘い 持てる 智恵と勇気に 導びかれよ 勝運  たとえ 倒れ伏しても 天を仰ぎ 目覚めん そこには見護る 光が差すだろう  次の代に 伝えよう 変わらぬ 大和魂強しと 見ぬ同胞(とも)たちへ
万花繚乱姥桜ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也百花繚乱 百では足りぬ 咲き誇って行かん 男勝りに見えても 可愛い 女です 美と若さは手放せません  枕を濡らして 初恋患い 火照った体を 青い夜が癒やした  あれから幾つ春を数えて 花も盛り そろそろ散らん まだまだ枯れぬ だって心は あの頃のまま  年相応に生きよと申す アナタいつの時代 どんな日も私たち 着飾ってなんぼでしょ  年齢不詳 知らぬが仏? いいえ ただのナンバー 魔女の鏡の呪いで 死ぬまで 女です さあ大事に愛してたもれ  艶めくお肌は 保湿の賜物 ストレス発散 たまに推しなど愛でて  きっと前世はバンパイアなの 薔薇を好み ポリフェノオルの赤いワインを 処女(おとめ)の血だと 思って飲むの  日進月歩 美容医学の 麗しの女医たち 恩恵を受けない手は ないかも? 今かも?  不老と不死の秘薬はいつか 完成されてゆく いくらでも実験台に なっちゃうわ 任せて 後世のため 命張るわ  年相応に生きよと申す アナタいつの時代 着たい服に私たち 選ばれてるだけよ  万花繚乱 千でも足りぬ 咲き誇って行かん ひとりひとり開く花 何歳(いくつ)になっても さあそのまま輝け 爛漫
転生離宮へALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也黄昏が 燃えている 炎の鳥が 翔び立つのよ  舞う火の粉 天昇り 生まれたばかりの 星となる  宇宙に抱かれ わたしは眠る 目覚めるはどこ 異郷か知らぬ世界か  いつかどこかで あなたに逢える 互いの記憶 そっと結んでいて  黄金の 天秤を 掲げた女神 夜を統べる  得るものと 失くすもの どちらも等しく 大事なもの  命を抱え わたしは夢む 想いはつづく 過ぎ去りし日へ 来る日へ  誰もひとつの 物語なの 奇跡が描く 永い神話のような  宇宙に抱かれ わたしは眠る 目覚めるはどこ 異郷か知らぬ世界か  いつか再び あなたに逢える 記憶の糸を ずっと繋いでいて
コッペリアの柩石田燿子石田燿子宝野アリカ片倉三起也黒い太陽が 沈まぬ街で 誰もが黙って 奇術めき働く  金属の壁に 囲われた部屋 私は朝まで 死んだように眠る  あなたが見えない この眼は見えない 我ら造りたまいし神  コッペリアの柩 人は踊り疲れた人形 祭壇の羔 機械仕掛けの夢は どこに向かってゆく  世界の終わりを 予言が告げる 隣人の扉を 兵士たちが叩く  幾千の指が 翼のように 折られ畳まれて 祈りだけが昇る  あなたに会えない ここでは会えない 我ら救いたまえる神  コッペリアの柩 流れる涙はもう枯れ果て 血に飢えた孤独 死は天使の和毛の 匂いをさせて舞う  それでも触れたい この手で掴みたい 我ら護る唯一の愛  コッペリアの鼓動 生きることは痛みを知ること 脱ぎ捨てた靴を もう一度踏みならし 迷わず歩き出す  コッペリアの柩 暗闇から目覚める光よ 祭壇の羔 螺旋の途切れた夢は どこに向かってゆく
君影草ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Tsuyoshi Watanabe静かに 鳴く風 広がる 野原で  緑に 埋もれて 連なる 花の名  君影草と そっとあなたは 俯きながら 鈴の音の声  ああ人生は 美しいと そう教えてくれた人  光を受け 咲いていよう 悠久の時 その中の 一瞬だとしても  涙の しずくで 育った 花のよう  果てない世界 その片隅で 寄り添い集う やさしい縁(えにし)  ああ人生は 時に哀しい 触れた指は離れて  またひとりの 夜が降りる 思い出という 忘れ物 胸の奥 仕舞って  生きることは なおも愛しい そう今ならわかるから  ああ人生は 唯 美しい  悠久の時 その中で 重なる 煌めきを
ドリアンヌ嬢の肖像ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也わが名はドリアンヌ わが名はドリアンヌ この世でただ独り 永遠を友として生きる者 この退屈な物語 なぜ貴方は聞こうとする  仮面集う夜会 夜毎薔薇は開く 少女の声で歌う 若いままの私  愛おしきはただ退廃と 尽きもせぬ享楽と 艶やかなる肌 血に濡らす 残虐と幻惑と 刻は 月下に散り  微笑みは常に輝けど 愛することなど 倦み果てて 貴方の瞳に映る姿は 空ろな生き人形 穢れ知らぬ手は 抱くことのできない  夜更けに上るのは 開かずの塔の部屋 壁に掛かる私の肖像画 描かれたその貌だけが また醜く 年老いていく  誰も知りたくない 真実の己を 胸へと塗り込めた 数々の罪を  光は暗闇覆うごと 凄惨に傷ましく 衰えぬ美こそ祝福の 悪の神 わが命 戻る術はいらぬ  虚無から羽化した絶望が 目映く世界を映し出す 貴方の深い瞳に 忘れた心が 甦ろうと  愛おしきはただ退廃の 尽きもせぬ快楽と 厳かなる時間 血に浸す 残酷と幻覚と 今だけを見つめて  涙の先には何もない 愛することなど意味はない それでも 生きているのは 変わらぬ私である為だけ あの絵を断ち切る ナイフなど持たずに
森の祭典ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也青い月の下で眠りましょ? 悲しいお伽話の続き? もう聞きたくはなかったのに? 長い髪を梳かし微笑んだ 緑魔の女が歌い出した 精霊のレクイエム それが始まり  森の中にお城を見つける すぐに駆け出したの でもそれは大きな樹が見せた幻 霞の中歌う薔薇の園? 何もかもまやかしの姿を見せる 今こそ逢魔ケ刻? 臆病なの 全ては闇の中  裸足のまま土を歩いた後から 名もない虫たちが付いてくるの 言葉を持たない蛹の誘惑 いつの間にか魅入られて動けない  ここからは二度と抜け出せはしない めくるめく世界 銀の翅が飛び交う 祭壇の上の 迷える仔羊 暗闇の中に 全てが現れるの  爪さえ青く染めてしまえば つま先のままで立って踊る 彼の唇の甘さだけ 蝙蝠たちの扇の陰で 見つめ合う直立の不動で アンバランスなコントラスト 捕まえたら全てを受け入れる  逆立ちする小人やさしい目の魔物? 花の実は呟き水は叫ぶ? 慄える体をどうか抱きしめて いつの間にか何もかもが真実  ここから二度とはもう抜け出せない 何もかも忘れ 羽を持って生きるの 祭壇の上の 哀れなる少女よ 怯える体に 笑い声が響くの  森の底で夜が更けるわ
Cafe d'ALIで逢いましょうALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也初めての街角 青空広場を ぐるりと囲んだ  宝石店 Tailor ジビエ茸料理店 あやしい秘密倶楽部  だけどまずはテラスの 陽溜まりのこの Cafe へ やっと辿り着いたあなた 静かに迎えるわ  ビオレッタ 茉莉花茶 薔薇の花びら添えて 多感な少年少女 あの日は向かいの椅子にある  お疲れなら裏の 双子のホテルを 予約しましょうか  白狐の BAR も 扉が開く合い言葉 そっと耳に落ちる  非日常と日常 その狭間立ち止まり 振り返って前を向いて また自分へ帰る  途端に賑わう声 素敵な仲間達が あなたの名前を呼ぶわ ギャルソンの私達もいる  だからまずはテラスの 月明かり差す Cafe へ やっと巡り逢えたんだもの ほら約束通り  次もここで逢いましょう 席を外してもすぐ 誰もが戻ってくるわ 宝の在りかみたいな場所
La Fee Verte~アブサニストによる音楽的試みALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也夜の腕のなか 溶ける白日夢 玻璃の杯(グラス)には 緑なす幻影  くちびる満つる薫り 舌に授けし甘露 吐息へと絡みつく 翡翠の沼の玉藻  喉を伝う滑らかなる 天鵞絨色の炎 馨しさに爛れ燻る 微醺の刻よ  月の泪受け 睡る草の野に 銀の蜘蛛の糸 白濁の朝靄  存在なきこの身は 琅?の夢獄 酩酊の底から 白々と玉眼を開けて  移いゆく囚われゆく すぐそこにある果てに 指を伸ばす畏れ焦がれ いま密やかに  緑の翅 舞う妖精 やさしき化身よ わが魂の  くちづけせんと香り 舌に留まる翠露 生と死の狭間には 緑魔の谷の奈落  移いゆく囚われゆく ただここにある果てに 爪先乗せ畏れ焦がれ いま密やかに  緑の翅 舞う妖精 やさしき化身よ わが魂の  はかなく羽搏く わが魂よ
龍驤-RyujouJAM ProjectJAM Project宝野アリカ片倉三起也片倉三起也輝き放て 人の魂(こころ)よ 炎(ひ)の鳥の如く 満ち足りる月 暗黒の闇 どちらが世界を 創り上げる  流れに 任せるまま 生きるは 易しくも 気づけば 歩みを止めて 足元 見つめている  水面に 映る姿 鎮まる 波紋(なみ)の上 広がり 荒れゆく空を 背負うように  天にも地にも つながっている この身は 鼓動を謳う  蜷局(とぐろ)をほどけ 熱き想いよ 緋の龍の如く さあ駆け昇れ 果てなき場処へ 永遠なる明日が 導くだろう 未だ見ぬ 己が 生まれる 瞬間を  孤独を 重ね合って 叫びを 分かち合う 運命は やがてわれらと 交わり 開かれよう  胸へと 突き刺さった あらゆる 感情が 血に染(そ)む 鱗となって 剥がれ舞う  最後に残るものが清らな 愛だと 信じていよう  輝き放て 人の心よ 不死鳥の如く 満ち足りる月 暗黒の闇 どちらも世界を 創り上げる 彷徨う 嘆きも 祈りも 埋めながら  高みは既に 翼の先  蜷局(とぐろ)をほどけ 熱き血汐よ 緋の龍の如く さあ辿り着け 果てなき場処へ 永遠なる明日は 導くだろう 未だ見ぬ「僕ら」が支える その時代(とき)を  生きとし生ける者たち この世 命こそが 神
恋闇路ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也啼くのは鴉か 魂迎鳥か 凌霄花も 燃える道行  人の闇路も 此処より過ぎれば 憂き世の誰も 追っては来られぬ 主様 お手を  針の孔ほども ありゃせん後悔は 人でなしの恋 野垂れてござれ がしゃ髑髏  三千世界を 刹那に生き抜き 非道を潜った ふたりにゃ地獄も極楽  すべて捨てて 禍夢の中 さあ入らんか  その肩を撫でる 濡羽色羽織 背で 風孕み 闇に舞う 闇  巡り合うたら 命の崖端 確と繋いだ 指の先にだけ 巡る 生き血  罵れ女衆 日の当たる場処で 胸を抉るよに 惚れ貫く悦びも持たず  十万億土は 死んでも遠くあり 外道の棲処は 子飼いの毒蛇も蜜猫  纏いついて 漏れる邪念を たんと舐め取れ  針の先ほども ありゃせん未練は 人で在りし日よ 野垂れてござる がしゃ髑髏  三千世界を 刹那に生き逝き 非道の限りの ふたりにゃ地獄も極楽  すべて忘れ 禍夢の中 さあ暮らさんか
地球でALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也天映す 水面 輝く緑 巡る風  雨の恵み 受けて 大地を 踏みしめる 世界の何処にいる 僕も君も  肌の下 流れている 静かな川は あたたかい  永い時をつなぎ 繰り返した先の 誰もがそこに立つ  生きよう 生きとし生ける人間 ともに 出会うことなく行き過ぎても 同じ星  喜びも涙もある 愛を持たない場所はない  だけど僕にあって 君にないのは 自由 遠いその国では  生きて 生まれてきた君よ ともに 触れ合うことは出来なくとも 生きよう 生きとし生ける人間 ともに 出会うことなく行き過ぎても 同じ星
ぶくぶく空が…ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也冷たい雨にうたれて 駆け出したの 行き交う人の傘だけ はなやぐ睡蓮のよう  ぶくぶくぶく空が アブクをたてる Rainy rainy day どうして 言えなかったの ごめんねの一言が  水たまりは底なしの 沼になって わたしの足をのみこむ 転んで服もずぶ濡れ  ぶくぶくぶく空よ アブクをたてて Lonely lonely day ハートを 洗いながして 泣きながら笑っちゃう  “もしもし おじょうさん ごきげんいかが?” 手をさし出したのは 笑顔のあなた  ぶくぶくぶく空は アブクをたてて Shiny shiny day 夕日を 磨いてたのね だってこんなに まぶしい
ノスフェラトゥALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也目に見える景色なんて もう生きる場処じゃないの  なぜならあなたの眼の奥へ わたしは旅をしてる  交わる青い炎が この世界で ただふたつの命となって 舞っているわ  エフェメラル 雪のように  人間は出逢うことを 運命と信じるのね  たゆたいながら選び取れる 互いの半身なら  混ぜ合う罌栗色の血は 終わりのない 夢魔の痛みを甘く包み 頬に昇る  重ねた青い吐息が この世界の 最後の見果てぬ死となって 留まっている  エターナル 星のように  エフェメラル 甦る ノスフェラトゥ
TailorTの変身譚ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也誰もまだ見たことない あなたへと仕立てましょう  首のネクタイ解くように 心つないでる枷を外す  お好きな色こそ もっともお似合い 寸法ぴっちり 測ったあとは さあお任せを  銀のハサミが断つ 型紙のない生地 ただひとりの為のテーラー お針子たちが踏む ミシンの音ミュージカル 新人の主役を 待っている  マネキンめいた裸へと 仮縫いピン留めて 息も止めて  襟やボタン お顔に映えるように ふたつとない その個性 華やぐデザインを  1ミリも違わず 仕立屋は線を引く 着心地も見た目も極上 誰もが振り返り あなたに見惚れよう ほらまるで 銀幕のスターです  絹糸は縫い閉じる これまでの人生を 熟練の指先 動く 忘れたい記憶も 消してしまいたい過去も 朱子織りの裏地に 仕舞われる  銀のハサミが断つ 魔法のような生地 その一着の為のメゾン お針子たちが踏む ミシンのオートクチュール 新しい衣装で 生まれ変われ  でも服を一度脱げば 抜け殻は そのお体  「ご婦人用もございます。テーラーT店主」
恋愛分子ガストロノミーALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也初めて口にするのよ 目の前 饗されてくキミ カトラリィ必要ない 触手を伸ばす  まなざし煮詰めて ヒトミ融ろけそう  充分まだ熱いうち 瞬間に凍らせ閉じ込め 絶頂の絶品なる 心臓(ハート)のエキス  白衣のドレスを 汚す果汁さえ 芸術的(アーティスティック)だわ  盛られてキュイズィーヌ 迷い選ぶアラカルト 恋して美食学(ガストロノミー) 学べお食べ 閉ざされた厨房から 追求しましょう 二度と並べられぬメニューを  ふたりは分離されつつ 混ぜ合う組み替えられて 斬新かつ伝統的 秘蔵のレシピ  食物連鎖で つながりあうほど 優しき捕食  召しませエスプーマ 泡のようなアムールを 美味しい化学(ケミストリー) 炙りだして たった一匙 真実 呑み込みたいのよ この身甘く果てる時まで  盛られてキュイズィーヌ 迷い選ぶアラカルト 恋して美食学 学べお食べ 閉ざされた厨房から 解明しましょう 二度と並べられぬ刹那を
誰ソ彼パピヨン回廊ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也灯しましょう パピヨンの 夜に羽ばたく翅を 唯一の 道標に  その爪先 あと一歩 進めますか どちらへ 見えない前 見ぬ後ろ 選ぶのは此処で あなた  お急ぎにならず 考えあそばし  抱きしめて温めて 未も睡りつづける 幸せの繭たちを  傷ついて傷つけて 零してきた涙の 数だけ綺麗な 命が羽化する  幻(ゆめ)と現の狭間 開く扉の鍵 もうとっくにお持ちね  床のうえに 散らばった 星の欠片 花片 赤い魂 青い記憶 生なる日々は紫  沈みゆく刻も 煌めくものです  舞いあがれ その幽体(からだ) 耀く鱗粉(ひかり)浴びて 黄昏の向こう側  追いかけて 引き寄せて 次の世界を創る やさしい思い出を いくつも重ねて  積み上げては壊して なんども生まれ変わる 誰でもない誰かに  灯しましょう パピヨンの 夜に羽ばたく翅を 唯一の 道標に  夢見ませ ひたすらに 今 生きているという 唯一の 真実(まこと)を  抱きしめて 胸深く そっと息を潜めた 歓びの繭たちは  傷ついて傷つけて 捧げてきた涙の 数だけ美しい あなたに目覚める  幻と現の狭間 閉じた扉の鍵 もうわたしへお返し
聖少女領域石田燿子石田燿子宝野アリカ片倉三起也まだ云わないで 呪文めいたその言葉 「愛」なんて羽のように軽い 囁いて パパより優しいテノールで 奪う覚悟があるのならば  百万の薔薇の寝台(ベッド)に 埋もれ見る夢よりも 馨しく私は生きてるの どうすれば醜いものが 蔓延(はびこ)ったこの世界 汚れずに 羽搏いて行けるのか ひとり繭の中 学びつづけても 水晶の星空は 遠すぎるの  まだ触れないで その慄える指先は 花盗人の甘い躊躇い 触れてもいい この深い胸の奥にまで 届く自信があるのならば 白馬の王子様なんて 信じてるわけじゃない  罅割れた硝子厘(ケエス)に 飾られた純潔は 滅びゆく天使たちの心臓 また明日も目覚めるたびに 百年の刻を知る 眠れない魂の荊姫 くい込む冠 一雫の血に ああ現実(いま)が 真実と思い知るの  まだ行かないで 月光の結界で 過ちに気づいてしまいそう 安らかなぬくもりに抱かれ 壊れたい私は 罪の子なのでしょうか そっと零れてくる 涙の意味さえわからない  もう云わないで 呪文めいたその言葉 「愛」なんて鎖のように重い 囁いて パパより優しいテノールで どんな覚悟もできるならば  さあ誓ってよ その震える唇で 蜜を摘む 狩人のときめき 攫っていい この深い胸の奥底を 射抜く勇気があるのならば 貴方 捕まえたらけして 逃がさないようにして
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
魂ノ代ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也憶えてるよな 忘れてるよな ココはどこ 桃いろの まん丸い 部屋のなか  満ちてきたよな 満たされたよな つながってる 鹿ノ子帯 目を覚ます お稚児さん  わたしは何で 産まれるのか このまま玉で いたいけれど すてきなことが 待ってるのかな  忘れたくない 憶えていたい 苦しい も 楽しい も 哀しい も 嬉しい も  わたしはまたも 産まれてゆく そしても一度 くり返すの すてきなことね それってきっと  精一杯に 声あげ泣こう
タンゴ ダダALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Arika Takarano革張りの寝椅子(カウチ) 裸の背に貼付く ただ一点を見つめ 死人のポーズ  紫の烟り纏う その眼差しは 乾いた砂のように どこまでも私を沈める  行き場のない 哀しみたちが今 重なり合い踊りだすのは 情熱のタンゴなの 燃え尽きるまで接吻を 交わしましょう  支那扇あおぐ 黄昏のバルコンで 宵闇待つ肌に 白昼夢の心を添えて  失うこと 分かっているのなら やさしい手で殺してみてよ この恋を ひと思い 鮮やかな熱い血が まだ流れるうち  行き場のない 悦びたちが今 重なり合い踊ってるのは 情熱のタンゴなの 息絶えるまで抱擁を つづけましょう  失うこと 分かってしまうから 女の手は壊していくの また愛を 人生を 甘い声で愛しい名を 囁きながら
Maison de BonbonniereALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也ブーツで割る Creme Brulee の石畳を  見つけたわ 探してた 絵本のようなお家  屋根は Gateau 壁は Mousse 窓は Gelee 床は Biscuit Macaron の椅子  一日中午後三時 満ち足りて まだ足りぬ お砂糖の誘惑  千の甘い仕合わせを 仕舞うための わたし Bonbonniere  うっとりと好きなだけ 腰のリボンをゆるめ 指は Fondant 瞳 Bonbon Marron の舌は とろけて Glace ここはお菓子の国 魔女はとうに焼かれたの  膨らんだ Gomme の頬 煮崩れる Gommeux の口 Confiture の脳  苦い恋も 掻き混ぜて 竈のなか 焦げていい匂い  たっぷりと好きなだけ 叱るママンはいない もっと Tarte Tatin たんと Guimauve 弾んで 揺すって Pudding ここに鏡はない 大人になったグレーテル  もうカラダ 重すぎてドアを 抜けられない  お入りよ 召し上がれ 小さなヘンゼル坊や Blanc Manger おしり Flambe Sirop たらして 添えて a la Mode 可愛い Compote になれ あら わたしが魔女かしら
BAR酔芙蓉へどうぞALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也斉藤聡ウヰスキーはいかが 飲みたい気分でしょ 竹林 風を抜け お出であそばせ  辿り着けたらあなた 乾杯をしましょ 窓の月 切子のグラスに溶かして  たまには浮き世離れ しずかに時揺蕩う 酔郷の桃源郷 爪に点した緑蛾の灯り どなたも知らない 秘密の話でも  絽の帯のうしろ 白狐の尻尾 見え隠れしたなら お酔いの証拠ね  色恋は化かし合い 騙されて幸せな 可愛い女もいる ほらあなたの帰りを 待っているひとが見える 夏の嵐のなか  私の名 酔芙蓉 うす紅から紅い その記憶は色づく 目醒めたあとは消えてゆくけど だけどまたいつか 逢いに来てくださる?  おひとりで 夢の浮き橋渡って
月下、緑雨幻想ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也くるくる回す 傘に散らばる 月光の雨  幕が開くように 流れ去る雲 星の主役(エトワール) 夜空のオペラ座舞台  森の外れのベンチは 今宵貴賓席 濡れた隣に座ってるのは 夢見る小さなわたしね  くるくる回れ 白い時計草 昔を連れて  記憶の家の 子供部屋から 壊れたオルゴール 途切れた音が転がる  煙る緑の薫りに 誘われたように 雫をまとう金のカナリア 忘れた唄をうたいだす  花のつぼみ ひとつひとつ 数え過ごす 幻想庭園  いつでも戻りたかった 夢見た頃へと 空いた隣に座った人は 優しい目をした あなたね あなたね
