標Wakana | Wakana | 半崎美子 | 半崎美子 | 武部聡志 | どんな始まりにも終わりがあるけれど 決して終わらない別れがある 私の始まりがあなたであったこと とても誇らしくて まばゆい道しるべ あのまなざしは 何を見ていただろう 空へと続いていた 私がいることは あなたがいたこと だから生きていく もう一度 曲げない厳しさも今になってわかる あれはあなたなりの優しさだったこと 誰よりも信じた どんな私でも その思いに今は支えられている あのはげましが 夢に導いた 光を辿っていた あなたの未来に 私がいたこと この先も力に歌うから 私がいることは あなたがいたこと だから生きていく 今日の日を 私の始まりがあなたであったこと ずっと変わらない 心の道しるべ |
Dear EarthYu Hayami・Yoshiko Hanzaki with Love Earth Project | Yu Hayami・Yoshiko Hanzaki with Love Earth Project | 半崎美子・英訳詞:早見優 | 半崎美子 | | Never time to sleep Always on the go It's no wonder how you just don't overflow Are you tired out from working everyday? Wishing I could help somehow another way? In this moment here in time, can you tell so much has changed? In 100 years, our Earth won't be the same Getting hotter every day, getting colder day by day No one seems to care anymore Silently you reach out to let us know With open hearts Let us take all the signs you bestow Mother Earth You bless us with love Shining bright from up above Mother Earth Have we betrayed All the faith you have in us? Whispers of the dark forest trees Prayers from the deep blue sea Listen now And feel the signs So that we may live in harmony Never taking time Going overtime No one stops We keep on moving, changing Does it make you mad? Do you feel kind of sad? Is it late to yearn for something that we had? In the Spring and Summer, Winter, and Fall From the break of dawn til the sun sets Are you taking it all in? Being patient all within Someone has to care a little more Silently you reach out to let us know With open hearts Let us take all the signs you bestow Mother Earth You bless us with love Shining bright from up above Mother Earth Have we betrayed All the faith you have in us? Little birds that flock from their nests Tiny bugs that crawl out with zests Listen now And feel the signs So that we may live in harmony I was born to be with you I want to be embraced by you For the beauty you have given us Hold it forever Your heart beats just like mine Together we are divine Let this life be everlasting Let our dreams be never ending Mother Earth You bless us with love Shining bright from up above Listen now And feel the signs So that we may live in harmony So that we may live in harmony |
