LIVE REPORT

凛として時雨 ライブレポート

凛として時雨

凛として時雨 新木場STUDIO COAST

2008年05月31日@新木場STUDIO COAST

撮影:YOSHIHARU OTA/取材:高木智史

2008.05.20

体の細胞の奥底まで忍び込まれ、最終的には全てを破壊粉砕されるような感覚。インテリジェントなサディストとでも言えようか、凛として時雨の楽曲にはそんな緻密で繊細なところと暴力的な要素が感じられた。美しいアルペジオから入ったかと思うといきなりハードコアだったり、メタルだったり、ファンクだったり。緩急と言うには緩すぎるサウンドの起伏、転調を際限なく繰り返し、ライヴが続く間中、モンスター級のジェットコースターに搭乗している感覚だった。変幻自在なアレンジが次々と顔を出し、そんな楽曲を聴いていると奏でる3人の音楽性だけでなく、どんな思考回路をしているのかと人間性までもが気になってくる。また、ヴォーカルはTKと345の男女ふたりによるハイトーンヴォイスで、TKは声高らかに歌い、シャウトが会場を一閃。一方の345の声は狂気と可憐さをはらんでいて、それが楽曲の世界観の奥行きを創り出しているのだろう。そのヴォーカルとサウンドが共に押し寄せてくると聴く者は一瞬でトランス状態に陥ったかのように跳ね踊り、超満員に膨れ上がったフロアはグツグツと煮えたぎる湯のように沸き立つ。その後も細かいMCを挟むのみで、間断なく楽曲が放たれ、終盤の時雨最強の激しいナンバーの「nakano kill you」では、先述の沸騰度がさらに高まり、カオスと化していた。今回のツアーは全9ヶ所となっていたのだが、この日さらなるツアーが告知され、それは全23ヶ所に及ぶという。地方各地でのこのカオスが再び見られることは言うまでもないだろう。
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