n-buna作詞の歌詞一覧リスト  97曲中 1-97曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
ただ君に晴れMILLION LYLICヨルシカMILLION LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna夜に浮かんでいた 海月のような月が爆ぜた  バス停の背を覗けば あの夏の君が頭にいる  だけ  鳥居 乾いた雲 夏の匂いが頬を撫でる 大人になるまでほら、背伸びしたままで  遊び疲れたらバス停裏で空でも見よう じきに夏が暮れても きっときっと覚えてるから  追いつけないまま大人になって 君のポケットに夜が咲く  口に出せないなら僕は一人だ それでいいからもう諦めてる  だけ  夏日 乾いた雲 山桜桃梅 錆びた標識 記憶の中はいつも夏の匂いがする  写真なんて紙切れだ 思い出なんてただの塵だ それがわからないから、口を噤んだまま  絶えず君のいこふ 記憶に夏野の石一つ  俯いたまま大人になって 追いつけない ただ君に晴れ  口に出せないまま坂を上った 僕らの影に夜が咲いていく  俯いたまま大人になった 君が思うまま手を叩け  陽の落ちる坂道を上って 僕らの影は  追いつけないまま大人になって 君のポケットに夜が咲く  口に出せなくても僕ら一つだ それでいいだろ、もう  君の想い出を噛み締めてるだけ
だから僕は音楽を辞めたMILLION LYLICヨルシカMILLION LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna考えたってわからないし 青空の下、君を待った 風が吹いた正午、昼下がりを抜け出す想像 ねぇ、これからどうなるんだろうね 進め方教わらないんだよ 君の目を見た 何も言えず僕は歩いた  考えたってわからないし 青春なんてつまらないし 辞めた筈のピアノ、机を弾く癖が抜けない ねぇ、将来何してるだろうね 音楽はしてないといいね 困らないでよ  心の中に一つ線を引いても どうしても消えなかった 今更なんだから なぁ、もう思い出すな  間違ってるんだよ わかってないよ、あんたら人間も 本当も愛も世界も苦しさも人生もどうでもいいよ 正しいかどうか知りたいのだって防衛本能だ 考えたんだ あんたのせいだ  考えたってわからないが、本当に年老いたくないんだ いつか死んだらって思うだけで胸が空っぽになるんだ 将来何してるだろうって 大人になったらわかったよ 何もしてないさ  幸せな顔した人が憎いのはどう割り切ったらいいんだ 満たされない頭の奥の化け物みたいな劣等感  間違ってないよ なぁ、何だかんだあんたら人間だ 愛も救いも優しさも根拠がないなんて気味が悪いよ ラブソングなんかが痛いのだって防衛本能だ どうでもいいか あんたのせいだ  考えたってわからないし 生きてるだけでも苦しいし 音楽とか儲からないし 歌詞とか適当でもいいよ どうでもいいんだ  間違ってないだろ 間違ってないよな  間違ってるんだよ わかってるんだ あんたら人間も 本当も愛も救いも優しさも人生もどうでもいいんだ 正しい答えが言えないのだって防衛本能だ どうでもいいや あんたのせいだ  僕だって信念があった 今じゃ塵みたいな想いだ 何度でも君を書いた 売れることこそがどうでもよかったんだ 本当だ 本当なんだ 昔はそうだった  だから僕は音楽を辞めた
花に亡霊MILLION LYLICヨルシカMILLION LYLICヨルシカn-bunan-bunaもう忘れてしまったかな 夏の木陰に座ったまま、氷菓を口に放り込んで風を待っていた  もう忘れてしまったかな 世の中の全部嘘だらけ 本当の価値を二人で探しに行こうと笑ったこと  忘れないように 色褪せないように 形に残るものが全てじゃないように  言葉をもっと教えて 夏が来るって教えて 僕は描いてる 眼に映ったのは夏の亡霊だ 風にスカートが揺れて 想い出なんて忘れて 浅い呼吸をする、汗を拭って夏めく  もう忘れてしまったかな 夏の木陰に座った頃、遠くの丘から顔出した雲があったじゃないか 君はそれを掴もうとして、馬鹿みたいに空を切った手で 僕は紙に雲一つを書いて、笑って握って見せて  忘れないように 色褪せないように 歴史に残るものが全てじゃないから  今だけ顔も失くして 言葉も全部忘れて 君は笑ってる 夏を待っている僕ら亡霊だ 心をもっと教えて 夏の匂いを教えて 浅い呼吸をする  忘れないように 色褪せないように 心に響くものが全てじゃないから  言葉をもっと教えて さよならだって教えて 今も見るんだよ 夏に咲いてる花に亡霊を 言葉じゃなくて時間を 時間じゃなくて心を 浅い呼吸をする、汗を拭って夏めく  夏の匂いがする  もう忘れてしまったかな 夏の木陰に座ったまま、氷菓を口に放り込んで風を待っていた
ヒッチコックMILLION LYLICヨルシカMILLION LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna「雨の匂いに懐かしくなるのは何でなんでしょうか。 夏が近づくと胸が騒めくのは何でなんでしょうか。 人に笑われたら涙が出るのは何でなんでしょうか。 それでもいつか報われるからと思えばいいんでしょうか。」  さよならって言葉でこんなに胸を裂いて 今もたった数瞬の夕焼けに足が止まっていた  「先生、人生相談です。 この先どうなら楽ですか。 そんなの誰もわかりはしないよなんて言われますか。 ほら、苦しさなんて欲しいわけない。 何もしないで生きていたい。 青空だけが見たいのは我儘ですか。」  「胸が痛んでも嘘がつけるのは何でなんでしょうか。 悪い人ばかりが得をしてるのは何でなんでしょうか。 幸せの文字が¥を含むのは何でなんでしょうか。 一つ線を抜けば辛さになるのはわざとなんでしょうか。」  青春って値札が背中に貼られていて ヒッチコックみたいなサスペンスをどこか期待していた  「先生、どうでもいいんですよ。 生きてるだけで痛いんですよ。 ニーチェもフロイトもこの穴の埋め方は書かないんだ。  ただ夏の匂いに目を瞑って、 雲の高さを指で描こう。 想い出だけが見たいのは我儘ですか。」  「ドラマチックに人が死ぬストーリーって売れるじゃないですか。 花の散り際にすら値が付くのも嫌になりました。  先生の夢は何だったんですか。 大人になると忘れちゃうものなんですか。」  「先生、人生相談です。 この先どうなら楽ですか。 涙が人を強くするなんて全部詭弁でした。  あぁ、この先どうでもいいわけなくて、現実だけがちらついて、 夏が遠くて。  これでも本当にいいんですか。 このまま生きてもいいんですか。 そんなの君にしかわからないよなんて言われますか。  ただ夏の匂いに目を瞑りたい。 いつまでも風に吹かれたい。 青空だけが見たいのは我儘ですか。」  あなただけを知りたいのは我儘ですか
言って。PLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-buna言って  あのね、私実は気付いてるの ほら、君がいったこと  あまり考えたいと思えなくて 忘れてたんだけど  盲目的に盲動的に妄想的に生きて 衝動的な焦燥的な 消極的なままじゃ駄目だったんだ  きっと、人生最後の日を前に思うのだろう 全部、全部言い足りなくて惜しいけど あぁ、いつか人生最後の日、 君がいないことを もっと、もっと、もっと もっと、ちゃんと言って  あのね、空が青いのって どうやって伝えればいいんだろうね 夜の雲が高いのって どうすれば君もわかるんだろう  言って  あのね、私実はわかってるの もう君が逝ったこと  あのね、わからず屋って言うんだろうね 忘れたいんだけど  もっとちゃんと言ってよ 忘れないようメモにしてよ 明日十時にホームで待ち合わせとかしよう  牡丹は散っても花だ 夏が去っても追慕は切だ  口に出して 声に出して 君が言って  そして人生最後の日、君が見えるのなら きっと、人生最後の日も愛をうたうのだろう 全部、全部無駄じゃなかったって言うから あぁ、いつか人生最後の日、君がいないことがまだ信じられないけど  もっと、もっと、もっと、もっと もっと、もっと、もっと、君が もっと、もっと、もっと、もっと もっと、ちゃんと言って
藍二乗PLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna変わらない風景 浅い正午 高架下、藍二乗、寝転ぶまま 白紙の人生に拍手の音が一つ鳴っている 空っぽな自分を今日も歌っていた  変わらないように 君が主役のプロットを書くノートの中 止まったガス水道 世間もニュースも所詮他人事 この人生さえほら、インクみたいだ  あの頃ずっと頭に描いた夢も大人になるほど時効になっていく  ただ、ただ雲を見上げても 視界は今日も流れるまま 遠く仰いだ夜に花泳ぐ 春と見紛うほどに 君をただ見失うように  転ばないように下を向いた 人生はどうにも妥協で出来てる 心も運命もラブソングも人生も信じない 所詮売れないなら全部が無駄だ  わざと零した夢で描いた今に寝そべったままで時効を待っている  ただ、ただ目蓋の裏側 遠く描く君を見たまま ノート、薄い夜隅に花泳ぐ 僕の目にまた一つ  人生は妥協の連続なんだ そんなこと疾うにわかってたんだ エルマ、君なんだよ 君だけが僕の音楽なんだ  この詩はあと八十字 人生の価値は、終わり方だろうから  ただ、ただ君だけを描け 視界の藍も滲んだまま 遠く仰いだ空に花泳ぐ この目覆う藍二乗  ただ、ただ 遠く仰いだ空、君が涼む ただ夜を泳ぐように
春泥棒PLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-buna高架橋を抜けたら雲の隙間に青が覗いた 最近どうも暑いからただ風が吹くのを待ってた  木陰に座る 何か頬に付く 見上げれば頭上に咲いて散る  はらり、僕らもう息も忘れて 瞬きさえ億劫 さぁ、今日さえ明日過去に変わる ただ風を待つ だから僕らもう声も忘れて さよならさえ億劫 ただ花が降るだけ晴れり 今、春吹雪  次の日も待ち合わせ 花見の客も少なくなった 春の匂いはもう止む 今年も夏が来るのか  高架橋を抜けたら道の先に君が覗いた 残りはどれだけかな どれだけ春に会えるだろう  川沿いの丘、木陰に座る また昨日と変わらず今日も咲く花に、  僕らもう息も忘れて 瞬きさえ億劫 花散らせ今吹くこの嵐は まさに春泥棒 風に今日ももう時が流れて 立つことさえ億劫 花の隙間に空、散れり まだ、春吹雪  今日も会いに行く 木陰に座る 溜息を吐く 花ももう終わる 明日も会いに行く 春がもう終わる 名残るように時間が散っていく  愛を歌えば言葉足らず 踏む韻さえ億劫 花開いた今を言葉如きが語れるものか  はらり、僕らもう声も忘れて 瞬きさえ億劫 花見は僕らだけ 散るなまだ、春吹雪  あともう少しだけ もう数えられるだけ あと花二つだけ もう花一つだけ  ただ葉が残るだけ、はらり 今、春仕舞い
雨とカプチーノPLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna灰色に白んだ言葉はカプチーノみたいな色してる 言い訳はいいよ 窓辺に置いてきて 数え切れないよ  灰色に白んだ心はカプチーノみたいな色してる 言い訳はいいよ 呷ろうカプチーノ 戯けた振りして  さぁ揺蕩うように雨流れ 僕らに嵐す花に溺れ 君が褪せないような思い出を どうか、どうか、どうか君が溢れないように  波待つ海岸 紅夕差す日 窓に反射して 八月のヴィスビー 潮騒 待ちぼうけ 海風一つで  夏泳いだ花の白さ、宵の雨 流る夜に溺れ 誰も褪せないような花一つ どうか、どうか、どうか胸の内側に挿して  ずっとおかしいんだ 生き方一つ教えてほしいだけ 払えるものなんて僕にはもうないけど 何も答えられないなら言葉一つでもいいよ わからないよ 本当にわかんないんだよ  さぁ揺蕩うように雨流れ 僕らに嵐す花に溺れ 君が褪せないように書く詩を どうか、どうか、どうか今も忘れないように また一つ夏が終わって、花一つを胸に抱いて、 流る目蓋の裏で 君が褪せないようにこの詩を どうか、どうか君が溢れないように
あの夏に咲けPLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-buna君が触れたら、 た、た、ただの花さえ笑って宙に咲け 君に倣って、て、照れるまま座って バスの最終時刻 オーバー  いつもの通りバス亭で、 君はサイダーを持っていた。 それだって様になってるなあ。  しがない物書きであった僕は その風景を描いていた。 隣に座る間も無く消えた。バスが走っていく。  書いて書いてようやく得たものが 妬みとか蔑みとか! なんかもう忘れたい  君が触れたら、 た、た、ただの花さえ笑って宙に咲け 君が登って、て、 照れる雲も赤らんで飛んでいく  君がいるなら、 た、た、退屈な日々も何てことはないけど 君がいた騒々しい夏もさよなら 誰か応答願う オーバー  雨の街路脇、君は立っていた 片手には赤い カトレア  君の流した水滴が夕立ちみたく伝っていた 君が泣いてるのに手は動いた 声もかけないで その顔を書いていた  吐いて 吐いてようやくわかるのが 痛みです 虚しさです なんかもう馬鹿みたい  満たされるから、 た、た、足りてた分を落として 嫌になるんだよ それで良かったって笑えるほど 大人じゃないのにさ  君が乗り込む、 バ、バ、バスの隙間に僕の場所はないから 君がいた想像だけが嵩んでいく 今日も人生俯瞰、オーバー  君が歩けば花が咲く 君が歩けば空が泣く 君が笑えば遠い夏 笑う顔が書いてみたい  夕立の中泣く君に 僕が言えるのなら もう一回あの夏に戻って  君が泣いてる、 と、と、止まらない訳を僕は知っていたい 君に触れたら、 て、て、適当なことでも喋ってみよう  君がいたから、 た、た、退屈な日々も何てことはないのさ 君に笑って、て、照れるまま座って バスの最終時刻、オーバー
負け犬にアンコールはいらないPLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna大人になりたくないのに何だか どんどん擦れてしまってって 青春なんて余るほどないけど もったいないから持っていたいのです  「死ぬほどあなたを愛してます」 とかそう言う奴ほど死ねません  会いたい好きです堪りません とか誰でも良いのに言っちゃってんのがさ、わかんないね  もう一回、もう一歩だって 歩いたら負けだ つまらないって口癖が、僕の言い訳みたいじゃないか  もう一回、もうこんな人生なんかは捨てたい 夏のバス停で君を待っていたいんだ  負け犬だからさ想い出しかないんだ  逃げるは恥だが役に立つとかいうけど正直立てません 大人になりたくないのにいつから 笑顔が上手になったんだ  人生なんて余るほどないし 友達なんかはいりません 最低限の荷物を固めて あなたに会いに行こうと思いました  堪んないね  5! 4! 3! 2! HOWL!  もう一回、もう一個だって落としても死ねない 負け続けても笑った君が白痴みたいじゃないか  もう一生、後悔したくない僕らは吠えたい 負け犬が吠えるように生きていたいんだ 君のそんな顔なんか見たくもないんだ  人生に名前をつけるなら 希望って言葉は違うだろ もう何年待っているんだろう、わからないか  君以外はどうでもいいんだよ それだけはわかっていたんだろ  もう一回、もう一歩だって歩いても言えない 所詮音楽が響くか 何もかもが言い足るものか  もう一回、僕たちにもうアンコールなどいらない 吠え面かけよ偽善者  もう一回、もう一歩だって歩いたら負けだ 世界平和でも歌うか 早く全部を救えよ愛とやらで  もういい、もうこんな人生全部を賭けたい 負け犬なりに後悔ばっか歌って また夢に負けて、昨日を愛おしんで
