なぜだか一番難しい歌は…とふと考えてしまい、思いついたのは…。

手嶌葵
なぜだか一番難しい歌は…とふと考えてしまい、思いついたのは…。
2021年6月2日に“手嶌葵”が、デビュー15周年を記念したオールタイムベストアルバム『Simple is best』をリリースしました。彼女の「素敵だなって思うことやものって、意外にシンプルだったりするんですよねぇ」という一言から名付けられた今作。まさに手嶌葵のアーティスト活動の集大成ともいえる全15曲が収録されております。 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“手嶌葵”による歌詞エッセイをお届け。15周年を振り返っての想いを綴っていただきました。また、ベストアルバムの選曲を進めていくなかで、改めて「一番難しい」と感じた歌やコンサートで必ず歌う思い出の歌、デビューのきっかけになった歌とは…? 是非、アルバムと併せてこのエッセイを受け取ってください。 ~歌詞エッセイ:15周年を迎えて~ 歌手としてデビューさせて頂いて、2021年6月7日に15周年を迎えます。 今、皆さんにお伝えしたいことは、シンプルに…歌を聴いてくださってありがとう、です。ラジオや映画・TVで流れる歌を聞いてくださったり、CDを手に取ってくださったり、コンサートで応援してくださったり。皆様、いつも優しく支えてくださって本当にありがとうございます。 なんてあっと言う間に15年もの月日が経っているのか…と、少しぞっとしながらベストアルバムの準備を始めました。選曲に悩みながら、色々と曲を聴いたり一緒に歌ったりしていると、忘れっぽい私でもレコーディングルームの様子、来て下さっていたミュージシャンの皆さんのこと、何度も歌詞が変わった曲や憧れの人に作って貰えた曲、素敵なファーストテイクがとれて嬉しかったこと…。歌を歌う小さなブースのなかでの思い出が溢れてきて、なんて幸せな15年だったんだろうと改めて思いました。 振り返ってみると、こんなにも沢山の美しい曲を作って頂いていたんだなと感じ、記念日というものは、今まで出会ってきた方々に感謝する日なんだなと思いました。そうして選曲を進めていくうちに、なぜだか一番難しい歌は…とふと考えてしまい、思いついたのはデビュー曲「 テルーの唄 」です。 18歳の私は福岡の音楽学校のレッスン室でこの曲を聴きながら、そしてこの物悲しい詞を読みながら、『このオーディションの曲は難しい』と少し投げやりになっていたのを思い出します。学校の終わりに録音スタジオに向かい、緊張しながら歌った『テルーの唄』は、今でも歌う前、あの頃と同じ様に少し力が入ってしまいます。ですが、一番私自身に溶け込んでいる唄であり、これからも一番歌う歌であると思います。大事にしていきたいと改めて思います。 それから「 明日への手紙 」という曲は、コンサートでは必ず歌う曲です。ドラマの主題歌に採用して頂いたという理由もありますが、美しいメロディと色々な年齢の方に寄り添うことが出来ると思える優しい歌詞のバラードだからです。私自身、歌っていて、だんだんと気持ちが熱くなっていくのと同時に、とても優しい気持ちにもなる曲です。皆さんもそう感じてくれてるのではないかと思っています。そして、この曲をきっかけにコンサートに遊びに来て頂く方が増えた思い出の曲でもあります。 今回のアルバムでは日本語の歌も大切に歌っていきたいという思いから、オリジナル曲を中心に収録していますが、15周年記念という事で、私のデビューのきっかけとなった「 The Rose 」を新しくレコーディングしました。今まで支えてくださった皆さんに、感謝の気持ちを今のこの声で伝えることが出来る歌は『The Rose』だと思ったからです。 15周年を迎えた今、私が愛する曲達を集めたベストアルバム『simple is best』。是非沢山の方に聞いて頂けたら幸せです。 <手嶌葵> ◆紹介曲「 テルーの唄 」 作詞:宮崎吾朗 作曲:谷山浩子 「 明日への手紙 」 作詞:池田綾子 作曲:池田綾子 「 The Rose 」 作詞:Amanda McBroom 作曲:Amanda McBroom ◆デビュー15周年記念 オールタイムベストアルバム 『Simple is best』 2021年6月2日発売 初回限定盤 VICL-70246 ¥4,950(税抜¥4,500) 完全生産限定盤 VIZL-1906 ¥7,700(税抜¥7,000) 通常盤 VICL-65505 ¥3,300(税抜¥3,000) <収録曲> 通常盤、初回限定盤Disc1、完全生産限定盤Disc 1 1.テルーの唄 2.時の歌 3.岸を離れる日 4.虹 5.さよならの夏~コクリコ坂から~ 6.流星 7.明日への手紙 8.海を見つめる日 9.風の谷のナウシカ 10.東京 11. 瑠璃色の地球 12.こころをこめて 13.散りてなお 14.ただいま 15.The Rose(15th Anniversary Version)