鏡面界 im JuniALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也六月の雨に 薄紫の花 堕ちてゆくだけの 動かぬ蝶の色 手をのばしても 何も触れない 貴方はこんなに 近くにいるのに  フロアに割れた鏡 たえずmusic流す 永遠に繰り返す 砕けたまま 星のように キラキラと  六月の雨は ひらいた花の色 読み忘れていた 詩集の紐をとく 手をのばしたら みんな消えてく 貴方もきっと 消えてしまうでしょう  フロアに割れた鏡 たえずmusic流す 虚ろって繰り返す 果てしない夢のように つめたい心の中 砕けたまま 星となりぬ キラキラと キラキラと…
平和の因子ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也美し国には 深く埋もれて眠る 哀しみ  清き水受け 生まれ変わらん 小さき芽となり  何故ならわたしたちは命 このいま願うことが 平和の因子  山も大地も 街も営む日々も 未だ在り  そうしてわたしたちは心 いまこそ生きることが 平和の因子
おとめの反乱キューティー鈴木キューティー鈴木宝野アリカ片倉三起也流行りのカッコで駆けてるあなたの 手にはマンガの本 街を歩けばつまらないおしゃべり ちょっとケリいれたいね  どこ行く?なんてネ 聞かないで 誘いだしたのは あなたなのに  つきあいきれない アイソッが尽きたの ついに乙女の反乱 うんざりしちゃう トキメキ逃げて ゴング鳴らして 退場したい  ……ごめんあそばせ  クールな振りして渦巻く 欲望 目線 私の膝 ふざけて黙って男ゴコロは とてもついてゆけない  優しくなくては 不満だし 強くなくっちゃ 燃えないのよ  つきあいきれない 何もあげない ついに乙女は乱心 うんざりしちゃう ざんげしなさい 男磨いて 出直ししてね ……十年はやいよ!  つきあいきれない アイソッが尽きたの ついに乙女の反乱 うんざりしちゃう トキメキ逃げて ゴング鳴らして 退場したい  ゴング鳴らして 退場したい ……ごしゅうしょーさま
Virtual FantasyALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也月の光を顕微鏡で 覗くように 目に見えぬものを 愛しなさい  羽音はミクロの衣擦れ 心澄まし 大気の調べを 聞きなさい  終わらぬ物語(ストーリー) めくるように キラキラ醒めないで 生きて行くのよ  未来はヴァーチュアル・ファンタジー あなたの影(シャドウ)の中にある  幾何学模様 ロマンティック  愛のしずく試験管で 飽和させ 不毛の日々へと 注ぎなさい  きらめく宇宙(コスモス)は 万華鏡なの クルクル目眩く 破壊のモザイク  リアルな画面はいつでも あなたの指の先にある  化学雪(ケミカルスノウ) ノスタルジック 流行病(ハヤリヤマイ)ノ ロマンティック  未来はヴァーチュアル・ファンタジー あなたの影の中にある  未来はヴァーチュアル・ファンタジー あなたの影の中にある
冬物語ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也冬の道に咲いた花 ふたり 歩いた頃は 気づかずに通り過ぎて いたでしょう  Why are you leaving? 呼び止めてくれる人もなく What will I live for? 抱きしめる 遠きやさしさよ 木枯らしが 少しずつあなたの夢を うばってゆくの  あの日 落ち葉踏みながら 靴のほこり 気にして 別れの言葉も あなた 少なげで  Why are you leaving? 問いかけることさえ出来ずに What will I live for? 街は雪 時が止まるよう その腕を はぐれたままでは どこにも 帰れないのよ  今はそっと眠っている 春が目覚めたら 私 あなたの幸せを きっと願えるから  Why are you leaving? あの頃につづく道はなく What will I live for? 抱きしめる 遠き愛しさよ いつまでも 私の心はあなたを探しているの  Why are you leaving? 追いかけることさえ出来ずに What will I live for? 雪の中 愛は埋もれても ふたりには 忘れなきゃならない事は何もないはず
アタシ狂乱ノ時代ヲ歌ウALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也溜まって堪り兼ねて 悪血のような 膿んだ言葉 綺麗な鞣し革の 匣じゃない この肉体は  虞美人草の口が 嗤いさんざめく さあ皆 罅割れた 仮面を外して  光を厭う華も 咲き方を知っているの 腐臭は美惑の香り 毒の蝶 生け捕るため  お先の見えない 明日を監禁 玻璃星昇り果て 闇間の楽園  あたし狂乱の時代に歌う 現 夢のごとく 誰も享楽の季節に淫す 恥も見栄もかなぐり捨てて  Wow Wow Wow! Wow Wow Wow! そうして求め合えばいい 偽物になれない愛を  博愛 自由 平等 美しき三つ巴は 奇しくもどれか欠ける 誰様の向こうあちら  日の目を見たって 忘れられないわ 瞼覆う目隠しの 絹布の恍惚  汝狂騒の時代に眠れ 夢 現のごとし 甘美な地獄の季節を越えて 紫煙の中消えてお終い  Wow Wow Wow! Wow Wow Wow! 別の自分が目覚めては 同じ自分に生き返る  日々は狂乱の時代に踊る 未来 過去の彼方 記憶のどこかで置き去りにした 青い鳥の羽が横切る  あたし狂乱の時代を歌う 現 夢のごとく 誰も享楽の季節に淫す 恥も見栄もかなぐり捨てて  Wow Wow Wow! Wow Wow Wow! そうして求め合えばいい 本物になれない愛を
恋は芸術気質ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Yoshihisa Hirano朝は絵描き 屋根裏部屋の 寝台はアトリエ 光の筆で 夢の君を 隈無くなぞり 飾る 名画  夜は詩人 浪漫派気取り 天窓に菫 床下に星 そばに居ない人を 魔法のように僕は 狂おしい言葉で抱く  恋はなんてアーティスト あふれやまぬ才能の さて正しい使い道が わからないんだ  悩ましい姿を見せておくれ  夜も朝も わたし踊り子 林檎のお酒で 薔薇色の肌 男たちの椅子を 猫の尻尾で撫で かりそめのLOVEを零す  恋はきっとミュージカル 泣いて笑うオペレッタ でも筋書き通りじゃ厭 予期せぬアンコール  ひとりの誰かに歌いたい  恋はなんてアーティスト そしてなんてミュージカル 世界一の 芸術品 二人で作ろう  今すぐ 出逢いに出掛けよう
パラソルのある風景ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也空飛ぶパラソルを追って あの娘は行ってしまった 水槽の金魚のひれが おだやかな殺意のよう 私の大事な媚薬を盗み あの人に飲ませた 罪は重い  行方不明の哀しいポートレート しぶい髭の探偵は たくさんの少女の中から 私の腕を捕らえる 昨日はお部屋で眠っていたわ そんな娘は知らない 他をあたって  まっかなパラソルが浮かぶ 湖に犬がほえる 探偵は首をかしげて 完全犯罪成立 私は見つけた媚薬の獲物 お髭の探偵さん 貴方がいい
喰らう女ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也霞嘗めて生きる つもりだった舌は 有象無象の味を 覚えすぎて健啖  まだ肥えて また飢えて 痛ましいくらい 辛くもっと 甘くずっと キリないんだもの  飼い殺しのピラニアたち 鋭い歯で 跡形無く砕いてよ わたしの存在(からだ)も  負った傷見えない 朱い口開けて 呑み込んでいくのよ ありとあらゆる感情  まだ吸って また嘔吐もどし 咀嚼できなくて 早くもっと 深くずっと 理解したいのに  飼い慣らしたハイエナたち 腐肉噛んで 凝った血も溢れ出し 生き返る獲物  喰らい喰らえ 人生を 喰らい喰らえ 快楽を  まだ肥えて また飢えて 痛ましいくらい 辛くもっと 甘くずっと キリないんだもの  まだ吸って また嘔吐し 咀嚼できなくて 早くもっと 深くずっと 理解したいけど  飼い殺しのピラニアたち 鋭い歯で 跡形無く砕いてよ わたしの存在も
Royal Academy of Gothic LolitaALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也忘れないわ 鉄の門をくぐり おそるおそる 階段のぼった日を  ときめく胸に抱いた 百合の紋章の 許可制の手紙 描かれざる地図  孤独だった だけどいい子でいた そんなわたし 神さま見ていらした  初めて自分の居る 場処を見つけたの 静かに頷き 微笑む仲間も  共に あらん 麗しのひととき  着飾って 薔薇の春 白い肌に 染まる紅 陽の光が 少女の頬に 恋した証  わたしたちの 未来を試すため 魔女の森が お城の裏に繋る  妖かし見せる媚薬 抗えるものは 大事に育てる 清らの一滴  迷う 小径 引き返せないなら  纏いましょう 闇の冬 未知の祈り 沁みる影 凍った月も 聖なる歌で 溶かせるように  着飾って 薔薇の春 白い肌に 染まる紅 この光はけして消えない  纏いましょう 蝶の夜 また目覚める 夢の庭 遠いいつか 手を取り戻る 再び此処へ
極まれりALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也赤(rouge) 画家(えかき)は描く 朱色の 絵の具で 身体に溢れる 血のように心臓のように 画布の上に  青(blue) 詩人は綴る 滲むペン先で 瞳から伝う 哀しみや憂い魂を 漉いた紙に  黄(jaune) 歌い手は泣く しずかなる声で 眠れる涙を 慰めるように撫でながら ひかり示し  黒(noir) 舞踏家は舞う 自らの脚で 鼓動をふるわせ くうを蹴り腕を遠く上げ 大地の上  白(blanc) 私は探す 透明な心は まだ色持たない 歓びも苦しみもすべて 受け取るまで  De quelle couleur est le monde? 世界を彩る ひとりとひとり 誰もが生きている 成すべきものの為に
マダム・ノワール−Madame NoirALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也殻のように重たい 青い制服を脱ぎ捨て アノヒトの窓辺に 飛んで行きたいと思う  触れれば血の滲むような 純潔に縛られた 少女達  煌めく地上では 愛さえも機械仕掛け 決められた時間で 消滅する遊戯(ゲーム)なの  メトロの終着駅から 夜の国へと 切符をすりかえて  マダム・ノワール その胸に 幾夜も抱かれて わたしたちは真実を 見いだす魔術を ああ 教わる  仮面の王者に 君臨する男達 麻痺した心を 燃える愛で救いましょう  自分探し未来都市を 炎のサーカスに変えて 踊るのよ  マダム・ノワール 闇夜から 光を見た時 神話の昔(かこ)生き絶えた 天使の羽ばたき ほら 聞こえる  マダム・ノワール その指に 髪を撫でられて わたしたちは明日を待つ 儚い命と知っても  マダム・ノワール 世紀末最後の答えは 瞳とじて見るよりも  目をあけ 見る夢 美し ああ 麗し
木洩れ陽のワルツALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也子供たち 回すよ ストリート・オルガン 公園のパントマイムに 人が集まる  道化師が 差し出す 目に見えない 花が だんだんと 色づき 風に香るよ  おしゃべりは 止めにして 今は 耳をすましましょ  Accordez-moi このまま 木洩れ陽舞う花園で Embrassez-moi 踊ろう 猫たちも誘い出し  肩肘を張っても 溜め息で壊れる そんな日は おいでよ 夢を拾いに  ほほ笑みをもう少し ほらね 呼びもどしたなら  Accordez-moi 誰もが 木洩れ陽舞う街角で Embrassez-moi 恋する 鳥たちもささやくよ  Accordez-moi あなたと 木洩れ陽舞う劇場で Embrassez-moi 会えそう 噴水の貴賓席
巴里と画家と女ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也平野義久陽のあふれるアトリエで 絵筆を取る 今日もまた 一日中何もかも忘れて ただひとり  モンラパン 窓辺に 君が飾った雛芥子が揺れて 美しい街並み 見下ろす夕暮れを僕は愛する  仲間と集うカフェ 喧噪と笑い声に満たされる なのになぜ思い出すのか 捨てた故郷(まち)を  逃げるように 背を向けた いまは遠い 異国の地 もうここでしか 描くことができない  目を閉じれば 見えるんだ 罪などない 人たちが 僕の名を呼びつづけているずっと 君のように  モナムール あなたの 夜空色した瞳が好きなの 静かなノワール 暗いカンヴァスに星が灯るわ  本当に描きたい風景は 心の奥に眠る あなたもきっと わかっているはずでしょう  悲しみなど そこにない 過ぎたものの 優しさが 光混ぜた絵の具の 色になる  ああわたしは旅をする 見たことない異国の地 少年のあなたが遊んでいる ほほえんで  哀しみはもう そこにない 過ぎた日々の 懐かしさ どこにいても 僕を包んでいる  ねえわたしを 連れてって もし許してくれるなら そっと芽生えたこの命を抱き 愛しい人の国(ふるさと)へ
恋の翼は真珠色の骨を持ちALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ふたたび生を受け 別の日を生きれるよう 心ばかりが宙を舞って 横たえる肉体は ただひとつの想いに 押し殺されて 絹の褥も土  もしわたしの両の耳が 重なり合う薔薇ならば 夜の中に吸い込まれる 己の泣き声たちを 音楽のように聴いては 切なさの欠片でさえ 愛おしんで掬い取って ただひとつの美しい 歌を編んで散ってゆくのに  恋を知らぬ頃は 孤独さえ友のように 寄り添って夢に戯れた 小鳥の羽ばたきも 今はただ恨めしい 待つ身の骨は 想い放てぬ鳥籠(おり)  蒼褪めたわたしの舌が ちいさな翼だったら どんな叫びも掠れずに 空の果て昇れるのに あの教会の屋根にさえ 届かない祈りばかり 光浴びることも出来ぬ 許されぬ子らとなって 生まれても闇に積もるだけ  ここは狭くて 暗くて広い 貴方の姿 どこにあるのか わからなくなりそう  もしわたしの双つの瞳が 漂う湖ならば こうして見つめる貴方を どこにも行かせぬように 乾かぬ涙に張られた やさしい水面を割って 引きずり込み溺れさせて 貝の中閉じ込めたい  虹と共に わたしの永遠に
恐怖の頭脳改革ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也ランラランダ 少年が言う オオカミがきたぞ! 村人 銃をかかえ 丘へと急ぐよ  ライラライダ 羊は言う ぼくたちは安泰 守られ 干し草を 食み昼寝さ  嘘じゃないんだ ヤツは 森へと 消えたけど すぐきっと 戻ってくるよ  ランラランダ 少年また オオカミ!と叫ぶ 村人 向かえども 長閑な丘  やがて 誰も 耳を 貸さない 真面目に信じたら 馬鹿を見るさと  人も羊 群をなし 同じ平和に慣れていく 危険なんて絵空事  ランラ懶惰 オオカミは言う 俺(オイラ)の好物は ライラ懶惰 家畜より人間の方さ  武器を 持つ間も なくて 全員 食べられて村には ほんとの平和
硝子天井のうちゅうALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ガラスの天井 眠りにつくとき 見上げれば夜空は 世界中の 物語を聞かせてくれた  それはどこ? 遠い海 行き交う人の みんな青い目をしている それとも遠い砂漠 らくだに揺られて 終わりのない 旅  四角く切り取られた宇宙 それが僕のすベてだった  あれはどこ? 遠い星 宇宙の果てに いつしか連れて行ってくれると 約束したね 今も あの頃のように 信じて待っている
わたしは慾望という名の處女ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也もしもココロが 臓器みたいに この肉体から 取り出せるなら  あなたに渡すのに  わたしが独り老いても それは何も知らぬまま 氷のガラスの中で 煙りもせず泳いでいる 脚を開けぬ 人魚のように  そうして守りたい たった一度の想いなの  もしも背骨が 突き破るように トゲ生やして伸び 肌覆うなら  わたしはわかるのに  おのれの祈りの痛み 叫ぶこともしたでしょう 恐れの切尖に触れ 流すことが赦されたら 清らかな血で 生まれ変われた  抑えた想いはもう 割れない卵で腐るの
LABYRINTHALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Flyin' to my Dream ひとりじゃないこと あなたの胸で はやく教えて 呼びつづけて 私を  自由という名の 迷路の真中で 途方にくれながら 膝を抱えてる  鏡の壁を覗くたび ワタシハ ダレと こだまが問いかけるよ  Flyin' to my Dream 凍てついた夜を いくつ壊せば 未来が見えるの Labyrinth of my Heart 幾重にもつづく 扉の向こう 何があるのか 連れて行って 私を  愛という名の 深い森の中で 何度も傷ついて あなた探してる  少女の夢で信じてた 出逢いの奇跡 いつか星が導く  Flyin' to your Love ひとりじゃないこと あなたの胸で はやく教えて Labyrinth of my Heart まだ見ぬ光が 心の隙間 満たすその時 生まれ変われそうなの  Flyin' to my Dream 見えない翼は どんな風にも きっとはばたく Labyrinth of my Heart 幾重にもつづく 扉の向こう 何があっても 呼びつづけて ずっと 連れて行って 私を
女化生舞楽図ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也斎藤聡篝火から 煙立って 天へ昇る 鳥のようね  燃えてるのは もう私だけ 肌に夕日 傾れ落ちて  踊る足首 触れるのは 冷たく熱い指 この世とあの世を行き交う 海辺の砂の一粒  抱えすぎた 女たちの 肩に掛けよ 錦(きん)の袖を  死んだ恋の 花が開く 浄土の岸 まで幾晩  瞑った眼の奥 横切る はるかなる唄声 薄闇に出会うあなたは 誰に似ているのかしら  哀しみの化身が纏う 極彩の羽衣 目映さの中にすべてを 収めて 舞う  伸ばす手首を 掴むのは 優しく強い指 この世とあの世を行き交う 波間の風の一片  悦びの化身を纏う 私は片羽の 飛んでゆけない胡蝶なの 独りの 舞い  醒める 夢は つづく 繰り返し
私の心は語る薔薇の御胸を葩の御身をALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也目蓋を閉じれば 私のからだは 真珠の芽を持つ 一本の茎  しずかに翡翠の 血は流れ巡り 絡み合う蔦となって 伸びてゆく  馨しい夜に 育った蕾は 明日の朝には 綻ぶでしょう  ひとつまたひとつ 大輪の花は 世界を春に変える  さあ乙女よ 手折って その髪に 飾りなさい そして愛しい人の元へ 知っているの誰よりも 恋の切なさ だからこんな美しく 私は咲くの 月光に抱かれて  葩びらが宿す 雫は大地への 贈り物なの  すべてが息づく 森も野も風も 深い薫りを纏い お城では舞踏会 王子の手で 実りましょう その真実の愛のために  知っているの何よりも 恋の悦び ただ一夜の命でも 甘やかに散る  さあ私も 目覚める 太陽の腕の中 おとぎの夢 聞いてくださる?  感じている今もまだ 恋の切なさ だから最後の時まで 綺麗に咲いて  もう忘れていいのでしょう
最後の美術館ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也どれほど目にしたことだろう 幾つも美しい絵画を  光と影の色 画家たちの心は わたしの胸にまで 絵の具を塗り重ね  何気ない日々を 彩ってゆく 思い出をそっと 飾るように  どれほど見つめたことだろう 幾たび美しいあなたを  花の咲く朝にも 湖の夜にも 繋ぎ続いてゆく 景色の真ん中で  淋しいわたしに 微笑み灯し 導いてくれた 言葉なき詩  愛するとは 一枚の 絵を描いて 眺めるよう 未完のまま 額縁もなく 佇む 椅子の前  光と影の色 わたしたちを包む 過去に映る反射 夢に揺れる反映  何気ない日々も 輝いていた その証  大切な風景画 最後の美術館に 見つけに行こう
埋葬の森の黄昏坂ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也病葉泥濘るむ地上は つづく足跡 覆い隠して  斑に滴る月光 木々の隙間から僕を侵し 痛みばかり鏤めてゆく  あなたのもとへ飛び立てる 翼の無いことをよろこぼう 誰も苦しみと共に 出逢うことを 望みはしない  葬りたいのは絶望よりも 生まれた小さなひかり 穿たれゆく土の底に  あなたの眠り呼び覚ます 歌を知らぬことが仕合わせだ 人は死神と共に 在ることなど 忘れればいい  あなたもとへ飛び立てる 翼の無いことを哀しもう そして蔓延った 根のように佇む  僕らは独り
恋する和牛ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也GYU!GYU!神戸牛 GYU!GYU!近江牛  おなか空いた 何食べる? 愚問ですわネ 今日も肉食女子会 LOVE ステエキ焼いて ウェルダン男子 more ほんとはレアで ah 生肉塊部位骨々  GYU!GYU!米沢牛 GYU!GYU!松阪牛  こだわり国産交雑種 黒毛和牛にご当地牛 手塩にかけて赤ちゃん牛 ドナドナ ストレスフリー放牧地 穀物牧草エコフィード おならとげっぶで温暖化?? ゲェ~  だけどわたし肉を食べたいんです 人間のエゴと思いますか? 口に入れた瞬間じゅわっと肉汁 しあわせホルモン急分泌中!  恋してるトリプトファン 燃えているカルニチン カラダあつい眠れない  GYU!GYU!十勝和牛 GYU!GYU!くまもとあか牛  肉質等級A5級 3でも1でも構わない スキヤキヤキニクバーベキュウ モォ~ 霜降り度合い脂肪分 白米糖質合わせ技 出る腹膨らむメタボリック Yay!  けれどあなた肉食べたいでしょ おいしく生きることの肉欲 中年なりの脂ぎった青春 働き盛り保て長寿社会  コレステロールまた上昇 尿酸値まだセーフ せめて添えるブロッコリー  やっぱりわたし肉を食べたいんです みなさん誘っていいですか 畜産産業応援したいんです 世界へ羽ばたけブランド和牛!  いつもわたし肉を食べてるんです 美容にいいビタミン満載 明日のための最大級活力 しあわせホルモン大放出中!  恋してるアラキド酸 燃えているカルニチン カラダあついまだ足りない  GYU!GYU!みんなでGYU! GYU!GYU!まいにちGYU!  一緒にお肉で元気出そう!Yay!