シラサギ水森かおり | 水森かおり | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | 風にあおられようと黙って佇んでる 一羽のシラサギよ 鳴くこともせずに 空は何も言わずに今日を映してる 静かな姫沼よ 揺らぐこともなく 孤独を背負うとき いつも思い出す 明日(あした)を目指して飛び立った日の 青き私を見守った あの眼差し 巡り逢えた故郷(ふるさと) 未だ見ぬ景色 旅を続ける理由がある あなたに出会えたから 夕陽を背負いながら 渡る鳥たちよ 明日を探してさまよっていた あの日の私が見た夢が羽ばたいてる 辿り着いた故郷 懐かしい海 歌い続ける理由がある 再び出会うために 旅を続ける理由がある あなたに出会えたから |
赤色のヒーロー半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | | 生まれながらにして無敵のヒーロー 黙って泣いていたって世界は笑う 皺一つない まっさらな脳に どんな出会いを刻んでいく もうわかっている 生きとし生けるもの 遅かれ早かれ消えるってこと この世からあの世までの道のりを 笑いながら進むんだ どこまでも限りある未来なら 残された今日を共に笑おう 生まれてこのかた年中無休で 黙って立っていたって世界は回る 皺一つない まっさらな顔が しわくちゃになるその日まで ねぇ知ってる? 二足歩行じゃあの先までしか 行けないって ゆりかごから墓場までの道のりは 手を取り合って進もうか いつまでも続くような空まで つながれた今日を共に歌おう この世からあの世まで道のりを 笑いながら進むんだ どこまでも限りある未来なら 残された今日を共に笑おう 最初で最後の今日を歌おう |
灰汁半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | | 遅すぎることなんてない まだ何も始まっていない 煮詰まれば煮詰まるほど 味わい深くなるだろう 精一杯間違って 大げさに笑い合おう 飽くなき戦いは続く そう人生は素晴らしい 無駄なことほど美しい 死ぬまで生きていよう ありのままでそう大丈夫 一皮むけて大丈夫 着飾れば着飾るほど 閉じ込めてしまうだろう もう一回立ち上がって ここから踏み出したら 開くことのない扉を さぁ一斉にこじ開けよう そんな姿が誇らしい 止まらず生きてみよう 今宵はみんなでお鍋の中 フタを閉じたらさぁ語ろう 心の芯まであたたまったら 柔らかくなる 灰汁なき人間などいない そういうほうが愛おしい 渋味苦味は麗しい 留まらず生きてみよう 死ぬまで生きていよう |
朝凪半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | 広がる空は大地を残し 生まれ変わった鼓動を刻む 夜を凌いだ水鳥たちは そっと朝に帰るだろう 連なる山は朝日を望み 雲間に伸びる希望を歌う 凪を忘れた大海原は そっと我に返るだろう 悲しみや苦しみを そっと送り出そう 朝が来たら見送ろう 次の岸まで 乾いた風が呼吸をしたら ざわめきだした白樺 香る 夜明けを告げた露草たちは 優しい青を放つだろう 喜びや慈しみを そっと救い出そう 包み込んで見守ろう 次の空まで 美しい故郷の影を思い出して ここへ来たら手を取ろう 次の旅まで 悲しみや苦しみを そっと送り出そう 朝が来たら見送ろう 次の路まで 異なる声は昨日を溶かし 互いの傷に心を交わす 愛を繋いだ命はやがて そっと明日に満ちるだろう |
鮮やかな前途半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | どこへ行こうとも変わりはしないさ 時代はいつも後追いなのさ 先回りして待っていてね 必ず辿り着くから 忍ばせていた声を高らかにあげよう 私は歩き出そう 名残のない道を 新しい足跡をつけて その先で会おう 責任はいつも隣り合わせで 答えはいつも後付けなのさ キレイな幕開けは似合わないから 分かち合えない孤独を朗らかに歌おう 私は歩き出そう しるべのない未知を 宛のない道草をして その先で会おう 私はどこまで行こう 名残のない道を 果てのない足跡をつけて その先で会おう その旅で会おう その度出会おう あの場所はいつか この場所になる 明日はいつも待ちわびている |
明日を拓こう半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治・古高晋一 | 命が眠る頃 大地が目を覚ます 涙が乾く頃 優しい朝がやってくる 土の中でいま根を張ろう そして春を迎えに行こう やがて雪はとけていく 明日を拓こう 命が巡る頃 朝日が顔を出す 瞼に残る滴は 気高い朝を待っている 雪の下でいま根を張ろう そして春の支度をしよう やがて夜は明けていく 明日を祈ろう あの枝がつかめなかった空は 冷たい土を持ち上げた 生命と出会う 土の中でいま根を張ろう そして春を迎えに行こう やがて雪はとけていく 明日を拓こう 明日を拓こう |
