渡り鳥の3つのトラッド湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 鈴木惣一朗 | 冬枯れた朝のこと 何年も前にあなたがこぼした 言葉を思い出した 「また冬がやってきた 麗しい春が来て 勇ましい夏を呼び 秋の詩人を連れてくる それらをのみ込んでしまうのは 冬の王者なんだ」 あなたは極上の羽飾りの コートを纏って 3つの季節の面影へと 吸いこまれていった… 3つの忘れ物と 私はあなたに 身をまかせてしまいたかったけれど 飛びたてる羽がなかった |
鏡の中の絵描き湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 鈴木惣一朗 | 野に咲く色あせた 淡いピンクのバラ 水面を滑る白鳥が 放つ真珠の水しぶき 何年もここに座っていられるような そんなまぼろしの世界 美しいと思うものは 何でも私のものにできるとあなたは言う 鮮やかな色を使って 混ぜたり 塗り替えたりしながら 心に描き出すようにして 美しいと思うものは 何でも私のものにできるとあなたは言った 手に入れようとしたりせずに 見つめることができたのなら あなたを心に描き出すようにして 私の愛しい人は ピンクのバラと 肖像画の中にだけ 今佇んでいるの その中にだけ… |
裸の王様 (Album mix)湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 岸田繁 | 鈴木惣一朗 | 幾重にも重なる轍の道の行方には 鉄格子の窓に見つけた金色の庭 日が昇るのも沈むのも目をくれないで 飛び立って行けるあなたは 天を舞う鷹のよう どうかその戦いをやめないで 怖くても 夢の中のことでも ここになくても 隣にある季節にさえ逢えないように 旅立って行けるあなたは 裸の王様 どうかその戦いをやめないで 一人でも 夢の中のことでも それがなくても いつの間にか私の心は蝶になって 鉄格子の間をすり抜けていくだろう そこで見つけるものは あなたの見たものでも 私の思うものでもないはずよ |
HARLEM湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 鈴木惣一朗 | 急な斜面を下って やっと辿り着いたのは 絵にもならないほどの 誰も見知らぬところ あなたはふいに思い出したように 懐かしの母国語を話し出すの 私にはまるでわからぬように 私にはまるで意味ないように そう やってきたのは たった一つの場所 お帰りなさい あなたのハーレムへ そう 私は少し離れてるわ 横笛を吹きながら さらに奥へと突き進むと あなたの小さな箱庭に 種のないオリーブだけ そう やってきたのは たった一つの場所 お帰りなさい あなたのハーレムへ そう 私はずっとここで待ってるわ もう 見たくないものなんてないのよ |
蝋燭を灯して (Album mix)湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | James Iha・湯川潮音 | | 閉じかけてた 雪の世界 浮かぶ明かりは 動き出した 車輪のように せわしなく弾む 長い冬の陰に隠れ 1人取り残されてたみたい 魔法のような だれかの声 響く方へと 吹き積もった 言葉の隅 あなたが泣いた 遠い昔にあったもの 何か思い出したいけれど 移ろいゆくあなたの心 照らす 愛だけでも何かが 見えてくるはずよ 閉じかけてた 雪の世界で |
聖堂の隅で湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 鈴木惣一朗 | 湖の向こうから 瓦礫で造った船 漕ぎ進む彼 冷たく包む靄を かき分けるように 吸い込むようにして あの日から ずっと待ちわびていた 転がっていた小石を投げて 水面に冠をつくったり 無関心な静寂にのまれて… もう少しで… もう少しで… やっと手に触れると 藪のほうへ走って 去り行く私 あの人は きっと気づかなかった 合わせ鏡の湖は姿を その目に映し出していても 月夜に揺れ 全ては歪んで 何にも見えなくなっていって… 目が覚めると… 目が覚めると… |
緑のアーチ (Album mix)湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 永積タカシ | | ほら見えてきたよ 赤茶色の屋根 吹きぬける風は 灰色に染められていく 空が回るのを見たことがある? ここではそれを感じるんだ 抱きしめて 何も言わないで 自然に 浮かんでくる この景色のため 何かしてあげたいな ほら聴こえてきた 壊れたマンドリン 照りつける日差しは 真っ赤に燃やされていく 大事な声が聴こえなくなったとき ここではそれが見つかるんだ 抱きしめて 何も言わないで 自然に 伝わってくる 君がくれたのは 言葉じゃなくて想いなんだな 抱きしめて 何も言わないでも 時があの人を連れ去る それでも悲しみは笑って送り出したいな 言葉じゃなくて想いなんだな |
海の上のパイロット湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 鈴木惣一朗 | 静かな海をそっと 飛びたつ そのときに 一片の悲しみを 詰め込んだパイロット 吹きこむ風に後を押されて 夜を通り過ぎてく あなたは何を思っているの? しだいに沈み行く船は 私を取り巻く全てのものを乗せて 深い海の底 流れ落ちていった どこにいたって溺れていくしかなかった 朝焼けが辺りを 明るく照らすと 白く舞う煙に 浮かびあがる道筋 海を超えてくあなたがきっと 背負った荷物を捨て 自由にどこへも飛び回れるよう しだいに海の上も空も歪んで 同じどこかで繋がる時が やってくるように願い続けていく いつまでも忘れたくないことだから |
エデンの園 (Album mix)湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | | ワイン色の風が吹くと 高台の向こうから 濡れた翼のあの人が 黄昏にやってきた 黒い呪文の咲く手紙には 追い出されたエデンの園 長い夢の果てに ゆらめくサテンの嘘 守るべきものなど何もないと思った 長い髪をほどいて 瑠璃色の泉へと 溶け込んだ二人はまるで 気高い月あかり 甘い蜜をもった果実なら 彼方へ放つエデンの矢で 長い夢の果てに ゆらめくサテンの嘘 守るべきものはあなただけと思った 守るべきものはあなただけと思った |
キルト湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 湯川潮音 | 鈴木惣一朗・橋本和昌 | あざみに沈んだ 霧の中で 深い息をする 見えるものではないけれど 強く感じるもの いずれ会うだれかなのか ここにいる私なのか 枯れることのない泉 溢れ出すように紡いでく だれかへと会えるように 私さえここにいるように |