薔薇美と百合寧の不思議なホテルALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也ご予約はいつでもお受けします さ迷う旅人よ  ありふれた日常の 路地裏に門はある 葡萄樹這う煉瓦塀で 嗤う灰猫  メイドのわたしたちは 薔薇と百合の名を持つ でもどちらも闇に開く 貴方の夢のように  逢魔ヶ刻が誘う ただひとつの夜  お招きいたしましょ 蝶のランプ 高い窓へ灯し ロビーに揺れる影 暖炉の火へ重い荷物をくべてみて 惜しいものなんか無いはず  脱いだ服は抜殻 翼をもがれたブーツ もうどこにも行かずに済む すべてが足りる  逢いたい人がいたら いま目を閉じればいい 茉莉花茶の香りの中 遠い恋 甦る  優しい追憶ほど 薄れてゆくもの  おやすみなさいませ 月の糸で 織ったシーツの底 忘れた子守唄 思い出して 金糸雀が歌い奏でる 生まれる前へと 戻って  お帰りなさいませ 明けぬ宵へ さあ心ゆくまで  ご予約の二度目は 必要ない 旅を終えた人よ  お迎えいたしましょ 淋しければ 美酒のグラス掲げ サロンに踊る影 言葉はなく 知らない者たち同士で ここでは素顔が仮面よ  いつまでも変わらない わたしたち待っているわ
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
21世紀新青年ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也鈍色眼鏡 曇り硝子 磨いて君が覗いた 未來のメガロポリスの街 今日も僕は歩いてく  革のブーツの踵鳴らす アスファルト奏でるビート どこかいつかの君の耳に 送ろう 僕の音楽  影を曳き踊った 地下道のアダムたち  世界の始めから同じ 闇に 聳えた文明は まるで書き割り舞台の様さ 月と太陽貼り付けよう  求めて止まぬのは いつの世も変わらない  飛ばせ 空想の 機械仕掛けの羽広げ 回せ 螺子巻きを 人は自在な自動人形オートマタ 次の角曲がり 建設途中の理想郷ユートピアへ 手を貸しに行こう  視えないものを視せないように クリアを装う現代さ 最初から穢れたものなど けして在りはしないのに  螺旋状の記憶が 眼の奥で立ちのぼる  走れ 蒸気列車 時空という線路の上 廻せ 歯車を イカれた科学者のように 遙か もうひとつの 過去へと明日へと旅をしよう 今を創るため  飛ばせ 空想の 機械仕掛けの羽広げ 外せ 撥条を 人は自由な自動人形 次の角曲がり 完成間近の理想郷で 僕等は 出逢おう
ヤマトイズムALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也頭を上げ 振り返るな 歩む後に 道はできる 大和の血を受け継ぐ者 御空に舞う孤高の鷲 遙かなりし誰(た)が魂か  瞼に受ける旭日 無数に散った粒子は われわれの奥底 寝静まった記憶の 水面を割る 強く優しく  果てなる遠き過去から 一歩また一歩進んで 向かいつづけてきた かの場処にあるのは けして暗い闇ではなく とこしえの 輝く源  刮目せよ 光宿す その眼に 映るものは この世のあらゆる 苦しみ悲しみ そして優るよろこび  頭を垂れ 祈り捧ぐ 導かれた 時の中の 一人として 生を享けた 真の意味を教えたまえ 勇猛なるわが祖先(ちちうえ)よ  時代(とき)の流れは激しく またたおやかに行き過ぎ 黒漆の箱へ 仕舞われた歴史は 未来(あす)の姿映すだろうか  夜の静寂に眠れる 幼子たちの見る夢 まるく握りしめた 小さな掌に 包まれた見えない種が いつの日にか花咲くように  瞠目せし おのが力 この躰に 秘めたるのは 未知なる力と 限りない叡智と そして愛する念い  頭を上げ 振り返るな 歩む後に 道はできる 大和の血を受け継ぐ者 御空に舞う孤高の鷲 遙かなりし人の御霊か  -------------  刮目せよ 閃光曳く その眼は すべてを射る 炎にくぐらせ 打たれた鋼の 煌めく刀のように  頭を垂れ 祈り捧ぐ 導かれた 時の中で 日出づる国 生を享けた 真の意味をいつか知ろう 勇猛なる先人たちよ  母なる大地 われらが祖国
天体瑠璃星万華鏡ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也コバルト色の空へ 翼広げて 飛んでみたいと願う 太古より人類(ひと)は  竜のように強く 鳥のように優雅に どこまでも自由に 軽々と遙か高みへ  だけど私が飛べるなら ひそやかな蝶がいい 花の香りに誘われて 風に舞う瑠璃楊羽 大切な蜜運び また次の花へと舞う  誰もが遠い目をして 見果てぬ夢を語るわ 折れた羽 繕うことなら できるけど 心が傷ついたら すぐ近くにある 美しいものを見つめて  藍の雲間 瞬く あの星々へ 行ってみたいと思う いつの世も人類は  望み 希望 欲望 時に闇を抱える 深い胸の中は 夜空より輝けるのに  ずっと私はここに棲む どこよりも青い星 入り江の町の片隅で 瑠璃ひかる海原(うみ)眺め 愛しさに出会うのを ただ信じ待ちつづける  誰もが俯きながら 囁く未来のはなし 繙かれた神話の おしまいが来ても 恐れたりはしないわ この地に生まれて いまを生きてきたのだから  誰もが青い目をして 見果てぬ夢追いかける 折れた羽 繕うことなら できるから 心が凍えたとき すぐ隣にいる人の ぬくもりを抱きしめて
薔薇異形デーモン閣下×宝野アリカ(ALI PROJECT)デーモン閣下×宝野アリカ(ALI PROJECT)宝野アリカ・デーモン閣下片倉三起也片倉三起也目覚めても 視る夢は 鼓動持った 悪夢 躰は 蠢く  明日の朝 分からない 命いずこ 性根は 汗ばむ  求めるのは 悦びより 朽ちてなお薫(くゆ)る花弁(はな)  生きる場処を選べたら あなたを攫って 逃げて行くのに  愛してると誓うのに 私はあなたに 破滅をくべる  異なるものたれ 黒毛皮(くろかわ)の褥(しとね)で  なきものを 呼び醒ます 心深き渇き 嫌悪は果てなく  ありふれた 人という仮面のまま もう誰も 愛せまい 退くのが 耐えられない 薔薇(そうび)ちらす嫉妬心(そねみ)に  ふしあわせに臨むのは 理性の空では 望みもしない  こぼれおちる哀しみは 埋もれた月の炎(ひ) 鎮めるだろう  異なるものたれ 白日の博愛(ひろい)で  甘き蜜は 荊の獄 捧げ合う 恋の毒  生きる場処はここにある この身を抱きしめ さあ手を延べて  愛してると誓うとき 私はおのれに 楔を打たん  異なるものたれ 微笑湛えたまま  そしてあなたを想う
放蕩娘と無慈悲な遊戯ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也ただこの欲望に 不実になれないだけ 継母が家中に いくら鍵を掛けても なめらかに素足は 夜を駆け抜ける  潤んだ躰が 行き場のない波で 鈍ってしまう前に  少女のように患い 娼婦のように誘う 恋という幻戯の一滴を  まずは口に含み そっと 呑み込んでみればいい  ただこの快感に 味を占めただけなの ほろ苦くて甘い それはほんの一瞬 厳かな腐敗に 舌が溶ける間の  熟成が進めば もう戴けないわ 愛となり黴を持つ  貴族のように憂いて 下賤のように嗤って 魂に身分与えたら  人間(ひと)は誰でもみな平等 そう思ってみるわ  でもこの感情は 差別するためにある 愚かしいあなたを 殺して差し上げたい せめて貫くのは 恍惚の槍で  生きることはすべて 悦びと知るほど その先を見てみたい  ただこの欲望に 不実になれないだけ 神様が手首に いくら鎖巻いても 私は最後まで 光に背くわ  美しく盲いる 暗い柩のなか 責め苦に耐える為に  快楽に酔い
朗読する女中と小さな令嬢ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也最後の朗読をしましょう お嬢さま いつものように暖炉の前 人形抱き 凭れ お聞きなさいませ  妖精 スミレ 冠 お城 きれいで気高い王女なら 茨の鎖に巻かれても かならずや ほどかれる  お屋敷 嵐 オオカミ 暴動 木の棒 打たれて叫ぶのは 火の粉に 焼かれて呻くのは 誰でしょう おいたわしい  夜毎お聞かせした 童話を お嬢さま いつまで憶えておられよう 私はもう今宵限り 忘れます  夜明けには黒い 馬車が迎えにくる あなたの一族 を乗せるために 止められない物語 歯車を回し
FeliciterALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也平野義久花束にこぼれて落ちる ナミダは空の色 この世で目にした穢れを すべて流すように  ひとり手懐けた 寂しさの小鳥 窓を越えて行く  おめでとう 心から あなたへと 送りたい 昨日まで探しつづけてきた 幸せを抱く迷子の天使 このとき あなたのベールに 降りるの  いくつもの夜に語った コトバは月の色 散ってはまた咲く夢を なだめては眠った  喜び哀しみ 分け合って人は 優しさを知るの  ありがとう 心から あなたへと 伝えたい どんな日もそばにいてくれた 宝石箱の想い出のなか 何よりも あなたの笑顔が うれしい  恋した季節の 切なさも 胸に忘れないでいて  おめでとう 心から あなたへと 歌うから 今日からは大切な人の 微笑み護る女神となって いつまでも 変わらぬあなたで いてほしい
夢魔の夜、あなたを迎える者があるALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也現は幻 夜の夢こそまこと 目映い太陽に 傷ついた眸を あなたは閉じる さまよう霊魂に 闇が新たな命を 与えたもう  “夢魔に堕ちよ”  ここは救済の暗黒の獄 逢魔ヶ刻から始まる  犯した過ち 洗い清める 涙はまだ足りず 地上で果たせぬ 希み残らず その身に 叶えたもう  “夢魔に耽よ”  いまは快楽の極彩の宴 流刑の地の果て これから もうあなたはひとりではない
L'oiseau bleuALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也平野義久貴方のその面影だけが 私を今に留めているの この広い世界中で たったひとり 幸福をくれた人 あの日々はもう ここにはない 青い鳥は 籠を抜け飛び立った 恋は捕らえれば すぐに逃げるもの 愛は育ってしまえば 枯れるだけなの もっと自由なあの空へ いいの どうぞ 越えてらして  貴方の優しいまなざしが この身へと かつて降り注いだ 眩むような日射しの中 ただふたりで 目を閉じて 生きていられたのに 青い鳥よ 窓を抜け 飛んで行った どこまでも どこまでも 永遠に
極楽鳥歌ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也弔うべき愛を 抱えたまま死んだ 女は 天に舞い 生まれ変わる 迦陵頻伽  歌いましょう 奏でましょう 悲しみがもうこぼれ落ちぬように 仏さま どうか 美しい声をお授けください 世の恋人たちがそっと眠り入るまで  背負った 罪いくつ 数えて折る指の 鉤爪 弦の音を 響かせます 地獄の方へ  鳥になる 花になる 憎しみはもう追って来られぬように 仏さま どうか 麗しい姿お与えください 人で非ずば心など消えるでしょうか  歌いましょう 奏でましょう 喜びだけ満ちてつづくために 仏さま わたしに 美しい声をお授けください 世に終わりがくるときにも 歌えるように
静謐なる私小説ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Yoshihisa Hirano恋に堕ちる唄なら 詩人たちが星の数書く  金糸雀の声持つ歌姫たちが 月昇るたび さえずる  だけどわたしのこころにあるのは ただひとつの恋だけ かつて愛された 想い それがあるから 夢も明日もいらない 小さな籠のなか暮らすの  ………  愛に裂けた傷なら 時の針が痕なく縫おう  青褪めた裸の踊り子たちは 情熱を舞いつづける  だけどわたしのこころに 咲くのは散ることない黒薔薇 誰かを愛した 記憶 それがあるから 恐れも寂しさもなく 穏やかな微笑でいるの  ………  いつもわたしのこころにあるのは ただ一度の恋だけ 褪せる事のない 秘密を抱いたままで 一生 誰にも語らず 静かなる微笑で生きる やがて老いていくほど少女のように
DaphneALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也春まだ浅き 黄昏の 冷たく棚引く 風の底に  密かにダフネの 香り嗅ぐ 行く手に穿たれし わが奈落を 閉ざすように 塞ぐように 甘く纏いつき  あなたへと 転がりゆく 心を放てと  逢いに行っても いいですか 月影籠もる闇へ  この身が抱くのが 荊でも ああ恋は 傷つくことを恐れぬ  静かにダフネは 朽ちるだろう 乙女の最後の 季節のように  幸福と哀しみの 狭間 私は佇み  ただあなたの 髪を撫で 眠りにつく日 待ちわびる
修道院の廃庭にてALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Yoshihisa Hiranoもしも掌に ひとつだけ花の 根を植えることが できるとしたなら  いまのわたしは ひっそりと蒼く 首をもたげる 菫を選ぶ  枯れ果てた涙の 一滴で開くような  かつてのわたしは 身に余るほどの 真紅の薔薇や蘭で 飾りたてて  この手にできぬ ものなどないと ただひたすらに 夢追っていた  すぐそばに佇む 愛にさえ気づかずに  風と共に逝き去りし 青く美しい春よ さあここに巡れ もう一度だけ  掴まえた重みが 重なる朽花でも  白い骨透ける腕に 流れ昇る温かな 菫色の血よ  あとひと春を
Cheri CheriALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ラビアンローズなんて まだまだ遠いけど あなたがくれるベエゼは 薔薇色なの  呪いの魔法が みるみる解けるように わたしは綺麗に 微笑(わら)えるようになる  Cheri Cheri 銀のナイフ ずっとずっとお守りだった 不実の果実がなる ジャングル Cheri Cheri もうひとりに きっときっと戻さないで あなたが好き ジュテームおしえて  自由はあふれて みんな木の葉みたい ひとりじゃ行き場所さえ 決められない  あなたとわたしを 籠に閉じ込めて 日がな一日絵を描く ステキナミライ  Cheri Cheri 胸の小鳥 ずっとずっと鳴きっぱなし ふらちな不眠症の ラビリンス Cheri Cheri だけど強く ぎゅっとぎゅっと抱きしめられ ゼンマイねじ 壊れちゃいそう  Cheri Cheri 銀のナイフ ずっとずっとお守りだった 不実の果実がなる ジャングル ほんとに欲しいものは この世にふたつだけ あなたの瞳 ジュテーム見つめて
逢魔蛾城の伯爵ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也天に微睡む神の指から 物語をしたためる藍墨(インク) 空に零れて広がる金青(ブルー)  固く錆び付いた門扉が開いて いまが 逢魔ケ刻  一斉に舞う菫蛾緑蝶 鱗粉は七色の霧雨 恐れず濡れた外套(マント)を脱いで  さあようこそ 迷い込まれたオトメ われが城の主  蒼の絨毯一歩進めば 紅粉青蛾の侍女が その手を握り 宴に誘う 奥の大広間には 大勢の華やぐ人  時が 戻る  夕月豪華な仮面舞踏会 村人罪人魔女も王も踊る  遠い昔の 幻影などではない  乙女よ あなたが わたしの目覚めさせた その胸にある純粋で  なんと懐かしい 紫いろの瞳なのだろう  知っておられようか 人は死に その魂(プシケ)は 蝶に変わり 愛した場所 離れられないまま 舞うのだ  永い間 忘れていた 喜びと そして悲しみ  ああ何より わが城より 守りたかった美しい妻  わたしを見つめる その瞳は あの日のもの  どうか行かないでおくれ  永遠の先 逢魔ケ刻が 闇に沈むまで
Nous Deux C'est Pour La VieALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Loin, il eait une fois Dans la lumiere Une belle chanson Hier, ce n'etait qu'hier J'etait dans tes bras J'ai fait un beau reve Les reves, si doux si certains Je suis avec toi, ici et toujours  Personne ne connait cette fleur rouge Qui s'ouvre en grand dans mon coeur Quand tes doigts sur moi decement se posent Et que tu murmures, “Je t'aime”  Tant d'amour, tant de passion Comblent mon attente amoureuse Tes yeux sur moi J'en ai besoin Nous deux c'est pour la vie  Loin, il eait une fois Dans la lumiere Une belle chanson Hier, ce n'etait qu'hier J'etait dans tes bras J'ai fait un beau reve Les reves, si doux si certains Je suis avec toi, ici et toujours  Un jour si quelqu'un te fait du mal Je me ferai cygne blanc Alors mes bras deviendront des ailes Pour te proteger du malheur  Tant d'amour, tant de passion Comblent mon attente amoureuse Tes yeux sur moi J'en ai besoin Nous deux c'est pour la vie  C'est il y a bien longtemps L'eclat des etoiles Un beau souvenir C'est peut-etre demain Si tu me regardes Je m'en souviendrai Les reves, si doux si certains Je suis avec toi, ici et toujours  Loin, il eait une fois Dans la lumiere Une belle chanson Hier, ce n'etait qu'hier J'etait dans tes bras J'ai fait un beau reve Les reves, si doux si certains Je suis avec toi, ici et toujours
世紀末ゲネシスALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也怒りよ 遙か天を裂き走る稲妻の切尖  哀しみ 幾万年前絶えた星の灯の下で  この世界が 生まれたとき 包んだのは 闇と光 どちらだったろう  人はひとり 産まれてくる 暗がりだけ 見つめながら  生きる事が 死に向かうのだとしても  希望よ 白む空にまた昇る黄金の太陽  愛しさ 澄んだ水面へと映る偽りのない姿  喜び 伸ばす手に触れて咲いた葩弁のぬくもり  淋しさ 蒼い夜に浮き墜ちる月の雫の中に  闇へと舞い散れ 光に埋もれよ  この世界が 終わる瞬間(とき)を 抱きとるのは 光か闇 どちらだろうか  どこに消え 逝くとしても  戦い 立ち向かう盾と響く鋼の剣の音  絶望 風が凍りつく荒野跡形もない息吹  怒りよ 遙か天を裂き走る稲妻の切尖  哀しみ 幾万年前絶えた星の灯の下で  闇から舞うのは輝く翼で 光が生むのは美しい無数の影  われわれが 歩む地を 彩るもの
アタラクシア、そして対峙する自己ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也いつかみんな忘れてゆく 積んだ石は転がってゆく  始めにありき空は空でなく お終いにある無が無に帰する  あといくつ傷負い あとなにを失い 躰という匣に 透明な静けさは 満ちてゆくのかしら  もういちど出会って もういちど愛して その奥に隠れた 孤独という正体を 見ないふりをしよう  やがてみんな忘れられる 落ちた石は風に毀れ  閉ざされる時まだ遠き死よ お終いにくる夜が夜に帰する  きっとまた生まれて そしてまた始まる 心という匣に 密やかな安らぎは 満ちてゆくのかしら  もういちど出会って もういちど愛して その奥に踊れる 孤独という影絵さえ 踏んだふりでいよう  あといくつ傷負い あとなにを失い この場処は美しい ただ青い世界へと 戻ってゆくのかしら
見ぬ友へALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也あの空を見上げて思うんだ ぼくらの棲む星の大きさを  たとえ塵のように小さくとも 誰もその中心に立っている  ぼくはいま ひとりぼっち 分かり合う 人もなく 語り合う 声もなく でもぼくは あたたかい  きみになら 伝えたい ここにある 虚しさを ささやかな よろこびを 見ぬ友よ 見ぬ友よ  きっと出会うことはないだろう 知らない言葉 見知らぬ瞳  でもいつか学ぶかもしれない きみの神様や国のことを  ぼくはただ ひとりぼっち かこわれて 守られて わけもなく 不幸でも 餓えもなく 恥もなく  きみのこと わかるかな そこにある 絶望を そのなかの よろこびを 見ぬ友の 見ぬ友の  憎み合うこともなく 殺し合うこともなく 巡り会おう 見ぬ友よ ぼくのまだ 見ぬ友よ  いつかこの星は 滅ぶかもしれない 世界が終わるとき すべてがようやく ひとつになるのだろう ぼくたちもみんなおなじに 消えてゆくんだ
