あなたのこと火傷させたいです。

 2018年7月11日に“杏沙子(あさこ)”がミニアルバム『花火の魔法』でメジャーデビューを果します。彼女は、1994年生まれ鳥取県出身のシンガーです。デビュー前にYouTubeにて発表していた自身作詞作曲3作のMVは、総再生回数500万回超え。音楽投稿アプリ・nanaの2017年【歌い手再生数ランキング】では年間第1位を獲得。すでにそのポップセンスとチャーミングな歌声は注目を浴びておりました。

花火の魔法にかかってしまえ
あなたの心を燃やしてしまえ
あぁ 花火消える前に
「花火の魔法」/杏沙子
 
 そんな杏沙子のデビューミニアルバムのタイトル曲「花火の魔法」は、すでに先行配信がスタート。併せて、歌詞も先行公開中!この歌は、彼女が友達と花火をしているときに『花火って魔法みたいだね。手持ち花火が魔法の杖で、そこから生まれる光は魔法』という話をしたことがきっかけで生まれたんだとか。では、夏のトキメキを先取りできそうな「花火の魔法」をさっそくご紹介いたします!

夏休みの最後の日に来た電話
「みんなで花火しようぜ」あなたの声
友達のひとりだと思われてても
ふたりきりの会話がうれしかった

橋の下で カラフルな火花が咲く
あなたも 赤 青 ピンク
わたしの火を あなたにあげたときに
本気で願ったの
「花火の魔法」/杏沙子

 毎年、ワクワクな何かが起こりそうな予感がする夏休み。でも結局、あっという間に終わってしまう夏休み。でも、その<夏休みの最後の日に来た電話>はきっと<わたし>にとって、この夏をトクベツにする最後の大チャンスです。LINEじゃなく“電話”であること。たとえ<友達のひとりだと思われてても>夏休みのラストを一緒に過ごす人として思い出してくれたこと。何より、声が聞けて<ふたりきりの会話>ができたこと。
 
 まず、好きな人からのたったそれだけで、嬉しくて幸せでもう<わたし>の<夏休みの最後の日>はトクベツになりつつあるのでしょう。そして、いよいよみんなで集まっての花火が始まりました。曲のサウンド感からも<赤 青 ピンク>とカラフルに爆ぜる火花の様子が伝わってきます。もちろん、その火花の色に合わせて鮮やかに照らされる<あなた>を見つめる<私>の心模様も…!
 
 実は“手持ち花火”というものが、とっておきの恋愛アイテムであることにも「花火の魔法」で気付かされます。打ち上げ花火をわいわい見上げるのも良いでしょう。だけど、手持ち花火なら<わたしの火を あなたにあげた>というような“火移し”の瞬間があったりするんですよね。つまり普段よりグッと相手に近づける。自分の火を好きな人に移すという行為もなんだかキュンとします。そうした、ちょっとロマンティックな夏の夜が<わたし>に“不思議なパワー”を与えるのです

花火の魔法にかかってしまえ
わたしの病を患ってしまえ
夏の暑さがわたしを狂暴にする
花火の魔法にかかってしまえ
あなたの心を燃やしてしまえ
あぁ 花火消える前に

あなたのこと火傷させたいです。
「花火の魔法」/杏沙子

 とっくに“あなたの病”を患っているのは<わたし>です。でも今夜の恋の炎は<花火の魔法>と<夏の暑さ>の相乗効果でいつもよりかなり強火。だからこそ<わたしの病を患ってしまえ>と、<あなたの心を燃やしてしまえ>と、<あなたのこと火傷させたいです>と、この<夏休みの最後の日>に何かを変えたいエネルギーがぐんぐん強まっているのがわかりますね。ただ一方で“不思議なパワー”には違う副作用もある模様。

はっきりしてるはずの気持ちも
あなたの前では オレンジ みどり
あたしの火は あなたにあげるときに
少し弱くなる

花火の魔法にかかってしまえ
わたしの病を患ってしまえ
夏の暑さがわたしを臆病にする
花火の魔法にかかってしまえ
あなたの心を燃やしてしまえ
あぁ 花火消える前に
「花火の魔法」/杏沙子

 その副作用は、やがて花火が消えて<夏休みの最後の日>が終わってしまうことを考えると表れます。伝えたくて<はっきりしてるはずの気持ち>が<少し弱く>なって、今夜は<狂暴>な自分をまた<臆病にする>のです。同じ夜はもう二度と訪れない今日。<わたしの病を患ってしまえ>と、<あなたの心を燃やしてしまえ>と、願っているだけではダメです。花火が消える前に“不思議なパワー”を少し借りて<わたし>は想いを伝えなければならないのです…!

花火の魔法にかかってしまえ
わたしの病を患ってしまえ
最後の花火 その先にあなたが見える

花火の魔法にかかってしまえ
わたしの病を患ってしまえ
夏の暑さがわたしを狂暴にする
花火の魔法にかかってしまえ
あなたの心を燃やしてしまえ
あぁ 花火消える前に

あなたのこと火傷させたいです。

あなたのことがずっと好きでした。
「花火の魔法」/杏沙子

 さて、このように幕を閉じる歌。果たして、最後の最後<あなたのことがずっと好きでした。>というひと言は、自分の胸の内にだけ響く言葉なのでしょうか。それとも思い切って<あなた>に届けた言葉なのでしょうか。同じような恋をしていて、杏沙子「花火の魔法」を聴いたあなたはどうか、後者の選択をする勇気を持てますように。たとえば“手持ち花火”の終わりの定番である“線香花火”タイムに、こっそり想いを伝えてみるのも、良いかもしれません…!

◆ミニアルバム『花火の魔法』
2018年7月11日発売
VICL-65025 ¥1,600+税

<収録曲>
1. 天気雨の中の私たち
2. マイダーリン (re-recording)
3. クラゲになった日の話
4. 流れ星
5. 花火の魔法