足並み半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 武部聡志 | たとえ季節に急かされても 歩き出すのはまだ先でいい 去りゆく景色は早送りのように 言葉さえ聞こえなかった 新しい足音に 揃わない 重ならない 心のまま 時が進んでも 巡っても ここに立ち止まるあなたと はぐれないように私は歌いたい 相応しい足並みは どこにも 見当たらない 心はまだ 日々が移っても 流れても ここに留まるあなたと 風に逆らって共に歌いたい 時が進んでも 巡っても ここに立ち止まるあなたと はぐれないように私は歌いたい |
明日への序奏半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 武部聡志 | 心もとない夜に負けそうなときや 言葉の力さえも頼れないときは 自分の声を聞いてみよう 本当のその声を 信じる勇気が答えになるから 飛び立つための助走を どこまでも続けてみよう その先に見える景色はいつも新しい 導くための序奏は 誰よりも自由でいよう 未来はいつだって始まったばかり 心にもないことを言ってしまった後に 心が痛んだのは理由がある 自分の手で確かめよう 恐れることはない 迎える希望が合図になるから 羽ばたくための序章と いつまでも笑っていよう その後に残る足跡はいつも美しい 始めるための序奏は 何よりも自由であれ いまこの瞬間が輝きはじめる 飛び立つための助走を どこまでも続けてみよう その先に見える景色はいつも新しい 導くための序奏は 誰よりも自由でいよう 未来はいつだって始まったばかり いまこの瞬間が輝きはじめる |
明日へ向かう人 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | | 悔し涙を流した時 心の奥が熱くなった 嬉し涙を流した時 胸の奥が熱くなった 季節はずれの桜のように冬に負けない人になって 苦しい時こそ根を張って 春を待たずに咲き誇ろう 遠い空に光る星 先を急ぐあなたを照らせ 立ち向かうその背中を 優しく讃えるように 前を向くそれだけでも辛いことが時にはある それでも進むことをあきらめないで 時にしだれる柳のように風に負けない人になって 悲しい時こそ手を取って 何も言わずに揺れていよう 西の空に沈む陽よ 明日へ向かうあなたを照らせ 傷ついたその背中を 優しく支えるように 声を枯らして泣いても辿り着けない場所がある それでも生きることを 信じることをあきらめないで 前を向くそれだけでも辛いことが時にはある それでもあなたは進むことをあきらめないで 悔し涙を流した時 心の奥が熱くなった 嬉し涙を流した時 胸の奥が熱くなった |
あなたへの道半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | | 止まった時間を動かした あなたがゆっくり 弱った心に染み渡る 飾らないその笑顔で たった一つだけの 私の居場所を作ってくれた 初めからめぐりあうことが わかっていたように辿り着いた 今日までの日は全てあなたに つながっていたんだね 当たり前のようにあなたが 隣にいてくれるこの奇跡の 続きを見ていたいと心から願うよ 終わった時間を巻き戻して あなたを知る前に 起こった出来事一つ一つ 話してくれたよね 小さな喜びを拾って集めて 悲しみも越えよう 初めからここにいることが わかっていたように見つけてくれた 今日からはもう1人じゃない 歩む道は1つだけど ありふれていたような毎日が 輝きはじめたこの瞬間の 未来を見てみたいと心から思うよ 当たり前のようにあなたが 隣にいてくれるこの奇跡が 絶え間なく続くように いつまでも祈ってるよ |
あの海に帰りたいなら半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | あの海に帰りたいなら この道を通って行きなさい あの空に帰りたいなら 夕暮れを待って発ちなさい あなたの声はここに届いている 小さく震えながら聞こえている 大きな海へ出ようとして ここまで泳いできたのね この先へ行きたいなら 私を倒して行きなさい それでも行くというのなら ここで出会った意味が無い 微かな合図を受け取ったなら 新しい朝をあなたに贈る 大きな海へつながっている この河で出会えたのだから あなたの夢は今も続いている あの星は叶えるのを待っている 正しい場所へ出ようとして どこにも行けなかったのね 大きな海へ出ようとして ここまで泳いできたのね |
一緒の星半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | | どこかでまた泣いている どこかで瞬いている 静かにそっと消えていった命と ずっと共に生きていく いま ここからあなたを見上げている 輝き続けるあなたを見ている 泣き出したこの世界に 書き足したいその先を 綺麗な色であなたの未来を もっと描き続けたい いま 誰も知らない次の空を 羽ばたき続けるあなたを描く いなくなった星も いま生きている星も 一緒に並んで光っている 見えるよ いま ここからあなたの続きを生きている 同じ夜空を今日も生きている |