少女忌恋歌ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也指ですくう こぼす涙 はかなく舞う 鳥の羽根に 髪を飾り 心ひらく  冷めた瞳 何を見てる 鏡の裏 通り抜けて 後戻りの 記憶に戸惑う  遠く闇を よぎる影に 身をひそめて 息づくとき 終わりのない 唄を聞いた  といだナイフ 指をすべる 滲む赤い 花びら見つめて 愛する痛みを 知りそめ  迷宮の入り口に 人はみな惑わされ 禁断の夢に酔う  手繰りよせた 記憶の糸 めまいの中 色づく吐息に 忘れたはずの 声を聞く  迷宮の入り口に 人はみな迷い込み 禁断の夢を追う 永遠の旅に出る  冷めた瞳 何を見てる 何も見ない
deep forestALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ある日 あなたは森へ行く 誰も棲まない その奥へ きれいな泉 湧き上がり そっと あなたは口づける fu fu‥‥  晴れることない 霧が溶け 枝は 光を抱きしめる 白や黄いろの 蝶が舞い 花は開いて 実を結ぶ  いまわたしは 生きていると感じる 目を閉じても あなたが見えているから 何よりも強く  ある日 あなたは森を出る 足跡ひとつ 残さぬよう 泉はいつか 泥の中 朽ちた木の葉が 揺れるよ  でもわたしは 生きていると感じる 目を閉じれば あなたに会えることを もう知っているから
或る修道士の告解ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也讃美歌の響くカテドラルに 背を向けて今日もまた降り行く 陽の射さぬ深き地下の室は ひとすじの希望の光宿る  かつて隠れ住んだ 錬金術師たちの 残した 秘伝の書  造り出せ この樽に 霊薬の酒 黄金に潤って輝くまで 王者も手にし得なかった 果てぬ夢 不老不死の 満願の日を その一滴を 麗し彼(か)の唇へと  青薔薇の頬のカストラート 清らかな声は 天界まで届くだろう ならばわが願いも 聞き届けたまえ 女神(ミューズ)たちよ  この世を照らす至高 天使のように歌う 儚き 青年(かれ)のため  満たされよ 銀盃に 神秘の美酒 緑濃く揺蕩って溢れるまで 女王さえ叶わずとも 追い縋った永久の若さ 消えぬ美貌を 枯れぬ命を ただひとりのわが君へと  狂おしい悦びよ!  造り出せ この樽に 霊薬の酒 闇の底鎮まって目覚めるだろう 蒸留の雫は薫り 幻の月に熟す 蔵に棲まうは 神か悪魔か すでに老いしわれを生かせ  守られよ 銀盃の 禁忌の秘酒 珠となり転がって留まるまで 喉元を滑り落ちて 血に染む酩酊の果て 目蓋は見よう 美の永遠を けして触れ得ぬその肉体(からだ)に  そして捧げよう 永劫わが愛を
わが恋は月光に散りぬALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也だらりの帯 緋毛氈 ひとり雛遊び 手毬追って庭の隅 夕暮れの木蔭  わたしは現る 儚い女(ひと) 闇が揺れて  はらはら舞うのは 桃の花 哀しい瞳は誰 こんこん子狐 白き影 零れ落ちる涙が綺麗 小さな胸の奥で感じた  あれから幾年が過ぎ ひとり雛飾り 変わらぬものの尊さ 変わりゆくわたし  せめて優しい 少女の時 思い出そう  きらきら手鏡 映るのは 淋しい瞳の闇 ゆらゆら宵待ち 恋の花 月の晩だけ そっと咲いて 朝焼けの光に凍える  はらはら舞うのは 桃の花 あの日の瞳はわたし ゆらゆら散るのは 恋の花 月の輝きに死す こんこん子狐 白き影 零れ落ちる涙は帰る 夢が夢でいられた頃に
NostalgiaALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也道に 灯が ひとつ ひとつ点り 山のふもとに 童話のような汽車が行く  幼い日々へと運ぶのは 草の小舟か森の梟か わたしの名前を呼ぶ声は誰 振り返れば 懐かしい顔が 笑っている  抱えきれない想い こぼれおちて 何も言葉に できない時があるの  夕闇迎える蛍火や ささやき交わす風や木々の音は かつてわたしを愛した人たちの 形見のように やさしさに満ちて いまを 包む  探してた夢は ここにあるわ 小さなわたしが 握りしめてる  指をひらけば 真っ白な花が舞うの  夏が終わったらこの道を ひとりでまた辿って行くでしょう もしも忘れ物があったとしたら それは遠い 昨日までの 儚い わたしの影
真夏の憂愁夫人ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也バテンレースの日傘から 夏の影絵が 回り 落ち 白い首と 萌黄の帯に留まる  そっと振り返った母の いつも泣いてるような目は 僕を抜けて 知らない誰かを遠く 見つめていた  傾く 陽炎  眩暈に歪む 蝉時雨坂 手を引かれて のぼってゆく 追われるように 逃げだすように 汗ばむ掌が痛かった  離れないで  本当に愛してるのは僕 母と同じことを言うんだね 白い首の後れ毛 掻き上げながら微笑む女(ひと)  零れる 追憶 明かり灯らぬ 黄昏の部屋 僕はあの日を思い出す 少年となり 腕を伸ばした 捉まえたいものは もう疾うに 失くしたのに  眩暈に続く 蝉時雨坂 僕はひとり のぼってゆく 追いつくように 逃げないように  背を向けた貴女は 誰だろう  こっち 向いて 届くよ あと少し
隼の白バラALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也いまは錆び付く 隼の 操縦席に手向けしは  真白きバラ 大輪の 手折られたとて瑞々しく  白雲くぐって 散りし人の 命のよう  幾千万の苦しみ哀しみを葬り その礎に成り立つ 平和という塔 のぼり続けるのならば忘れることなかれ この国を護る英霊 祈りの中で いつも見つめていると  故郷に宛て書く遺書に 滲む文字の 父母上  老いし彼らもとうに亡く 空の彼方で 共にあらん  過ぎゆく時代の先に 生まれ変われるなら  いつか記憶は薄れて それは遠い世界の戦の話のように 語られるのだろう でも我々はひとつの大きな魂が 流した血を授けられて 新しい生 明日へ繋ぎつづける  今年もまた静かなる 夏の日が訪れ 気高さと儚さ併せ持つ 花が咲き 強さと誇りを乗せてはばたく 禽が征く この国よ美しくあれ 正義に生きる 人の姿のままに
ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也je vis je meurs dans mon cocon  tu ris tu reve c'est loin sans moi  指には何も 触れることなく 紡がれて 繰り出されてゆく 扉  je vis je meurs dans mon cocon  言葉はもう 翼を持たずに 白い壁 赤く叩いて 穢す  あなたに二度と 触れることなく 紡がれて 滴るのは 愛する痛み
apre le noirALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Cheri, mon amour 夢で逢う 私はどんなふうに微笑うの?  Tu vois lumiere あなたは かがやく私しか 見てない  Que fais l'amour ろうそくも 届かない深い闇に もうひとりの私がいて いつでも あなたの まなざしを求めてるのに  Je t'aime, je t'aime 囁きが 唇に触れるたび  Je vois noir 小さな痛みが 胸を熱く 塞ぐ  Que fais la vie 甘い薔薇 その陰の棘のように 傷つけ合うときが来て すべてが 消えること 蕾の日から知ってても  Que fais l'amour, et que fais la vie もう何にも言わないで 答えは愛しい 瞳の奥にあるはず  だからこうして 恋人たち 見つめ合うのね
少女のための残酷童話ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也水面に映った 自分の顔に 恋したナルシス あなたになりたい  大事な鏡は 他人の瞳よ 誰より可愛い わたし映して  競って華やぐ靴で 少女たちは舞うの 大人は眉を顰める 派手な赤い赤い靴 軽やかに跳ね  いつもどんな場所でも 踊りつづける わたしはここよ  美しい箱の マッチを売るわ 灯す間だけ 大切にして  少しも似合わぬ服を 娘たちは纏う 生き急ぐようなふりで 少しでも甘い蜜の 時をながらう  満ち足りた微笑みの 奥の心は 家なき子でも  死ぬまで脱げない靴を わたしたちは履いた 教会の床で躍る 罪の赤い赤い靴 倒れてもなお  愚かなる魂が 持てぬのは何? 尊い教えなんか この世界のどこにあったの? わたしを止めて  答えなど欲しくない 老いていくだけ
革命の血脈ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也祖国の墓土(つち)へと眠る わが血の絆と力 現世こそ君へと繋ぐ 亡き日の剣を以て  誇り持たぬ者が 治める地には 隷従の跫音 聞こえるだけだろう  どうして 道なき道さえ確かに進んで来たのに あれほど勇ましい時代を越えて  高らかに謳わん いま革命を 恐れさえ眩むという 滅亡の 炎より激しく  志貫かんと 先人の教え抱き 現代こそ君へと伝う 亡き人の声音以て  驕り満ちる者の その肉叢に 憂国の幟は 千切れ張り付くだろう  どれだけ 躓き倒れて穢れて傷負い散っても それでも真直ぐ生きて行く為  立ち上がれ向かわん さあ再生へ 瓦礫にも沈める 種芽吹かせて ああまだ明日は降る  自由を愛する真紅い蝶 胸を破り羽ばたけ  いくども 戦い争い奪って敗れて堕ちても 繰り返される愚かと貴さ  高らかに謳わん いま革命を 恐れさえ眩むという 滅亡の 光より美しく
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
遊蝶花ワルツALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Yoshihisa Hiranoパープル イエロー バイオレット 花壇に咲くわたし パンジー 仔犬も座ってやさしく見惚れる  夜空色 おひさまの色 煙った雨の色 三色 合わせたドレスがいつでも自慢よ  だけどちょっぴり 物足りないの あの燃える夕やけのような 宝石色をまとえばもっと 綺麗なのに  となりの水仙が言うの あたしは白い衣裳だけど 他の誰よりもいい匂いがするわ  なぜかちょっぴり 寂しくなるの 自由に飛ぶミツバチたちが 遊びにもきてくれないから 俯きそうなの…  顔を あげて ごらん 僕を 君の紫に恋してる  そしてとっても うっとりしたの わたしの頬に甘いキスを くれたのはルビー色の蝶々  完璧だわ
卑弥呼外伝ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也日輪昇り 山河目覚め 日々に芽吹く 人の心  わが命 選びしは この場処か この時か 悠久を辿る果ての  如何な世にも 出づる惑い 赤裸々の たましいは 無限なる 万有の 核となる 陰と陽(ひかり)  響き合え 共にある 慶びの 遠き波動 孤独ゆえに満ちる夢よ 奴婢のように君を恋うる  風を聴け 月を読み ああ卑弥呼 緋の涙は 御身が最後に残す声  後の世まで 刻む日章 われわれを 選びしは この國の この時代 繋がれた 血の理  掬い出せ 濁流の 泥の中 点る炎 終わりの来ぬ平安へと 巫女のように君を崇む  岩砕け 波を知る ああ卑弥呼 渡す祝詞(ことば) 地上に交わる 祈声  踊レ手弱女 産メヨ火ノ國 美シ紅焔 倭國マホロバ 唄エ益荒男 栄エ火ノ國 尊シ旭日 大和トコシエ  響き合え 共にある 苦しみの 永き記憶 孤独ゆえに満ちる愛よ 神のようにわれを殺せ  ああ卑弥呼 ああ卑弥呼  風を聴け 月を読み ああ卑弥呼 緋の涙は この身が最後に捧ぐ唄  天は裁きを 下すことはできぬだろう
パピヨン輪廻ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也はるかな命の始まりが 翡翠の蛹であったなら ひかりの中 目覚めたでしょう 美しい姿ひろげ  心魂(こころ)は今も その時のまま  はじめて来たのに懐かしい はじめて見るのに愛おしい すべてが意味を持ち導く 不思議な記憶の先へ  尽きず何度も 生まれ変わり 今ここにいる  見知らぬ国の夢 戦いの時代も まるで終わりのない物語 綴るみたい  たくさんのワタシが わたしにつながって 同じように感じ泣き笑い 奏で合う歌声  季節は巡って花が咲く 歴史は決まって繰り返す 眠りはまた目覚めるために 羽の中へ包まれる  みんな選ばれ この大事な今を 生きてる  海に棲んだ娘 牢の中の王子 穏やかに 波乱に 満ちていた遠い童話  たくさんのアナタが あなたにつながって どんなに孤独かかえても 目を閉じれば 思い出す  胸を焦がした恋 運命(さだめ)を抱いた愛 まるで終わりのない物語 続くように  そしていつかわたし あなたにたどりつく 前にどこかで逢ったかしらと 言うから気が付いて
寶島ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也窓を燃やす 夕日の朱は胸に つつんで心臓 かがやく紅玉  航路は果てしない夢のように どこまでも続き 酔いに戻す  西へ東へ 北へ南へ  長い日々をひとり生きて  探すのはこの指に 掴めないもの  床を濡らす 月光の青は皮膚に うごめく斑猫 わずらう貴腐病  希望と絶望織りなす地図 水晶砕いた破片の先  空へ山河へ 海へ荒野へ  長い日々をひとり歩き  探すのはこの足が 踏み込めぬ場所
野性双生児ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也赤い満月割る 高い絶壁の淵 墜ちる 私は誰 吠える狼の声  総毛立つ 身も心も  生きることを怯え 生まれ変わり損ねて すでに行き場はなく 檻の向こうはどっち  愛される 獲物のように  闇を飼うその爪で 骨までも組み敷かれ 歓喜を歌うまで  彼の名はHYDE 怒りより強く 私を捕らえて 与える 力を  一人には返れない なぜ声が上げられない こんな苦しいのに  撓る苔(しもと)の刺 舐める傷口苦く 熔ける血濡れた牙 絶望喰むは本能  赦されぬ 罪人のように  恐れなど失って 零される涙だけ 口にして生きよう  彼の名はJEKYLL 祈りより深く 私を包んで 教える 弱さを  二人には戻れない なぜ声が上げられない こんな悲しいのに  彼の名はHYDE 誰より美しい そして名をJEKYLL 何より愛おしい  どちらも私の 中に居る私 鍵のない檻の 鎖に繋がる  もう一人に返れない もうどこにも本当の 私はいない
海賊皇女ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也人に慣れぬ鷲(イーグル)を 肩に抱き舳先へ 緋色の帆に 靡く陽炎  聞きしに勝る残忍 荒くれ達従え  渦を巻く 波は子守歌(ララバイ) 鎮まる 凪は墓  幽霊船が横切る岩場 セイレーン さあ集えよ  進め 七つの海 見果てぬ地の 彼の絶島へ 倒せ 邪魔する者 慈悲を持たぬ 剣が舞うだろう 赤く  どこまでも輝く夜に 飛ぶ黄金の翼と 砕け墜ち藻となる星と どちらが わが運命  まだ見ぬ故郷たどり着くまで ドラゴン眠ると云う  奪え 欲しいものは 人の心 愛の記憶 遙か 今は遠い 神話が棲む 聳え立つ王の塔へ  セイレーン さあ讃えよ  進め 七つの海 見果てぬ地の 彼の絶国へ 倒せ 邪魔する者 涙持たぬ瞳で微笑み  奪え 欲しいものは 人の心 愛の記憶 遙か 今は遠い 神話に棲む 麗しの王よ  われを 呼びつづけよ
Water DropALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也あふれる想いは どうして生まれるの 透明な泉で 心は出来てる あなたを知って 気づいたの  はるかな昔から 水は命を生み 森は息を返し 星は闇を照らす そして人は 誰かを愛する ただひとりだけに だいじな言葉を 伝えて  逢えない夜には 夢の入り口で あなたを待ってる 離れ離れでも 同じ明日を 見つめたい  はるかな昔から 雨は空ヘ帰り 花は土に抱かれ 鳥は歌をうたう そして私 あなたを愛する その腕のなかで 懐かしい鼓動 聞くのよ  はるかな未来にも 水は命を生み 森は息を返し 星は闇を照らす ずっと私 変わらず愛する 今あなただけに 好きって言葉を言えるの  どんなものからも あなたのすべてを 守るわ
薨(こう)ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ヤガテ君ガ瞼瞑ジテ 二度ト開カヌソノトキ  ワレハタダ呼ビカケル 口ニデキヌ其ノ名ヲ 天上ニ響クダラウ 最後ノ唄トナツテ  君ガ為ニ袖ハ濡レル 幾日幾代永劫  ワレハタダ想ヒ出ス 誰モ描ケヌ景色 タダ独リ生キルダラウ 一枚ノ画ノナカデ  生マレ変ワルタビ 君ニ命ヲ捧グ  衰竜ノ龍ヨ舞ヒ立チ昇レ 金色ノ鱗空ニ輝ケ ワガ腕ハ雲トナリ陽トナリ ヤウヤク君ヲ君ヲイマ抱ケリ  ワレハタダ繰リ返ス 口ニデキヌ其ノ名ヲ 天上ニ響クダラウ 最後ノ唄トナツテ
SENGOKU GIRLALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也行ケド戻レドサア通リヤンセ 巡リ巡ツテモ蟻地獄  白衣ノ曝ニ滲ンダ血ノ地図 タドツテアナタノ弱味ニ付ケ込ミタイ  ウロコノ鎧ヲ百片剥ガシテ 緑青ノ花デ散華シテ参ロウ  恋ニ忠義ヲ誓イ 裏切リニハ切腹 昇リツメテ下剋上 ワタシハモウ断絶 悲劇メイテ姫君乱心  逃ゲ込ム廊下ニ影曳ク血天井 ココナラ同ジ悪夢ガ滴ルワ  愛トハ戦デ勝ツテモ負ケテモ フタリハ独リト独リデシカナイノ  恋ノ制裁受ケテ 苦シミニハ介錯 寝テモ覚メテモ乱世 アナタハモウ失脚 紅蓮ハナツ黒天守閣  イツペン死ンデクダサル  愛トハ戦デ 生キテモ死ンデモ ドンナニ刺シテモ コンナニ突イテモ 虫ノ息デモマダ責メタリナイデシヨ  恋ノ合ワセ銅鏡ガ 映シダスハ神獣 持チツ持タレツ浄土 アナタトナラ心中 晴レテ冥土ヘ夫婦道中  モイツペン死ンデクダサル  逝ケド戻レドマダ通リヤンセ 巡リ巡ツテモ蟻地獄
少女蜜葬~Le sang et le mielALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也腐る 薫る 肉体は柩 舞って 彷徨えるPsyche 蟻が 運ぶ 蠍の死骸へ 靡く 墜ちる  混じり合った 血と蜜が 夜ごと開く 生の夢  零す 浸す 最後の一滴 呑んで 囚われのNymphe 闇が 漏らす 炎の残像 踊る 纏う  貌を変えた 女 少女 知らぬ誰も 自分なの?  絡み合った 根と棘が 月夜に縫う 死の瞼  眠る恋よ 黒い翼扇(つばさ)に抱かれ けして 目覚めぬよう  声を閉ざし 息をする わたしは茎 伸びる花
眼球ロマンALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也追いかける 手の鳴る方へ 風を散らし 花を踏んで どこまでも 付いて行くわ 小さな子猫のように  少女の日の遊び 意地悪 隠れんぼの わたしはいつも鬼で 目を塞がれて  いくつ数をかぞえ 振り向く 森の先に 誰の影さえなかったけど さまよった 夕暮れが降りてくるまで  あの時からずっと 探してたような気がする あなただけを  もう見つけられるわ 緑に薫る森も あなたの匂い 嗅ぎ取るの 木漏れ日に目を伏せた ままのわたしも  たとえ盲いた暗がりでも 目蓋は視てる あなただけを  捕まえて そっと掴む けして二度と 逃げられない 籠の中 鍵をかけて 見えない小鳥のために  そして綺麗な青い瞳 わたしが暮らす 星になるの  追いかけて 手の鳴る方へ 風を散らし 花を踏んで どこまでも 付いて来てね 可愛い子犬のように  捕まえた そっと包む わたし以外 映さないの 壜の中 閉じ込めるわ 双つの水晶の玉
この國の向こうにALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也もしも愛しい者が 傷つけられ 砕けた星のように 瞳を伏せたとしたら  僕はすべてを捨て ただこの手に 涙で研いだ刀 握り続けるだろう  どこかの国が 今日も争い 悪夢より鮮やかな 哀しみの影を 垣間見せる  愛することと憎しみと どちらが強いのだろう 人はいつかそのふたつを 心のなか抱える  でも僕たちはまだ この狭い世界に生きるしかできない  もし見知らぬ者が 助けを乞い 何も持たぬ指を 差し伸べていたなら  僕は膝をつく ただその手を 取ることしかできず 途方にくれても  どこの国でも 違う言葉で 繰り返し唱えるのは 同じ祈りと わかっている  真(まこと)は光と影との どちらに潜むのだろう 人は誰も表と裏 合わせながら過ごして  なぜ僕たちはまだ あの青い空しか見ることができない  愛することと憎しみと どちらが深いのだろう 人はいつかそのふたつを 心のなか抱える  なぜ僕たちはまだ この狭い世界変えることができない  憎むことと許すことは どちらが勝るのだろう この弱い心はその重みに 耐えられるのか  だけど僕はひとりでも 広い世界に踏み出して 行きたい 行くだろう
日曜日のシエスタALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也まぶしい 木漏れ日の下で スヤスヤ あなたは午睡(ひるね)してる  甘い 甘い 甘い キスを あげましょう 頬を 頬を つねったり 起こそうかな  恋って毒キノコみたい 見た目は華やかで 胸が苦しい  ひとりで 残された気分 寝顔は なんて幸せそうなの  そばに そばに いてもいつも 不安よ どんな どんな 夢を追っているの?  恋って しゃぼん玉みたい うっとりして ほんのはずみで割れる  Mon amour fait la sieste.(私の愛は今休息しています) Mon amour fait la sieste.  甘い 甘い 甘い キスを あげましょう どこに どこに 今あなた いるのかな  恋って そう迷路みたい どうしても 通れない道がある  Mon amour fait la sieste. Mon amour fait la sieste.