八月、某、月明かりPLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna何もいらない  心臓が煩かった 歩くたび息が詰まった 初めてバイトを逃げ出した 音楽も生活も、もうどうでもよかった ただ気に食わないものばかりが増えた  八月某、月明かり、自転車で飛んで 東伏見の高架橋、小平、富士見通りと商店街 夜風が鼻を擽ぐった この胸の痛みは気のせいだ わかってた わかった振りをした  最低だ 最低だ 僕の全部最低だ 君を形に残したかった 想い出になんてしてやるもんか  最低だ 最低だ 気持ちよくて仕方がないわ 最低だってこの歌詞自体が  人生、二十七で死ねるならロックンロールは僕を救った 考えるのも辞めだ!どうせ死ぬんだから 君も、何もいらない  心臓が煩かった 笑うほど喉が渇いた 初めて心を売り出した 狭心もプライドも、もうどうでもよかった 気に食わない奴にも頭を下げた  八月某、あの頃の景色を跨いだ ストックホルムの露天商、キルナ、ガムラスタンは石畳 君だけを胸に仕舞った この空の青さも気の所為だ 笑ってた、笑った顔のまま  最低だ 傲慢だ 君もみんな貪欲だ ドラマチックな歌も愛もさぁ、馬鹿らしくて仕方がないわ 知っていた 知っていた 君の人生、君のものだ 最低だっていくら叫ぼうが  そうだ、きっとそうだ あの世ではロックンロールが流れてるんだ 賛美歌とか流行らない 神様がいないんだから 罪も過ちも犯罪も自殺も戦争もマイノリティも全部知らない  最低だ 最低だ 別れなんて傲慢だ 君の全てに頷きたいんだ そんなの欺瞞と同じだ、エルマ  最低だ 最低だ 愛おしくて仕方がないわ ドラマチックな夜で僕を悼みたい  最低だ 最低だ 言葉なんて冗長だ 君の人生は月明かりだ 有りがちだなんて言わせるものか  最低だ 最低だ 笑われたって仕方がないわ 最低なんて語呂だけの歌詞だ  人生、二十七で死ねるならロックンロールは僕を救った 考えるのも辞めだ!どうせ死ぬんだから  今も、愛も、過去も、夢も、思い出も、鼻歌も、薄い目も、夜霞も、 優しさも、苦しさも、花房も、憂鬱も、あの夏も、この歌も、 偽善も、夜風も、嘘も、君も、僕も、青天井も、何もいらない
準透明少年PLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna凛として花は咲いた後でさえも揺るがなくて 今日が来る不安感も奪い取って行く  正午過ぎの校庭で一人の僕は透明人間 誰かに気付いてほしくて歌っている  凛とした君は憧れなんて言葉じゃ足りないようなそんな色が強く付いていて  どんな伝えたい言葉も目に見えないなら透明なんだ 寂しさを埋めるように歌っていた  誰の声だと騒めきだした 人の声すらバックミュージックのようだ あの日君が歌った歌を歌う  体の何処かで 誰かが叫んでるんだ  長い夜の向こう側で この心ごと渡したいから 僕を全部、全部、全部透過して  凛として君の心象はいつの日も透明だった 何の色も形も見えない  狂いそうだ 愛の歌も世界平和も目に見えないなら透明なんだ そんなものはないのと同じだ  駅前の喧騒の中を叫んだ 歌だけがきっとまだ僕を映す手段だ あの日僕が忘れた夢を歌う  頭のどこかで本当はわかっていたんだ 長い夜の向こう側をこの僕の眼は映さないから 君を全部、全部、全部淘汰して  目が見えないんだ 想像だったんだ 君の色だとか 形だとか  目に見えぬ僕は謂わば準透明だ  今でもあの日を心が覚えているんだ 見えない君の歌だけで  体の何処かで言葉が叫んでるんだ 遠い夜の向こう側でこの心ごと渡したいから 僕を全部、全部、全部透過して
雲と幽霊PLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-buna幽霊になった僕は、明日遠くの君を 見に行くんだ その後はどうしよう きっと君には言えない  幽霊になった僕は、夏の終わり方を 見に行くんだ 六畳の地球で 浅い木陰のバス停で 夜に涼む君の手 誘蛾灯に沿って石を蹴った 街の薄明かりが揺れている  何も見えなくたって 何も言わなくたって 誰も気付かなくたって それでもわかるから  君と座って バス停見上げた空が 青いことしかわからずに 雲が遠いね ねぇ 夜の雲が高いこと、本当不思議だよ だからさ、もういいんだよ  幽霊になった僕は、 あの頃の景色を見に行くんだ 遠い街の海辺 子供のとき見た露店街  歩き疲れた脚でそこらのベンチで バスを待って その後はどうしよう 何で歩いてたんだろう  何も知らなくたって 何も聞けなくたって いつか君が忘れても それでも見ているから  夏の陰に座って 入道雲を 眺めるだけでどこか苦しくて 空が高いよ ねぇ このままずっと遠くに行けたらいいのにな 夜しかもう眠れずに  君と座って バス停見上げた空が 青いことしかわからずに 雲が遠いね ねぇ 夜の雲が高いこと、本当不思議だよ  だからさ、だからさ 君もさ、もういいんだよ 幽霊になった僕は、明日遠くの 君を見に行くんだ その後はどうだろう きっと君には見えない
靴の花火PLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-bunaねぇ ねぇ 何か言おうにも言葉足らずだ 空いた口が塞がらないから から  ねぇ ねぇ 黙りこくっても言葉要らずだ 目って物を言うから  忘れていくことは虫が食べ始めた結果だ 想い出の中じゃいつも笑ってる顔なだけ  夕暮れた色 空を飛んで このまま大気さえ飛び出して 真下、次第に小さくなってくのは 君の居た街だ  靴の先に花が咲いた 大きな火の花が咲いた 心ごと残して征こう、だなんて憶う そんな夏が見えた  ねぇ ねぇ 君を知ろうにもどっちつかずだ きっと鼻に掛けるから  清々することなんて何にもないけど 今日も空が綺麗だなぁ  僕の食べた物 全てがきっと生への対価だ 今更な僕はヨダカにさえもなれやしない  朝焼けた色 空を舞って 何を願うかなんて愚問だ 大人になって忘れていた 君を映す目が邪魔だ  ずっと下で花が鳴った 大きな火の花が鳴った 音だけでも泣いてしまう、だなんて憶う そんな夏を聞いた  ねぇ ねぇ 空を飛ぼうにも終わり知らずだ きっと君を探してしまうから から  夕暮れた色 空を飛んで この星の今さえ抜け出して 真下、次第に小さくて 消えたのは君の居た街だ  夏の空に花が咲いた 大きな火の花が咲いた いつまででも泣いていたい、だなんて憶う そんな夏が消えた
思想犯PLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-buna他人に優しいあんたにこの心がわかるものか 人を呪うのが心地良い、だから詩を書いていた 朝の報道ニュースにいつか載ることが夢だった その為に包丁を研いでる  硝子を叩きつける音、何かの紙を破くこと、 さよならの後の夕陽が美しいって、君だってわかるだろ  烏の歌に茜 この孤独も今音に変わる 面影に差した日暮れ 爪先立つ、雲が焼ける、さよならが口を滑る  認められたい、愛したい これが夢ってやつか 何もしなくても叶えよ、早く、僕を満たしてくれ 他人に優しい世間にこの妬みがわかるものか いつも誰かを殴れる機会を探してる  ビール瓶で殴る街路灯、投げるギターの折れる音、 戻らない後悔の全部が美しいって、そういうのさぁ、僕だってわかるのに  言葉の雨に打たれ 秋惜しむまま冬に落ちる 春の山のうしろからまた一つ煙が立つ 夏風が頬を滑る  他人に優しいあんたにこの孤独がわかるものか 死にたくないが生きられない、だから詩を書いている 罵倒も失望も嫌悪も僕への興味だと思うから 他人を傷付ける詩を書いてる こんな中身のない詩を書いてる  君の言葉が呑みたい 入れ物もない両手で受けて いつしか喉が潤う その時を待ちながら  烏の歌に茜 この孤独よ今詩に変われ さよなら、君に茜 僕は今、夜を待つ また明日。口が滑る
晴るPLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna貴方は風のように 目を閉じては夕暮れ 何を思っているんだろうか  目蓋を開いていた 貴方の目はビイドロ 少しだけ晴るの匂いがした  晴れに晴れ、花よ咲け 咲いて晴るのせい 降り止めば雨でさえ 貴方を飾る晴る  胸を打つ音よ凪げ 僕ら晴る風 あの雲も越えてゆけ 遠くまだ遠くまで  貴方は晴れ模様に 目を閉じては青色 何が悲しいのだろうか  目蓋を開いている 貴方の目にビイドロ 今少し雨の匂いがした  泣きに泣け、空よ泣け 泣いて雨のせい 降り頻る雨でさえ 雲の上では晴る  土を打つ音よ鳴れ 僕ら春荒れ あの海も越えてゆく 遠くまだ遠くまで  通り雨 草を靡かせ 羊雲 あれも春のせい 風のよう 胸に春乗せ 晴るを待つ  晴れに晴れ、空よ裂け 裂いて春のせい 降り止めば雨でさえ 貴方を飾る晴る  胸を打つ音奏で 僕ら春風 音に聞く晴るの風 さぁこの歌よ凪げ!  晴れに晴れ、花よ咲け 咲いて春のせい あの雲も越えてゆけ 遠くまだ遠くまで
アルジャーノンPLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-buna貴方はどうして僕に心をくれたんでしょう 貴方はどうして僕に目を描いたんだ 空より大きく 雲を流す風を呑み込んで 僕のまなこはまた夢を見ていた  裸足のままで  貴方はゆっくりと変わっていく とても小さく 少しずつ膨らむパンを眺めるように 貴方はゆっくりと走っていく 長い迷路の先も恐れないままで  貴方はどうして僕に名前をくれたんでしょう 貴方はどうして僕に手を作ったんだ 海より大きく 砂を流す波も呑み込んで 小さな両手はまだ遠くを見てた  あくびを一つ  僕らはゆっくりと眠っていく とても長く 頭の真ん中に育っていく大きな木の 根本をゆっくりと歩いていく 長い迷路の先を恐れないように  いつかとても追いつけない人に出会うのだろうか いつかとても越えられない壁に竦むのだろうか いつか貴方もそれを諦めてしまうのだろうか ゆっくりと変わっていく ゆっくりと変わっていく ゆっくりと変わっていく  僕らはゆっくりと忘れていく とても小さく 少しずつ崩れる塔を眺めるように 僕らはゆっくりと眠っていく ゆっくりと眠っていく  貴方はゆっくりと変わっていく とても小さく あの木の真ん中に育っていく木陰のように 貴方はゆっくりと走っていく 長い迷路の先も恐れないままで 確かに迷いながら
夜行PLATINA LYLICヨルシカPLATINA LYLICヨルシカn-bunan-bunaねぇ、このまま夜が来たら、僕らどうなるんだろうね 列車にでも乗って行くかい。僕は何処でもいいかな  君はまだわからないだろうけど、空も言葉で出来てるんだ そっか、隣町なら着いて行くよ  はらはら、はらはら、はらり 晴るる原 君が詠む歌や 一輪草 他には何にもいらないから  波立つ夏原、涙尽きぬまま泣くや日暮は夕、夕、夕 夏が終わって往くんだね そうなんだね  ねぇ、いつか大人になったら、僕らどう成るんだろうね 何かしたいことはあるのかい。僕はそれが見たいかな  君は忘れてしまうだろうけど思い出だけが本当なんだ そっか、道の先なら着いて行くよ  さらさら、さらさら さらさら、さらさら 花風、揺られや一輪草 言葉は何にもいらないから  君立つ夏原、髪は靡くまま、泣くや雨催い夕、夕、夕 夏が終わって往くんだね そうなんだね  そっか、大人になったんだね  はらはら、はらはら、はらり 晴るる原 君が詠む歌や 一輪草 他には何にもいらないから  波立つ夏原、涙尽きぬまま泣くや日暮は夕、夕、夕 夏が終わって往くんだね 僕はここに残るんだね  ずっと向こうへ往くんだね そうなんだね
パレードGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna身体の奥 喉の真下 心があるとするなら君はそこなんだろうから  ずっと前からわかっていたけど 歳取れば君の顔も忘れてしまうからさ 身体の奥 喉の中で 言葉が出来る瞬間を僕は知りたいから  このまま夜が明けたら  乾かないように想い出を 失くさないようにこの歌を 忘れないで もうちょっとだけでいい 一人ぼっちのパレードを  ずっと前から思ってたけど 君の指先の中にはたぶん神様が住んでいる 今日、昨日よりずっと前から、ずっとその昔の昔から。 わかるんだ  身体の奥 喉の真下 君の書く詩を ただ真似る日々を  忘れないように 君のいない今の温度を  乾かないような想い出で 失くせないでいたこの歌で もう少しでいい もうちょっとだけでいい 一人ぼっちのパレードを
ノーチラスGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna時計が鳴ったからやっと眼を覚ました 昨日の風邪がちょっと嘘みたいだ 出かけようにも、あぁ、予報が雨模様だ どうせ出ないのは夜が明けないから  喉が渇くとか、心が痛いとか、人間の全部が邪魔してるんだよ  さよならの速さで顔を上げて いつかやっと夜が明けたら  もう目を覚まして。見て。 寝ぼけまなこの君を何度だって描いているから  傘を出してやっと外に出てみようと決めたはいいけど、靴を捨てたんだっけ 裸足のままなんて度胸もある訳がないや どうでもいいかな 何がしたいんだろう  夕飯はどうしよう 晴れたら外に出よう 人間なんてさ見たくもないけど  このままの速さで今日を泳いで 君にやっと手が触れたら  もう目を覚まして。見て。 寝ぼけまなこの君を忘れたって覚えているから  丘の前には君がいて随分久しいねって、笑いながら顔を寄せて さぁ、二人で行こうって言うんだ  ラップランドの納屋の下 ガムラスタンの古通り 夏草が邪魔をする  このままの速さで今日を泳いで 君にやっと手が触れたら  もう目を覚まして。見て。 君を忘れた僕を  さよならの速さで顔を上げて いつかやっと夜が明けたら  もう目を覚まして。見て。 寝ぼけまなこの君を何度だって描いているから
左右盲GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna君の右手は頬を突いている 僕は左手に温いマグカップ 君の右眉は少し垂れている 朝がこんなにも降った  一つでいい 散らぬ牡丹の一つでいい 君の胸を打て 心を亡れるほどの幸福を 一つでいいんだ 右も左もわからぬほどに手探りの夜の中を 一人行くその静けさを その一つを教えられたなら  君の左眉は少し垂れている 上手く思い出せない 僕にはわからないみたい 君の右手にはいつか買った小説 あれ、それって左手だっけ  一つでいい 夜の日差しの一つでいい 君の胸を打つ、心を覗けるほどの感傷を 一つでいいんだ 夏に舞う雹のその中も手探りで行けることを 君の目は閉じぬことを  僕の身体から心を少しずつ剥がして 君に渡して その全部をあげるから 剣の柄からルビーを この瞳からサファイアを 鉛の心臓はただ傍に置いて  一つでいい 散らぬ牡丹の一つでいい 君の胸を打て 涙も忘れるほどの幸福を 少しでいいんだ 今日の小雨が止むための太陽を  少しでいい 君の世界に少しでいい僕の靴跡を わかるだろうか、君の幸福は 一つじゃないんだ 右も左もわからぬほどに手探りの夜の中を 君が行く長いこれからを 僕だけは笑わぬことを その一つを教えられたなら  何を食べても味がしないんだ 身体が消えてしまったようだ 貴方の心と 私の心が ずっと一つだと思ってたんだ
カトレアGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna貴方にはわからないよ、なんてのは傲慢だ 排気ガス塗れの東京を練り行く  札束で心が買えるなら本望だ。 傷一つない新しい心にして、  いっそ僕の全部、カトレア 君にあげたいのに最後だ 窓際の花瓶には君を挿しておくから わかっておくれよ  心を買い換えたはいいものの不鮮明だ 空が曇るから何かが晴れないようでさ  札束で見る目が変わるなら本望だ 曇りのない新しいまなこを買おう  いっそ君の全部、カトレア 何も見えないで眠ったら 目が覚めた世界は雲ひとつない鮮やかだ 戻っておくれよ  そして僕の全部が消えて 夏陰の間眠っても 君のいた世界をどこかで思っているから  ほら、いっそ僕の全部カトレア 君に上げたいから最後だ  さよならの時間はわからないようにするから、笑っておくれよ