稲穂半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | 黄金色に輝く 稲穂のきらめきよ 巡る季節とともに歩むこの道よ 茜色に暮れ泥む 夕陽の瞬きよ まだ誰も知らない朝を渡るだろう 彼方に手を伸ばすように 高く高く舞い上がれ かざした心の行方は ずっと見守っている 東雲色に染まりゆく 大地のささやきよ 鳴り止まぬ鼓動が今日を連れてくる 明日に背を伸ばすように 絶えず絶えず立ち上がれ 離したこの手はいつまでも そっと祈っている Amazing grace how sweet the sound That saved a wretch like me. I once was lost but now I am found, was blind but now I see. |
生まれる前から半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | 言葉の意味も知らないのに あのうたを口ずさんでいた 言葉を覚えるその前に あなたが歌ってくれたうた どんな時でもそばにあるのは かけがえのないうただった 言葉でうまく言えない時 あのうたが手をかしてくれた 言葉で足りないその時に あなたに届いてくれたうた こんな時こそ共にあるのは 混じりけのないうただった 眠れない夜孤独な夜 あのうたと共に目を閉じた どんな優しい言葉より 私を救ってくれたうた 生まれ変わるように導いたのは 祈りのようなうただった 生まれる前から聞いていたのは あなたの歌ううただった |
永遠の絆半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 武部聡志 | いつからかあなたは新聞を読む時も メガネをかけたり 遠く離したりするようになっていた いつでも帰っておいでというけれど もう子供じゃないんだし すぐには帰れない 離れて暮らした事であなたの優しさ身にしみた 久しぶりに帰った時は なんだか照れくさい 10年前のあなたから想像もつかないくらい 真っ白な髪の毛と変わらない笑顔 10年先のあなたにも笑っていてほしいから ただ元気でいてほしい 何にもいらないから いつからかわたしも気づけばこんな歳で 仕事にも就いて自分でちゃんと稼いで生きている それでもやっぱりあなたの前だと いくつになっても 幼い子供のようです 怖い夢を見た夜 二人の間に割り込んだ 眠れるまで歌ってくれたあの歌覚えてる 10年前のわたしなら素直には言えなかった ほんの些細な言葉今は全部言える 10年先のあなたにも笑っていてほしいから 時々帰るからね その顔が見たいから いつかわたしにも子供ができたとしたら あなたがしてくれた事 全部してあげたい 10年前のあなたから想像もつかないくらい 真っ白な髪の毛と変わらない笑顔 10年先のあなたにも笑っていてほしいから そのままでいてほしい 何にもいらないから 何にもいらないから |
大家さんと私のブルース~困った時はお互い様~半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | ミトカツユキ | カーテンのない大きな窓に映るあなたと私 見覚えのある景色 初めてここへ来た日も空っぽだった部屋 あの日と違うのは思い出の数 鍵を返す前に伝えたいことがあったのに 涙しか出てこない 最後まで子どもみたいに その日暮らしで語る夢を 母のような眼差しで聞いてくれた8年前 都会暮らしはゆるくないけど 生きる知恵をくれたから今日の日まで繋がった 借りを返す前に出て行くことになったのに あなたはこう言った 困った時はお互い様 思い返す度に救われてきたこの言葉 私も誰かに伝えていく 困った時はお互い様 |
お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~ 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | おかえり 今日もからっぽのお弁当ばこをありがとう 毎日残さずきれいだね お弁当ばこのうた あなたの好きなものばかり 入れられないのよ 許してね 体のことも考えて作っているのよ 赤・緑(あお)・黄色の彩りと 栄養たっぷりのバランスと にんじん・ピーマン・セロリ あの手この手で入れてます 毎朝渡すお弁当は あなたへのお手紙 おかえり 今日はどうしたの? 残しているのねお弁当 心や体が弱いとき シグナルはお弁当 冷蔵庫が寂しいときは たまにシンプルになるけれど 愛情にしっかりフタをして もれないように包みました 毎朝渡すお弁当は 私からのお手紙 いつかあなたが大人になって 恋をしてダイエットなんて言うまでは 何があっても届けます あなたへのお便り 食べているところは 一度も見られないけれど 想像しながら作っています 卒業したら少し寂しくなるけど たまにはこうしてお便りします いよいよ今日が最後の日 からっぽのお弁当ばこの中から 「毎日どうもありがとう」 あなたからの手紙 |