月光オペラの天鵞絨の緞帳は上がりALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也闇のマントをお脱ぎあそばせ 今宵は月光劇場の幕が開く お代はほんのひとひら その心  バルコニーで舞う扇の翼 魔王も天使も天井画がら墜ち ルーベンスの空の下で ゴシックにオペラを  弦と歌を奏でましょう 吐息と言葉を重ね あなたの恋を音符で 包んでは放り込むリラの唇 羽化する甘い蝶々 口移しで歌うわ  喝采浴びて私はDiva 帽子に結んだリボンを蝙蝠に 桃兎は異次元へ 妖しいサーカス  何をご覧にいれましょう 客人は言う 恐怖を!と 退屈の檻を放ち 撓る鞭振り上げ猛獣使い 誰にも飼い慣らせる この世のすべて  人生のような 舞台は悲喜劇  どんな役も演じましょう 星の転がる科白で みんながお腹を抱え 泣くくらい笑える幸福を  お望みのカーテンコール あなたに囁く 愛をと 見たものは一人もない 麗しい姿を着飾りたいの  それには薔薇の束と やさしい腕が必要
Femme FataleALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也砕き進め さだめを 支配せんと すべてを 凍てつく十字架も 燃えていよう  いつか真珠の骸になるまで 赤く滲む罪をいくつ 私 孕むでしょう  獣の爪で無為の未来を裂く 神はどこと問うまでもない ここは 星の荒野  綺麗事だけで 生きられないのだから さあ 手を取って  堕ちてゆこう 果てまで 散ってしまえ 闇へと 破滅は恐るるに足らぬ美学  曝くための 真実 隠すための 現実 私の目の中を覗きこんで  まだ見えぬものを どうぞ感じて  ………  奪い奪われ 戦いの摂理 引き返せない愛のようね あなた 留め 刺せる?  恋しい腕に抱かれて死んだら 次の世では きっと私 天使 いいえ 女  傷だらけの胸 再生のダリア咲くでしょう 活きる血で  昇ってゆけ 何度も 越えてしまえ 夢など 仮想の楽園は望むままに  砕き進め さだめを 支配せんと あなたと ふたつの聖剣は重なり合う  この体の中 仕舞うように  ………  さあ 続けて 終わりは始まり  堕ちてゆこう 果てまで 散ってしまえ 闇へと 破滅は恐るるに足らぬ美学  砕き進め さだめを 支配せんと すべてを 凍てつく十字架は崩れ落ちた  愛交わす為の 祭壇へと
逝ける王女の肖像画ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也わたしの短い生涯のうちで 何よりも光満ち深く輝いたのは ひとりの画家の 二つの星の瞳でした どれだけわたしはその光に 照らされたでしょう  薔薇色の絹を 着飾るわたしは 三才の早春  初めて出逢った 長い髪の画家は 手にくちづけた  泣きじゃくるたび あやすかのように 止まった絵筆 曲がる口髭  わたしは大人しく ひとり佇む 薄闇が降りるまで  五度目の冬は 銀色(ぎん)に包まれ 踏み出す再び 大きな絵の向こうへ  侍女らと共に ある日の午後が 幸福な永遠になる  夜空の紺色(ブルー)を 纏って澄ました 淑女の少女は 八つになって  それでも儚く狭い世界で その目だけが 広い宇宙  二年が行きて 赤い衣裳(ドレス)の前で 画家は死んだ  人は知るでしょう すべてのわたしを あなたの絵の 中だけに
百合の日々は追憶の中に潜み薫るALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也雪花石膏の背骨を軋ませ歩くこの現世は なぜこんなにも醜く穢れに満ちているのでしょうか わたしは今日もひとり 脇目ふらず 繻子の沓 泥塗れようが ただ歩いていたいのに  声をかけるのは誰 肩を掴むのは何 厭わしい者らに湛えた 微笑は蒼白の蝶 日常に舞う死  今はどこにいるの わたしの愛しい 妹たち お姉さま 頽れる夜に問う  かつて麗しの森 同じひとつの茎に 連なり咲いたわたしたちは ああ美しい白百合 月光の愛人  忘れぬ 薫りを 風間に 放って  しずかに声 合わせましょう 烟る靄は 震える 共に謳い 夢を交わし 甘い眠り 分けあい たとえ時を隔てたとて つながる 指先 銀の糸  ひろげた胸 重ねましょう 濡れそぼって 零れて 金華の珠 月花の種 また互いを身ごもる けして人が持てなかった 愛という美学は ここに在る  鳩血紅色の心臓潤ませ視るこの現実は なぜこんなにも乾いた哀しみが溢れるのでしょうか わたしたちはひとりも 朽ちはしない 白百合の記憶を抱いて ただ歩いていくでしょう 息絶えぬように
HalationALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也シュールな空の下 退屈が喉につかえ あくびが出ちゃうたび 胸のどっか叫んでいる  壁の落書きだけ あたしに話しかけるの 罪のないハートたち キラキラ星 墜ちるよ  刹那 刹那 遊べや遊べ 永遠に 永遠に 踊れや踊れ  変わらない言葉を 誰かが持っているのかな その言葉はいつか あたしの耳に届くかしら  いいことがありそうで なんにもない日もあって それでもなんとなく キラキラ夢 見てるよ  生きよ 生きよ 恋するように 愛でよ 愛でよ 爪の先まで  道路の真中で 小犬のように泣きたいな あたしの神様は どこで道草してるのかな  膝を抱えながら 朝が迎えにくるのを 待っていたら瞳の中 キラキラ星 墜ちたよ  刹那 刹那 遊べや遊べ 永遠に 永遠に 踊れや踊れ
Fraulein RoseALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也あなたが 巻きますか? 背中のネジを  午前三時の薔薇茶(ローズティ) 月光が 溶ける 唄を忘れた金糸雀 声なく 歌う  蒼い庭の真上 双子星が瞬く みんなひとりぼっち いつか誰かと出逢うために  硝子の匣の中 乙女は生きる 囁くこの鼓動 奏でてゆくメロディ どうぞ耳を澄まして聴いていて でもまだ少し未完成  真紅のくちびる苺(ストロベリィ) 苦さを 消して 運命沈めた水晶 翠の 影絵  夜の黒い翼に 銀の燈灯せば 白い朝が生まれ 雪の華へと氷る涙  あなたが開けたから わたしの扉を 想いが放たれて 綻びゆくつぼみ 歓びよりも小さな棘が 教えるのよ これが恋と
エルフの娘は地上に降りALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也お前が好きな花が 月の庭咲いた 迎えの蝙蝠馬車に 乗っておくれ  お父様 働いて過ぎゆく一日 疲れきった頬に似合うドレスはない  水晶の指を 傷だらけにして 魔法も失くしたか 哀れなる娘よ  決めたのはこの私 誰の言葉も聞かず 一度の恋の為に あのひとを追ってきた  醜い人間らの 棲む場処に何がある  貧しくも胸に包まれた 心というものはとても暖かい  お前が欲しがっていた彗星のローブを 夜会のために作った さあ着ておくれ  煌めく宮殿も 雪の冠も 恋人の綺麗な 瞳ほど輝かない  愚かなるわが王女 我々の仕来りを 破るわけにはゆかぬ おまえはもう戻れない  では背に隠した翅 どうぞもいでください  陽の光舞う空を忘れ 獣の様に這って生きるというのか  許されはしないでしょう 美しいすべてを捨て 最初で最後の恋 あのひとだけ信じた  それでも時の狭間 どうしようもないほどに 今は遠い日々を想い出す 涙というものは痛くて哀しい
緋ノ月ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也氷の 花びら 融けて 咲くでしょう あなたのぬくもりで 儚く美しい 一瞬を生きる  秘めたる 言葉は なぞる 星座の 翼に乗って羽搏くのよ  遥かなる太古の 原野に目覚めた 命を照らしていた 天は現代(いま)も変わらぬ  凍てついた闇夜を 砕き割れ月よ 私たちがつなげる 青い星の行方 知っているの?  誰にも 見えない 緋色の 銀河 渦を巻き 広がる この身体の中に 夢を呑み込んで  あなたと 初めて 見上げた 空の 光りの先へ解き放とう  いつか遠い宇宙に この手が触れたら 世界中で轟く どんな祈りも届くわ  朝焼けの水面に 流れ着く月よ 他の誰とも違う 私のまま今を 超えて行くの  いつか遠い宇宙に この手は触れるわ 世界中で轟く どんな祈りも届けて  黎明のさざなみ 輝かせるため 私はここに満ちる  遥かなる太古の 大地に目覚めた 命は続いていく 天と共に変わらず  凍てついた闇夜を 砕き割れ月よ 私たちがつなげる 青い星の未来(ゆくえ) 見つめていて
天譴と超克ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也空を裂き走る閃光の矢は 天の放った慰みとなろう  瞬く瞼に 真実(ほんとう)の光景を 映さぬまま  交わされ流れる 哀れみと涙に 何が宿る  傷付いていない足 大地を駆けてゆく 差し伸べるための腕 まだ誰かへと届く  このみにくい世に生まれたことを いつか残れる誇りとするため 己は己であり 群れの中でも 迷うことなかれ君 流れに逆らえども  人類(ひと)が現れる遥かなる過去 死んだ星の光がいま墜ちる 海山森と風と 共に目覚めた 言葉も歌も持たぬ 原始(はじまり)の時のように 恐れなき静か 美しい世界の黎明  合唱のように 唱えられる愛の 薄ら寒さ  人は誤った 生き物ではないと 言い切れるのか  守られるための盾 それだけでは足りず 殺戮のための武器 両方抱えている  このみにくい世で出逢えたことを 未来に向けた祈りとするなら 我らは我らであり 孤独の果ても 忘ることなかれ君 明日は遠くにあれど  空を裂き走る閃光の矢が 天の放った怒りとなろうと 闇を持たぬ宇宙の その片隅で めくるめく滅亡は 終わりの時ではなく すべての最初(はじまり) 美しい世界の再来  このみにくい世に生まれたことを いつか残れる誇りとするため 己は己であり 群れの中でも 迷うことなかれ君 流れに逆らえども  人類(ひと)が現れる遥かなる過去 死んだ星の光がいま墜ちる 海山森と風と 共に目覚めた 言葉も歌も持たぬ 原始(はじまり)の時のように 恐れなき静か 美しい世界の黎明
In The WorldALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也平野義久もし言葉を持たずとも 風のように わたしたちは 歌い続けられるかしら 誰に教えられずとも 人を愛することが できるように  はじめて君に触れた指から わたしの命は芽吹き 空を大地もすぐそばに在り ここで生きていると思えた In The World  ナイフひとつ持たずとも 知らぬ間に誰かの心 傷つけているかも知れず それはやがてこの目から こぼれる赤い涙かもしれない  こんなに君を知った胸にも 孤独の火の子は散って いったい何を燃やしたいのか 今を生きたいと願っても In The World  たとえ世界が終わろうとして 星の灯が消えても 君の瞳のその輝きが 終わりのない旅を教える  はじめて君に触れた指から  わたしの命は芽吹き 空も大地もすぐそばに在り ここで生きてくと思える In The World
リアル×ファンタジーALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也いくら言葉尽くしても どんな声で叫んでも 人は人の 心の底 映し出せはしない  獣皮(けがわ)に 包まれ 目覚めた 赤子は 野性の眼で笑う 悪夢は僕の揺り篭  夜毎飼い慣らされた 孤独は獣 長い爪を尖らせ 喰い込ませていく おのれの熱く滾る皮膚を抉って  堕天使たちを抱き寄せ サタンと酌み交わすのは memento mori 荊の森 柩を濡らす美酒  僕の指が撫でるのは 獅子(ライオン)王の鬣 瓦礫の城壁 時の遺跡を越え 幾度受けるのだろう 死の接吻を  黒衣の 尼僧が 育てる 薔薇には 秘められた蕊の香り 熟み弾ける疵の棘  薄紅の目蓋閉じ 眠れる君は ひとり白い裸身(からだ)に 月を侍らせて 輝く遠い日々の夢を流離う  神に祈り捧げても 悪魔に縋りついても memento mori 記憶の森 僕は闇の波間  君の胸が囲うのは 人間(ひと)に懐かぬ一角獣(ユニコーン) 角立て つかの間 甘い予知夢を見せ いつか巡り逢おうと 伝えておくれ  この足が踏みつづける どこまでも果てなき道 僕は僕の その彼方を 知ることはできない  現と幻のどちらに いま僕等はいるんだろう 互いの想いが つながった瞬間が 終わりなき物語 Real Fantasy
少女昆蟲記ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也生態観察せよ 図鑑に掲載なし 新種ではなくて特殊 一瞬幻影めくのは擬態  生息毒草地帯 性癖吸血症 群には属さぬ個体 触れた先から朱殷の発疹 油断なきようご用心  もしもあなたが少年のまま 澄んだ瞳お持ちならば 萌える季節の美しい時 恋するでしょう たとえ私が何ものだろうと  飼育は樹液により 寝床は絹糸屑 変温性ゆえ冷血 唐突に貪欲になって変態  誕生初月の夜 幼生春を過ごす 宿敵はただ同種族 繭か蛹か羽化のはばたきは 高みを目指して落下  きっとあなたは少年のような 無邪気な指お持ちでしょう 綺麗な翅や脚を広げ 刺されてみたい 標本箱の部屋の片隅で  透明な闇 思いだすのは 泣きたくなるような声で まだ名称(なまえ)さえない時から 呼ばれた記憶 目覚めた記憶 繰り返されてく  もしもあなたが少年のまま 澄んだ心お持ちならば 儚い醜い美しい刻 愛してください 命短し 私の一生を
マリーゴールドガーデンALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也こもれび舞う 鳥のさえずり 朝陽にかがやく 光の輪の庭 聞こえてくるの やさしいソプラノのあの声 パラソルの影の中 ほほえむ人よ  オルゴールの 蓋を開ければ よみがえりし世界 馨しき時間 小さな頃 ときめく夢  悲しみを知った今も 胸の痛みに 涙するたび それは 光の花 こころに咲く あの瞳のように  目を閉じれば 帰ってゆく 愛する者に囲まれ いつの日にか 思い出を恋うる あれは 遥かな国 宝石より 美しきものよ  咲きみだれる マリーゴールド 天使の羽根音 幼子の眠り 奏でているの 子守歌の調べ 遙かに 過ぎし日は 鳶色  あまき夢の庭で遊ぶ あの日
堕ちて候ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也桜の花は 狂い咲き 桜の花は 狂い咲き 春告鳥は 狂い啼き  乱れ髪ゆらり 夢一夜散りぬるを  桜の花は 狂い咲き 狂い咲き 年中寝んごろ 恋ぐるい 夜風の間に間の無情なさ  赤き帯だらり 参りゃんせ 堕ちりゃんせ 手折る枝はらり 恋し人 帰しゃせぬ  紅蓮の闇は 甘く深く 持ちつ持たれつ 堕ちて候  桜の花は 狂い咲き  花緒切れからり 通りゃんせ 堕ちりゃんせ 簪がきらり 恋し人 帰しゃせぬ 赤き帯だらり 参りゃんせ 堕ちりゃんせ 熱き胸ほろり 参りゃんせ 堕ちりゃんせ
青空ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ある日 この町に やって来たんだ 不思議な楽器鳴らす 奇妙な帽子を被った少年  ぼくは 屋根裏の窓で ずっと見てた 広場の崩れた噴水脇に 立つ彼を  聴いたことないような 楽しいミュージックが流れる 涸れた水の代わりみたいに キラキラしてる 思い出すよ ハッピー そんな気分さ  すぐに 人々が 寄って来たんだ 最初は子供たちが はしゃぎながら くるくる 踊ってる  ひとり またひとり 大人たちも 回る輪の中 加わる 腕を上げて 腰を振って  いつか聴いたような ステキなメロディ 恋の唄 ひびだらけの道で 男も女も仕事放り出して 踊る 日が暮れようと  怒鳴ってばかりの 父さんだって 昔若く ぼくとおんなじ  しあわせの時っていつだろう  街灯点らない町の 空へ 少年が 歩きながら投げた帽子 黄色い月になる  酒を呑まずとも 男たちの顔はバラ色 肩組み 彼を 追ってく千鳥足  楽しいステキな 音は鳴る 女たちは髪を解き裾を捲り 夢心地で舞う みんな少年のあとに 続いて行くよ  寂しい哀しい 音は鳴る 子供は立ち尽くす だんだん怖くなる 遠ざかってく行列 誰もぼくも だけど 付いて行けない 付いて行かない  そして町は 子供だけになりましたとさ!
幻想庭園ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也黄金の空のしたで 眠りについた廃墟の 隠された鉄の門が 追憶のように開く 秘境の花園は 神秘なる薫りで 溢れる  それはかすかな郷愁 そして少しの哀しみ わたしは言葉を失くし 幻想のなかを歩く 角を持つ獣が やさしい目を向けて 佇む  夕昏には 金の光が満ち 炎に燃える 麗しきこの庭園 幾千ほどの 薔薇たちが見る夢の ひとつひとつを 数えながら 時を 過ごした日々が 遙かな昔 それでも あったような 気がする
髑髏ヶ城の巫女達は永遠に現世の夢を見るALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也遙か昔 わたしたちが 緋色の翼に抱かれていた 其の記憶  繭に動く蚕のように 紡ぐ白日夢 絹の千早に包み  それは未來 祈り以て 暗黒も裂けるほどの 麗しき光景  闇の中か 光なのか 滅亡の影を導く 蹄の音は鳴り  転生せよ 民族の血 山を砕く 河のごとく まだ間に合うだろう 終焉の宴には  日の出づる処に こうしてまた生まれ 翔ぶ術を失くしても魂(こころ)は 尊き時へと舞い戻る 此処で知る生きることの神秘 其の共鳴  畏れなき明日の世など 在りはせぬと  天が穿つ 銀の奈落 月宮殿から届く 交情の矢文  独りでなく一つでない なぜそれを忘れ 孤獨ばかり彩る都  穢れ受けぬ胸に沈む 誰を想う痛みの刀(けん) 捧げることだけが この巫女の軍(いくさ)なり  日の沈む処に 生贄を埋めよう 白い指 朱い骨繋いで 羽撃く代わりにわたしたちを 共に持つ命の強かさ 其の儚さ  哀しみを塞ぐことが できなくとも  日の出づる処に こうしてまた死して 来る夢に帰っては見果てぬ 愛しい時へと舞い上がる 幾度見る生きることの豊饒 其の源  月を背に 聳え建つは髑髏ヶ城 畏れなき 人の世など在りはしない
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
RED WALTZALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也蘭の華を愛でるように あなたの舌が 呼びつづけた私の 名前は 偽りだったの  暗躍する影に 心を売った女 どんな命も草花のように 散らす冷たい指を持つの  たったひとつ 怖いものがある この手を狂わせるは 恋 胸元 隠した毒 また一夜 躊躇わせ  何故あなたは 疑いもしない 優しい眼差しなの だめ これ以上見つめないで 抱きしめて ただふたり踊りましょう 私が黒い手套 静かに外すまで  汚れたこの街で 唯一美しい夜明け 輝くひかり受けて 生まれ変われたらいいのに  激動の時代は 人々の人生を 巻き込んでゆく 軋む歯車 止める事などできないのよ  もうひとつも 怖いものはない この手が揺らぐのなら恋 恋した それが証し 靴元へ 落ちる小壜(びん)  もし平和という世の中なら 幸せ 巡らせてく愛 愛するだけの為に 生きられた でも此処で踊りましょう けして終わることない 最後のワルツを  いまあなたが 私の手を取り 指へと 嵌めるものは 赤 真っ赤な 朝焼けと同じ色の指輪なの?  ああどうして 気づいていたでしょ 強くて いけない人 だめ これ以上動けないわ 抱きとめて あと少し この瞳が あなたを映したまま 静かに閉じるまで
南無地獄大菩薩ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也彼岸の曼珠沙華 境界隔てよ焔坂 足元掬うは 泥濘るむ泥か盛る花か  生きようとした 伸し掛かるほどに業重く 救われたいと 思うたびにこの身は沈む  蠢く一寸先より いま此処 逃げども行けども昇れど転がる 嗚呼われ地獄 燃える腕 の抱擁  場末の毒罌粟 滴る露は恋の腐臭 五臓に沁みるは 苦汁の血反吐か甘蜜か  愛そうとした 爛れてゆくまで欲深く 赦されようと すがるたびにこの身が果てる  無常の 闇こそ溢れる極彩 追えども行けども塗れて堕ちれば 嗚呼南無地獄 笑む菩薩の掌上  蠢く一寸先より いま此処 逃げども行けども昇れど転がる 嗚呼わが地獄 凍える舌の接吻  無常の 闇こそ溢れる極彩 追えども行けども塗れて堕ちれば 嗚呼南無地獄 笑む菩薩の掌上
禁忌 TABOOALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也影ヲ見ナイ 罪ノ光(アカリ)  醜い奴ほど 偉ぶる世界で 僕らの仮面は 黒革仕立て  TABOO 犯せ その禁忌 一寸先 夜逃げ道 奈落に背き TABOO 跨げ その禁区 恐れこそが裸身の 下に纏う絹のローブ 震える捕らわれたる君と 口づけを交わし合おう 淫夢の扉のアチラ側  闇ゾ真 罰ハ現  なぜ僕らの耳 塞がれもせずに 良品生産 軋む機械音  TABOO 護れ この禁忌 あんたらに理解など 誰が求めよう TABOO 放て その禁句 いつか壊せるはずで 傷つくのも構わない だけど勘弁 その汚れに 塗れるのが厭なんだ 意外と指先の 繊細  LOVE 弄ぶ わが美学 流行など唾の中 穢れの絵の具 Gothic 愛しこの思想 秘すれば花は薫る 腐るほどなお甘く まるで君の舌のようだね 口づけを捧げ合おう 因果のイコンの前で 交接をつづけ合おう 淫夢の扉のアチラ側
少女と水蜜桃ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也幾つになったら少女と 呼ばれなくなるのでしょう 母さま わたしはもうとうに 大人になってしまったの  春の節 緋毛氈 敷いた部屋の  段飾り雛遊び ひそかな囁き しずかに人形たちの 目が見下ろす  庭の隅で莟の 桃の木が軋む 傾く屏風の中へ 吹く風にひとひら 舞って落ちる 紅い影  人生はいたづらですか 選べぬおみくじのよう 母さま 不幸なあなたと 同じでもいい子でいます  点す炎 仏さま 浮かぶ お顔  白い畳紙の上 散らばる黒髪 いつでも優しい指で 結われていた  果実に巣喰う虫の そのおぞましさを 憎み尽くそうとしても 胸だけに仕舞って 少女のままで 在るために  たとえ貴女 知っていて 黙っていても  段飾り雛遊び たおやかな微笑 わたしはあの人形に なりたかった  庭の隅で盛りの 青い枝に今 甘やかな蜜も持たず 固い果肉のまま 実って落ちる 桃ひとつ
フラワーチャイルドALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也夢のフラワーランドヘ 連れて行ってあげるわ ひかりたちのダンスに合わせ 花のドレスでキララ歌いましょう  風のメリーゴーランドに わらい声がひびくよ ほら ここでもつぼみがひらく みんな一緒にリララ踊りましょう  星がささやくころには 甘いミルクを飲んで ふわふわ眠るゆりかごのなか あなたのことそっとおもいだす  明日もほほえむおひさま せかいじゅうをつつむわ どんなときもやさしいこころ わすれないでねそれがやくそくよ
百合と夜鶯ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也月に羽根を染めた 夜鶯が舞い降り 馨しき憂いの百合へと 問いかける  何故あなたは 夜毎 花を濡らして 美しい宵を ただ泣いて過ごすの?  それは恋しい人が 娘を抱くから  やさしく触れた指が 忘れられずに 枯れるだけのこの身が 哀れで悲しい あの人の胸のなか 香れるならば 一夜の命も惜しまぬのに  百合は答えあまく慄える  森の苔の褥 彷徨うのは娘 葉末の間から 夜鶯は訊ねる  何故あなたは ひとり暗い小径を 茨に血を流し 迷い込んだの?  それは恋しい人が 去って行ったから  移ろい変わるものは 時だけじゃなく 人の愛と心と 知ってしまったの 愛しい腕のなかに 戻れぬならば もう夢の欠片も見えぬでしょう  長い髪に 薄闇が散る  やがて娘は 朽ちた百合の根元に 倒れてその目蓋を 閉じて動かない 乱れるように開く 花の底から 黄金の花粉が降り注ぐ  移ろい揺らぐものが 儚いのなら 清らかなまま昇る 魂はどこへ 白い墓標の上で 囀る夜鶯は 天使の翼に憧れて  一晩中 羽搏きました
神の雪ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也触れたきものは 仄蒼き頬の下 かよう血汐の 生き急ぐぬくもり  時をつなぎ止めるため あなたを抱く 肩の向こう見上げる冬の 夜は羽摶き  いま私に舞い落ちるのは白い雪ではなくて土 冥い闇の底にひとり安らかに埋もれよう この世で大事なものを幾つも失くしてきたのになお まだあなたの美しい横顔に惹かれるのか 果てもなく 狂おしい祈りのように  踏みしだかれた 薄氷の上に立つ 足元すくう凩 天の奈落 越えて届く ひとひらの夢 縋れるならば  いま私に降り注ぐのはやさしい雪ではなく炎 この手で消す術も持たずただ焼かれ朽ちるため この世に変わらぬものなど在りはしないとわかってなお なぜ人はどんな日も無きものばかり望むのか 罰のように 汚れ染みぬ想いに変えて  どうかあなたを包むのは冷たい雪ではなくて星 その輝きに焦がれて私は息絶えるだろう この世に悲しきことは尽きぬほど満ちたと知ってなお なぜこうも易々と涙はあふれるのか 罪人のように いつまでもその腕のなかで