爆弾魔GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna死んだ眼で爆弾片手に口を開く さよならだ人類、みんな吹き飛んじまえ  泣いた顔で爆弾片手 夜が苦しい 安っぽいナイトショーのワンシーンみたいな夢が見たい  今日も出来ませんでした 今日もやれませんでした 青春の全部を爆破したい 君のことを歌にしたい  この日々を爆破して 心ごと爆破して ずるいよ、優しさってやつちらつかせてさ ずるいよ全部  この部屋を爆破したい 夢がなきゃ生きられない だから今、さよならだ 吹き飛んじまえ  死んだ目で爆弾片手に街を歩く 誰も見向きもしないんだ 爆弾を翳したとて  ずっと泣けませんでした ずっと笑えませんでした 青春の全部に君がいる 風が吹けば花が咲く  あの夏を爆破して 思い出を爆破して 酷いよ、君自身は黙って消えたくせに 酷いよ全部  この街を爆破したい このままじゃ生きられない だから今、さよならだ 吹き飛んじまえ  もっと笑えばよかった ずっと戻りたかった 青春の全部に散れば咲け 散れば咲けよ百日紅  この日々を爆破して 心ごと爆破して 辛くてもいい 苦しさも全部僕のものだ わかってるんだ  この星を爆破したい 君を消せるだけでいい 今しかない、いなくなれ  この日々を爆破して 心ごと爆破して ずるいよ、優しさってやつちらつかせてさ ずるいよ全部  この夜を爆破したい 君だけを覚えていたい だから今、さよならだ 吹き飛んじまえ
盗作GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna「音楽の切っ掛けは何だっけ。 父の持つレコードだったかな。 音を聞くことは気持ちが良い。 聞くだけなら努力もいらない。  前置きはいいから話そう。 ある時、思い付いたんだ。 この歌が僕の物になれば、この穴は埋まるだろうか。  だから、僕は盗んだ」  嗚呼、まだ足りない。全部足りない。 何一つも満たされない。 このまま一人じゃあ僕は生きられない。 もっと知りたい。愛を知りたい。 この心を満たすくらい美しいものを知りたい。  「ある時に、街を流れる歌が僕の曲だってことに気が付いた。 売れたなんて当たり前さ。 名作を盗んだものだからさぁ!  彼奴も馬鹿だ。こいつも馬鹿だ。 褒めちぎる奴等は皆馬鹿だ。 群がる烏合の衆、本当の価値なんてわからずに。 まぁ、それは僕も同じか」  嗚呼、何かが足りない。 これだけ盗んだのに少しも満たされない。 上面の言葉一つじゃ満たされない。 愛が知りたい。金が足りない。 この妬みを満たすくらい美しいものを知りたい。  「音楽の切っ掛けが何なのか、 今じゃもう忘れちまったが欲じゃないことは覚えてる。 何か綺麗なものだったな。  化けの皮なんていつか剥がれる。 見向きもされない夜が来る。 その時に見られる景色が心底楽しみで。  そうだ。 何一つもなくなって、地位も愛も全部なくなって。 何もかも失った後に見える夜は本当に綺麗だろうから、 本当に、本当に綺麗だろうから、  僕は盗んだ」  嗚呼、まだ足りない。もっと書きたい。 こんな詩じゃ満たされない。 君らの罵倒じゃあ僕は満たされない。 まだ知らない愛を書きたい。 この心を満たすくらい美しいものを知りたい。  まだ足りない。まだ足りない。 まだ足りない。まだ足りない。 まだ足りない。僕は足りない。 ずっと足りないものがわからない。 まだ足りない。もっと知りたい。 この身体を溶かすくらい美しい夜を知りたい。
エルマGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna嘘つきなんて わかって 触れて エルマ まだ まだ痛いよ もうさよならだって歌って 暮れて夜が来るまで  朝日の差す木漏れ日 僕とエルマ まだ まだ眠いかい 初夏の初め近づく五月の森  歩きだした顔には花の雫 ほら 涙みたいだ このまま欠伸をしよう なんならまた椅子にでも座ろう  許せないことなんてないんだよ 君は優しくなんてなれる  このまま何処かの遠い国で 浅い夏の隙間に寝そべったまま 涙も言葉も出ないままで ただ夜の深さも知らないままで  嘘つきなんて わかって 触れて エルマ まだ まだ痛いよ もうさよならだって歌って 暮れて夜が来るまで  辛いことも苦しいことも何も見えないならわからないし 塞いだ目閉じたままで逃げた 月明かりの道を歩く  狭い部屋も冷たい夜も 眠い昼も 寂しい朝も さよならの言葉越しに君の顔を見てる  このまま何処かの遠い国で 浅い夏の隙間に寝そべったまま 涙も言葉も出ないままで ただ空の青さだけ見たままで  ただ君と終わりも知らないままで  嘘つきなんて わかって 触れて エルマ まだ まだ痛いよ もうさよならだって歌って 暮れて夜が来るまで
春ひさぎGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna大丈夫だよ大丈夫 寝てれば何とかなるし どうしたんだいそんな顔してさぁ 別にどうともないよ  駅前で愛を待ち惚け 他にすることもないし 不誠実の価値も教えてほしいわ  言勿れ 愛など忘れておくんなまし 苦しい事だって何でも教えておくれ 左様な蜻蛉の一つが善いなら忘れた方が増し 詮の無いことばかり聞いてられないわ 言いたくないわ  大丈夫どれだけも吐いても 言葉は言い足りないし どうしたんだいあんたにわかるかい この憂いが  玄関で愛を待ち惚け 囁く声で喘いで 後悔の悔を教えてほしいわ  陽炎や 今日などどうか忘れておくんなまし 悲しい事無しの愛だけ歌っておくれ 終いは口付け一つが善いのも言わない方が増し 詮の無いことでも忘れられないわ 知りたくないわ  陽炎や 今日などいつか忘れてしまうのでしょう?苦しいの 左様な躊躇いの一つが愛なら知らない方が増し 詮の無いことだって聞かせてもっと  言勿れ 明日など忘れておくんなまし 苦しい事だって何度も教えておくれ 無粋な蜻蛉の一つでいいから、溺れるほどに欲しい 詮の無いことだって聞かせてもっと 愛して欲しいわ
詩書きとコーヒーGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna最低限の生活で小さな部屋の六畳で 君と暮らせれば良かった それだけ考えていた 幸せの色は準透明 なら見えない方が良かった 何も出来ないのに今日が終わる  最低限の生活で小さな部屋の六畳で 天井を眺める毎日 何かを考えていた 幸せの価値は60000円 家賃が引かれて4000円 ぼやけた頭で想い出を漁る  冷めた目で愛を語るようになっていた 冷めたコーヒーも相変わらずそうなんだ 嫌いだ  わかんないよ わかんないよ わかんないよ わかんないよ 想い出になる 君が邪魔になっていく わかんないよ わかんないよ わかんないよ わかんないよ わかんないよ 上手な歩き方も さよならの言い方も  最小限の音量で 少し大きくなった部屋で 止まったガスも思い出もシャワーの冷たさも書き殴った 寿命を売るなら残り二年 それだけ残してあの街へ 余った寿命で思い出を漁る  晴れも夜祭りも関町の街灯も 雲も逃げ水も斜に構えた歌詞観も 詭弁だ  わかんないよ わかんないよ わかんないよ わかんないよ 想い出になる 君が詩に成っていく わかんないよ わかんないよ わかんないよ わかんないよ わかんないよ、忘れられる方法も これからの使い方も  冷めた目の中で君の詩を書いていた 僕のこの日々は君の為の人生だ  夢も儚さも君の口も目もその指先も忘れながら ほら、そろそろ詩も終わる時間だ  やっと君の番だからさ  わかんないよ わかんないよ わかんないよ わかんないよ 想い出になれ 君よ詩に成って往け わかんないよ わかんないよ わかんないよ わかんないよ わかんないね 人は歩けるんだとか それが当たり前だとかわかんないさ わかんないよ
五月は花緑青の窓辺からGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna夏が終わることもこの胸は 気のせいだって思っていた  空いた教室 風揺れるカーテン 君と空を見上げたあの夏が いつまでだって頭上にいた  さようなら 青々と息を呑んだ 例う涙は花緑青だ 黙ったらもう消えんだよ 馬鹿みたいだよな  思い出せ!  思い出せない、と頭が叫んだ ならばこの痛みが魂だ それでも それでも聞こえないというなら  愛想笑いの他に何も出来ない 君と夏を二人過ごした想い出を 笑われたって黙っている  笑うなよ 僕らの価値は自明だ 例うならばこれは魂だ 黙っただけ辛いのに馬鹿みたいだろ なぁ、言い返せ  言い返せないまま一人歩いた 指を指された僕が残った それでも それでも思い出せないのか  さようなら 青々と息を呑んだ 例う涙は花緑青だ 黙ってくれ わかったよ 君の声がする  「思い出せ!」  思い出したんだ、と喉が叫んだ この痛みが君の証明だ それでも それでも聞こえないというなら
踊ろうぜGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna嗚呼、透明よりも澄み切った心で 世の中を笑っているんだよ 嗚呼、音楽なんかを選んだ あの日の自分を馬鹿に思うね  伝えたい全部はもう この詩も自分の声すらも  風になったから 泡と消えていったから 共感覚みたいこの感傷は何処かへ投げ捨てたい 僕でいいのなら 君が知りたいのなら もう隠すことなんてないよ 今から少しだけ踊ろうぜ  嗚呼、人間なんて辞めたいな そうだろ、面白くも何にもないだろ 嗚呼、自慢のギターを見せびらかした あの日の自分を潰してやりたいよ  伝えたい全部はもう 夏も冬も明日の向こう側で  灰になったから 淡く消え去ったから 疾うに失くしてたこの情動も何処かへ投げ捨てて 君がいいのなら ただ忘れたいのなら もう躊躇うことなんてないよ このまま夜明けまで踊ろうぜ  嗚呼、音楽なんか辞めてやるのさ 思い出の君が一つも違わず描けたら どうせもうやりたいこと一つ言えないからさ 浮かばないからさ  君を知ったまま 日々が過ぎ去ったから どうか追いつきたいこの情動をこのまま歌にしたい 今が苦しいならさ 言い訳はいいからさ あぁもう、踊ろうぜほら  風になったのさ 泡と消えていったのさ どうせ割り切れないこの感傷も何処かへ投げ捨てて 僕でいいのなら 君が知りたいのなら もう隠すことなんてないよ 今から少しだけ このまま少しだけ踊ろうぜ
花人局GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-bunaさよならを置いて僕に花もたせ 覚束ぬままに夜が明けて 誰もいない部屋で起きた その温もり一つ残して  昨日の夜のことは少しも覚えてないけれど 他に誰かが居た、そんな気がただしている 二日酔いが残る頭は回っちゃいないけれど わからないままでもまぁ、それはそれでも綺麗だ  洗面台の歯ブラシ、誰かのコップ、棚の化粧水。 覚えのない物ばかりだ 枕は花の匂いがする  さよならを置いて僕に花もたせ 覚束ぬままに夜が明けて 誰もいない部屋で起きる その温もり一つ残して  昨日の夜のことはそこまで覚えてないけれど 美人局を疑う、そんな気もしないでいる 二日酔いも醒めた頭で考えていたけど、わからないままでもいい むしろその方がいい  窓際咲くラベンダー、汚れたシンク、編み掛けのマフラー、 覚えのない事ばかりだ 部屋には春の匂いがする  浮雲掴むような花人局 誰も来ないまま日が暮れて 夕陽の差した窓一つ 何も知らない僕を残して  昨日の夜のことも本当は少し覚えてるんだ 貴方の居ない暮らし、それが続くことも 今でもこの頭一つで考えているばかり 花一つ持たせて消えた貴方のこと  明日にはきっと戻ってくる 何気ない顔で帰ってくる 今にドアが開いて聞こえる ごめんね、遅くなったって 言葉だけをずっと待っている 夕焼けをじっと待っている  忘れてしまう前に花描け 今日も一人また夜が来て 誰もいない部屋で眠る その温もり、僕に残して  馬鹿みたいに愛は花もたせ この部屋にもまた春が来て 貴方のいない街を生きる その温もり、僕に残して 僕にひとつ、花を残して  言葉だけをずっと待っている 夕焼けをじっと待っている
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
夕凪、某、花惑いGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna夏になる前にこの胸に散る花火を書いた 夜が来るから明後日の方ばかりを見てる  口に出してもう一回 八月某日を思い出して 僕には言い足りないことばかりだ  ギターを鳴らして二小節 この歌の歌詞は380字 ロックンロールを書いた あの夏ばっか歌っていた  さよならだけじゃ足りない 君に茜差す日々の歌を 思い出すだけじゃ足りないのさ 花泳ぐ 夏を待つ 君は言葉になる  忘れないようにあの夏に見た花火を書いた 想い出の僕ら、夜しか見えぬ幽霊みたいだ  何にも良いことないんだ この世は僕には難解だった 君が教えなかったことばかりだ  ピアノを弾いてたホール あのカフェももう無いんだ 僕らを貶す奴らを殺したい 君ならきっと笑ってくれる  このままじゃまだ足りない 僕ら花惑う風の中を 思い出すほどに苦しいのさ 夏が来る 夢を見る 心に穴が空く  唄歌うだけじゃ足りない 君に茜差す日々の歌を 美しい夜が知りたいのだ 花惑う 夏を待つ僕に差す月明かり
風を食むGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna明日はきっと天気で 悪いことなんてないね タイムカードを押して僕は朝、目を開いた 僕らは今日も買ってる 足りないものしかなくて 靴を履きながら空想 空は高いのかな  貴方さえ 貴方さえ これはきっとわからないんだ はにかむ顔が散らつく 口を開けて風を食む  春が先 花ぐわし 桜の散りぬるを眺む 今、風を食む  棚の心は十五円 一つだけ売れ残った 値引きのシールを貼って閉店時間を待った 明日もきっと天気で 此処にも客が並んで 二割引の心は誰かが買うんだろうか  貴方だけ 貴方だけ 僕はずっと想ってたんだ ただ白いあの雲を待つ 風のない春に騒めく  草流れ 天飛ぶや 軽く花の散るを眺む 今、風を食む  遂に心は半額 いつまでも売れ残って テレビを眺めて空想 ニュースは希望のバーゲン 貴方は今日も買ってる 足りないものしか無くて 俯く手元で購入 空は高いのかな  貴方だけ 貴方だけ この希望をわからないんだ 売れ残りの心でいい 僕にとっては美しい  春が咲き 花ぐわし 桜の散りぬるを眺む  貴方しか 貴方しか 貴方の傷はわからないんだ 口を開けて歌い出す 今、貴方は風を食む  冬籠り 春が先 貴方の歌だけが聞こえる 今、口遊む貴方だけ  貴方だけ
夜紛いGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna等身大を歌うとかそんなのどうでもいいから 他人よりも楽に生きたい 努力はしたくない  俯いたまま歩くから空の青さがわからない 君の写真を見ていただけ  がらんどうの心が夕陽の街を歩いてく 銃身よりも重いと引き攣ったその嘘の分だけ  人生ごとマシンガン、消し飛ばしてもっと 心臓すら攫って ねぇ、さよなら一言で 悲しいことを消したい 嬉しいことも消したい 心を消したい 君に一つでいい、ただ穴を開けたい  名もない花が綺麗とかそんなのどうでもいいから 貧しい心を消したい バイトはしたくない  俯いたまま話すから人の気持ちがわからない 君の写真を見ていただけ  ライブハウスの中で等身大を歌ってる 金にもならないような歌なんか歌いやがってさ、馬鹿みたいだな  人生とはマシンガン そんなことを言いたい リフレインごと歌って ねぇ、その喉から全て 切ない歌を消したい 優しい歌も消したい 聞くだけで痛い 僕に一つでいい  人生ごとマシンガン 消し飛ばしてもっと 苦しいんだと笑って ねぇ、さよなら一言で 君が後生抱えて生きていくような思い出になりたい 見るだけで痛いような ただ一つでいい 君に一つでいい 風穴を開けたい
