J-POPの歌詞にも「雨ニモマケズ」や「銀河鉄道の夜」が登場…!

雨にも負けず 風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく 決して怒らず
いつも静かに笑っている

 誰もが知っているであろう詩、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の1節です。今日はそんな彼の1933年の忌日。ちなみにこの作品は、元々公開するためのものではなく、1931年秋に宮沢が使用していた黒い手帳に記されていたものだそう(NEVER まとめ参考)。手帳には自分の言動に対する反省や、当時の願望が綴られていたんだとか…。宮沢賢治といえば他にも「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」「注文の多い料理店」「よだかの星」などが有名。アーティストの中にも、彼の生き方や作品をリスペクトしている方が多く存在します。
 
 たとえば、さだまさしは新潮文庫サイトの「ワタシの一行」というコーナーに宮沢賢治の「新編 銀河鉄道の夜」の“僕もうあんな大きな暗の中だってこわくない。きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。”というフレーズを挙げていました。「この作品が永遠にこの作品が永遠に愛される理由は、いじめられっ子の主人公が自分の環境を拗ねも怒りもせず、尚、ただひたすら純粋に他人の「さいわい」を願う物語だからだろう。いつも私は己の魂の穢れを恥じ乍ら読み返す。」とコメント。
 
“これが私の最後の答ですと夜汽車に飛び乗った
どんなにつらい事も耐えて見せますと笑顔で告げた
折からペルセウスの流れ星夜空を埋め尽くしていた
君は銀河鉄道に乗って今織り姫のヴェガになる”
「決心〜ヴェガへ〜」/さだまさし

 この曲は、愛する人の元へ向かう決心をして夜汽車に乗る女性とそれを見送る男性の祝福の気持ちを描いたラヴソングであり、さだが尊敬する宮沢賢治を象徴する語句が用いられています。さらに、ユーミンやミスチルの楽曲にも宮沢賢治の作品が。

“銀河の童話を読みかけて
まどろみ 心ははばたく
あてもなく歩くこの町も
去る日は涙がでるわ”
「緑の町に舞い降りて」/松任谷由実

“前略 宮沢賢治様
僕はいつでも 理想と現実があべこべです
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」
優しく強く 無欲な男
「ソウイウモノ」を目指してたのに”
「タイムマシーンに乗って」/Mr.Children

 「緑の町に舞い降りて」の“銀河の童話”とは「銀河鉄道の夜」を意味すると言われています。ミスチルの「タイムマシーンに乗って」は、宮沢賢治へのメッセージになっていますね。宮沢賢治は生前、その才能が周囲から認められず、ほとんど出版社から見向きもされない状況だったそうです。でも、こうして音楽の中でも彼の作品が息づいていることはすごく幸せなことですよね…。
 
 また、彼は音楽にも深い関心を持っており、自身が作詞作曲の歌がいくつか残されています。代表作「星めぐりの歌」は、歌ネットでも歌詞が掲載されておりますので(高畑充希カバー)、是非、チェックしてみてください♪