形而上的な、蝶になるALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也蠕かすもの 留まれるもの 分解されよ 再生されよ  静寂を 這いずる きぬずれ 翠の影  思考をこえて 言葉をこえて 囁やけるもの 問いかけるもの そしてわたしがいる そしてわたしはいる  いつ 現れ  はじめに在りき そのひと滴  蠕かすもの 留まれるもの 分解されよ 再生されよ  暗色を 這いでる 訪れ 瑠璃の裂け目  思考をこえて 言葉をこえて 囁やけるもの 問いかけるもの そしてわたしがいる そしてわたしはいる  いま 現れ  はじめから無い 時間に止まる  変態 風に水に揺蕩うよう 舞い上がらんΨυχη  ……  蠕かすもの 留まれるもの 分解されよ 再生されよ  静寂を 這いずる きぬずれ 翠の影  思考をこえて 言葉をこえて 囁やけるもの 問いかけるもの そしてわたしがいる そしてわたしはいる  また 現れ  終わることなく 繰り返される  羽化 濡れた翅から広げ 燃え上がらんΨυχη  ただすべては 毀れたる鱗粉の粒子の中 なれど
雪ノ女ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也粉雪を凍らせようか 地に舞う前に 吐く息ひとつで  つららと見紛う 氷の匕首  雲が裂けるたびに 月も刃を見せよう  憎しみの為に 出逢う定めも また愛し 故に 藍より青く 想いを遂げるその日には 静かに空は澄みゆき 溶けるだろう  向き合う心は所詮 氷の鏡 亀裂を留めて  もはやその姿 映しはせぬまま  血の通った首に ただ焦がれ続けた  刺し違えるなら 交わした契り なお近し肌に 愛より深く 怨みを埋めてゆけども 冷たい涙に戻り 跡形無く  憎しみの為に 出逢う定めも また愛し 故に 藍より青く 想いを遂げるその日には 遙かに空は澄みゆき 雪崩るだろう
秘密の花薗ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也あなたが失くした緑の鍵 ふたりの秘密の花薗へと 続く錆びた扉 最後に開けたのは 昨日のことか それとも遠い昔  葉末の腕がひらく 迎えるように 萌黄の蔦は伸びる 抱き取るために 蘭の薫りは 紗衣(ローブ) 菫の群れは 茵  双子の少女のように 片時も離れない どちらの背中にも見えた 美しい蝶の翅 光に透けていたわ  わたしが盗んだ大事な鍵 ふたりの季節を留めたくて  出口は鳥たちが 枝で隠したのに なぜ潜ったの あなたは泥だらけで  糸杉 幹が揺れる 微風乱し 茨の茎は軋む 問いかけようと 薔薇の憂いは 吐息 百合の雫は 涙  この世の花という花 ここで萎れてゆくわ どうか戻ってきて 時を止めたまま 待っている ずっとひとりぼっちで  それは誰も知らない 些細な事件 想い出を忘れない あなたのために  蝶々の骨で作った 小さな鍵を 送るわ  街中さまよっても 扉はどこにもない だけど失くさないで 二度と  埋められたわたしだけ 終わらぬ春を生きる
桂冠詩人ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也わが心を夜毎 冷たい月の 光に凍らせて 粉々に砕けば  燦爛と燃え 破片は胸を刺さん これが愛する痛みと  白亜の神殿に 刻まれた幾万の詩 過去からの営み なぞる如く生きては ただ歌を紡ぐ 狂おしき宿命  なおも馨しく 苦しみ伝う血  わが涙を注ぐ 静かな海に 水面の輝きに 抱かれて沈むなら  深淵に落ち 蒼い真珠とならん 偽りなき恋ならば  想いの海原を 言葉は帆船(ふね)になって どこまでも旅する 辿り着く岸辺は この世にはないのに 波は永久に寄せる  頭上に戴く 泡沫の花よ  天へと捧げん 空に書き風に詩い 最後の一節まで 月桂の葉匂う 美し供物となれ この命を添えて  すべて時の砂 埋もれたあとも
LOST CHILDALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也虚像(うそ)こそ真実と 画面がささやく  蛹のベッドは 背骨が軋む ぼくたちは 強くなりたい  人は争うことばかり 都市は怯える人だかり  キレイなふりして お家に帰るの  ギブスの翼が 肩に食い込む わたしたち ひとりがこわい  日々は解せないことばかり ママの小言は神がかり
陸と海と空とALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也歩んで行こう 萌える陸の桜咲く大地を 実りの時を繰り返した 神の土地の  どんな日があれど 人々は暮らす 目覚めの朝と 眠れる夜と  誰でも生まれた 場所を愛したい たったひとつの 誇る故郷として  僕は家を出た いつか戻る為 まだ先がある  渡って行こう 青い海を 輝ける波間を 赤道線を越えなくとも 君が見える  正義を失う 明日なんか無い 昔の人も 信じつづけた  僕らの頭上に 旗を掲げよう 世界にひとつ この国の紋章を  飾り立てはせず 偽りも持たず 現代(いま)の自分へ  翼に乗ろう 藍の空へ 煙る白い雲へ 天の彼方を知らないから 君に会える  道は分かれても 左右は違わぬ 民 共にあれ  歩んで行こう 萌える陸の菊香る大地を 境界線を越えなくとも 君を守る  渡って行こう 青い海を 輝ける波間を 翼に乗ろう 藍の空へ ああいつまでも
毒味役ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也燃やすのは恐れ 灯すのは命 痺れる記憶 いま在る現は幻覚か  わたしをここまで 育み造った 苦く美味なる 闇  微笑む聖女と 嗤える悪魔が 向かい合う晩餐の 銀燭(あかり)に跪き  今宵も渇く喉に 垂らされる 一滴  人は毒味役 受け皿の肉体 嗅ぎ分けていく 見えぬ行く手を 苦しみ藻掻いても  毒に毒を以て 蝕ばまれながら 舌先触れる 微かな甘さに酔い痴れて 生きることを貪る  果敢ない 心を 築いてきたもの 城壁を巡らせ  眠れる王者と 目醒める奴隷は 寝台と牢獄で 同じ夢 彷徨う  頸元に当てられた 赤金の月の刃  忍ぶ暗殺者 すべて消せばいい 断ち切られても この眼は視よう 甘美なる地獄を  燃やしては焦がれ まだ灯る命 痺れる記憶 いま在る現も幻覚か やがて死が充ちてくる  誰も毒味役 受け皿の肉体 試され選ぶ 見えぬ行く手を 悦び喘ぎつつ  毒に毒を以て 蝕ばまれようと 舌に留まる 僅かな甘さに酔い続け  生きることを貪れ
LabyrinthALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Flyin' to my Dream ひとりじゃないこと あなたの胸で はやく教えて 呼びつづけて 私を  自由という名の 迷路の真中で 途方にくれながら 膝を抱えてる  鏡の壁を覗くたび ワタシハ ダレと こだまが問いかけるよ  Flyin' to my Dream 凍てついた夜を いくつ壊せば 未来が見えるの Labyrinth of my Heart 幾重にもつづく 扉の向こう 何があるのか 連れて行って 私を  愛という名の 深い森の中で 何度も傷ついて あなた探してる  少女の夢で信じてた 出逢いの奇跡 いつか星が導く  Flyin' to your Love ひとりじゃないこと あなたの胸で はやく教えて Labyrinth of my Heart まだ見ぬ光が 心の隙間 満たすその時 生まれ変われそうなの  Flyin' to my Dream 見えない翼は どんな風にも きっとはばたく Labyrinth of my Heart 幾重にもつづく 扉の向こう 何があっても 呼びつづけて ずっと 連れて行って 私を
亡骸の女ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也どこまでも続く園 繚乱噎せる花の蜜 わたしは蝶と生まれ 余すことなく 甘受する幸福の 一瞬が永遠だった  気づけば床に倒れ 白い天井を見てた 溺れてく人のように 手を伸ばして口を開け  この声を失くすだろう あなたの名前をもう呼べない 幻は鮮らかに 指にいまも触れるのに  聳え建つは楼閣 酔郷巡って回廊 わたしは巫女と生まれ 億の夢を授かり舞う 悦びの戯欷は 償いだった  見えない砂が落ちる 崩れるすべての時 埋もれる人のように 諦めて目蓋を閉じ  ああ言葉も葬られ あなたの名前ももう知らない 幻は跡形もなく 瞳には虚ばかり  気づけば床に倒れ 白い天井を見てた 溺れてく人のように 手を伸ばして口を開け  この声を失くすだろう あなたの名前をもう呼べない 幻を恋いながら 亡骸のまま生きようか  朽ちもせず焼かれもせず 醜くも美しい わたし
眠れる城(Drama Version)ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也目覚める前の国で 僕らはいつも 頬を寄せ合いながら 唄った  見知らぬ未来たちが 待っていようと いつか迷わずに 戻って来られるように  小鳥にも授けよう 忘れえぬ 歌のつばさを  優しくて哀しい 気持ちはいつどこで 育っていくのだろう 蒼い芽の中  君だけ抱きしめる 腕は蔓となって そっと絡みついて 離れたくない lalala  果てなくつづく園の 片隅にある この小さな世界で 眠った  摘まれたつぼみ埋める 弔いの土 ふたり掘りながら ぬくもり残してゆこう  ただ夢を見ることが これほどに 難しいなら  愛しくて寂しい 心はバラバラに ひび割れ重なって 星のかがやき  君へと差しのべる この手は風になり どんなに遠くても かならず届く lalala
Lolita in the garretALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也アトリエの窓辺から ルドン・ブルーの空こぼれ 床(フロア)を塗りつぶす  夜明けまえ去った人 広いシーツは冷たく 変わらぬ朝を包む  tu sais, je t'aime この次は どこか私を連れ去って まだ知らぬ自由を覗きたいの 大人のずるさは 知ってるけど  描きかけの自画像と 鏡に映した顔は 夜毎に かけ離れ  恋だけで 息をする わたしは泡沫の日々 浴室で沈めたい  tu sais, je t'aime 会えるまで あなたを学びつづけよう カフェ 地下鉄 美術館 どこにいても あなたの視線で なぞってるの  tu sais, je t'aime すぐに来て どうかわたしを連れてって 何もかもきらめく その場所へ  Monsieur, どうして愛は 移ろい人を変えるのか 汚れない想いが 真実か すべてをあなたに 教えて欲しい
BArADiPArADicAALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也眠らない森へと BArADiPArADicA 猫脚の寝台は 宙を舞う馬車 少女らの行方は 大人がけして 読み聞かせられない ファンタジー  わたしの続き運ぶのは 秘密の呪文 現実は小説より奇なり 不思議の国よ  醜いアヒルの子は 雪の羽毛ゆめみる 鏡のゲルダたちは いくらでも着飾れる  今日がまた生まれた BArADiPArADicA 木漏れ日はもがれた妖精の翅 甘い毒林檎をジュースにしよう ガラスの靴を割る プリンセス  救いのお手を 王なるグランドファザー  冒険譚 仲間助けたり 喧嘩してみたり あなたと君と出会うのは 運命かもね  ベール剥がし晒した ココロのままが綺麗 矢も剣も跳ね返す 鎧なんていらない  夜がまた目覚める AbulAGedAbuRA 黒い蝶々飛び立ち見えない傷が 月光の輪(リング)で きらり輝く 瑠璃の血で書き足す ダークサイド  お導きあれ 魔女なるグランドマザー  裸の唇で BArADiPArADicA 過ぎて行くわたしに二度と戻れない 足跡に咲くのは ひなぎくの花 忘れえぬ 純潔  明日はまだ生まれる BArADiPArADicA 待ち受けるすべてはきっと愛おしい どんな物語も敵わないのよ 新しく始まる ファンタジー  また逢いましょう 少女のわたし  BArADiPArADicA …良い時をさらに良く、悪い時を少しマシに する、万能の呪文。  AbulAGedAbuRA …どんな暗い闇をも煌めかせてしまう呪文。
星降る夜の天文学ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也腕を伸ばせば 宇宙のベッドの上 吐息の星が 砂金みたいに流れ ふたりの間で 音をたてる  天の河越えて 迷子になる あなたの瞳は 恋しい地球  せつなく遠く近く 目と目が合う 隕石の加速度で あなたに落ちるわ  雲を引き裂き 背中で爪が割れる 天も地もない シーツの天文台 乙女座を満たす 恒星(ひかり)の剣  あまい銀河の 波を昇り 彗星に乗って あなたを回る  死ぬほど熱く深く 融けてゆくわ 太陽に吸い込まれ 炎になるまで  せつなく遠く近く 目と目が合う 一億光年の旅 あなたと行きたい  死ぬほど熱く深く 融けてゆくわ 太陽に吸い込まれ 炎になるまで
La veriteALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也誰もがひとりじゃ生きられないと言う 誰かといつでもつながっていたいと言う  だけどほんとは違う 自分ごまかす術  テレビは伝える知らなくていいnews ラジオは聴かせる流されてゆくsongs  なにがそんな大事 抱えてるの たくさん  小さな嘘を君がつく 世界が少しひび割れる カラの卵の膜のように 乾いた音が聞こえたって  この瞬間も君が好き あり余ってる時間の中で 僕のただひとつの それが真実だから  他人を愛せない人ねと君は言う それなら自分を愛せてるの君は  いつも斜めばかり 前が見つからない  素直な僕など見せない 弱さで引き合ったなんて思わない 隠してる闇は けして光と交差しない  たぐり寄せるように触れる 愛しい場処を初めて知る 君のただ一度の いまを信じてみて  大きな嘘を誰かつく 世界は傾き揺れても 空は青いと子供は言い そうして回りつづけるんだ  この瞬間も君が好き まだ見ぬ風景の中さえ 僕のただ一度の いまが真実なんだ
小夜啼鳥(ナイチンゲール)ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也あなたから 愛をついばむほど 哀しい夢 さえずる小鳥 私は  知らない名前を あなたが呼んだの 私 眠るふりして 窓を見る  その腕が 夜ごと私の籠 空はもう 広すぎて飛べやしない  あなたは冷たい 茨の棘なの いつも私を抱いて 微笑うだけ
纏われし者らALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也心臓太陽牽合う火柱 閃き燦き目裂く錯乱 蘭芯爛熟来世の戦争 早春蒼白創痍の引訣  血管月虹光差の言葉 羽博き瞬き舞散満開 空界江海冠して懸谷 暗黒暁闇相見て愛信  わたしを造る暗闇と あなたを造る光と ふたりを包む極彩を この同じ時代のなか混ぜ合う  あなたが生きる現実と わたしが生きる幻想と ふたりを生かす地上とを この同じ時間のなか重ねる
蓮華幽恋ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也夜気を浸す 蓮の池に 月は傾れ 留まる  生まれてきて 今初めて 静寂という 無を知ったの  あなたの首で やさしく舞った この指は 心から生えて咲く花  溢れる水も 泥濘るむ泥も 混じり合い引き合って 光を渡す  けれどみんな 涸れてゆくのなら そこはふたりが 生きる場処では ないでしょう  わたしにはもう 石畳を踏む跫音さえない  聞こえるのは 笑うような 碧いつぼみ 開いた音  あなたの肩を 抱き掻き抱く この腕は 鞘のない生身の白刃  恋しい人よ その首の根に 刻み込む 傷の痕 蓮華の刺青  たとえ来る世 消えず残っても 思い出さずに 見つけてください わたしを  あなたの上に 頽れ燃える この骨は 埋もれて空を見ぬ茎  愛しい人よ 目覚める間 紅炎の夢を視る 散華の子宮  きっと来る世 出逢えたときには 思い出すでしょう  あなた次はその腕で 殺めてください わたしを
カフェテラスでお茶をどうぞALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也カフェテラスで お茶をどうぞ 午後三時の ティータイム おしゃべりな こもれびたち  紅茶にたらした ハチミツのように ほら 時間も溶けてしまう  忙しいあなた ちょっと足を止めて 座っていきなよ  しあわせを スプーン一匙でも さしあげられたらいいな  カフェテラスで お茶をどうぞ いたづらな そよ風に テーブル中のクロスが舞う (flying flying)  あっちこっち 大騒ぎ 午後三時の ティータイム 小鳥たちがウェイトレス  ホットなアップルパイに つきさしたフォークで さあ 恋を占いましょう  待ちぼうけの君 信じることも美徳 がっかりしちゃダメ  いつでも 変わらない笑顔のまま 逢えたら素敵ね!  カフェテラスで ひとやすみ ミルクカップで うたた寝 夢のおかわりは いかが? (glaces glaces)  甘ずっぱいお菓子そえて 初恋の味かしら 胸のなかもクランベリージャム  カフェテラスで お茶をどうぞ 悩み事もいっしょに 飲み干してしまえるから (singin' singin')  いつ来たって花盛り クリィーミーなときめきを カフェテラスで お茶をどうぞ
薔薇娼館ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也濃紅へと沈む夕べに 土に撓まぬまま 少しずつ朽ちるのは  また一片の花弁 また一輪の薔薇 蒼ざめ浮き立つ かつての純白  まだ薫りは仄かに まだ記憶を留めて すべて甘やかに 忘れよと告げるように  いま私は妬ましい 花の季が  硝子を伝わる水滴眺め 凍えることのない 肌を抱く爪は棘  指先を触れもせず 囁きも交わさずに 遠離る影を 目を閉じ追っても  瞳から植えられて 胸の奥で何度も 開こうと藻掻く 一塊の赤い芽を  恋と呼んで 慈しめばいいのですか  まだ一片の花弁 まだ一輪の薔薇 外は騒ぐ風 通り過ぎる修羅  なお薫りは立ち篭め もうひとつあとひとつ この身の代わりに 散り果ててゆくがいい  溜息も零さずに 叫び声も上げずに ただひとりの名を 塗り込め差す紅  ここは蔦の蔓延る 熱の籠もる温室 咲きも枯れもせぬ わが薔薇だけの為の  誰かの手で織り込まれた 造花のような
天使に寄すALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也天界は今 はるかなる 湖のように 汚れなきその心を 地上へと 映し出す  目覚めよ 天使 さあ 瞳をあけ 濡れた翼は 月の光に ひらくでしょう  生きとし 生けるもの達の 祈り声は風 命の樹木を揺らして 空をふるわせる時  目覚めよ 天使 さあ 腕をのばし 小さな手のひら 抱えきれない 愛がある  謳えよ 天使 永遠なる調べを いつか翼は 誰かの夢を 抱きしめる  目覚めよ 天使 その 薔薇のえくぼで 絶え間なく流れる 涙を止めるため
小さき者への贖罪の為のソナタALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也もし君が立つ 足下が崖なら 飛び降りるべきは 私の方で  翼などもう 疾うに失くしたから 天へと昇れる術を 持たないだけで  だけど羽よりも そして誰よりも いまの君をそっと抱ける 腕を持っている  苦しみを怺え 悲しみを越えて それでも頽れたなら 地上で砕けた 星のように燃える 行き場なき希望の  帰る空を 何度でも捧げよう  君が覗いた闇の 深い底を 目に映す者は 私だけでいい  だからこうして 夜に歌いかける すべてを呑み込む 虚無が目覚めぬように  どんな言葉なら そして祈りなら その心の奥に触れる 響きとなるだろう  愚かさを知って 愛しさを分かち 過ちに躓けど 許される明日を 願って立ち進む 穢れなき戦いの  どうして君を 独りにできるだろう  生きてきた意味を 生きてゆく理由を 命の血へと流れる 遠き人々の 想いが綴るのを いつの日か読み取らん  愛よりも深く 罪よりも重く 積み重なってゆく時 もう誰も何も 君を引き裂けない 世界照らす輝きを  私たちは 静かにそばにいる
東方憧憬未見聞録ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也理想の国はどこにある 日の出づる場処その果てに 静かに遙かに夢出づる  みんな探している 涙ひとつ落ちることない国 うるおう大地 そよぐは金の稲 極楽鳥の歌を聴いて 香焚き染めた絹震わせながら 梨花の髪に風は舞って いち日が過ぎゆく あしたも同じ  七つの海を行けど けして追いつかない 逃げる蜃気楼  すべてが輝ける黄金の 都に棲むは優し人々 誰もが欲しがった幸福は ぜんぶその島に 生まれていったから 競うように船は行く われ先にと  みんな暮らしたい 争いなど起こることない国 よりそう太陽 みのるは金の実 奔馬は駆ける山河巡り 童たちは遊ぶ御伽のなかに 谷の底まで桃源郷 永遠は過ぎよう 真綿のごとく  東の空の彼方 それはまぼろしの楽園 ZIPANGU  原野は夢を見た 金色の 栄えし港 着くは帆船 異国の息吹浴び その島は 溢れる野望を 受け取ってしまった 足早に時は急き 色褪せる  理想の国はどこもない 悲しみの涙がないと よろこびの花は開けない  すべてが輝いた黄金の 眠る都の照り射す瓦礫 誰もが欲しがった幸福は ぜんぶその下に 埋もれたというから 地図もなく船は出る 今日もまた
花と龍ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也待っておくんなさい そこの兄さんよ 惚れた腫れたなら いっときだけ  でも彫りたいのさ 牡丹の緋の色 寒桜の紅 枯れぬ心に  毀れた白刃を翳して 生きる不器用さ赦して 浮き世の裏から表を 覗く きらめきは 恋の炎 一叢  素肌を刺すのは 青い鉤爪と 薄墨の鱗 修羅をくぐり  張っておくんなさい さあ丁か半か 夜風はいずこに 靡くとしても  巡り合うことの定めを 愚かな女 無駄にして 孤独の果てに辿り着く 闇へ 踏み出して この末世に 賭けよか  白衣などいらない わたしの背には龍 涙など持たずに あなたの肩で哭く  ひととき抱いていて 蘇った空に 再び何処までも 昇ってゆけるから  人は生まれ落ちた瞬間(とき)に 一度きり賽は投げられ 浮き世の底から天へと  毀れた白刃を翳して 生きる不器用さ赦して 浮き世の裏から表を 覗く きらめきは 恋の命 一片
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
Je te veuxALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也わたしの胸はぴあの ゼンマイ仕掛けの小鳥 くるしい恋の唄ばかり 歌いすぎたみたい やさしく叩いて 壊して  わたしの指はミシン 心臓ふちどるビーズ いつも赤い糸ばかり よじれもつれ途切れ 幾重にも絡まる愛の重さ だけど絹(シルク)のように 包んであげるわ  世界中でいちばん あなたが欲しい もう何も誰もいらない  わたしのからだはまだ 組み変わってゆくパズル どうぞ恋の欠片ごと 嵌めてつなぎ合わせ ここにあなたが 居るという答え そっと唇寄せて 教えて下さい  わたしの目がすべてを 消してしまうまで ずっと
アンジェノワールの祭戯ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也自鳴鐘の音が 消える午前三時 透きとおった 扉に映る影 手招きに 誘われて  花を燃やす香り 噎せるように甘く 漂うなかで 鍵を開けてしまう ざわめきの 声の渦  今宵は 金の美酒 さあ お召しあそばせ 紅 肌を染め  ドアの外はカルナバル 見知らぬ人々が踊るの 誰も私にかまわないで 天使のままで生きていたい  貴方の顔さえ 忘れてしまったわ 杯のなか 沈んでゆく涙は 少しずつ 嘘の味  この世は 邪悪の蛇 巻かれて 惑わされ それでも 愛したい  身も心もゆだねる 闇夜の帳の波間に 黒い薔薇の花を抱いて 天使のままで息絶える  今宵は 銀の雨 ああ 熱い矢のよう 終わりの ない祭戯  ドアの外はカルナバル 見知らぬ人々が踊るの 誰も私にかまわないで 天使のままで生きていたい  身も心もゆだねる 闇夜の帳の波間に 黒い薔薇の花を抱いて 天使のままで息絶える