憂一乗GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna湖の底にいるみたいだ 呼吸の一つが喉に絡んだ 気泡を吐き出して数秒、やっと足が着いた 柔らかな泥の感触がした  ずっとずっとずっとずっとずっと 君を追っているだけで  どうしようもないことばかり言いたかった 睡蓮が浮いていた 水圧で透明だ もう蜃気楼よりも確かならそれでいいよ 適当でもいいから 目的とかいいから このまま何処でもいいからさ、逃げよう  湖の底にいるみたいだ 濡れる鼓膜がくすぐったいんだ 期待も将来も明日も何も聞きたくなかった 口から溢れる泡ぶくが綺麗で  ずっとずっとずっとずっとずっと 見惚れてしまっただけで  心より大事なものを見つけたかった 言葉って薄情だ 水圧で透明だ なぁ、建前より綺麗なものを探してるんだ そんなの忘れていいからもう、逃げよう  こんな自分ならいらない 僕には何にもいらない お金も名声も愛も称賛も何にもいらない このまま遠くに行きたい 思い出の外に触りたい また君の歌が聴きたい  ずっとずっとずっとずっとずっと 君を追っているだけで  どうしようもないことだけ歌いたかった 睡蓮が浮いていた 水圧で透明だ もう蜃気楼よりも確かならそれでいいよ このまま何処でもいいからさ、  本当は全部置いてただ逃げ出したいだけだった 人生は透明だ 水圧で透明だ もう蜃気楼よりも確かならそれでいいよ 適当でもいいから 目的とかいいから このまま何処でもいいからさ、逃げよう
嘘月GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna雨が降った 花が散った ただ染まった頬を想った 僕はずっとバケツ一杯の月光を呑んでる 本当なんだ 夜みたいで 薄く透明な口触りで そうなんだ、って笑ってもいいけど  僕は君を待っている  夏が去った街は静か 僕はやっと部屋に戻って 夜になった こんな良い月を一人で見てる 本当なんだ、昔の僕は涙が宝石で出来てたんだ そうなんだ、って笑ってもいいけど  声はもうとっくに忘れた 想い出も愛も死んだ 風のない海辺を歩いたあの夏へ  僕はさよならが欲しいんだ ただ微睡むような 物一つさえ云わないまま 僕は君を待っている  歳を取った 一つ取った 何も無い部屋で春になった 僕は愛を、底が抜けた柄杓で呑んでる 本当なんだ 味もしなくて 飲めば飲むほど喉が乾いて そうなんだって笑ってもいいけど 僕は夜を待っている  君の鼻歌が欲しいんだ ただ微睡むような 物一つさえ云わないまま 僕は君を待っている  君の目を覚えていない 君の口を描いていない 物一つさえ云わないまま 僕は君を待っていない 君の鼻を知っていない 君の頬を想っていない さよならすら云わないまま 君は夜になって行く
神様のダンスGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna忘れるなんて酷いだろ 幸せになんてなるものか 色のない何かが咲いた 君のいない夏に咲いた  人に笑われたくないから 怯えるように下を向く 心より大事な何かが あってたまるものか  暮れない夕に茜追い付いて 君を染め抜いた 見えないように僕を追い越して 行かないで  僕たち神様なんて知らん顔 何処までだって行ける なぁ、心まで醜い僕らだ 世界は僕らのものだ  音楽だけでいいんだろ 他人に合わせて歩くなよ 教えてくれたのはあんたじゃないか  どうだっていいよ、このまま遠くへ 誰も知らない場所で月明かりを探すのだ  名もない花が綺麗とか どうでもいいことばっかだ 君の口癖が感染ってる 喉の真下には君がいる  言葉も生活も愛想も 全て捨ててこそ音楽だ その価値も知らないあんたに わかって堪るものか  暮れない夕に茜追いついて 僕を染め抜いた いつか時間が全て追い抜いて 消えないで  僕たち神様なんて知らん顔 世界の全部が欲しい なぁ心まで醜いあんたの、想い出全部をくれよ 価値観だって自由なら 人を傷付けていいだろ 教えなかったのはあんたじゃないか  どうだっていいよ、このまま遠くへ 誰も見てない場所で生きる真似をしてるのさ 酷い顔で踊るのさ 胸も痛いままで  神様僕たちなんて知らん顔 何処までだって行ける なぁ、言葉が世界だと云うなら、世界は僕らのものだ 忘れるなんて酷いだろ 幸せになんてなれるかよ 僕を歪めたのはあんたじゃないか  そうだった、僕はこのまま遠くへ 誰も知らない場所で月明かりを探すのだ
心に穴が空いたGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna小さな穴が空いた この胸の中心に一つ 夕陽の街を塗った 夜紛いの夕暮れ  忘れたいのだ 忘れたいのだ 忘れたい脳裏を埋め切った青空に君を描き出すだけ  だから心に穴が空いた 埋めるように鼓動が鳴った 君への言葉も 口を開けば大体言い訳だった  だから心に穴が空いた 降る雨だけ温いと思った 繕って 繕って 繕って 顔のない自分だけ  少しずつ穴の開いた木漏れ日の、森で眠るように 深海みたいに深く もっと微睡むように深く、深く、深く 深く夜を纏った目の奥に月明かりを見るまで  君の心に穴を開けた 音楽が何だって言うんだ ただ口を開け 黙ったままなんて一生報われないよ  忘れたいことが多くなって 諦めばかり口に出して 躓いて、躓いて、転がって、土の冷たさだけ  君の人生になりたい僕の、人生を書きたい 君の残した詩のせいだ 全部音楽のせいだ  君の口調を真似した 君の生き方を模した 何も残らないほどに 僕を消し飛ばすほどに 残ってる  心の穴の奥に棲んだ 君の言葉に縋り付いた でも違うんだよ、もう さよならだなんて一生聞きたくないよ 忘れたいことが多くなって これから僕だけ年老いて 冷め切って、冷め切って  僕の心に穴が開いた 君の言葉で穴が開いた 今ならわかるよ 「君だけが僕の音楽」なんだよ、エイミー  だから心に穴が空いた その向こう側に君が棲んだ 広がって 広がって 広がって 戻らない穴だけ  穴の空いた僕だけ
昼鳶GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna器量、才覚、価値観 骨の髄まで全部妬ましい 心全部満たしたい 嫉む脳裏は舌打ちばかり  誇大広告勝り、世は死に体の音楽ばかり 君の全部妬ましい 浅ましいこの心根が疼くばかり  つまらないものだけが観たいのさ 夜の全部が僕は欲しい ただやるせないから歌にしたい この渇きを言い訳にさぁ  夜景、ダイヤの光、笑みで住宅街を見下し 素晴らしきその暮らし さぁ幸せはお幾らばかり?  この妬みは疎ましいばかり  つまらないものだけが観たいのさ 他人の全部を馬鹿にして 忘れたいのに胸が痛い ただ何も無いから僕は欲しい  つまらないものだけが観たいのさ 君の全部が僕は欲しい ただ何も無いから僕は欲しい この渇きを言い訳にさぁ
エイミーGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna口に出してもう一回 ギターを鳴らして二拍 歌詞を書いてもう三節 四度目の夏が来る  誤解ばっかさ、手遅れみたいな話が一つ 頭の六畳間、君と暮らす僕がいる  忘れたいこと、わからないことも僕らのものだ 長い夜の終わりを信じながら  さぁ人生全部が馬鹿みたいなのに 流れる白い雲でもう 想像力が君をなぞっている あの夏にずっと君がいる  生き急いで数十年 許せないことばかり 歌詞に書いた人生観すら ただの文字になる  言葉だって消耗品 思い出は底がある 何かに待ち惚け、百日紅の花が咲く  このまま、ほら このまま、何処か遠くの国で浅い夏の隙間を彷徨いながら  さぁ人生全部で君を書いたのに、忘れぬ口癖のよう 想像力が紙をなぞっている 指先にずっと君がいる  もういいよ  さぁもういいかい、この歌で最後だから 何も言わないままでも 人生なんて終わるものなのさ いいから歌え、もう  さぁ人生全部が馬鹿みたいなのに 流れる白い雲でもう 想像力が僕をなぞっている あの夏にずっと君がいる
六月は雨上がりの街を書くGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna窓映る街の群青 雨樋を伝う五月雨 ぼうとしたまま見ている 雫一つ落ちる 落ちる  心の形は長方形 この紙の中だけに宿る 書き連ねた詩の表面 その上澄みにだけ君がいる  なんてくだらないよ 馬鹿馬鹿しいよ 理屈じゃないものが見たいんだよ 深い雨の匂い きっと忘れるだけ損だから  口を動かして 指で擦って 言葉で縫い付けて あの街で待ってて  雨音の踊る街灯 薄暮の先の曲がり角 一人、足音のパレード 夏を待つ雲の霞青  今の暮らしはi^2 君が引かれてる0の下 想い出の中でしか見えない 六月の雨上がりの中で  笑った顔だって書き殴って 胸を抉って 割り切れないのも知ってたんだろ 深い雨の匂いだって忘れるだけ損なのに  ただ僕の書いた手紙を読んだ 君のその顔が見たい あの夏を書いてる  どうだっていい事ばかりだ 関わり合うのも億劫だ 言葉に出すのも面倒だ 結局君だけだったのか  だってくだらないよ 馬鹿馬鹿しいよ 理屈じゃないのも知ってたんだよ 深い雨の匂い ずっと雨の街を書いている  心を動かして 胸を焦がして このまま縫い付けて あの街で待ってる
チノカテGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna夕陽を呑み込んだ コップがルビーみたいだ 飲み掛けの土曜の生活感を テーブルに置いて  花瓶の白い花 優しすぎて枯れたみたいだ 本当に大事だったのに そろそろ変えなければ  あ、夕陽。本当に綺麗だね  これから先のもっと先を描いた地図はないんだろうか? 迷いはしないだろうか それでいいから そのままでいいから 本当はいらなかったものもソファも本も捨てよう 町へ出よう  本当は僕らの心は頭にあった 何を間違えたのか、今じゃ文字の中 花瓶の白い花 いつの間にか枯れたみたいだ 本当に大事だったなら そもそも買わなければ  あ、散った。それでも綺麗だね  ずっと叶えたかった夢が貴方を縛っていないだろうか? それを諦めていいと言える勇気が少しでもあったら 本当に欲しかったものも鞄もペンも捨てよう 町へ出よう  貴方の欲しがった 自分を捨ててしまった 本当に大事だったのに 今更思い出す  花瓶の白い花 枯れたことも気付かなかった 本当に大事だったのは 花を変える人なのに  あ、待って。本当に行くんだね  これから先のもっと先を描いた地図はないんだろうか? 迷いはしないだろうか それでいいから そのままでいいから 本当はいらなかったものもソファも本も捨てよう それでいいから  貴方の夜をずっと照らす大きな光はあるんだろうか? それでも行くんだろうか それでいいから そのままでいいから 全部を読み終わったあとはどうか目を開けて この本を捨てよう、町へ出よう
雨晴るるGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-bunaやっと雨が降ったんだ この青をずっと思っていたんだ 心臓の音が澄んでいた 言葉以外何にもいらない空だ  あの日まで僕は眠っていたんだ 言い訳ばかりで足が出なかった 想像よりずっと、君がいた街の青さを ずっと  歌え 人生は君だ ずっと君だ 全部君だ 藍の色だ 言葉になろうと残った思い出だけが遠い群青を染めた もっと書きたい ずっと冷めない愛の歌を 君のいない夏がまた来る  やっと雨が上がったんだ この街をきっと君が描いたんだ 心臓の音が澄んでいた あの日からずっと君が待っている 何も言わない僕が笑っている、誤魔化すように  消えろ 全部消えろ 声も言葉も愛の歌も この目を覆った淡い群青の中で白いカーテンが揺れる もっと触れたい ずっと触れたい愛の歌を 君のいない夏の青さを  白いカーテンが揺れた そっと揺れた 僕に揺れた 愛に触れた 言葉になろうと残っていた君の詩は あの憧憬は消えない きっと消せない ずっと褪せない無謬の色だ  歌え 人生は君だ  全部君だ ずっと消えない愛の色だ この目を覆った淡い群青の色だ 思い出すように揺れた もっと書きたい ずっと冷めない愛の歌を 君のいない夏がまた来る
レプリカントGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna君は映画をずっと観ている 誰一人もいない劇場で 今思えばチープなセットで人のよく死ぬSF映画  いつか世界が真面になって、人の寿命さえ随分伸びて、 死ねない世界になればいいのにね  そしたら心以外は偽物だ 言葉以外は偽物だ 神様だって作品なんだから 僕ら皆レプリカだ いつか季節が過ぎ去って 冷たくなって年老いて その時に  僕は映画をずっと観ている つまらないほどに薄い映画 席を立ってからやっと気付く これは僕を描いたドラマだ  いつか僕らは大人になって、 手に入れるものも大きくなった 次は愛でも買えればいいのにね  あんたの価値観なんて偽物だ 思い出だって偽物だ 心は脳の信号なんだから 愛も皆レプリカだ いつか季節が過ぎ去って 思い出ばかりが募って その時に  満たされるならそれで良かった 歌を歌うのに理由も無いわ 他人の為に生きられない さよなら以外全部塵  人を呪う歌が描きたい それで誰かを殺せればいいぜ 夏の匂いに胸が詰まっていた  僕らの心以外は偽物だ 言葉以外は偽物だ この世の全部は主観なんだから 君も皆レプリカだ さよならだって投げ出して このまま遠く逃げ出して  言葉で全部表して 心も愛も書き足して それでも空は酷く青いんだから それはきっと魔法だから いつか季節が過ぎ去って 冷たくなって年老いて その時にやっとわかる 僕もその青さがわかる
冬眠GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna雨の上がる校庭で昨日の花火を思い出した あの時の君のぼうとした顔、風にまだ夏の匂いがする  秋になって 冬になって 長い眠りについたあとに 雲に乗って 風に乗って 遠くに行こうよ ここじゃ報われないよ  花の揺れる校庭で昨日の夕陽を思い出した あの時の透けて凜とした君 頬にまだ夏が残っている  春になって 夏を待って 深い眠りが覚めた頃に 水になって 花になって 空を見ようよ 言葉とかいらないよ  神様なんていないから 夢は叶うなんて嘘だから 仕事も学校も全部辞めにしよう  忘れることが自然なら 想い出なんて言葉作るなよ 忘れないよう口に蓋して  君を待って 夏が去って いつか終わりが見えるころに 雲に乗って 風に乗って 眠るみたいに ただ  秋になって 冬になって 長い眠りについたあとに 雲に乗って 風に乗って 遠くに行こうよ  ここじゃ報われないよ  君とだけ生きたいよ
強盗と花束GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-bunaある朝、僕は気付いたんですが 思ったよりもソファが狭い お金が足りないわけでもないけど 家具屋は生活圏外 そうして僕は思ったんですが 隣の家なら徒歩一分 何とかなると思った 僕は包丁を持った  何にも満たされないなら 行こう、僕らで全部奪うのさ 紙みたいな理性なんてほら、飛ばしてしまえ 神様、本当にこの世の全部が人に優しいんだったら 少しくらいは僕らにくれたっていいじゃないですか  ある昼、僕は思ったんですが 死にゆく貴方に花を上げたい お金が足りないどころか無いから 花束は予算圏外 そうして僕は気付いたんですが 隣の花屋は定休日 盗めばいいと思った 僕は信号を待った  笑え、真面目な顔で澄ましてる 実はあんたもまともじゃないのさ 金にならない常識なんてもう、忘れてしまえ 他人の痛みが他人にわかるかよ 百年経てば誰でも骨だ 今日くらいは僕らも間違っていいじゃないですか  ある夜、僕はわかったんですが これから先には夢が無い 貴方が居なくなるなんて 考えたこともなかった 花屋の主人は優しかった けど盗んだことすら咎めない 強盗と花束に何かの違いがあるのですか それ、何かが違うのですか  何にも満たされないなら 行こう、僕らで全部奪うのさ 塵みたいな理性なんてほら、飛ばしてしまえ 神様、本当にこの世の全部が人に優しいんだったら 少しくらいは僕らにくれたっていいじゃないですか 少しくらいは僕らを裁いたっていいじゃないですか  ある朝、僕は気付いたんですが 思ったよりも世界は広い 努力が足りないわけでもないのに 何にも実らず圏外 仕事を辞めて思ったんですが 安心なんて何処にも無い 終わった方が未だ増し ソファが小さく見えた