悲しくもないのに半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | | 何事もなかったようにお互いに顔を合わせて なんでもない話をいつまでもしている 昨日見たニュースの車は 誰一人 口にしなかった あぁ 優しい顔をして あぁ 心の中では何を思っているの 僕に 悲しみが 僕に 時々悪さをする 出来損ないの笑顔を極端に振りまいて 案の定 僕はお調子者と呼ばれた 心ない言葉も笑って聞いている お人好しに成り下がったんだ あぁ 涼しい顔をして あぁ そんなに何を守っているの 僕は 悲しくも無ないのに なぜだか涙が出た |
感謝の根半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | 言葉になる前に溢れ出したから ただ泣くことしかできなかった こんな時こそ ちゃんと胸を張って 届けたい想いがここにある ありがとう そっと見守ってくれて ありがとう ずっと支えてくれて ありがとう やっと見つけてくれて ありがとう 今日もそばにいてくれて いつかの種は静かに息づいて 雨も風も全部受け入れた どんな時でも しっかり根を張って 伝えたい想いが歌になる ありがとう 無理に笑ってくれて ありがとう 一緒に泣いてくれて ありがとう ちゃんとわかっているよ ありがとう やっと出会ってくれて 何もかもなくしてしまったような 気持ちになった時こそ 少しずつ そう少しずつ 感謝の根が深くなる ありがとう そっと見守ってくれて ありがとう ずっと支えてくれて ありがとう やっと見つけてくれて ありがとう いつもそばにいてくれて 花は枯れ落ち土に還るように いずれ同じ場所に戻る 最後に残った感謝だけがそっと 根を張り続けて生きていく |
桔梗の咲く頃半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | 気が付けばまたこの季節 薄紫の桔梗が咲く頃 あなたが大事に育てていた庭先の花 幼い頃あなたの差し出した ひとさし指を強く握っていた あの指は誰よりも優しくぬくもりだった いまあなたに会えたらもう一度聞きたい 傷口をさすりながら言ってくれた「大丈夫」 私も少しずつあなたの年齢に近づいてきたからか よけいに側に感じています あなたはいつの日も気丈に振る舞って 自分より私のことを気遣い続けていた 最後の最後まで母親でした いつだって心配ばかりされるのは私の方で 寝たきりになってもまだあなたは心配いらないと言う もしあなたに会えたら今度こそ言いたい 心にもないことを言ってしまってごめんね 私も母になりあの涙の意味が 今になってわかったと もう伝えられないけれど あなたのような母になれているでしょうか 迷った時 あなたならといつも考えています いつまでも私は子供のままでした 五つの花びらが繋がって咲いている 途切れる事のない絆 教えてくれた人 最後の最後まで残してくれた人 |
帰途半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | ミトカツユキ | 懐かしい風が呼ぶ声に 耳を澄ませている 駆け出した明日はなだらかに ここに繋がっていた あの頃の励ましを 抱きしめたまま 長い旅から帰ってきた 私が私でいられる場所 どこまでも裸足で歩いた はじめの一歩がここにある 張り詰めた心解かすように 深く息を吸った 追いかけた明日につまずいても ずっと見守ってくれた 変わらない眼差しを 心に留めて 遠い空から願っていた あなたに誇れる私になって いつかまた出会えるだろう 幼い道のり辿るように 長い旅から帰ってきた 私が私でいられる場所 いつの日も心に宿る 褪せない記憶が満ちていく いまあなたへ戻っていく |
草笛の声半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | いつでも帰りたい場所は たったひとつだけで 懐かしいあの景色は 時が経つほど色濃くなった 草笛の鳴く土手や干し草の匂いも 美しい風に寄せて聞こえてくるよ 孤独な夜ほど 生まれて初めて見た空 あの海の輝きは どこにいても心の中広がっている 霜がおりる朝や 雪解けの小路に 芽吹いた夢を乗せて 色鮮やかに描いてみせた ケンカして出て行った日も 泣いて帰った日も 語らないでもわかる 何も言わずに迎えてくれた 離れて初めて見た空 埋まらない寂しさを 流れの速い雲の群れが隠していた 別れを告げたあの空は いつまでもここにいた どこまでいっても故郷に通じていた あなたの声が聞きたくて この空に探していた 私の心を残した夕映えの空 |