乙女の贖いALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也その白い頬にひと刷けの 春 桃色の 灯り点せるなら  こんな私の一生分の 笑顔 微笑み ぜんぶあなたにあげるわ  ただそばにいるだけで 何にもできないの  もっと苦しみよ あなたの痛みより強く  人は大事な誰かのため 命を捨てる 覚悟だってできる  捧げられるなら何度でも 私は羽根を剥いで 散らしつづけるわ  でも指を 離せない 残ったぬくもりを  本当は さみしいの ひとりはなんて冷たいの  なぜ すがるのは 儚い祈り 消えそうな  どこへ届けたら この歌声は意味を持つ  ただそばにいるだけで 何にもできないの  そうよ 哀しみは 夢の空白より深く 広がるわ それでいいのよ あなたになれない私の罰
修羅と蝶ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也狂える嵐 既に遠く去りて 私の中で眠り睡る修羅  糸に巻かれてたたまれる 千々に裂かれた翅だろうと  血を流した 涙の代わりに 何故それを愛と 名付けようと思うのだろう  病葉にも似た この掌 触れる冥い土 泥濘む皮膚 埋めて探さん 沈める 蛹を  時には赤に 青い黄色に染み 私は知らぬ姿を持つ修羅  溶ける光を焦がれては 心を離れ立ち昇る  棘で記せ 言葉よりも深く ただこれが恋と 穢れたとて消えぬように  色無き葩 固く抱く蕾 開き散ることを 阻む如く  茎ごと手折らん 蠢 蛹を  そして蝶は 一斉にと舞う 何故いまが春と お前たちにわかるのだろう  未だ息を運ぶ この胸を 破って最後の ひとひら飛べ  血を流した 涙の代わりに なおいまも愛と 名付けたいと思うのなら  抱きしめよう 過ぎた苦しみも 愛しさが孵す化身として  毀れる抜け殻 羽化した蛹は  私を縫い閉じ
PANDEMICALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也闇闇たる暗澹たる 眼蓋の向こうへ 昏昏たる混沌たる ワタシは目覚める 手術台めいた寝台で 死せる百合の香に誘われて  凡凡たる洋洋たる 時は沮まれて 亂亂たり絢爛たり 夢は白々と 世界は密かに侵されて 不自由なき無菌の感染  まだ分かり合う意味などある? だれもみんなひとりで ただ自己だけ愛おしがって キレイゴトのママゴト  触れる掴む結ぶ外す奪う握る抱き取る この肉体はまだ器用に君の事捕らえても 頭ばかりずっと遠いところ離れていく  浪浪たる累累たる 溢れる人波 燦燦たれ惨憺たれ 逃げても果てなき 世界は静かに満ちていて 渇望なき不感の伝染  まだ愛し合う意味などある? これ以上望むなら なぜ罪深さ気づく前に 救われたいと願うの  話す叫ぶ歌う笑う黙る喚く唾棄する こんな口は白痴の様に当てもなく饒舌で だから心なんかどこにあるか忘れている  まだ繋がったつもりでいる? ぜんぶみんなひとりよ ただ自分だけ厭わしがって エソラゴトのウツビョウ  触れる掴む結ぶ外す奪う握る抱き取る この肉体はまだ器用に君の事捕らえても 汚す穢す犯す壊す倒す殺す滅ぼす まだ互いにどんなことも為してしまうと分かる きっとヒトがヒトで在ることさえ無くなっていく
真偽贋者遊覧会ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也夜の夢こそマコトは 嘘 夢見ることこそ 現  色を一つ差して引いて もう違いがわからない ここが何処かさえも曖昧な  屋根の下 床の上 見つからない人魚のよう 人が抱く幻想は 騙し合って作られた剥製 愛でようか 壊そうか 魔術師(ウィザード)の声で歌い 手品師(マジシャン)の手で持てなす 贋作師(フェイカー)の目で見つめて 詐欺師(ライアー)の舌で語る いっそどうぞ こころゆくまで 騙し絵(トロンプルイユ)を  仮面剥いだ貌が同じ もう誰だかわからない ありのままがいちばん恐ろしい 隠しても 曝しても 超現実主義(シュルレアリスム) 快楽 抽象表現主義(アンフォルメル)の憂鬱 絶対抽象絵画(シュプレマティスム) 禁欲 前衛芸術(アヴァンギャルド)の爆発 枠の中を 抜けて先まで 逆さ絵(トリックアート)で  魔術師(ウィザード)の声で嗤い 手品師(マジシャン)の手で盗んで 贋作師(フェイカー)の目で射ぬいて 詐欺師(ライアーの)舌で騙れ いっそどうぞ ココロひらいて ずっとみんな 姿持たない 歪像画(アナモルフォーズ)ね 歪ム 歪ム 回レ
金いろのひつじALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也どんなに離れてても わたしは君を想う  心だけ 翼を持つ ああ風のように  泣かないで そこにいて やさしい唄をあげるから 遠い町 その中で 君の窓だけ輝いて見える  いつでも帰る故郷 ある人は幸せだわ  たそがれに金の羊 ああ空をのぼる  泣かないで そこにいて 懐かしい声を聞かせて あしたへと つづく道 今宵も君を運ぶよ そっと  泣かないで そこにいて やさしい唄をあげるから 遠い町 その中で 君の窓だけ輝いて見える
腕 kainaALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也膝がくずおれる 地に着いた掌 汗と血は 青い砂に染み入る  空と海と 昼と夜の 間を生き 倒れるその身 でも世界は君に積もる 助けなど来ぬことは もう知っていよう  目に見えぬものたちが 行く手を阻んでも 君が居るのは岩間の牢獄じゃない いくらでも変えられる その道の彼方を 私は待とう 光輝く君だけを  一人だと思うときほど 側にあるは影  真の暗闇を けして与えぬように 閉じた瞼には 揺れる残像  風と波と 過去と未来 浮かび沈み 留まらぬ心 まだ世界は果てを持たず 夢を抱く翼には 触れる星遠く  己を護れるのは 己の他にない 君が纏うは鋼の甲冑じゃない 何度でも起き上がれ 痛み伴うなら 私が聴こう 胸裂けるほどの咆哮も  涙では洗い流せぬだろう 何一つ  目に見えぬものたちに 覆い尽くされても 墜ちてゆくのは土底の柩じゃない いくらでも変えられる その道の行方は 待ち続けよう 光輝くそのときを  そう 君が死ぬのは 私の腕の中だから
永久戒厳令ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也かつて昔 この地を踏み 大樹の如く 根ざした漢  遙かなりし われらが父 枝葉は繁り 私に触れた  山は木霊の 雄叫びを上げ 轟きとなる 鼓動  なびく風に 海は響く 太古の息吹 宿した女  時与えし われらが母 花は幾重も 連なり実る  唯一の言の葉 伝う歌は この身を巡る 血潮  高く挙げよ 共に腕を 空(くう)を切る そは翼 あの蒼穹(そら)に楔 打たん  守れ抱け 希望(ゆめ) 紅いに 燃やせ生命 明日常しえに つなぎ続く 私は いま有る純血  都辿り 聳ゆる志の 天守の元に 栄えし國よ  満ちる為に われらが子ら 白虎の爪牙 輝け磨け  闇が沈めど 光の刃 誰(た)が見失うだろう  遠く越えよ 命(めい)を受けて 自由舞う たましいの 人 天のそばにあらん  生きよ今日を この戦いを 生きよ過去を 未来(あす)常しえを つなぎ合わせ 刹那は いま在る永劫  高く挙げよ 共に腕を 空を切る そは翼 あの蒼穹に楔 打たん  守れ抱け 愛 紅いに 燃やせ生命 明日常しえに つなぎ続け 私は先立つ 殉國
彼と彼女の聖夜(イヴ)ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ルーベンスの絵のような 雲が空に溶けて 街中にジングルベル 鈴のようにわらう子供  銀のモミの木見上げ ふたり手をつないだ 心はもうどんな日も 凍えたりしない  こんなに気持ちが きれいにかがやく夜が来る  そっとMerryChristmas 雪のかけら 頬に触れて消えるの ずっとMerryChristmas 終わりのない 愛はあるの? 目を閉じて祈る  白い教会の屋根 ながれる賛美歌 生まれるその前に 聞いた気がするわ  誰もがやさしく 誰かを守ってるいつでも  だからMerryChristmas 星は灯る 世界中の窓辺に きっとMerryChristmas 離さないと 約束して それが贈りもの  I love you, MerryChristmas 涙になるあふれそうな想いは I love you, MerryChristmas 愛しているだけじゃ とても伝えられないの  そっとMerryChristmas 夢が降りる もうひとりじゃないのね ずっとMerryChristmas 終わりのない 愛があるの この胸のなかに
a la cuisineALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也あふれる果実の ジュース 人さし指ですくう ハニー 一晩中 呼びつづけた あなたの名は 何より甘いシュガー  こんなに くっついていたら 食べられるのは beiser だけね いくらでも 欲しいけれど ちょっぴりおなかが 鳴っているでしょ  もうすぐカフェが できるわ 幸福のレシピを みつけたわ  aller a la cuisine シーツを巻きつけて aller a la cuisine l'amour 待ってて  気をつけて 恋の炎は 舌を焦がしそうな いきおいなの
apres le noirALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也Cheri, mon amour 夢で逢う 私はどんなふうに微笑うの?  Tu vois lumiere あなたは かがやく私しか 見てない  Que fais l'amour ろうそくも 届かない深い闇に もうひとりの私がいて いつでも あなたの まなざしを求めてるのに  Je t'aime, je t'aime 囁きが 唇に触れるたび  Je vois noir 小さな痛みが 胸を熱く塞ぐ  Que fais la vie 甘い薔薇 その陰の棘のように 傷つけ合うときが来て すべてが 消えること 蕾の日から知ってても  Que fais l'amour, et que fais la vie もう何にも言わないで 答えは愛しい 瞳の奥にあるはず  だからこうして 恋人たち 見つめ合うのね
帝都乙女決死隊ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也いざ進め 花散らし われらは 乙女戦士 立ち向かう 夕日より 紅燃ゆ この頬を見よ  先立つ不幸を お許しください 手を付く畳は 青く薫り 我を培った 大和の魂 先祖の遺影に 最後の敬礼を  誰を護る何時(いつ)を守る 人は天命に 戦い続けるのだ 悪の為でなく  いざ翔ばん 白鳥よ 私は 乙女剣士 羽ばたける 翼こそ 捕らわれない 唯一の自由  女と生まれ 優しきを知り 愛を生む身なれど  このまま何もせずに 老いるは死ぬより辛いのです  乳呑み子に飲ます 乳はこの血潮 戻らずも母は お前の中 祖国背負い立つ 強い子に育て 螢になり星になり 見守らん  すべて捨てるわけではない 巡りゆく命 明日に在る平和が 無駄にならぬよう  いざ進め 帝都行く 私は乙女兵士 舞い落ちる 雪よりも まだ真白く 輝く胸  ああ君に会い 頂いた日々 美しき思い出  それでもこれが定め 留まることはできないのです  いざ進め 花散らし われらは 乙女戦士 立ち向かう 夕日より 紅燃ゆ この頬見よ  いざ翔ばん 白鳥よ 私は 乙女剣士 羽ばたける 翼こそ 捕らわれない 唯一の自由  女に生まれ 喜びを知り 愛を産む身なれば  このまま微笑のまま 赴くことができるのです
胎内ヒトガタ遊戯ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也手首足首 落として 曲がる腕膝 剥がして 頸と頭を 離して 月の転がる匣の中に 敷き詰める  閉ざさぬ眼球(ひとみ) 映したのは 僕にはけして見えぬ何か いつもと変わらず妬ましく その子を少し憎みました  ああ何故あなたは 僕にほんとの痛み 教えてくれなかったの 母さん  床に広がる真っ赤な海と おんなじように 涙の粒も熱いのですか  性はどっちに向かうの 雄も雌にも成りたくない 成れはしない  微笑み行き交う人たちは 僕にはけして知らぬ誰か また今日も人形を抱いて 気づけば壊しているのです  床に広がる真っ赤な海と おんなじように 涙の粒も熱いのですか  性はどっちに向かうの 雄も雌にも成りたくない 成れはしない  微笑み行き交う人たちは 僕にはけして知らぬ誰か また今日も人形を抱いて 気づけば壊しているのです  ああ何故あなたは 僕にひとつの愛も 授けてくれなかったの 母さん  胸に溜まった真っ赤な膿に 息を詰まらせ あなたのなかへ 戻してください
un tableau blanc~絵画旅行~ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也Redonのペガサス 神秘の青(ブルー) Rubensの天使は 薔薇いろに微笑う  Monetの睡蓮の 庭にたたずみ Rousseauの葉陰で しばし午睡(シエステ)  いつでもこころは かがやくパレット 思い出を重ねる  Kislingの少年 初恋の瞳 Rossettiの少女は 愛は語らう  Cezanneの丘で 樹木を駆け抜け Goghの星月夜 闇を彷徨う  わたしのこころは 白いタブロー 未来を描くため  この胸には 誰にも描けぬ あなたがいつもいる
桂花葬ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也盛りの森で わたし眠る あなたの夢を 噎せるような 香りに涵し ここから見上げる 星は 金の鎖  静かな胸を 慄わすのは あなたが去った 足音の凍った欠片 梢に掛かった 星は 銀の斧  金木犀が 揺れてる  人はなぜ はるかなる 天ばかり 仰ぐのだろう 帰ってゆくのは 深い深い土 その下なのに  いくつ辿って 思いだせる 痺れるくらい 甘い記憶 ひとつふたつ 指をのばしても 触れるのは 風だけ  金木犀が 散らばる  弔いの列のように 時が 通り過ぎて逝く この目を閉じれば 遠い遠い日に 戻って行ける
血の断章ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也鳩の血のいろ 似合う雪の首 接吻(ベエゼ)より甘い あなたの牙の痕  少女のときから 待ち続けていた 小さな悪夢 つなぎつむぎあわせながら  棘を手折る優雅な指で わたし弔われて眠り 月の柩で目覚めた ただあなたを愛するため  人はこころを 胸の奥隠すけど 宝石匣で わたしは育てるの  永すぎる魔冬 哀しみ抱えた あなたの腕に 放たれ輝けるように  誰も願う 永遠の愛は 初めからここにしかない だから貴いと知るほど ただあなただけ崇める  愛おしい お父様 わたしを 抱いて  蕾散らす懺悔の爪に わたし抉り取られ睡り 薔薇の柩で叶わぬ ただ馨しい死を夢む  無垢なる無為なる 真紅の真白き花嫁  さよなら遠い刻
吾君想う故に吾在り生き霊となりてALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也瞼を抉ろうと 見えるのは同じもの  まっすぐ立ってますか 現し世の その わたし  眠るあなたをまた 見下ろしてるの  月を背に影も曳かず たゆたう幻のように 腕もなく足もなく なお指もなく  それでもわたし あなたに触れているでしょ 全身全霊  在るのが恨みなら 爪も毒 染めるのに  左の胸の下 溜まる愛 その血だけ  消えた恋を 捉えていられるほど  記憶は意味を持たない 人が生きる場所は何処 今はここでも行方は もうどこにもなく  こうしてわたし あなたのそばを巡って 流水落下  月を背に影も曳かず たゆたう幻のように 涙もなく熱もなく なお息もなく  それでもわたし あなたに触れているのよ 全身全霊
夜見のたそがれの、うつろなる蒼き瞳の。ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也指を組み踊りましょう 揃いの真白い服は 窓と同じ たそがれ色に染まっています  あれはダフネ薫る春 この“今”は永遠ではなく ふたり分かつ刻は来ると 悟り泣いたのは  ここが黄泉の国ならいい うつろなる蒼き互いの瞳に まだ知らぬ哀しみの代わり 滲ませたい 美しい闇  胸合わせ回りましょう 甘く馨し乙女の姿で  靴音は重なって 響くどこかにある 空の彼方  あなたはわたしの死 わたしはあなたの生 それはひとつの生を 死に続けるための  受け継いだものは何 出会えぬ父さまは誰 格子の外 華やぐ声が通り過ぎます  ここは黄泉の地下なのです うつろなる蒼き四っつの瞳は 夜ばかり見つめていたから 一目(ひとつ)に溶けてしまいそう  離れずに巡りましょう 次の世でまた 目覚める一緒に  始めからやり直す 光る朝靄 開かぬ瞼へ  あなたはわたしの目 わたしはあなたの目 それなのになぜ 同じ夢を視られないの  胸合わせ回りましょう 甘く馨し乙女の姿で  靴音は重なって 響くどこかにある 空の彼方  わたしはまだ少女 あなたはまだ人形 生も死も同じ舞台の上 グラン・ギニョール
若い死者からのレクイエムALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也蒼い皮膚の上に滲む 赤い流星のような血を見て 君は何を想う その心にある 目には出来ぬ疵口の さらに深い痛みと 幻の恐怖  あまい麻酔をあげる もう誰もいない夜 そっと囁くように 声を絞って したたる一滴 今から眠れる 君の闇の中へ  光の出口を ねえ 見つけて 欲しいから  もしも世界に醜さが なかったら人は幸福だろうか 影の底で 悶え苦しんで 耐え難き寂しさとを 越えてこそ知っていく 透明な感情  そんな 命をあげる これでもう手放せる とても少ないけれど ぼくが覚えた 笑顔の数も これから目覚める 君の明日の日々へ  君に 死んじゃう前に 出逢えていたらよかった どんな孤独もきっと 払ってくれた あたたかな手を こんな強い温もりを 持ってるから  やさしい麻酔をあげる もう誰もいない夜 そっと囁くように 声を絞って したたる一滴 今から眠れる 君の闇の中へ  光の出口で ぼくも 消えて 逝けるから
昭和B級下手喰い道ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也舌が肥えたのは ガキの時分から 何でも喰ったから  パンの欠片盗んで投獄 ジャン・バルジャンにゃなりたきゃないが  腹の虫は 年がら年中 たかる蝿のごとく鳴き喚く  小銭せびって駆け出す トタンのあばら屋 意地悪バアさんが駄菓子売る  軒先並んだ見目毒々しい チクロにズルチン サッカリン 魅惑の着色 人工甘味に 勝る旨さはない  ボクらの未来は明るく輝く 丈夫に健康に 末は社長か総理大臣!  酸いも甘いもどうでもいいほど 大人になってしまうもんさ  金の卵 働きづめお国のため せめて 晩には  裸電球 眩しく妖しい横丁 馴染みの暖簾街 大繁盛  立ち飲み悪酔い シケモク燻して カストリ アブサン デンキブラン モツ焼きヤミ鍋 正体不明の 香ばしいい匂い  食肉解体の放るもんほど 賜るご馳走さ なんでもかんでも とことん味わえ!  現代(いま)では飽食反省大国? マクロビ ビーガン ベジタリアン 無添加推奨 有機栽培も 無くならないアレルギー 飢えとは無縁の乙女はこぞって 気楽なダイエット  みんなグルメ 安全第一 素晴らしい未来!!
闇の翼ですべてをつつむ夜のためのアリアALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也叶わぬ 願いは ひとつぶの種 深い夜へ 埋める  月のしずくで 育てたならば どんなふうに芽がのびて そして葩(はな)は何いろで ひっそり 夢のどこかで 咲くのでしょうか  もしも 願いが もうここにいないひとに 送るものなら  よごとに ますのは 闇の静けさ もういちど あの微笑みと やさしい声に 逢えるなら すべてを 捨てることさえ いとわないのに  なみだは 夜露に抱かれ 草に落ちる その葉陰 思い出たちが はらはら踊るよ  見果てぬ 哀しみ 空へ放てば こうもりたちの羽に乗り 夜明けのひかりを浴びて 今宵の 夢の終わりで 消えるでしょうか  いつでも想いは 変わることなく 胸の奥に たたずむ
絶叫哲学ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也絶叫 喉ヲアケテ モット喚キタマエ 絶唱 歌ウヨリカ ズットイイ声ダワ  擬音操ル 詩人ノ君ト  絶頂 音ヲ立テテ グット響キ合ウノ 絶望 奏デルヨニ キット純粋ダワ  キレイナ指ハ ピアノデ殉死  何カ意味アル生キ方シタラ 意味無イノカシラ ハニー 浮世ハ徒然 ワタシダダイスト  夢モ刺激モ気軽ニ買エル 小サナ富デ  デモワタシハ喘ギタイノ 戒厳令敷イタ国ノ 抑圧サレテク芸術家ミタイニ  絶叫 拳アゲテ モット壊シタマエ 絶笑 微笑ムヨリ ズットイイ顔ダワ  亀裂ダラケノ 偽善ノマスク  ドンナ男(ヒト)ニモ好カレル事ガ 理想ナノカシラ マミィー 最強ロマンス アノ娘ヒロイズム  愛モ正義モ気易ク売レル オイクラデモ  デモワタシハ抗イタイ 反勢力消エタ街ノ 地下室ニ隠ル叛逆者ミタイニ  皆ガ讃エル才能アレバ 成レルノカシラ英雄(ヒーロー) 完全無敵ノ和平フィロソフィー  人ハ絆デツナガッテルト 信ジテルノ ソウネ誰モ叫バナイワ  何カ意味アル生キ方シタラ 意味無イノカシラ ハニー 浮世ハ徒然 フタリダダイスト  夢モ刺激モ気軽ニ買エル 小サナ富デ  デモワタシハ喘ギタイノ 戒厳令敷イタ国ノ 去勢サレソウナ革命家ミタイニ
灰桜ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也千切って幾千 わが心を はらはら舞わせる 桜の花びら  差せども薄紅 積もれば薄墨  砕いて幾萬 この肉体を ぱらぱら零れる 春の夜の霰  凍えた痛みは 裂けて痣となる  どうぞおひとりで お出掛けくださいませ 宵闇にけして 振り向くことなきよう  烟って幾筋 わが命よ はらはら舞い飛ぶ 桜の花びら  天に届くまで 寄り添っておくれ  蛇の目傘閉じて 歩いていてください その肩の先に ひとひら留まるまで  どうかおひとりで お出掛けくださいませ 夜風の随(まにま)に呼びます 貴方の名を  蛇の目傘閉じて 歩いていてください その肩にそっと ひとひら融け入るまで
コヒブミALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也どんなにあなたが探したって 見つかるわけない わたしが持つのは黒い羽  天使たちの亡骸 抱いてそして誰もが 泣けばいい  愚かに愛など求めるなら 沈黙の中に 心をおもねるべきだろう  生きるための幻想 死するゆえの純粋 混じり合う  ああわたしは知っている 終末の行方さえ 闇の涙で書いた 死後文の切れ端に  最後にもっとも 大切なものは何か  少女たちの亡骸 見詰めそして誰もが 悟ればいい  もうあなたは知っている 運命の行方さえ 薔薇の血で認めた 恋文の一節に  最後にもっとも 美しいものは何か
SacrificeALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也ガラスの空の下 この都会は瓦礫の森  ネオン色の夢が散る 其処ここに 無惨に綺麗に その間を渡ってく いまあたしは あなたに逢いたい 生きるために  地下室に潜んだ 子供らの 目には目を  裁き合う許し合う ひとりでは 穢れは拭えず 注ぎたい捧げたい ただこの身の 赤い赤い血を 生きる証を  堕落の楽園で 快楽は美徳の神 獣は肉体を喰み 少女らは虚無を孕む  もっと光を  地下室に眠れる 子供らの 歯には歯を 御母の御胸は あまりに遠すぎる  あふれる愛の炎を さもなくば気高き死を ガラスの空の下 この世中瓦礫の森
自由戀愛ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也出合い頭に 目と目 星が散って 錯覚 または 運命の あやとり遊び 寄せ絡め たわめて お名前 拝聴します  大人のための お伽話 信じ 麗し乙女 中身だけ だけどあなたは わたし見えているの その他の群衆のなか  指をつなぎましょ もっと求めあえるわ 夢の国の扉は見せかけで 押しても引いても開かなくても  恋に暮らしましょ 他には何も持たず いま人生 産まれたての気分 裸になってゆく  変われなかった 行き場 ひとり 迷い 余所様の背を 追ったとて つまづくだけの 道外れ わたしは 日の元に 晒されます  声を重ねましょ それだけで歌になる オトコもオンナも関係なくて 幾つであろうと未熟なままで  命燃やしましょ 一秒も無駄はない いくら道草回り道しても 帰る場所はあるの  指をつなぎましょ もっと分かりあえるわ 胸の奥の扉の鍵を捨て 悲喜交々いろんな風通し  恋を育てましょ それさえあれば足りる ほらいつでも産まれたての気分 裸で生きてゆく