又三郎GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna水溜りに足を突っ込んで 貴方は大きなあくびをする 酷い嵐を呼んで欲しいんだ この空も吹き飛ばすほどの  風を待っていたんだ 何もない生活はきっと退屈過ぎるから 風を待っていたんだ 風を待っていたんだ  吹けば青嵐 言葉も飛ばしてしまえ 誰も何も言えぬほど 僕らを呑み込んでゆけ  どっどど どどうど  風を呼ぶって本当なんだね 目を丸くした僕がそう聞いたから ぶっきらぼうに貴方は言った 「何もかも思いのままだぜ」  風を待っていたんだ 型に合った社会は随分窮屈すぎるから それじゃもっと酷い雨を この気分も飛ばす風を  吹けば青嵐 何もかも捨ててしまえ 今に僕らこのままじゃ 誰かも忘れてしまう  青い胡桃も吹き飛ばせ 酸っぱいかりんも吹き飛ばせ もっと大きく 酷く大きく この街を壊す風を  吹けよ青嵐 何もかも捨ててしまえ 悲しみも夢も全て飛ばしてゆけ、又三郎 行けば永い道 言葉が貴方の風だ 誰も何も言えぬほど 僕らを呑み込んでゆけ  どっどど どどうど
ブレーメンGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunaねぇ考えなくてもいいよ 口先じゃ分かり合えないの この音に今は乗ろうよ 忘れないでいたいよ 身体は無彩色 レイドバック ただうねる雨音でグルーヴ ずっと二人で暮らそうよ この夜の隅っこで  ねぇ不甲斐ない僕らでいいよ って誘ったのは君じゃないの 理屈だけじゃつまらないわ まだ時間が惜しいの? 練り歩く景色を真空パック 踏み鳴らす足音でグルーヴ まるで僕らはブレーメン たった二人だけのマーチ  さぁ息を吸って早く吐いて  精々歌っていようぜ 笑うかいお前もどうだい 愛の歌を歌ってんのさ あっはっはっは 精々楽していこうぜ 死ぬほどのことはこの世に無いぜ 明日は何しようか 暇ならわかり合おうぜ  ねぇ考えなくてもいいよ 踊り始めた君の細胞 この音に今は乗ろうよ 乗れなくてもいいよ 想い出の景色でバックパック 春風の騒めきでグルーヴ もっと二人で歌おうよ 暇なら愛をしようよ  さぁ息を吸って声に出して  精々歌っていようぜ 笑われてるのも仕方がないね 何もかも間違ってんのさ なぁ、あっはっはっは 精々楽していこうぜ 馬鹿を装うのも楽じゃないぜ 同じような歌詞だし三番は飛ばしていいよ  さぁ息を吸って早く吐いて ねぇ心を貸して今日くらいは  精々歌っていようぜ 違うか お前ら皆僕のことを笑ってんのか?なぁ 精々楽していこうぜ 死ぬほど辛いなら逃げ出そうぜ 数年経てばきっと一人も覚えてないよ  ぜえぜえ歌っていようぜ 身体は動く?お前もどうだい 愛の歌を歌ってんのさ あっはっはっは 精々楽していこうぜ 死ぬほどのことはこの世に無いぜ 明日は何しようか 暇なら笑い合おうぜ そのうちわかり合おうぜ
歩くGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna今日、死んでいくような そんな感覚があった ただ明日を待って 流る季節を見下ろした  どうせならって思うよ もう随分遠くに来た 何も知らない振りは終わりにしよう  確かめるように石畳を歩いた 俯きながら行く 何も見えないように  君の旅した街を歩く 訳もないのに口を出てく 昨日まで僕は眠ってた 何も知らずにただ生きていたんだ それだけなんだ  今日、生きてるような そんな錯覚があった 妄想でもいいんだ 君が居てくれたらいいや  悲しいような歌ばかり書く 頬を伝え花緑青 本当は全部を知っているんだ  夏の終わりだった 流れる雲を読んで 顔上げながら行く街は想い出の中  君の言葉を食べて動く 僕の口には何が見える 今でもこの眼は眠ってる 何も見えずにただ君を見てる 彷徨うように  あの丘の前に君がいる その向こうには何が見える 言葉ばかりが口を伝う 何も知らないまま生きていたんだ それだけなんだ  今でも、エイミー
老人と海GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna靴紐が解けてる 木漏れ日は足を舐む 息を吸う音だけ聞こえてる 貴方は今立ち上がる 古びた椅子の上から 柔らかい麻の匂いがする  遥か遠くへ まだ遠くへ 僕らは身体も脱ぎ去って まだ遠くへ 雲も越えてまだ向こうへ 風に乗って 僕の想像力という重力の向こうへ まだ遠くへ まだ遠くへ 海の方へ  靴紐が解けてる 蛇みたいに跳ね遊ぶ 貴方の靴が気になる 僕らは今歩き出す 潮風は肌を舐む 手を引かれるままの道  さぁまだ遠くへ まだ遠くへ 僕らはただの風になって まだ遠くへ 雲も越えてまだ向こうへ 風に乗って 僕ら想像力という縛りを抜け出して まだ遠くへ まだ遠くへ 海の方へ  靴紐が解けてる 僕はついにしゃがみ込む 鳥の鳴く声だけ聞こえてる 肩をそっと叩かれてようやく僕は気が付く 海がもう目の先にある  あぁまだ遠くへ まだ遠くへ 僕らは心だけになって まだ遠くへ 海も越えてまだ向こうへ 風に乗って 僕の想像力という重力の向こうへ まだ遠くへ まだ遠くへ 海の方へ  僕らは今靴を脱ぐ さざなみは足を舐む 貴方の眼は遠くを見る ライオンが戯れるアフリカの砂浜は 海のずっと向こうにある
逃亡GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-buna夏の匂いがしてた あぜ道、ひとつ入道雲 夜が近づくまで今日は歩いてみようよ 隣の町の夜祭りに行くんだ  温い夜、誘蛾灯の日暮、鼻歌、軒先の風鈴、 坂道を下りた向こう側、祭り屋台の憧憬 夜が近付くまで今日は歩いてみようよ 上を向いて歩いた、花が夜空に咲いてる  夏の匂いがしてた あぜ道のずっと向こうへ 誰一人人の居ない街を探すんだ ねぇ、こんな生活はごめんだ  さようなら、手を振る影一つ、夜待ち、鼻先のバス停 思い出の中の風景はつまらぬほど綺麗で 夜が近付くまで今日も歩いていたんだ 目蓋を閉じれば見える、夏の匂いがする  さぁ、もっと遠く行こうよ さぁ、もっと逃げて行こうぜ さぁ、僕らつまらないことは全部放っといて 道の向こうへ  夏の匂いがしてた あぜ道、ひとつ入道雲 誰一人人の居ない街で気付くんだ 君も居ないことにやっと  温い夜、誘蛾灯の日暮、鼻歌、軒先の風鈴、 坂道を下りた向こう側、祭り屋台の憧憬 大人になってもずっと憶えてるから ねぇ遠くへ行こうよ、あの丘の向こうへ  さぁ、もっと遠く行こうよ さぁ、もっと逃げて行こうぜ さぁ、僕らつまらないことは全部放っといて 道の向こうへ
月に吠えるGOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna路傍の月に吠える 影一つ町を行く 満ちることも知らないで 夜はすっと深くまで  気が付けば人溜まり この顔を眺めている おれの何がわかるかと 獣の振りをする  一切合切放り出したいの 生きているって教えてほしいの 月に吠えるように歌えば嗚呼、鮮やかに アイスピックで地球を砕いてこの悪意で満たしてみたいの 月に吠えるように歌えば 嗚呼、我が儘にお前の想うが儘に  青白い路傍の月 何処だろう、と人は言う 誰にも見えていないのか この醜い獣  指を差した方へ向く 顔の無いまま動く 何かがおれを見ている 波止場のあの影で  一切合切信じていないの 誰もお前に期待していないの 月に吠えるように歌えば嗚呼、鮮やかに 硬いペンを湖月に浸して波に線を描いてみたいの 月に吠えるように歌えば嗚呼、艶やかに 時間の赴くままに  皆おれをかわいそうな病人と、そう思っている!  一切合切放り出したいの ま、まだ世界を犯し足りないの 月に吠えるように歌えば、嗚呼鮮やかに アイスピックで頭蓋を砕いて温いスープで満たしてほしいの 月に吠えるように歌えよ 嗚呼、喉笛の奥に住まう獣よ この世界はお前の想うが儘に  路傍の月に吠える
斜陽GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-buna頬色に茜さす日は柔らかに 爆ぜた斜陽に僕らは目も開かぬまま  悲しくってしようがないんだ お日様で手が濡れた 眩しくって仕方がないし 途方に暮れた帰り、  落ちて行くように茜が差したから  もう少しで 僕は僕を一つは愛せたのに 斜陽に気付けば目も開かぬまま 静かな夕凪の中  悲しくってしようがないんだ お日様に手が触れた とろとろと燃えるみたいに 指先ばかり焦げた  高く成った葡萄みたいだ 届かないからやめて 僕は恋をしたんだろうか あのお日様のように、 落ちていくのに理由もないのならもう  頬色に茜さす日は柔らかに 爆ぜた斜陽も僕らの道をただ照らすのなら  もう少しで僕は僕を一つは愛せるのに 斜陽にはにかむ貴方が見えた 静かな夕凪の中 僕らは目も開かぬまま
GOLD LYLICヨルシカGOLD LYLICヨルシカn-bunan-bunan-bunaどうしたって触れない どうやっても姿を見せない 簡単に忘れるくせに もうちょっとだけ覚えていたい  この歌の在り処を  わからないから言葉のずっと向こうで この喉を通るさよなら呑み込んで 笑っている 朝焼け空、唇痛いほど噛んで 虚しさは全部今日のものだ わかっているけれど わかっているけれど  話すとき顔を出す 出てきたってすぐに消えてく 泣くときに溢れる 黙ったって喉の奥にいる、神様の話  描きたいのは心に空いた時間だ 言葉よりずっと重い人生はマシンガン さよならの形をただ埋められないと零して 僕らは昨日も今日もここで座っているばかり 笑っているばかり  わからないから言葉のずっと向こうで この喉を通るさよなら呑み込んで 眠っている 朝焼け空、唇痛いほど噛んだ 貴方の世界を今日も知らない 私がいるばかり 笑っているばかり
ハローハローてれび戦士てれび戦士n-bunan-buna今よりもずっと前の 昔よりもっと前の 宇宙が出来る前の 何も無かった頃 何も無いからきっと 僕らは踊ってたんだ 何も無いからずっと君と踊ってたんだよ  忘れないよきっと 踊ろう、千年先もずっと 隠れ家の傍であなたを待ちながら 鼻歌ラララ 歌えばそっと風が吹いた あなたにやっと、僕らは出会えるんだね  今よりもちょっと前の 昨日の少し前の 夕陽が落ちる前の みんな帰った頃 誰もいないのにずっと 僕らは探してたんだ 未来という名前のあなたを探してたんだよ  忘れないよきっと 踊ろう、さぁさぁ声をもっと 大人になる日を胸に描きながら 鼻歌ラララ 歌おうもっと 一人拭いた涙をやっと、僕らは忘れるんだね  忘れないよきっと 踊ろう、千年先もずっと 隠れ家の傍であなたを待ちながら 鼻歌ラララ 歌えばそっと風が吹いた あなたにやっと、僕らは出会えるんだね 出会えるんだね
夜明けと蛍n-bunan-bunan-bunan-bunan-buna淡い月に見とれてしまうから 暗い足元も見えずに  転んだことに気がつけないまま 遠い夜の星が滲む  したいことが見つけられないから 急いだ振り 俯くまま  転んだ後に笑われてるのも 気づかない振りをするのだ  形のない歌で朝を描いたまま 浅い浅い夏の向こうに  冷たくない君の手のひらが見えた 淡い空 明けの蛍  自分がただの染みに見えるほど 嫌いなものが増えたので  地球の裏側へ飛びたいのだ 無人の駅に届くまで  昨日の僕に出会うまで  胸が痛いから下を向くたびに 君がまた遠くを征くんだ  夢を見たい僕らを汚せ さらば 昨日夜に咲く火の花  水に映る花を見ていた 水に霞む月を見ていたから  夏が来ないままの空を描いたなら 君は僕を笑うだろうか  明け方の夢 浮かぶ月が見えた空  朝が来ないままで息が出来たなら 遠い遠い夏の向こうへ  冷たくない君の手のひらが見えた 淡い朝焼けの夜空  夏がこないままの街を今 あぁ 藍の色 夜明けと蛍
アイラn-buna feat. GUMIn-buna feat. GUMIn-bunan-buna白く映った雲の藍に 揺れる、揺れてく君の背  涙をそっと 僕らはずっと 心の奥にしまうだけで  意地張って傷付けただけ 堪えてたものは零れてくのに  君を笑う言葉なんて 僕を汚す言葉なんて 揺れたあの光はきっといない 僕もどうせ変わってないのだろう 歌う あの雨音だって 暮れた あの赤色だって 遠く 遠く 遠く 遠く光った 君だって笑ってよ  青く染まった空の想いが ふわり ふわりと溶ける そう涙をずっと 何かをそっと 夜空の奥にしまうけど  ねぇ 近づいて思い出しても 無くしてしまえば今更なのに  君の笑う顔を描いて 嫌だって この目をつむって 第三宇宙速度で揺らいだ 君に何も伝えてないのにな 回る この地球儀だって 落ちる 空の雫だって 触れて 触れて 触れて 触れてしまった 僕だってわかってるよ  嘘だった 触れないでいた ずっと君にすがりついて 消えちゃった 染みになって残った 想いを探したんだ  切り取って 詰め込んで 変わっていく僕を 涙空の唄を どうかもう一回  音の無い世界に立って 唄を運ぶ舟に乗って いつかしたいこともなくなって 何をどうやったって今日が来て 揺れる あの地球儀だって 回る あの星空だって 白く 白く 白く 白く染まって  君を笑う言葉なんて 僕を汚す言葉なんて 揺れたあの光はきっといない だからどうせ願っていたいのだろう 歌う あの雨音だって 暮れた あの赤色だって いつか君に届く言葉に乗せて 遠く 遠く 遠く 遠く僕らを連れ去ってみて
テレパスヨルシカヨルシカn-bunan-buna「どう言えばいいんだろうか 例えば雪化粧みたいな そう白く降ってるんだ」 「寂しさ?それを言いたかったのね」  「そう言えばいいんだろうか 溢れた塩の瓶みたいで」  想像で世界を変えて お願い、一つでいいから もう一瞬だけ歌って メロディも無くていいから 寂しさでもいいから  「どう言えばいいんだろうか 剥がれた壁のペンキなんだ 何度も塗り直した」 「想い出?それを言いたかったのね」  「そう言えばいいんだろうか 嫌だな、テレパシーみたいだ」  想像で世界を食べて お願い、少しでいいから もう一瞬だけ話して 言葉も無くていいから 思い出でもいいから  「そう、僕だけ違うんだ 鞄に何か無いみたいで もう歩きたくないんだ」  想像して、自分に触れて 貴方を少しでいいから もう一回だけ愛して 何も言わないでいいから  想像で世界を変えて お願い、一つでいいから もう一瞬だけ歌って メロディも無くていいから 言葉も無くていいから  どう言えばいいんだろうね 例えば、  ね?言わなくたっていいの
ウミユリ海底譚LoveDesireLoveDesiren-bunan-bunan-buna待って わかってよ 何でもないから 僕の歌を笑わないで  空中散歩のSOS 僕は 僕は 僕は  今 灰に塗れてく 海の底 息を飲み干す夢を見た  ただ 揺らぎの中 空を眺める 僕の手を遮った  夢の跡が 君の嗚咽が 吐き出せない泡沫の庭の隅を  光の泳ぐ空にさざめく 文字の奥 波の狭間で  君が遠のいただけ  「なんて」  もっと縋ってよ 知ってしまうから 僕の歌を笑わないで  海中列車に遠のいた 涙なんて なんて  取り去ってしまってよ 行ってしまうなら 君はここに戻らないで  空中散歩と四拍子 僕は 僕は 僕は  ただ藍に呑まれてく 空の底 灰の中で夢を描いた  今心の奥 消える光が君の背を掻き消した  触れる跡が 夢の続きが 始まらない 僕はまだ忘れないのに  光に届く 波に揺らめく 夜の奥 僕の心に 君が手を振っただけ  「なんて」  そっと塞いでよもういらないから そんな嘘を歌わないで  信じてたって笑うような ハッピーエンドなんて  逆らってしまってよこんな世界なら 君はここで止まらないで  泣いて笑ってよ一等星 愛は 愛は 愛は  消えない君を描いた 僕にもっと  知らない人の吸った 愛を  僕を殺しちゃった 期待の言葉とか  聞こえないように笑ってんの  もっと縋ってよ もういらないからさ  ねぇ  そっと塞いでよ 僕らの曖昧な愛で  「なんて」  待って わかってよ 何でもないから 僕の夢を笑わないで  海中列車に遠のいた 涙なんて なんて  消え去ってしまってよ 行ってしまうなら 僕はここで止まらないで  泣いて笑ってよSOS 僕は 君は 僕は  最終列車と泣き止んだ あの空に溺れていく