心の活路半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | 今日の続きを誰か教えて 明日になる前に 優しい気持ちで窓をたたいて 起こしてほしい 明日の続きはわざと忘れて 今日だけを見よう 虚しい気持ちは洗い流して 起き上がろうか 足りないものなどない 生きている限り 受け入れた今日の日は やがて路になる 夢の続きをいつも背負って 暮れゆく日を 等しい気持ちでもう一度 渡れるだろうか 留まるものなどない 生きている限り 繋いだ寂しさを 分かちあうために 誰かのためこの路を引き返せるだろうか あなたは迷いもせず戻るだろう 癒えないものなどない 生きているならば 探していた朝は 今もここにある 足りないものなどない 生きているだけで あなたがいる限り 今日も陽は昇る |
この文字が乾く前に半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | ミトカツユキ | 全ての始まりは一通の手紙でした 涙で滲んで最後まで読めなかったけど 離れているから簡単に会えないから 苦しい時にはいつもいつも読み返している 泣いたり笑ったりその文字で伝わるよ 何度も書き直した跡があなたらしくて 言い足りないことも言い残したことも 今頃浮かんでくるそんな時ペンをとってみよう 言葉の端と端を綺麗に折りたたんで 思いに封をしたらそっとあなたの名前を書いた あの時言えなかった思いを今したためよう 書く度にあなたの存在が強くなる 存在が近くなる |
サクラ~卒業できなかった君へ~ 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 亀田誠治 | 同じカバンに詰め込んだ日々と 並べた机に刻んだ日々と 枝先に膨らんだ うららかな春 本当はあなたもここにいるはずだった くだらないこと言い合って 肝心なことは言えないまま 止まった季節を追い越して 残った光を探していた 桜 花びらが舞う 一緒に見ていた夢を ふわり空にのぼった あなたに送りたい 最後に見たあなたは いつも通りの笑顔だった 行く宛てのない気持ちだけ 進んだ時間を巻き戻す 桜 花びらが散る あの日この場所で ひらり風に吹かれて 何を思っていたんだろう 桜 花びらになり いつか会いに行く 桜 花びらが舞う 一緒に見ていた夢を ふわり空にのぼった あなたに送りたい あなたに送りたい |
36度5分半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | | 今を生きるという言葉に隠れ ただこの瞬間を浪費している 痛いとこをつく言葉に埋もれ 躍起になってただ否定している ぬるま湯に浸かりながらも流されてしまうなんて いつからそんな大人になったんだろう こうして今を失くして行く 36.5度の熱を絶やさずに私は今日も生かされている 365日休まず脈打つ体のほうがよっぽど 私より生きている 溺れるはずのないこんな浅瀬で 未だ手足をバタつかせている 二の足を踏んでいても何も始まらないのに 水を差すように頭が働いて ただいっさいは過ぎていく 36.5度の熱を絶やさずに私は今日も生かされている 365日休まず脈打つ体のほうがよっぽど 私より生きている いつからこんな大人になったんだろう こうして今を逃していく 36.5度の熱はいつまでも私の中でくすぶっている 365日休まず働く呼吸が止まるまでは 36.5度の熱に守られて私は今日も生きているから 365日燃やし続けたい体の奥でずっと 鳴り響く鼓動に心震わせながら |
残響半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | | 白く吐いたため息と わずかな期待はすぐに 色のない風景に 静かに溶けてしまった そっとそっと壊さないように 繋いでいでた日々さえも 途切れてしまいそう 降り出した雪は なにもなかったように消えていくよ 吐き出した言葉さえも あなたの中残らないの? 何度も何度も胸の奥つぶやいた 黒いままのアスファルト 隙間を埋めるようにそっと 音もなく降り注ぎ にじんでは消えて行った ずっとずっと出会った頃のように 変わらない優しさが余計に苦しいよ 降り出した雪は なにもなかったように溶けていくよ 振り出しに戻るように 思い出さえ残らないの? 何度も何度も胸の奥つぶやいた 降り積もる雪のように その全てを包み込みたい 心に積もる思いは あなにはもう重すぎたかな 何度も何度も胸の奥つぶやいた |
色彩半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 半崎美子 | 五十嵐宏治 | 型落ちの自転車に夕陽がおりる頃 さびついた世の中が夜を預けていく 欠け落ちた半分に今も会えなくて 張り付いた約束が夜風にこだまする あぁ今日もまた探している あぁどこにもいない この街にも 声にならない 色もつかない 思いを抱えている 落書きの自販機が闇を照らす頃 場違いな看板が人波に溶けていく あぁ少しでも揺れたなら あぁこぼれてしまうこの気持ちと 音も鳴らない 味もしない 身体はどこへいく 離れられない あなたがいた記憶を辿っている |