Rose MoonALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ああ 逢いたくて 恋の歌さえずる カナリア 吐息の檻の中で 翔び立つことも出来ない  じゃあ おやすみと 急ぐように電話は途切れ あなたの香に似た 冷たい闇が降りるわ  恋しさに負けそうになる 奪いたい あなたを 微笑みや言葉や愛 わたしの知らないものから  ああ 逢える日の ときめきは 茨の羽根なの 素肌に刻むように あなたを抱きしめるでしょう  心まで裸になれる 瞬間をください 薄紅の薔薇になって その胸の中に 散りたい  恋しさに負けそうになる 壊したい あなたを 想い出や未来や夢 わたしだけ見えるように  心まで裸になれる 瞬間を ください 薄紅の薔薇になって その胸の中に 散りたい  その胸の中で 散りたい
病める薔薇(そうび)ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也廃屋の庭の隅に 病める薔薇の 一株 匂いの亡霊たちが 過ぎし日々を 呼び覚ます  あの人の洩らす言葉 ひとつひとつに 胸を染め 汚れ知らぬ 少女のように すべてを信じた  やがて死すべき その葉陰 恋の亡骸も埋もれて なべて 土の中  いまそっと指に触れる 病みしもなお 赤き棘 わが憂い痛ましむ 気高き最後の抗い  忘れ去られし女にも 鮮らかに夢は 訪う 滲む血の如く  やがて朽ちゆく その葉陰 面影だけが仄揺れて なべて 闇の中  いつまでも胸の奥に 病める薔薇の 一片 匂いの亡霊たちが 思い出を抱いて薫る  甘く甘く 哀しみを 彩るため
輪廻闇妖散華ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也風が散らばる 雲が裂かれる 月は欠けもせず 神獣鏡 宿す闇  君謡う声音へと 女人が舞い降りて 羽衣脱ぎ捨てて沐浴す 滴弾くは白尾 花を食らうは牙 妖の影 日蓋に映らんか  私はいつも此処に 此処にいる 君のすぐ前に どんなモノに姿を 変えたとて 君のすぐそばに  この世とあの世を行き交う吾等に 安息の地はなくも  刻が重なる 空(くう)が罅入る 城に灯なく 天守閣 棲まう夜  君が吹く笛の音に 鬼が来たりて哭く 草陰に満つる黒い涙 怪異なる容(かんばせ)に 夢の香の名残を 覚えるだろう その手は触れもせず  私はいつも此処に 此処にいる 君のすぐ前に どんなモノに姿を 変えたとて 君のすぐそばに  私はいつも此処で 此処で死す 君の目の前で たとえいくど命を 得たとても 君のそばで死す  この世とあの世を行き交う吾等に 安棲の地はなくも
緋ノ糸輪廻ノGEMINIALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也胸の間(あわい) 抱える剣 身体を巡る 緋(あか)い記憶よ 泣いて笑い 愛し憎んだ 私たちまた 現世(ここ)に交わる  そのキレイな眸を 覗き込めば 甦えるの 繭のなか 寄り添って 夢を喰んだ日々  あるいは絡めた指 互いの血に 塗(まみ)れ甘く 流れる時の川へ 散ったことを  絹帯(リボン)と鎖で 双つの運命は結ばれ  生きて出逢い 惹かれ合ったの それが何より 強い武器だわ 闇も悪も もう恐れない 二人だけでも いまを戦う  美しい救世主(メシア)になれ  地上に先にありきは 戦いですか 愛ですか あなたを抱きしめれば 分かる気がする  大事な存在 この手で護るが宿命  死して目覚め 独りを知って 切ない夜を 幾つ過ぎても 永遠に残る ぬくもりを抱き 人は誰でも歩いて行ける  聖なる祈り つなげ  胸の間 抱える剣 素肌を探る 熱い想いよ 泣いて笑い 愛し学んだ 私たちまた 来世(ここ)に交わる  生きて出逢い 惹かれ合ったら それが何より 強い武器なの 闇も悪も 恐れはしない 私たち皆 いまを戦う  すべての救世主となり
堕落論ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也間違いだらけの バイブルを開いたように ときどき人生は 理由もなく憂鬱になる  平穏は ビロオドの柩みたいで このままじゃ埋もれそう  あせっちゃって わめいちゃって 何でも放り投げて 遊んじゃって 終わっちゃって 自分に言い聞かせる ねえこんな日も きっと大切だって  らくがきだらけの バンビの日記帳に 並んだ アイノコトバ 紛いものの星みたいね  しあわせに掟があるなら それに気づいちゃいけない事  はしゃいじゃって ふざけちゃって でも何かおかしくて 恋しちゃって ふられちゃって とつぜん悟ったわ いつもあたし ぜったい本気が足りない  あせっちゃって わめいちゃって 部屋中散らかって 疲れちゃって 眠っちゃって ステキなあしたを 夢見るのも きっと才能だわ  もう はしゃいじゃって ふざけちゃって 何かが見えてきて まあいいっかって 立ち直って なんだかね 単純なの でも新しいあたしに これで会えるの
青蛾月ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也憂いの三日月に 恋したウサギは 光の雫で からだを染めるよ 手を伸ばせば何でも 届くと信じられる  胸刺す月の針 光を紡いで あなたを迎え飛ぶ 絨毯をつくる 唇を濡らしても 触れるのは風ばかり 独りきりの 蒼いこの世界で  天鵞絨の闇の中で 泣きながら眠る 悲しみよ夢の中で 立ち止まるがいい  感じる指先の鮮やかな記憶 あなたに逢うための 祈りを続ける 瞬きをする間 塗りかえられる景色  一人では何処へも 飛ぶことができない 遠い国へ 誘うことまでも  幾千の年月が過ぎても あなたから届く月の便りを ただ 待つばかり わたしは月姫 哀しい運命の 金の文字が 瞳に沁みる 涙が零れて 止まらない  抱きしめられるたび 帰ってゆく想い それは昔聞いた おとぎ話の中 息を潜め 美しき夜に  苦しみは森に潜む 青蛾の翅 銀粉にまかれながら 消え失せてしまえ 花に埋もれ オフィーリア わたしはここに 狂気に埋もれた夢を 取り戻すために  光に包まれて 抱かれて眠れ 悲しみよ夢の中で 凍りつくがいい
雨のソナタ ~La Pluie~ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也溜息ひとつ ついて 瞳をそらすのね 私の胸に残る 想いをあなたは散らす  ひらいた窓の 雨音にまぎれ いつかの Pianoが 唄っている  ああ 抱きしめてくれた日の 陽炎が ああ ふたりの季節 流してく涙になる ただひとつの 言葉も 留められずに  冷たい風のなかも あなたの影に 寄りそって歩いてた やさしさに慣れすぎてる  雨が止む前に 部屋を出ていって 消えてく靴音 追えないよう  ああ さよならが言えなくて 今はただ もう 色褪せて落ちるのを 待つだけなの あなたの香り そっと 雫に流して  ああ 抱きしめてくれた日の ピアニッシモ ねえ 忘れない 忘れないで 胸の奥に あなたが好き それだけで 生きていたのよ それだけで 生きてきたのに
閉ざされた画室(アトリエ)ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也世界の果てから 見たなら ここが 世界の果てね  曇った 天窓 年老いた画家が 暮らす 室(へや)よ  世界中に あふれる 色という色を 見てきた あなたが  描いた 少女像(わたし)は 画布(キャンバス)のうえで 蒼く 沈み  わたしより先に 大人になってく  暖炉を 灯した 夕暮れ 天へと むかうのは 炎  わたしは かじかむ あなたの乾いた 指を つつむ  くずおれた灰に おちるのも炎  その胸に 深まる海で 泳ぎを止めた 哀しみの 魚たちの行方 わたしにきかせて ああ 欲しいと思う  わたしの眸は 未来を見つめても 輝けないのに  あなたは色褪せた 写真の青年の 眸のまま  しずかに絵筆は 遠い日を写す  その胸の 奥の窓辺で かつて唄った 喜びの 小鳥たちのなかの 最後にわたしを ああ 置いてください
LolicateALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也溢れ出す零れてく 處女めいた証を  グロテスクにくねった 枝と根の先 絡まり伸びて おまえたちが待つのは 実を生さない莟  エロスのように舞い降り 月は乾いた土を湿らせ 埋もれそうな足首 引き摺り込もうとするだろう  “此処”は果てしなく続く まぶた伏せても (夢ニ喰マレ) たとえ生きても (呑マレテモ) 助けて欲しいと叫ぶ前に  Mes Demoiselles 私の後を 恐れず付いてくるがいい 光が癒せぬもの抱え 生まれ堕ちた者たちよ  醜い世界(ウツツ)の眩さ どうして傷つかぬだろう 罅入る眠りの繭そっと  銀の針 絹の糸 縫い閉じて 抱きしめよう  ………  グロソラリアの祈り 異言の歌に 魂慄え 千と繋がれるより ひとすじ渡し合う唾液  “いま”はいつか消えてゆく だけど終わらぬ (崩レソウニ) たとえ死んでも (軋ム骨) もう戻れないと知っていよう  Mademoiselle 私はかつて 儚いおまえだったのだ 穢れを纏ってなお 掬い取らんとする純潔よ  美しい 私は暗黒(noir) 闇へと目合った女 こころが身籠もり慈しむ 愛おしい 清らかな すべての乙女らよ  ………  Mes Demoiselles 私の後を 逸れず追ってくるがいい 光を湛えてなお尽きぬ 涙を翅根(つばさ)に変えて  醜い世界の眩さ どうして傷つかぬだろう 罅入る眠りの繭そっと  銀の針 絹の糸 開かせて さあ 溢れ出す零れてく 處女めいた証を
異種革命ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也崩れ落ちそな ハアトのピース ハメるわパズル 未完成でも  誰も描けぬ景色 グラマラス アタシたちの目は もう見えてるの  安普請のファンタジー 壁を蹴破って抜け出せ  ギリギリを進む 踏み外しそうな この快感 漏らしそうだわ 愛し わが欲 望(デザイヤー)  噛めど唇 ルージュでクール 届けるサイン 応答せよ  ちょっとそろそろ 交わる時ね 互いを選んだ 同志たちよ!  丸腰のミリタリー それで守りたい平和って  ギリギリを攻める あたしたちが武器 この闘争 血が沸き立つわ 誇れ われ desperate  La la la …  ギリギリを進む 踏み外してたって この猛烈 だから生きてる 愛し わが運 命(ディスティニー) 讃え さあ革 命(レボリューション)
CYBER DEVILSALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也タマゴ型ノ寝台ニ 潜り込モウ満チテクノハ 冷タイ懐カシイ羊水デ ヤットホラネ眠レルンダ  スイッチ一ツデ 夢魔ヲ操ッテ ドンナ未来ナラ満足ダロウ  全能ノ神モ崇高ナル王モ コノ國ニハモウイヤシナイカラ 果敢ナ戦士ニモ賢イ武将ニモ ドンナ時代デモナレハシナイシ 頭バカリ肥大化シテ 歪ンデイク色妄  全世界ニ繋ガル前ニ 無数ノ蛾(バグ)ニヤラレル前ニ 本当ノ 真実ノ 強イ強イ父(アナタ)ヨ 僕ヲ抱イテ  ダリア毟ル花ビラニ ソノ場シノギ託ス願イ 好キト嫌イト分ケ隔テ 散ラシ吐シ腐ッテイク  クリック一ツデ 恋マデ落チヨウ 現ハ甘美ナ錯覚デショ  救済ノ女神モ絶世ノ美女モ コノ星ニハモウイヤシナイモノ 夢見ル姫君モ気高キ令嬢モ コンナ時代ニハ絵空事ダシ ココロ囲ッテ膨張シテ 見ル間ニ可愛イ奇形  月ノ彼方ニ繋ガルヨリモ 未知ノ誰カト出会ウヨリモ 本当ノ 真実ノ 美シイ母(アナタ)ヨ 私ヲ産ンデ  飽クナキ戦争モ怖イ暴力行使モ コノ土地ニハマダ起コラナイケド 戦ウ兵士ニモ偉イ英雄ニモ ドウシタッテキットナレハシナイシ 理由無キ抵抗無法地帯バカリ コノ街ニハマダ増エテイクダロウ 純白ノ天使モ祈ル巡礼ニモ コノ先デモキットナレハシナイシ イツマデモ守ラレル宇宙 ミルク色ノ細胞  全世界ニ繋ガル前ニ 無意味ノ蛾ニヤラレル前ニ 本当ニ 真実ニ 父サマ母サマ 僕ラヲ 愛シテ
Chu ChuALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也ある日 目覚めたときに 胸の奥で かすかな痛みとともに あなたを思う  Sha La La La 窓で 光たちが 踊っているよ どんな朝より キラキラすべてが 綺麗だと 感じる  あなたのことこんなに 好きだなんて 気づいたら もうじっと してられない  Chu Chu Chu Chu 小鳥が 私の耳に 愛をうたうよ 服を着ながら とつぜん なみだが こぼれた 一粒だけ  Sha La La La みんな 女の子は 生まれる前 可愛い天使だったこと 秘かに思い出す こんなとき  Chu Chu Chu Chu あなた 頬に胸に キスを送るわ どんな夜より やさしい夢をあげたいのよ ああ今すぐ
Animals on the EarthALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也サバンナを彷徨う私はライオン 風を切って夕日へと駆ける それとも雪の崖昇るカモシカ 群れと共に眠れる月の欠片よ  初めて見るのになぜか懐かしい そんな景色がいくつもあって なんて不思議な気持ちになるんだろう  生まれてくる前 どこにいたのか 遙かな記憶は 何を導く  ひとりではないと 気づいたらここに いま生きる意味知りたい  海原に抱かれる私はイルカ 波と歌い戯れて泳ぐ あるいは氷の道行く白クマ 水平線を越えてくる春を待つ  理由もないのになぜか涙が こぼれる夜の孤独のなかに なんて優しい気持ちが滲むんだろう  生まれ変わるたび どこへと向かう 紡いだ記憶を なくさぬように  大きな力を 呼び起こせるのは 誰にでもある奇跡  雨の草を渡る私は蟻で 輝く空の恵みを受ける 太陽に近づくときには鷲で 自由に舞う翼が心そのもの  まぶたをとじれば広がってゆく どこまでも海と森と大地 そしてこの地球という星を包む青  億万の夢見る小さな胎児 光を求めて腕を伸ばす やがて二本の足は土を踏んで いまこうして生きてる私は人間  すべての生命は自然のなかに あるがままに生き生かされている なんて暖かな気持ちがあるんだろう  世界の夢は 地球が見る夢
蜜薔薇庭園ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也緑の指で ここにいない あなたを なぞりつづけて 夢の扉 探せば 乾いた くちびるにのせ 唄う恋も 潤みだす Rosengarten 秘密の茂み 埋もれ咲くのは 蜜薔薇 Rosengarten うす絹 脱いで 纏わりつく薫り抱き 切ない記憶を燻らす この身は香水塔  迷い込んだら けして逃れはしないと 小さな棘は 赤く熟み肌を刺す この痛みが消えるとき 月は満ちてゆくのでしょう Rosengarten 奥深くへと 羽音みちびく蜜蜂 Rosengarten 眩暈の淵で あなたの名前 呼ぶから 今宵の睡りのどこかで きっと聞いてください  この想いを失って 生きるなど できるでしょうか Rosengarten 秘密の園も いつか 荒れ果てるのなら Rosengarten 涙の雫 まだ甘く零れるうち わたしの心を溶かして まだ見ぬ莟に捧ぐ
異端者たちの悦楽ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也解き放てよ 倒れ伏しても 慾は栄えて 非道無常幻惑 快楽の園 追われるほどの 罪ならもう一滴も 残ってないだろう  紫紺の寂(しじま)破り頽れたる膚の いと白き皮剥げば紅疼く肉塊  この世に僕らが 芽生えたあやまち 蔑んで詰り合おう 痛みは裸になってゆけばいい  突き動かせ 未だ足らない 恐るるほどの 嗜虐被虐魅惑 快楽は園 風は喘いで 絡まる荊の下で 果実は弾けよう  微醺の毒は詩う捲られたる耳に 麝香に鼻腔は濡れて獣めく追憶  崇める君子は 此処には不在で 故に皆甘んじて エロスの奴隷に取って代わらん  焦がれ堕ちる 逆しまの罠 泥濘るむ土で 破壊甦生転生 奈落の森 月は孕んで 死を患い なお人は生に瀕している  解き放てよ 倒れ伏しても 悪に栄えて 外道無情幻覚 失楽の地 追われる如く 夢魔ならまだ一刻に 返り咲くだろう  突き動かせ 未だ足らない 恐るるほどの 嗜虐被虐魅惑 快楽は園 風は喘いで 絡まる荊の下で 果実はもがれよう
SanctuaryALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也若き葉末には風が立ち 森は翡翠の息を返す 雲の切れ間から注ぐ 光に君を見初めん  碧き瞳のほほえむとき そは鐘のひびき胸に打つ さしのべた腕に絡む 蔦の葉に君を逃す  残る 香り 水面をかけゆく恋の舟 つかの間の波に 揺られ  やさしき幻影 心に映るその姿よ 永遠なる君に 想いを捧げん  若き葉末には風は眠り 森は密やかに息を止む 抱きしめた腕のなかで 静かに君は消えゆく  月は 満ちて 黄金の羽根が舞いおちる 我はただひとり森に  祈りたまえや
魅惑劇ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也時計仕掛けの螺旋廻廊 降りて昇って迷えど その手を伸ばせ 信じて伸ばせ 巡り巡って出逢える  君を抱くのは 鞣し革の翼 闇も傅く黒衣の王  神に背いた 天使の瞳を向けて さあ僕だけを ご覧よ  ハートに 触れよう 目覚めし マリオネット  機械仕掛けの摩天楼から 星の雫が溢れる 指に絡むは月光の糸 君は優雅に踊らん 見られぬ夢など何もない 恐れることさえ知らぬまま 腕の中  幕が上がれば 僕らだけが“世界” この完璧な結界  涙も孤独も 彩る グラン・ギニョール  時計仕掛けの天鵞絨の夜 紡がれるのは永遠 手首結いたリボン解いて 君の耳元歌わん 叶わぬ願いは過去のもの 愛する痛みは傷を閉じ 魅惑劇  時計仕掛けの螺旋廻廊 降りて昇って迷えど その手を伸ばせ 信じて伸ばせ 巡り巡って出逢えた  機械仕掛けの摩天楼から 星の雫が溢れる 指に絡むは月光の糸 君は優雅に踊らん 見られぬ夢など何もない 恐れることさえ知らぬまま 腕の中
月夜のピエレットALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也曇りかけた 空を見上げ 夜の息の 冷たさに  手を伸ばせば あなたがいた 昨日さえも 遠くなるの  あなたの夢まで 出掛けてゆきたい  パラソル回して 銀色影絵の つなわたり 恋の径 あなたの窓辺にそっと腰かけて おやすみの投げキッス 明日 逢いに来てね  まだふたりは 見つめるたび 恋におちる季節でも  雪のときも嵐もある ずっと 駆けてゆけるかしら  離れてるだけで 泣きたくなるから  月夜のピエレット 瑠璃色螺子巻 くりかえすセレナアデ あなたのこころに 音符の星たち きらきらと降りつもる 明日 きっと晴れよ  パラソル回して 銀色影絵の つなわたり 恋の径 小さな不安はうずめてしまおう ゆらゆらと踊るように 生きていたい  月夜のピエレット 瑠璃色螺子巻 くりかえすセレナアデ あなたのこころに 音符の星たち きらきらと降りつもる 明日 きっと晴れよ
令嬢薔薇図鑑ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也召シマセ 艶薔薇 ヨリドリミドリ イロトリドリニ  わたしたちを束ねて 絹のリボン結けば 着飾ったドレスも霞むわ  紳士の腕のなかで うっとりと開くのよ どんな甘い恋さえ敵わない  楽園のイヴも 太古の女王も 眠る姫君も皆 わたしを愛したの  馨しく交歓しましょう 仄かに染まる指は舞って花びら たおやかに包んだ夢は いつか溢れる蜜のように 黄金に満ちる  世界は美しい  画家たちは競うように この姿を描いた 文士たちは言葉に留めた  歴史浸す悲劇や 戦場の荒れ野にも 静かにわたしたちは薫る  甲冑の少女も 非道の悪女も 乞食の娘も皆 わたしを抱きしめた  触れあって交感しましょう 哀しみ恐れ祈り すべて分け合い 熟みながら真っ赤な棘は 傷つく胸を塞ぐために 巻き付いてゆく  契りの一刺しを  召シマセ 艶薔薇 ヨリドリミドリ イロトリドリニ  馨しく交歓しましょう 緑の茵 月の侍る揺りかご やわらかに夢を喰むのは 厳かに血の通う蔦と天鵞絨の舌  秘めやかに交配しましょう あなたは生まれ変わる 新種の薔薇に 愛惜しく種を蒔きましょう どんな時代(とき)でも わたしたちが咲き添う限り  世界は美しい
悪しき進化ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也片倉三起也夜更けに満ちる 嵐の雨の たった一滴に  選び取られて やがて射貫かれて 波紋立つ一点 守れる囲いは 影を曳いて広がる  生きてこれまで 地を踏み足は 歩んだと言えるか  何に当たって 誰にぶつかって 自由を失い 手にした重みは 風が語る幻  人はどうしても 出会わずにいられぬ いつか 呪わしい己の姿と 顔を覆うほどの  生まれる朝のひかりはすべて 死からこぼれてくる  だからこの眼は 見えざる向こうの 眩しさを知っている 涙は気づかぬ振りの為に 溢れた  人はどうしても求めずにいられぬ この世にありき 美しい美しいものを 密やかに 甘く深く長らう息止まろうが 神へ捧ぐ信仰に似た 厳かな苦しさを  けれど時として悟らずにいられる いつか 呪わしい己の姿と 映し重なった 甘い深い微笑を持つ分身の 神と悪を讃え合った 底知れぬ 魂を
鹿鳴館ブギウギALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也斎藤聡この手をさあ お取りあそばせ 共に滑り込む カドリールは 黎明(よあけ)が来ても 終わることない  次々変わるお相手 目が廻りそうだわクラクラ 心移り幾度まで許されて?  祭り事は 夜毎に練られる 深窓の懈怠の長椅子で  咲かせよ 大輪の菊を 民(ひと)の妬みを身に浴び 破滅を恐れるほど命短し  続けましょ ワルツは笑劇(ファルス) お国育ちが顕著で 舶来のお衣裳の皆様せめて  ご自分の御足で 踊りなさいませ  円卓には 赤葡萄酒と禁断の果実 誰も思う 明日のことなど どうでもよいわ  こんなふうに優美な刻が 過ぎてくのなら安泰 すべてはわたくしたちだけの為に  政略も謀反も茶番劇 犬にでも 食わせてしまいましょ  あふれる 一輪に花弁 多情の相に身は浮き 止ん事無き生まれゆえ幸は軽し  仮面なしでもマスカレイド 本音どこに隠しても 見え透いた世辞上手 あなたはどうぞ  ご自身の御言葉で 口説きあそばして  咲かせよ 大輪の菊を 民の憎しみ身に受け 華麗なる一族の命麗し  続けましょ ワルツは笑劇 お国訛りが顕著で 舶来の礼服の皆様せめて  ご自分の御足で お立ちなさいまし
眠れる豹ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也口脣でたどれば 青い草の匂い 君の汗は秘やかなる 密林の奥に隠って  私のこころを 果てない先へ 誘いつづける  寄せる眉 立てる爪 いま君が求める夢を 狩りに行こう 生け捕ろう 二度と逃げられないように いつだってここに待つ 女のように  きっと遠い昔に 君は一匹の豹 しなやかな肩 絹の肌 やさしい傷を付ける牙  私のからだは その記憶を 懐かしくなぞる  立てぬ声 鳴かぬ喉 君を閉じ込めてる檻を 開けに行こう 解き放とう 愛してると言う代わりに その耳に風の歌 そっと注ぎこむ  満ちる空 明ける夜 ずっと君が視ていた悪夢 狩りに行こう 仕留めよう 二度と苦しめられぬよう  立てぬ声 鳴かぬ喉 君を閉じ込めてた檻を 開けに行こう 解き放とう 愛してると言う代わりに 抱きしめた この腕を そっと広げよう
ローズ家の双子達ALI PROJECTALI PROJECT宝野アリカ片倉三起也きらきらと歩くのよ フリルのパニエ 花散らすように翻しながら ああ可憐 どこまでも  くるくると踊る影 レエスのパラソル 白い靴の下で回る 回転木馬の地球  世界はローズガーデン 蕾付けたアーチつづく  くぐるたび絡みつく 翡翠のツルとトゲが  何度も春は来る わたしたちは成長する  甘い血を吸いながら 咲く紅ばらと同じように  清く美しく ちょっぴり意地悪く 女の子に生まれたのなら  りんりんと歌うのよ シャム猫抱いて リボンの首輪に鎖はいらない ああ高貴 自由なの  らんらんと輝ける瞳が選ぶ 綺麗なものだけを喰んで このココロは生きている  唱える花言葉 わたしたちは知っているの  どれほど光満ちる  未来(あす)より今が幸せか  めくる包み紙 かじる砂糖菓子 味見をするより食べきって  くらくらと恋をする シルクハットのウサギ 飛び出して行方不明なの ああ無情 戻らない  はらはらと泣いてみる こぼれるハニー 濡れたくちびるはベエゼと 嘘つくためにあるけど  胸にある紋章は 永遠のばら  きらきらと歩いてく フリルのパニエ 花散らすように翻しながら ああ可憐 どこまでも  くるくると踊る影 レエスのパラソル 白い靴の下で回る 回転木馬の地球  りんりんと歌うのよ カナリアのように 銀の篭は月の光ゆく舟 ああ優雅 渡りましょう  らんらんと輝ける瞳は宿す どうか今はまだ綺麗なものだけ 神さま見せて
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