都落ちヨルシカヨルシカn-bunan-buna花咲くや 赤ら引く頬に さざなみ寄るは海 貴方は水際一人微笑むだけ 今、思い出に僕は都落ち  鼻歌、綺麗だね 明日には往くんだぜ 海猫が鳴いたね 鳥でも泣くんだね  心なし乾いたら別れの時間だぜ 夏風揉まれて貴方に浅い影  さらり花咲くや あから引く頬に さざなみ、夜は海 貴方は水際一人手を振るだけ 今、思い出に僕は都落ち  朝焼け、綺麗だね 舟はもう発つんだぜ 海猫が鳴いたね 貴方も泣くんだね  人里離れて鳴る音は向かい波 飛ぶ鳥は遠くへ明日から向こうまで  水に落ち流れやがて憂き 貴方に焦がれる舟は海 惜しみ書く指は思う丈ばかり 散る思い出は波か都落ち  都離れて舟進む 水は流れて時もまた 僕は貴方の思い出に ただの記憶に  恋ふらくはあから引く頬の 寄せ消ゆ波の花 貴方は水際一人微笑むだけ 今、思い出に僕は  さらり花咲くや あから引く頬に さざなみ、夜は海 貴方は水際一人手を振るだけ 今、左様なら 僕は都落ち
メリューn-buna feat.初音ミクn-buna feat.初音ミクn-bunan-buna夕陽が落ちる様に 胸が染まるので  耳鳴りのような 鼓動を隠して  バスに乗った僕は言う 君は灰になって征く  たとえばこんな言葉さえ失う言葉が僕に言えたら  灯籠の咲く星の海に 心臓を投げたのだ  もう声も出ないそれは 僕じゃどうしようもなかったのだ  悲しくもないし 苦しくもないのに  辛いと思うだけ 辛いと思うだけ  古びたバス停の端 傘を持った僕がいる  今でさえ埃を被った夜空の隅に足はつくのに  心臓が痛いから死んだふりの 毎日を見なよ  もういっそ死のうと思えたなら 僕はこうじゃなかったのだ  どうせ死ぬくせに辛いなんておかしいじゃないか  どうせ死ぬくせに辛いなんて  だから愛さえないこんな世界の色に 僕の唄を混ぜて  もうどうかしたいと思うくせに 僕はどうもしないままで  あぁあ  灯籠の咲く星の海に 心臓を投げたのだ  もう声も出ないから死んだふり なんてどうもなかったのに  僕もきっとこうで良かったのに  君がずっと遠く笑ったのだ
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
また明日てれび戦士てれび戦士n-bunan-buna春の終わりは今日も夕立 明日は晴れたらいいのにね 雲が流れたあとのあぜ道 夏の匂いがしていました  もう蝉が泣いてるんだね そろそろ時間だね  夕焼け小焼け、今日は何処へ行こうか 口ずさむ僕らのまま大人になりたいのさ 茜色の空を見て誰かがこう言うのさ また明日だね  目蓋を閉じて眠ったあとに 夢を見るのは何でですか? 大人になった後も僕らが 夢を見ていたらいいのにね  もう雨が止んでるんだね そろそろ時間だね  夕焼け小焼け、今日は何をしようか 口ずさむ僕らはまだ夢の中がいいのさ 雨上がりの空を見て誰かがこう言うのさ ほら綺麗だね  もう夕陽が沈んだね そろそろ時間だね  夕焼け小焼け、明日は何処へ行こうか 口ずさむ僕らのまま大人になりたいのさ 雨上がりの空を見て誰かがこう言うのさ また明日だね
いさなヨルシカヨルシカn-bunan-bunaあなたの胸びれ 窓辺を泳いで 柔らかに 溶けた琥珀のよう  あなたの鼻先 背びれと口髭 静かなまなこは まるで夜の  話して 鳴いて 僕ら波を掻いてた 陸に想い馳せるように  瞼を落として 蓋して すぐは覚めないほど眠って 呼吸を吹かして さぁ深く泳いで 泳いで 眠りの浅いその波間を 白く微睡みながら  あなたのさえずり ソファの木漏れ日 柔らかに揺れた 海辺のよう  笑って 泣いて 僕ら波を待ってる じきに思い出せるように  波間を旅して 潜って 息も出来ないほど深くへ 呼吸を吹かして さぁ深く泳いで 泳いで あなたの長いその尾びれを 波に横たえながら  話して 鳴いて 僕ら波を掻いてた いつかまた会えるように  瞼を落として 蓋して 夢も覚めないほど眠って もう自分を許して さぁ深く泳いで 泳いで 眠りの浅いその波間を 白く微睡みながら
青春なんていらないわ三月のパンタシア三月のパンタシアn-bunan-bunan-buna小さく遠くで何かが鳴った 君の横顔を追った 一瞬、もう一瞬  もうちょっとだけ大人でいたくて 夏際くるぶしに少し掠るくらいで歩いている 小さく遠くで何かが鳴った いつも横顔を追っていたんだ  辛いことなんてないけど わけもわからずに叫びたかった 待つのが嫌だった電車 夜 校舎裏 夕陽の匂い 明日に期待はしたいけど 明日の私にはもう期待しないで  ねぇ青春なんていらないわ このまま夏に置き去りでいい 将来なんて知らないわ 花火で聞こえない振りをして もう本当なんて言えないわ ただ一つの言葉も出ないよ ばいばいなんて言わないで この夏も時期終わり  お祭りももう終わり  もうちょっとだけ大人でいたくて 指先 体温に少し掠るくらいに伸ばしている 小さく遠くで花火が鳴った 一瞬、それで良いんだ  嬉しいことなんてないから 未来の話ばかりしたかった さよならの近付く校舎 春 進路票 朝焼けの空 誰かがずっと叫んでる 耳元より近い心の向こうで  ねぇ青春なんていらないわ このまま今に置き去りがいい 何千回も繰り返すこの日を忘れないままでいたい もう本当なんて言えないわ ただ一つの勇気も出ないよ ばいばいなんて言わないで この夜ももう終わり お別れがもう近い  ねぇ青春なんていらないわ このまま夏に置き去りでいい 将来なんて知らないわ 花火で聞こえない振りをして もう正解なんていらないわ ただ一つの言葉があればいい ばいばいなんて言わないで この歌ももう終わり  この夏ももう終わり
光あれ岡野昭仁岡野昭仁n-buna澤野弘之永遠に重なる僕らは神様の悪戯 今、貴方と過ごした時間が僕の罪になる  彷徨うこの輪廻の中で数えたのは 微笑みか痛みだけ、この夜の中で  叫べ もう二度と貴方の明日だけは忘れないで 微かに光あれ 夜の闇の中を照らす光あれ 今はこの指を離さないで 叫べ 今だけはこの罪を胸に抱く  ただ閉じた目蓋の奥にも誰かを探してる この暗い夜の先に見えた貴方という火を  出会えば離れてく僕ら振り子のよう 傷付けて愛されて また月が昇る  歌え 折れたとて貴方の心だけは失くさないで 微かに痛みあれ 今も罪の中を泳ぐ痛みあれ 今を生きるなら忘れないで 叫べ あの空の先でもう夜が明ける  僕らはまだ 僕らはまだ 夜明けに差す光に焦がれる 光を待つ 光を待つ 貴方の瞳に差すその日を  叫べ もう二度と貴方の明日だけは忘れないで 微かに光あれ 夜の闇の中を照らす光あれ 今はこの指を離さないで 叫べ 今だけはこの罪を胸に抱く  僕らはまだ 僕らはまだ 夜明けに差す光に焦がれる 光を待つ 光を待つ 貴方の瞳に差すその日を  光を待つ 光を待つ 僕らはまだ光に焦がれる  夜明けに差す 夜明けに差す 貴方の瞳に差すその日を
さよならモルテンヨルシカヨルシカn-bunan-buna借りた本を片手に持って 川沿いの歩道を行く 読み終わりまであと2ページ その先が知りたくない  鳥に乗って旅する少年 どこまでも北へ行く 相棒はガチョウのモルテン そんな小説を読む  さよならモルテン いつも僕らは飛ぼうとしていた 腕を開いて、高く跳ねた 何も起こらない癖に  さよならモルテン 君は転がりながら笑った 土の匂いが少し香る 胸が詰まりそうになる 夏が来ていた  悲しみって資産を持って 夏前の道を行く 読み終わりまであと2ページ まだ先が知りたくない  少し伸びた背丈を追って いつもの丘へ駆ける 空を飛んだガチョウみたいに 僕らは腕を開く  さよならモルテン 僕らそれでも飛ぼうとしていた 実は自分が特別じゃないとただ知りたくないだけで さよならモルテン 君は転がりながら笑った 大人になっていくことを 少しも知らない顔で 夏が来ていた  また一つ背が伸びる いつしか遠くなる 少しずつ離れてく 別れた枝のよう  褪せた本を片手に持って 懐かしい道を行く あの丘まで数百歩 誰かがそこにいる  さよならモルテン 君は今でも飛ぼうとしていた 目は煌めいて、あの頃と何も変わらないままで  さよならモルテン 僕ら飛べないことが愛おしいとわかる気がして 少し香る 胸が詰まりそうになる 君が見ていた 笑う顔も一つも褪せないままで 夏が来ていた  褪せた本を片手に持って 川沿いの歩道を行く 読み終わりはあと1ページ 最後の紙を捲る さよなら、モルテン
月光浴ヨルシカヨルシカn-bunan-buna貴方の足が月を蹴った 白い砂が夜灯みたいだ 貴方は気付いているんだろうか  波の向こうに何かあった それが何かわからなかった 少し寂しい  足して、足して、溢れて 足して、足している分だけ過ぎて  夜の海を二人歩いた 月の束が氷雨みたいだ 貴方は気付いているんだろうか  岩の隙間に何かあった それが何かわからなかった 少し苦しい  足して、足して重ねて 足して、足している分だけ過ぎて  月の中を生きる日々を 月日と誰かが言った 月の中で過ごす僕ら 言わば月光浴だろうか  波を待つ 月を跨ぐ 身体は夜灯みたいに白く  足して、足して、忘れて 足して、足している分だけ増える月日の上で  僕らの足が水を蹴った 背びれが光って揺らめいた 僕らは泳いでいるんだろうか  魚の僕は息を吸った 貴方もようやく気が付いた 月が眩しい
パドドゥヨルシカヨルシカn-bunan-buna優しい風の音が頬撫でる 雲間鮮やか、揺れ花菖蒲 この場所を僕らは覚えてる 立ちくらみ、不格好 風に流されて腰を下ろす原 夏草は肌に擦れるまま 思い出の中に貴方はいる  優しい風の音が頬撫でる 土用の縁側、言葉足らず 雲の下へ続く田舎道 夏木立、不格好 風に流されて足を運ぶまま あの頃指差して進むまま  「さぁさぁもっと踊っていようよ 腕を引かれるまま、情け無い顔のままで 一生踊って暮らしていようよ もう考えないでいいよ」  優しい風の音が頬撫でる 夏休み、校舎の七不思議 あの夜を僕らは覚えてる 立ちすくみ、不格好 風に流されて歩く長廊下 宵闇は鼻に擦れるまま  「さぁさぁもっと踊っていようよ 胸を焦がせ今は泣き止んだ顔のままで 一生踊って暮らしていようよ 疲れたら寝ればいいよ」  夜の校庭、たった二人だけの舞踏会 さながら舞台裏のパ・ド・ドゥ 僕ら芥川の小説みたいに 今だけの想い出になろう  「さぁさぁもっと踊っていよう 深く息を吸うように 一生踊って暮らしていよう  さぁさぁもっと踊っていようよ いつか出会えるならふざけた笑顔のままで 一生踊って暮らしていようよ そう考えたっていいよ  さぁさぁもっと踊っていよう」
夏の肖像ヨルシカヨルシカn-bunan-bunaだからもっと踊るように ほろりほろり落ちるように さよならは花咲くように それは夏の木漏れ日のよう  寂しい雨上がり、花を見つけて ぽっかり空いたような貴方の心 少しだけ歩こうか 風の吹く間に 草のそよげば何となく誰かを待つ  忘れるたびに増やすことが悲しいのでしょう  だからもっと踊るように ほろりほろり落ちるように さよならは花咲くように それは それは だからもっと踊るように あぁ僕らずっと一つじゃないの 涙拭けば雨のように それは夏の木漏れ日のよう 木漏れ日のよう  貴方の中には何があるのかい 僕の心には何を描くのかい 少しだけ歩こうか 雨の降る間に その後ろ姿もしぐれてゆくか  忘れることが苦しい、それも正しいのでしょう  言葉もっと遊ぶように ほろりほろり落ちる夕陽 五月雨が花火のように それは それは 去ればぱっと晴れる陽気 あなたを待っている、火のように 燃える雲、茜のように それは風のお祭りのよう  あの日の空を思う胸が苦しいのでしょう  だからもっと踊るように ほろりほろり落ちるように さよならは花咲くように それは それは だからもっと踊るように あぁ僕らずっと一つじゃないの 涙吹けば雨模様に それは夏の木漏れ日のよう 木漏れ日のよう
花に夕景三月のパンタシア三月のパンタシアn-bunan-bunan-buna陽は暮れた 街灯が光っていた 君には言えない ハイカラに伏した街を縫って 歩いた夕景に  逃げ出した 頭でわかっていた 心はいらない 朱に染まる終点のホームから 落ちた今日を見ている  夕焼けだった それが何処かに刺さったようだった 開いてしまった心に浮かんでいた花も いつか散り去っていくなら  傷口をただ舐め合ってた 今日も君以外何もないような僕だ 泣いていた心は重なっていく それはもうためらうくらい 透明色に澄んだ愛を歌っている 水圧のような愛を歌っている  陽は暮れた 僕らは歩いていた 言葉もいらない 飛んでいる色彩のない花は 目蓋に焼きついた  想い出みたいだ それは何処かへ仕舞ってたんだった 思い出したって今じゃもう見つからない 今もそこに嘘なんてないんだ  花が降るほど俯いていた 今日も僕以外泣いてないような夜だ 海底の夜空は星ばっかさ それはもうためらうくらい 心情だけを吐いた世界を歌っている 有体に言えば愛を歌っている  消え去ってゆくなら 花の降る陽に重なってた今日も 僕らの穴の開いた心は 神様にしか見えないから 春がもうためらうくらい 透明な 夕景に  傷口をただ舐め合ってた 今日も君以外何もないような僕だ 泣いていた心は重なっていく それはもうためらうくらい 透明色に澄んだ愛を歌っている 水圧のような愛を歌っている
第一夜ヨルシカヨルシカn-bunan-buna貴方だけを憶えている 雲の影が流れて往く 言葉だけが溢れている 想い出は夏風、揺られながら  朝目が覚めて歯を磨く 散歩の前に朝ご飯 窓の向こうにふくれ雲 それを手帳に書き留めて 歌う木立を眺めます 通りすがりの風が運んだ 花の香りに少しだけ春かと思いました  貴方だけを憶えている 雲の影が流れて往く 言葉だけが溢れている 想い出は夏風、揺られながら  昼は何処かで夢うつつ ふらり立ち寄る商店街 氷菓を一つ買って行く 頬張る貴方が浮かびます 想い出ばかり描きます この詩に込めた表情は 誰にもわからなくていい いつか会いに向かいます  貴方だけを憶えている 雲の影が流れて往く 言葉だけが溢れている 想い出は夏風、揺られながら  夜に花火を観ています いつかみたいな人混みで 名前も知らず呼んでいた 白い花を一輪持って 隣町から帰ります 列車の窓を少し開いて 夜がひとひら頬撫でて 風揺れる、髪が靡く  貴方だけを憶えている 雲の影が流れて往く 言葉だけが溢れている 想い出は夏風、揺られながら この歌は夏風、揺られながら  朝目が覚めて歯を磨く 散歩の前に朝ご飯 丘の向こうにふくれ雲 ふいに何かに気付きます 心が酷く震えます 白百合香る道を走って やっと貴方に出逢えた そんな夢を見ました  貴方は僕に笑います ずっと待っていましたと
雪国ヨルシカヨルシカn-bunan-buna国境の長いトンネルを抜けると雪国は 底冷えの夜の静けさを白く帯びている 雪景の古い街並みを横目に雪国は 貴方との春の思い出がただ蔓延っている  僕の躊躇いが月に被さってまるで海の底ね ぼうと座って水面に映った僕らを見ている  食卓と長い小節を跨いで雪国は 花韮の花の静けさをただ嗅ぎ取っている  貴方の涙風に舞い散ってまるで春の中ね ぼうと座ってスープに映った僕らを見ている  僕らの憂いが日々日々積もってまるで雪の国ね どうか躊躇って 貴方も想って 雪が溶けるまで 愛が解けるまで  国境の長いトンネルを抜けると僕たちは 底冷えの夜の静けさを白く帯びていた
ボロボロだn-buna feat.初音ミクn-buna feat.初音ミクn-bunan-bunan-bunaわかんないことが多すぎるから 足りない頭で迷走中  自分じゃ自分が見えないから 何が悪いのかもうわからない  わかんないことが多すぎるから 足りない背丈で戦争中  手本がなくちゃ口も聞けない 距離の取り方すらわからないのだ  この呼吸の駄賃は君の全部か想い出か嘘つきのあだ名か  あぁ! わかんないならわかんないままでわかってないふりさせて 街灯の火が爛とした 光って揺れた  ごめんなんて言わないでって言えないまま夕陽が暮れる ボロボロの心が一つじゃ、わかんないよ  悪い奴なんかそういないから 拳の行き場は迷走中  殴った痛みを知らないから 反省の仕方もわからない  わかんないことが多すぎるまま 足場もなくして転落中  芽の出ない努力に飽きたから 口だけ努力してるなんて言っていた  口だけの代償は人でなしの心だ 今もやれること全てが、つまんないんだよ  つまんないならつまんないなりに 自分の声で喋れよ  言い訳ばかり大人になった自分が嫌いだ  走ったって振り切ったって想い出に夕陽は暮れる 今日も今日とて君が笑った つまんないよ  夕焼けの赤に消えていく  あぁ! わかんないならわかんないままでわかってないふりさせろ 人生、夢だけじゃ見えねえよ わかってくれよ  ごめんなんて言わないでって言えないまま夕陽が暮れる ボロボロの心が一つじゃ  ボロボロの夕焼け一つじゃ、わかんないよ
