恐怖の大王が天より姿を現わすだろう
彼はアンゴルモアの大王を蘇生させ
その前後は火星が幸せに支配する
これは1999年にひとつのブームとなった“ノストラダムスの大予言”というものです。1555年にフランスのノストラダムス(医師・占い師・詩人)が記した予言集におさめられているこの四行詩は、「1999年の7月に世界が破滅する」といった内容で、世間を大きく揺らがせました。この年、結果的には何も起こらなかったそうなのですが、そんな予言や不景気・就職難などもあったことから日本一体がドンヨリとしたムードだったのだとか。
その1999年にお笑い芸人としてデビューしたのが現在・お笑いコンビ“ピース”として活躍し、著書「火花」が芥川龍之介賞を受賞したことでも話題の“又吉直樹”です。又吉は、先週10月11日に、テレビ朝日の音楽番組「関ジャム 完全燃SHOW」に出演!まだお笑いを始めたばかりのデビュー当時、不安な自分を支えてくれたという大切な名曲を2作紹介しました。1曲目はくるりの「東京」という楽曲です。
東京の街に出て来ました
あい変わらずわけの解らない事言ってます
恥ずかしい事ないように見えますか
駅でたまに昔の君が懐かしくなります
雨に降られて彼等は風邪をひきました
あい変わらず僕はなんとか大丈夫です
よく休んだらきっと良くなるでしょう
今夜ちょっと君に電話しようと思った
君がいない事 君と上手く話せない事
君が素敵だった事 忘れてしまった事
「東京」/くるり
どんよりした99年ムードの中、上京した又吉が“どうしようもない時期”に聴いていたというのが「東京」だったそうな。“俺こっからどうなっていくんやろう”という不安な気持ちをゆるゆると溶かし、自分と並走して勇気付けてくれたのがこの曲。尚、「東京」は、くるりのメジャーデビュー作品であり、ボーカルの岸田は同曲について「初めて素直な気持ちが書けた」とも語っています。そんなくるりというバンドそのものの心境と、又吉の心境が共鳴していたのかもしれませんね。そして、2曲目に挙げていたのは、真心ブラザーズの「サティスファクション」です。
赤信号で止まったとき 僕は街をグルリ見回す
1999年 世界を観察してみよう
古いマンガの21世紀 現実の世紀末
楽しむというゲームは終わり これから本当に生きるのさ
オレは空からやって来た 幸福の大王
命を遊ぶ 時を抱きしめる
1999年 全てはここから始まる
みんな気付いて楽になる 全ての生き物が祝福する
「サティスファクション」/真心ブラザーズ
ノストラダムスの大予言を思い起こさせるワードも登場するこの曲は、先ほどの「東京」とは打って変わったアップテンポなナンバー。真心ブラザーズが1999年7月にリリースした21枚目のシングルです。「サティスファクション」は、又吉が前のコンビを解散し、現在の相方・綾部と出会ってピースを結成した当初にステージの出囃子として使用していた思い出の曲だそうな!又吉自身より元気で、いずれそうなりたいと思わせてくれたというこの曲は、かなり根がポジティブだという相方ともどこか似た温度感があったのでしょうか…!「東京」も「サティスファクション」も又吉にとってどちらも必要な曲だったそうです。
自分がうまくいかないとき、不安なときに聴いていた曲は、大人になっても忘れない大切なものとなりますよね。あなたもしんどいときには是非、自分の味方になってくれる1曲を探してみてください。