451ヨルシカヨルシカn-bunan-bunan-bunaあの太陽を見てた 深く燃えてる 見れば胸の辺りが少し燃えてる 道を行く誰かが声を上げた 「見ろよ、変な男」と笑いながら  指の先で触れた紙が一つ遂に燃えた  さぁ引火して 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 喜びを愛して さぁ昇華して 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って  ほら、集まる人の顔が見える 俺の蒔いた炎の意図を探してる 見ろよ、変な奴らだ そんなに声を荒げて たかが炎一つに熱を上げてる  燃えろ 早く 響く怒声の中で 紙の束よ赤く盛って  あぁ面倒くせえ さぁ燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 悲しみも愛して さぁ放火して 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って  触れて消して触れて消して 触れて胸の窓を開けて 早く燃えて灰を見せて 奥の奥に燻ぶる魂に  さぁ引火して 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 妬けるほど愛して!  さぁ放火して 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 飽きるまで愛して さぁ消費して 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って  さぁ創造して 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして
街路、ライトの灯りだけ三月のパンタシア三月のパンタシアn-bunan-bunan-buna悲しいことなんて 思い出さないように 蓋をする 優しい言葉って 思い出せないし いらないよ 連れないことばっか言わないでよ 一つは返事して 街灯の暗さじゃわかんないからさ 口じゃ言えないからさ  ねぇ 笑った振りをしてって ねぇ 怒った振りをして ねぇ どうしても裸眼じゃ上手く見えないから  君と夜を縫っていく 夜の街を縫っていく 暗い街路 ライトの灯りだけ 足音を刺した薄い夜 いつも君を待っていた 意味がそこで立っていた 下手な泣き真似をしている君が見える  寂しい夜なんて 思い出さないように 蓋をする 優しい嘘なんて すぐ消えちゃうものを出さないで 連れないことばっか言わないでよ 少しは側にいて 悲しさは言葉じゃわかんないからさ 顔が見えないからさ  ねぇ 歩いた跡を見てって ねぇ 凄く遠くに来たんだ どうしても裸眼のままじゃ見えないんだよ  いつか君を待っていた 二人夜を待っていた 逃げるように ライトの灯りだけ 君の手の温度 深い夜 今も夜を待っていた 意味もなく笑っていた 下手な口笛をしている君が見える  ねぇ 笑った振りをしてって ねぇ 怒った振りをして ねぇ どうしても滲んだ声が消せないから  君がただ笑っている 夜の街を縫っていく 暗い街路 ライトの灯りだけ 足音を刺した薄い夜 いつも君を待っていた 意味がそこで立っていた 下手な泣き真似をしている君が  君が見える
青に水底三月のパンタシア三月のパンタシアn-bunan-bunan-bunaそうだ以前から気にかかってたんだろうか 笑う貴方が心の裏側を縫った  青 水に沈んでいく 青 ダムの深い底で 青 浮かぶ気泡の世界の奥見ていた  僕らがまた明日会う夢  一人空を見上げた 夏の透き遠い青に雲  混ざる景色は消えた 今日もまた夢を見ている  そうか以前からつま先で立っていたんだ 見上げたあの水面には君が映った  ハロー、口が緩んでいる ハロー、耳を塞いだまま ハロー、浮かぶ気泡の世界の奥揺らいだ  いつかは、また君に会えたら  一人夜を見上げた 夢の首飾る花の赤  捨てた僕らは溶けた 今日もまた夢を見ている  いつか何処かに消えた 夏の花 水底に蛍  混ざる景色は消えた  一人空を見上げた 夏の透き遠い青に雲  混ざる景色は消えた 今日もまた夢を見ている
ウミユリ海底譚Leo/needLeo/needn-bunan-buna待って わかってよ 何でもないから僕の歌を笑わないで  空中散歩のSOS 僕は僕は僕は  今 灰に塗れてく 海の底 息を飲み干す夢を見た  ただ 揺らぎの中 空を眺める 僕の手を遮った  夢の跡が 君の嗚咽が 吐き出せない泡沫の庭の隅を  光の泳ぐ空にさざめく 文字の奥 波の狭間で  君が遠のいただけ  「なんて」  もっと縋ってよ 知ってしまうから 僕の歌を笑わないで  海中列車に遠のいた 涙なんて なんて  取り去ってしまってよ 行ってしまうなら 君はここに戻らないで  空中散歩と四拍子 僕は僕は僕は  ただ藍に呑まれてく 空の底 灰の中で夢を描いた  今心の奥 消える光が君の背を掻き消した  触れる跡が 夢の続きが 始まらない 僕はまだ忘れないのに  光に届く 波に揺らめく 夜の奥 僕の心に 君が手を振っただけ  「なんて」  そっと塞いでよもういらないから そんな嘘を歌わないで  信じてたって笑うような ハッピーエンドなんて  逆らってしまってよこんな世界なら 君はここで止まらないで  泣いて笑ってよ一等星 愛は愛は愛は  消えない君を描いた 僕にもっと  知らない人の吸った 愛を  僕を殺しちゃった 期待の言葉とか  聞こえないように笑ってんの  もっと縋ってよ もういらないからさ  ねぇ  そっと塞いでよ 僕らの曖昧な愛で  「なんて」  待って わかってよ 何でもないから 僕の夢を笑わないで  海中列車に遠のいた 涙なんて なんて  消え去ってしまってよ 行ってしまうなら 僕はここで止まらないで  泣いて笑ってよSOS 僕は 君は 僕は  最終列車と泣き止んだあの空に溺れていく
メリューSouSoun-bunan-buna夕陽が落ちる様に 胸が染まるので  耳鳴りのような 鼓動を隠して  バスに乗った僕は言う 君は灰になって征く  たとえばこんな言葉さえ失う言葉が僕に言えたら  灯籠の咲く星の海に 心臓を投げたのだ  もう声も出ないそれは 僕じゃどうしようもなかったのだ  悲しくもないし 苦しくもないのに  辛いと思うだけ 辛いと思うだけ  古びたバス停の端 傘を持った僕がいる  今でさえ埃を被った夜空の隅に足はつくのに  心臓が痛いから死んだふりの 毎日を見なよ  もういっそ死のうと思えたなら 僕はこうじゃなかったのだ  どうせ死ぬくせに辛いなんておかしいじゃないか  どうせ死ぬくせに辛いなんて  だから愛さえないこんな世界の色に 僕の唄を混ぜて  もうどうかしたいと思うくせに 僕はどうもしないままで  あぁあ  灯籠の咲く星の海に心臓を投げたのだ もう声も出ないから死んだふりなんてどうもなかったのに  僕もきっとこうで良かったのに  君がずっと遠く笑ったのだ
ただ君に晴れ森内寛樹森内寛樹n-bunan-buna江口亮・村田隆嘉夜に浮かんでいた 海月のような月が爆ぜた  バス停の背を覗けば あの夏の君が頭にいる  だけ  鳥居 乾いた雲 夏の匂いが頬を撫でる 大人になるまでほら、背伸びしたままで  遊び疲れたらバス停裏で空でも見よう じきに夏が暮れても きっときっと覚えてるから  追いつけないまま大人になって 君のポケットに夜が咲く  口に出せないなら僕は一人だ それでいいからもう諦めてる  だけ  夏日 乾いた雲 山桜桃梅 錆びた標識 記憶の中はいつも夏の匂いがする  写真なんて紙切れだ 思い出なんてただの塵だ それがわからないから、口を噤んだまま  絶えず君のいこふ 記憶に夏野の石一つ  俯いたまま大人になって 追いつけない ただ君に晴れ  口に出せないまま坂を上った 僕らの影に夜が咲いていく  俯いたまま大人になった 君が思うまま手を叩け  陽の落ちる坂道を上って 僕らの影は  追いつけないまま大人になって 君のポケットに夜が咲く  口に出せなくても僕ら一つだ それでいいだろ、もう  君の想い出を噛み締めてるだけ
恋を落とす三月のパンタシア三月のパンタシアn-bunan-bunan-buna夕景、今日も眺めます  あの日の色彩が 君の横顔がまぶたに残る  抜け殻みたいに生きてます 君のいない今日を  教室に飾った花 ゆらゆら光ってる  人生の3/4 寂しい気持ちの2/5 愛情の10/10 君にあげたいのにな  叫んだ想いは愛の歌 何処にもいないんだ君はもう  あの日の私が泣いていた 涙枯らすように叫んで  想いは愛の歌  永い旅に出た君を 眠ったまま消えていく君を見ないように  閉じて 閉じて 閉じて 閉じて  心臓、今日も動きます 君のいない今日を  過ぎる景色の中 また歩き出していく  人生は3/4 君への距離は永遠のよう  もう充分にわかっていた 君に会えないことも  叫んだ想いは愛の歌 笑えど痛いんだ今日も  ただ、あの日の君が言うんだ 明日も生きなくちゃって  叫んだ想いは愛の歌 笑えど痛いんだ  それでも永い旅に出た君をいつか送るように 閉じて 開けて 閉じて 開けて  叫んだ想いは愛の歌 変わっていく時間の中  あの日の君が遠くなる それでいいんだよって笑って  想いは愛の歌  永い旅に出た君を 眠ったまま消えていく君を送るように  閉じて 開けて 閉じて 開けて まぶたの中 君に触れて
三月のパンタシア三月のパンタシアn-bunan-bunan-buna君の温度に触れた夜は 何処までも遠いブルーで 唇から覗いた白い煙が気になる  止まれないスピードで 冷めぬ夜の温度で 私の知らないものを全部教えて さよならの彩度で その煙の温度で 苦い味が忘れられないよ 口に残るように  冬の温度に震えた息は 真白に染まるようで 唇から覗いたそれが、煙草の煙に見える  君の温度で 夜のライブハウスで 私の知らない音を全部教えて 鼻歌で小さく 歪むほどに大きく 何一つも忘れられないよう 耳に残るように  冬の温度に揺らいだ 何処までも遠いブルー  止まれないスピードで 冷めぬ夜の温度で 私の知らないものを全部教えて さよなら、ありがと その煙の温度も 苦い味も忘れられないよ 口に残るように
春過ぎ相川千穂(茅野愛衣)相川千穂(茅野愛衣)n-bunan-bunan-bunaイチイの花が咲いてた春から時は早く、今でも教室のすみ盗み見る笑い顔  一限、二限目、気になる貴方で 今より仲良くなれたらそれでいいのに  口下手な私の背中を押してよ 貴方と話したいから  憧れにも似たこの気持ちを伝えたら困るかな 笑われてしまうかな  これから先の夢とか未来の景色だとか想像なんて出来ないけど、 あまり変わらないといいな  友達、楽しさ、想い出、優しさ この場所の全部が好きで仕方がないから  口下手な私の背中を押してよ 皆と笑いたいから  憧れにも似たこの気持ちが伝わるかな  笑い合う貴方の隣にいさせてよ 先の先の未来まで 口下手な私のこの歌が貴方に聞こえますように
ウミユリ海底譚n-bunan-bunan-bunan-bunan-buna待って わかってよ 何でもないから 僕の歌を笑わないで  空中散歩のSOS 僕は 僕は 僕は  今 灰に塗れてく 海の底 息を飲み干す夢を見た  ただ 揺らぎの中 空を眺める 僕の手を遮った  夢の跡が 君の嗚咽が 吐き出せない泡沫の庭の隅を  光の泳ぐ空にさざめく 文字の奥 波の狭間で  君が遠のいただけ  「なんて」  もっと縋ってよ 知ってしまうから 僕の歌を笑わないで  海中列車に遠のいた 涙なんて なんて  取り去ってしまってよ 行ってしまうなら 君はここに戻らないで  空中散歩と四拍子 僕は 僕は 僕は  ただ藍に呑まれてく 空の底 灰の中で夢を描いた  今心の奥 消える光が君の背を掻き消した  触れる跡が 夢の続きが 始まらない 僕はまだ忘れないのに  光に届く 波に揺らめく 夜の奥 僕の心に 君が手を振っただけ  「なんて」  そっと塞いでよもういらないから そんな嘘を歌わないで  信じてたって笑うような ハッピーエンドなんて  逆らってしまってよこんな世界なら 君はここで止まらないで  泣いて笑ってよ一等星 愛は 愛は 愛は  消えない君を描いた 僕にもっと  知らない人の吸った 愛を  僕を殺しちゃった 期待の言葉とか  聞こえないように笑ってんの  もっと縋ってよ もういらないからさ  ねぇ  そっと塞いでよ 僕らの曖昧な愛で  「なんて」  待って わかってよ 何でもないから 僕の夢を笑わないで  海中列車に遠のいた 涙なんて なんて  消え去ってしまってよ 行ってしまうなら 僕はここで止まらないで  泣いて笑ってよSOS 僕は 君は 僕は  最終列車と泣き止んだ あの空に溺れていく
透明エレジーn-bunan-bunan-bunan-bunan-buna最上階に君が一人 揺れる影がずっと ずっと 「ずっと、僕らの愛は もう見つかりはしないでしょう」  言葉を飲み込む音 息を止めた 街中に一人 暮れた夜を混ぜては 喉の奥に 今 落としてゆく  昨日の事は忘れました 明日の事も思い? 出せ? なくて?  あぁ もう 痛い 痛いなんて 声は 確かに届いてたんです 君が「嫌い」 きらい なんて 言葉 錆付いて聞こえないや 愛? のない? 痛い容態 唄も色も まだ六十八夜の そう、これでお別れなんだ 僕が 君に 送る  最上階から見た景色 落ちる影が ずっと ずっと 「ずっと僕らの声も、 もう聞こえてはいないでしょう?」  言葉の錆びてく音 霧のかかる心の奥底 朝焼け色の中に 君は一人 また透けてくだけ  鼓動の音は一つ限り 閉め切った部屋の中で響く  言葉も出ない 出ないような 僕は確かにここにいたんです 君を 見ない 見ないなんて 今も染み付いて離れないよ もう痛い 痛い容態 耳の奥で まだあの日の言葉が あぁこれでお別れなんて そんな 君の声も ねぇ  あの日願った言葉がもう 耳に染み込んじゃって 気持ちも切って「バイバイバイ」 何を欲しがったんだっけ? 塵も積もって 何年間 僕が 君が 僕が捨てちゃったんです  まだ あぁ  心の暗い暗い奥の 底にほんとは隠してたんです 今じゃ遅い 遅いなんて 今更知っちゃったんだ あぁ もう 嫌い 嫌いなんだ 君も 僕も 全部 全部 全部 「透けて消えてなくなって」  言葉も出ない 出ないような 声が確かに響いてたんです 今も嫌い 嫌いなんて 言葉近すぎて聞こえないや  もう痛い 痛い容態 唄も 色も まだ六十八夜の そう これでお別れなんだ 僕が君に送る  響く夜空に溶ける 透明哀歌
アイラ ~Piano Arrange~PAREDPAREDn-bunan-buna夢見クジラ白く映った雲の藍に 揺れる、揺れてく君の背  涙をそっと 僕らはずっと 心の奥にしまうだけで  意地張って傷付けただけ 堪えてたものは零れてくのに  君を笑う言葉なんて 僕を汚す言葉なんて  揺れたあの光はきっといない 僕もどうせ変わってないのだろう  歌うあの雨音だって 暮れたあの赤色だって  遠く遠く遠く遠く光った 君だって笑ってよ  青く染まった空の想いが ふわり ふわりと溶ける  そう涙をずっと 何かをそっと 夜空の奥にしまうけど  ねぇ 近づいて思い出しても 無くしてしまえば今更なのに  君の笑う顔を描いて 嫌だってこの目をつむって  第三宇宙速度で揺らいだ 君に何も伝えてないのにな  回るこの地球儀だって 落ちる空の雫だって  触れて 触れて 触れて 触れてしまった  僕だってわかってるよ  嘘だった 触れないでいた  ずっと君にすがりついて  消えちゃった 染みになって残った 想いを探したんだ  切り取って 詰め込んで 変わっていく僕を  涙空の歌を  どうかもう一回  音の無い世界に立って 唄を運ぶ舟に乗って  いつかしたいこともなくなって 何をどうやったって今日が来て  揺れるあの地球儀だって 回るあの星空だって  白く 白く 白く 白く染まって  君を笑う言葉なんて 僕を汚す言葉なんて  揺れたあの光はきっといない だからどうせ願っていたいのだろう  歌うあの雨音だって 暮れたあの赤色だって  いつか君に届く詩に乗せて  遠く 遠く 遠く 遠く僕らを連れ去ってみて  アイラ
花と水飴、最終電車n-bunan-bunan-bunan-bunan-buna晴れた雲を見ていた 昨日夜空に重ねた青を  浅く影に隠れた 君の描いた空が消えない  忘れたら 君はいなくなるから 揺らいだ昨日を思い出せ  あの夏にいつか届いたのなら 昨日に遠い 遠い花束  落ちた花を見ていた 駅の傍 クチナシの咲く  海の底を歩いた 木漏れ日だけの浮かぶどこかで  夏の瀬に光る淡い火を見た 白んで浅い浅い夜  あの夏に君が笑っているだけ 笑っているだけ  忘れたら君を思い出すから 揺らいで青い青い空  あの夏にいつか届いたのなら 昨日に淡い花束を  忘れても  この話はこれで終わりだ 結局君を忘れないまま  少しずつ大人になっていく 夏が終わるみたいに  一枚の花の絵を描いた  そんなこの話の続きは きっと僕にしかわからない  僕だけしか知らない
始発とカフカn-bunan-bunan-bunan-bunan-buna伝えたい事しかないのに 何も声が出なくてごめんね  僕は毒虫になった そんなに興味もないと思うけどさ  時間が惜しいので今度は 手紙をしたためるとしようか  不甲斐ない一日を 今日も始発の便に乗って  見返すには歩くしかないのに 上手く足が出なくてごめんね  アベリアが咲いている 眼下の街を眺めている  窓の桟の酷く小さな 羽虫を掬って押し潰した  初夏の風に靡いた 白花が今日も綺麗だった  教科書にさえ載っていない心情は 今日が愛おしいようで  誰かがつまづいたって死んだふり  僕らは はらはら はらはら 心を知って征く  今更 ただ、ただ ただただ花を摘まんでいる  あなたは カラカラ カラカラ 遠くを歩いて征く  震えた言葉で書くまま 紙が終わっていく  ある朝日覚めるとどうして 無駄に多い足が目を引いた  毒虫になっていた そんなに興味もないと思えていた  怯える家族もいないので 一人凪の街を見下ろした  初夏の風に、 靡いた貴方の髪が思い浮かんだ  きっと近い将来、貴方は人を嫌いになって 僕は人を失っていく  そうなら僕も笑って会えたのに  いつかは カタカタ カタカタ 一人を知っていく  今更 はら はら はら はら 花を見上げている  あなたは カナカナ カナカナ 歌を歌って逝く  震えた言葉で書くまま 朝が終わっていく  あぁ、たぶん たぶん僕がおかしいだけだろう  人が虫になるわけもないし 手紙が着く当てだってないのに  あぁ、たぶん たぶん夢を叶えるにもお金がいる  気付いてたけど  君から届いた手紙を 今も摘まんでいる  震えた何かの言葉を ただ見つめている  今更 はらはらはらはら 心を知っていく  震えた言葉で書くまま  僕らは はらはら はらはら 心を知って征く  今更 ただ、ただ ただただ花を見上げてる  あなたは カナカナ カナカナ 遠くを生きて征く  震えた言葉で書くまま 朝が終わっていく  紙が終わっていく  伝えたい事しかないのに 何も声が出なくてごめんね  ただの毒虫になった そんな僕の変な歌だ
ずっと空を見ていたn-bunan-bunan-bunan-bunan-bunaこうしたいとかはあまりなくて あぁしたいとかも伝えないで  明日 明日 また会えたらいいなぁ、 と思うだけ  それからは知っての通りさ 僕は絵ばかり描いている  花火が散れば夏が最後でも こんな未来観なんか壊してしまうのか  まぁどうやったって 僕じゃわかっていた  頭上の全景から君が消えてゆく  もうどうなったって 僕らの目には映る訳ないから  今日をまた思い出すまで。  命日、空を描いていた 駅のホーム、クチナシ、残夏、遠い風雲  目だけ塞いだって透くから ずっと空を見ている  信じたい人もあまり居なくて もういないものを忘れないで  明日 明日 また晴れたら空が描けるのに  今日も日暮れを待つ人 灯籠を胸に歩く人 さよならの空に魅入った僕のこと  生きる声も出ないまま上を見た 夜空が咲いている  まぁどうやったって 僕じゃ気付いていた  頭上の朗景、花、夜に消えてゆく  今日が愛おしかった僕らの目には映る訳ないから 今日をまた思い出すまで。  命日、花を描いていた 夜のホーム、ヒグラシ、残花、淡い日暮れ衣  今が終わったってそれでも ずっと空を見てる  悲しくたって 苦しくたって 生きていくしかないんだと思った  辛いと思って死ねる訳もないから 僕らはここにいるんだ  夏が終わった次の空は きっとまだ青いままだから 今日も生きるしかないじゃないかって  もうどうやったって 僕じゃわかっていた  頭上の全景から君が消えてゆく  もうどうなったって 僕らの目には映る訳ないから  いつかまた思い出すまで。  命日、空を描いていた 駅のホーム、クチナシ、残夏、遠い風雲  目だけ塞いだって透くから ずっと、ずっと空を見ている
インスタント岡野昭仁岡野昭仁n-bunan-bunan-buna呆れるほどに黒く澄んだ 瞳の中に僕が映ってる 心が震えている  カメラを構えて僕を映した 瞬きの数が思い出だった 海が綺麗だ 本当に綺麗なんだ 故郷の空を見せに行くよ  夏の風が吹いた 貴方の髪を揺らすように 一つ風が吹いた 仄かに花が薫るように 心が震えている  埃を被った青写真は机の隅に飾られていた 理由なんて本当は何もないんだ フィルム越しの顔は晴れて見えるよ  一つだけでいいんだ 僕らの胸を穿つような ただの風でいいんだ 確かに髪を揺らすような 心が震えている  思い出の場所に連れて行くよ  夏の風が吹いた 貴方の髪を揺らすように 一つ風が吹いた 仄かに花が薫るように 心が震えている  貴方の構えたインスタントカメラの中に僕が映ってる 心が震えている
もうじき夏が終わるからn-bunan-bunan-bunan-bunan-buna朝、小説を読んだ 君を待っていた  夜になって気がついた 花火の音  花揺ら歌い今日藍を飛ばせ 貴方に聞こえないように消えて  それを言えない 僕じゃ言えないよ 今に夏が終わってくから  昼顔 鳥居 鳳仙花 バス停 陽の落ちる街を歩いていた  今日もまだ  朝、ラジオを聞いた 君を待っていた  夜になって気がついたことを覚えている  昨日もピアノを弾いた 朝を待っている唄を歌っている  花詩 誓い 今日藍を飛ばせ 貴方に聞こえないように叫べ  夢を見れない僕に花咲いた 終わる夏よ 止まってしまえ  アベリア 始発 終電車 緑青 蝉の鳴く街を歩いていた  今日もまだ  朝、今日も駅の裏 人が立っていた  夜の藍に花が咲く 絵を描いていた  帰ってピアノを弾いた 夜になっていた  君を待っていた  花詩 誓い 明日藍を飛ばせ 貴方が居たくない今日を叫べ  夢が言えないことに気がついた 浅い夏よ 終わってくれよ  昼顔 鳥居 鳳仙花 バス停 夜が明けた街を歩いていた  今日もまだ
拝啓、夏に溺れるn-bunan-bunan-bunan-bunan-buna愛想がつきたようなんだ 僕に 廃頽十九の傘に灯がついてる 今日も  十二時過ぎのアスファルトに 落ちた君の 小さな命の重ね火を そっと  雨が途切れたら朝に藍がかかる 蛍光色の羽と濡れた君の手に縋った  夏蝉 空の果て 褪せた唄は耳に溶けたまま  君の声が響く 夏の隅を 街に泳ぐさかなのように  エンドロールにしがみついてる 今日も 一人何かにすがって息をする 明日も  誰かの声が重なっても僕ら 席を立つことも忘れてしまってるようで  夏の花束は風鈴の影に 水に溺れてる君の言葉が歪むんだって  夕凪の片隅 君の影は空に揺れたまま  空蝉の形を傘の下に いつか消えた蝉時雨と  カラスが鳴くからうちに帰ろう 陽の落ちる街にさざめいた 夕焼けに泣かないように  蛍火 空の暮れ 夏が終わる 君の声がただ  少しかすれてゆく 薄れてゆく 茜を背に  夕闇 空の果て 褪せた夢は君を染めて  今蝉の唄が止まる かすれたまま カラスの鳴く鳥居の下  君が笑う 夏の隅で
着火、カウントダウンn-bunan-bunan-bunan-bunan-buna蒼い夜に街は祭りのよう 宇宙を跨ぐロケットが今  僕の目の前で一つ形になる 形を見せた  これで僕も空を飛べると言った 八月末の最期に  明日したいことばっか話す僕を、 君は空に飛ばしてく  ずっとしたいことなんてない 今日も死のうとしたままだ  遂に終わってしまった 十秒前のさよならで火を付ける  きっとしたいことなんてない 笑え僕たち オーガスタ―、オーガスタ―  白い花の添えられた手紙 そんなものを拾った  「僕は明日、夜祭へ行くが、 貴方はたぶん気づいてくれないだろうな」  宛名のない枯れた花の手紙の主が ちょっと私に似てるようで、まぁ  乾いた夏空 浮かんだ心臓を、 君を空に飛ばしてく  ずっとしたいことばっかで 今日も祈っていたままで  遂に終わってしまった 十秒間のさよならで火を付ける  きっと叶うはずなんてない 揺らいで消える オーガスタ―、オーガスタ―  きっとしたいことなんてない 僕にしたいことなんて きっと  明日笑うことばっか話す僕を 君は空に飛ばしてく  ずっとしたいことばっかだ ずっと言えなかった僕だ  遂に終わってしまった 十秒間のさよならで火を付ける  きっとしたいことなんてない  遠く視界に蒼い地平 笑え僕たちオーガスタ―
昼青n-bunan-bunan-bunan-bunan-bunaメリーグッドバイ メリーグッドバイ メリュー、振り返らず聞いてくれよ  メリーグッドバイ メリュー、今日でもうお終いだから  笑い転げるあなたを見る 僕は何かを覚えている  青色に澄んだ空を見る あの魚が征く  気ままに生きても息は尽く 雲をずっと眺めている  バラードばかりのラジオから また昨日が聞こえている  爪先が痛いから歩けない僕のままだ 海辺の街 昼青い空 鳥居の隅から  メリーグッドバイ メリーグッドバイ メリュー、振り返らず聞いてくれよ  メリーグッドバイ メリュー、今日でもうお終いだから  遠い先の夜祭りを待つ 君がどうも綺麗だった  覚えてることはそれだけで それだけで今日が終わった  悲しくないさ 苦しくないさ 君は少し間違えただけで  辛いと思えよ 辛いと思えば 少しは楽になるから  メリュー  メリーグッドエンドメリー  グッドバイ 青い青い空が遠く見えた 僕は今日もまだ今日を迎えても  メリーグッドバイ メリーグッドバイ メリュー、振り返らず聞いてくれよ  メリーグッドバイ メリュー、今日でもう 今日でもうお終いだから
春の夢JUNNAJUNNAn-bunan-bunan-buna今、貴方は冷たい冬の中で 春の芽吹きをそっと想う最中で 思い返せば何だか眠いけど  焚き火の火は少し弱ったようで その傍らに何かが落ちていたんだろう 拾い上げたらどうも暖かいから 名前を付けてぎゅっと抱え込む、春の夢  ララ、春うらら 本当はもっと ねぇもっと 世界が綺麗だとわかるまで ララ、君にしか見えないような夢がある 春に芽吹き咲く夢が  焚き火の火は消えてしまったようで その傍らで誰かを待ってたんだろう 待ち合わせにはどうも遅すぎるから 目蓋を閉じてじっとしゃがみ込む春の道  ララ、春うらら 本当はきっと ねぇきっと 見ようとしなくても見えるのに ララ、君にしか描けないような空がある 春に芽吹き咲く色が  焚き火の火は貴方が消してたんだろう 今、貴方のその夢が芽吹いてるんだよ 貴方を今もずっと待ってたんだよ 誰でもない貴方だけが僕の夢  ララ、春うらら 本当にもっと、ねぇもっと 貴方は綺麗だとわかるまで ララ、君にしか見えないような夢がある 春に芽吹き咲く夢が  今、貴方は眠たい春の中で 夢の芽吹きをやっと想う最中で
ヒグレギn-bunan-bunan-bunan-bunan-buna君のことが実は笑えないんだ きっと僕も一人ぼっちだったので  白い雲が遠のいては溶けた 浅い夏が軋む  歩けば 歩けば 変わるように思うんだ 頭の裏 日暮れも消えない癖に  死んじゃいたい あぁ全部を知っちゃいたいんだ  夕凪を穿った緑青の色が 滑稽なくらい僕の目を奪ったんだ  もうどうか笑っていたい 逢い俯いて歩く今日を  茜色の夕が焦がしていく  君の声も実は忘れてるんだ 時を重ね何かが変わったのか  重い嘘が僕を押しつぶすんだ 赤く染まる花と  夏になる 背が伸びる 家に帰ろう カラスが鳴く  息を吐く 嘘を吐く 君の笑う顔がある  死んじゃえもう こんな偽善を笑う僕も 愛想を吐いて笑う今日も  心象の歌に滑稽なくらい 君を映しちゃって、痛い  もうどうせ終わってしまう 夕涼み 藍に憂うように  夜明け色の今日を溶かしていく  言っちゃいたい ねぇ どうか笑っていて  死んじゃいたい あぁ 全部わかっちゃったんだ  夕凪を穿った緑青の色が 灯籠の背が 澄み切ったあの青が痛い  もうどうか笑っていて  逢い俯いて歩く今日に 茜色の夕を見たい
無人駅n-bunan-bunan-bunan-bunan-buna青い空に今更気付いたようだ 道を抜けた木陰の駅で花を見ている  絵を描いていた 今日も思い出が散って征く  そんな視界だって無人なのに  大嫌いさ 痛いくらいだ  辛い暗いだを描いてしまうくせ、 愛だ恋だに持ってくなんてさ  お願いだ、笑ってくれよ  そのまま灰になって、気球になって 気丈に澄んだ世界を生きたいから  臆病な僕がそれを口に出来てたら  思い出ほど綺麗に描いたもんだ 青を塗った画材を今日も眺めている  つまりこうだろう 「最後に君が手を振っている」  そんな絵を描いた。  わかってたよ  全部そうだ 違いがないんだ 写真になった記号が笑った  過大な声に自信もないし、 さよならって飽きもするよ  そのまま今日になって、 部屋に腐って 次第に僕を亡くしていくんだろうか  吐きそうな愛を描いて食いつないでいる  夕焼けの赤を描いたのは、 カラスの声が胸に痛いから  ウミユリを空に描いたのに、 波の先が思い出せない  僕のためでしかなかった 君のために描いた絵は  いつからだろう ただのお金に為っていく  もう大嫌いさ 痛いくらいだ  辛いくらいだを描いていた。 ってもう愛だ恋だに持ってくなんてさ  お願いだ、泣いてくれよ  そのまま生きてゆけって 歩いてたって 生きるの意味もわかんなくて  無人の駅で今も夢を描いている  空を描いている
メリュー25時、ナイトコードで。25時、ナイトコードで。n-bunan-buna夕陽が落ちる様に胸が染まるので 耳鳴りのような鼓動を隠して  バスに乗った僕は言う 君は灰になって征く たとえばこんな言葉さえ 失う言葉が僕に言えたら  灯籠の咲く星の海に心臓を投げたのだ もう声も出ないそれは 僕じゃどうしようもなかったのだ  悲しくもないし苦しくもないのに 辛いと思うだけ 辛いと思うだけ  古びたバス停の端傘を持った僕がいる 今でさえ埃を被った夜空の隅に足はつくのに  心臓が痛いから死んだふりの毎日を見なよ もういっそ死のうと思えたなら 僕はこうじゃなかったのだ  どうせ死ぬくせに辛いなんて おかしいじゃないか どうせ死ぬくせに辛いなんて  だから愛さえないこんな世界の色に 僕の唄を混ぜて もうどうかしたいと思うくせに 僕はどうもしないままで  あぁあ  灯籠の咲く星の海に心臓を投げたのだ もう声も出ないから死んだふりなんて どうもなかったのに 僕もきっとこうで良かったのに 君がずっと遠く笑ったのだ
夜明けと蛍AdoAdon-bunan-bunan-buna淡い月に見とれてしまうから 暗い足元も見えずに  転んだことに気がつけないまま 遠い夜の星が滲む  したいことが見つけられないから 急いだ振り 俯くまま  転んだ後に笑われてるのも 気づかない振りをするのだ  形のない歌で朝を描いたまま 浅い浅い夏の向こうに  冷たくない君の手のひらが見えた 淡い空 明けの蛍  自分がただの染みに見えるほど 嫌いなものが増えたので  地球の裏側へ飛びたいのだ 無人の駅に届くまで  昨日の僕に出会うまで  胸が痛いから下を向くたびに 君がまた遠くを征くんだ  夢を見たい僕らを汚せ さらば 昨日夜に咲く火の花  水に映る花を見ていた 水に霞む月を見ていたから  夏が来ないままの空を描いたなら 君は僕を笑うだろうか  明け方の夢 浮かぶ月が見えた空  朝が来ないままで息が出来たなら 遠い遠い夏の向こうへ  冷たくない君の手のひらが見えた 淡い朝焼けの夜空  夏がこないままの街を今 あぁ 藍の色 夜明けと蛍
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