死神の饗宴まだお前は生くるのに 足踏みなどしているか 夏蝉でも死ぬるまで 声を限り鳴くいうに 俺は死を告げるもので 生の意味を諭すもの 枕元の卒塔婆持ち お前の名を書くのだ さあ祭りの時 死の宴の時 無邪気な子のふりをして 明日(あす)を投げる奴もいる 早死にさと呟いて 今日を捨てる奴もいる 俺は容赦なぞしない 生の意義を悟るまで 目の前なる蝋燭を 吹き消すのだ何度も さあ祭りの時 死の宴の時 丑三つ刻仏壇開けて 無間地獄を垣間見ろ 三途の川位牌を背負(しょ)って 先祖代々舞い踊れ さあ祭りの時 死の宴の時 さあ祭りの時 死の宴の時 人は赤子に生まれて 夢のうちに一度死ぬ 死の影絵を踏みしめて 揺り籃(かご)から覚めるのだ 俺の名前は死神 我が双子の兄弟よ 盂蘭盆会(うらぼんえ)の墓場来て 櫓(やぐら)の上立つのだ さあ祭りの時 死の宴の時 死にゆくまで 生きぬくのだ さあ 生きぬくのだ 死にゆくまで さあ | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一 | | まだお前は生くるのに 足踏みなどしているか 夏蝉でも死ぬるまで 声を限り鳴くいうに 俺は死を告げるもので 生の意味を諭すもの 枕元の卒塔婆持ち お前の名を書くのだ さあ祭りの時 死の宴の時 無邪気な子のふりをして 明日(あす)を投げる奴もいる 早死にさと呟いて 今日を捨てる奴もいる 俺は容赦なぞしない 生の意義を悟るまで 目の前なる蝋燭を 吹き消すのだ何度も さあ祭りの時 死の宴の時 丑三つ刻仏壇開けて 無間地獄を垣間見ろ 三途の川位牌を背負(しょ)って 先祖代々舞い踊れ さあ祭りの時 死の宴の時 さあ祭りの時 死の宴の時 人は赤子に生まれて 夢のうちに一度死ぬ 死の影絵を踏みしめて 揺り籃(かご)から覚めるのだ 俺の名前は死神 我が双子の兄弟よ 盂蘭盆会(うらぼんえ)の墓場来て 櫓(やぐら)の上立つのだ さあ祭りの時 死の宴の時 死にゆくまで 生きぬくのだ さあ 生きぬくのだ 死にゆくまで さあ |
あゝ東海よ今いずこ波を遥けく東海の 瑞穂たなびく葦原(あしはら)の 美(うる)わしの 憧憬の御国 天を敬い人和して 分をわきまえ身を譲る 微笑みの 礼節の王土 あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 今いずこ あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 弥栄(いやさか)にあれ 胸に誠の益荒男(ますらお)の 忍ぶ意気地の潔さ 武士(もののふ)の 堪忍の矜持 己(おの)がことより人のこと 義理に仕える志 古えの 忠孝の教え あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 今いずこ あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 弥栄(いやさか)にあれ 夢よいずこ 誠よいずこ 明日よいずこ 昔よいずこ 三千世界の 陽はいつ出やる 花も恥じらう撫子(なでしこ)の 凛(りん)と咲いたる艶(あで)やかさ まほろばの 富士山(ふじやま)の姿 淋しき人には涙して 清らな朝には手を合わす 懐かしの 惻隠の心 あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 今いずこ あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 弥栄(いやさか)にあれ 夢よいずこ 誠よいずこ 明日よいずこ 昔よいずこ | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一 | | 波を遥けく東海の 瑞穂たなびく葦原(あしはら)の 美(うる)わしの 憧憬の御国 天を敬い人和して 分をわきまえ身を譲る 微笑みの 礼節の王土 あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 今いずこ あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 弥栄(いやさか)にあれ 胸に誠の益荒男(ますらお)の 忍ぶ意気地の潔さ 武士(もののふ)の 堪忍の矜持 己(おの)がことより人のこと 義理に仕える志 古えの 忠孝の教え あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 今いずこ あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 弥栄(いやさか)にあれ 夢よいずこ 誠よいずこ 明日よいずこ 昔よいずこ 三千世界の 陽はいつ出やる 花も恥じらう撫子(なでしこ)の 凛(りん)と咲いたる艶(あで)やかさ まほろばの 富士山(ふじやま)の姿 淋しき人には涙して 清らな朝には手を合わす 懐かしの 惻隠の心 あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 今いずこ あゝ東海よ あゝ東海よ あゝ東海よ 弥栄(いやさか)にあれ 夢よいずこ 誠よいずこ 明日よいずこ 昔よいずこ |
どっとはらい空は青いな書き割りの 夕べに蛙の雨が降る 破れかぶれの地平線 結膜炎が覗き込む 捻子(ねじ)の壊れた時計台 虚無を刻んでチイパッパ 瘧(おこり)の狛犬ひり出した でんでん太鼓蓄音機 墓掘り人夫の餞別は 屠(ほふ)る吾(あ)が子の三杯酢 君麗しの死刑台 滴る血潮高砂や 狐の嫁入り通り魔の 錆びた刃が香ばしい どっとはらい どっとはらい 正気の沙汰はおしまい どっとはらい どっとはらい 狂気の沙汰の始まり 端午の節句の沖合で バタフライなぞするピアノ 溺れてみたのはいつの日か あれは去年の謝肉祭 楡(にれ)の木陰で処女が泣く 恨みざらまし番頭さん 黄昏偲ぶ一輪車 きりもみしては交尾する 鹿鳴館の天辺で 酌婦のアジる阿呆陀羅経 猫の尿(いばり)の檜風呂 浮かぶスメグマ有り難や 上の姉様身を投げし セーヌの畔(ほとり)に小判湧く どっとはらい どっとはらい 正気の沙汰はおしまい どっとはらい どっとはらい 狂気の沙汰の始まり 曇天つんざく朱印船 沈む夕陽の浅ましさ 朧月夜は生き別れ きのこ雲だよおっかさん 巡る因果の平方根 唐竹割りのかぐや姫 おぼこ娘もお歯黒の 髷の島田が恐ろしい どっとはらい どっとはらい 正気の沙汰はおしまい どっとはらい どっとはらい 狂気の沙汰の始まり どっとはらい どっとはらい 正気の沙汰はおしまい どっとはらい どっとはらい 狂気の沙汰の始まり どっとはらい | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | 人間椅子 | 空は青いな書き割りの 夕べに蛙の雨が降る 破れかぶれの地平線 結膜炎が覗き込む 捻子(ねじ)の壊れた時計台 虚無を刻んでチイパッパ 瘧(おこり)の狛犬ひり出した でんでん太鼓蓄音機 墓掘り人夫の餞別は 屠(ほふ)る吾(あ)が子の三杯酢 君麗しの死刑台 滴る血潮高砂や 狐の嫁入り通り魔の 錆びた刃が香ばしい どっとはらい どっとはらい 正気の沙汰はおしまい どっとはらい どっとはらい 狂気の沙汰の始まり 端午の節句の沖合で バタフライなぞするピアノ 溺れてみたのはいつの日か あれは去年の謝肉祭 楡(にれ)の木陰で処女が泣く 恨みざらまし番頭さん 黄昏偲ぶ一輪車 きりもみしては交尾する 鹿鳴館の天辺で 酌婦のアジる阿呆陀羅経 猫の尿(いばり)の檜風呂 浮かぶスメグマ有り難や 上の姉様身を投げし セーヌの畔(ほとり)に小判湧く どっとはらい どっとはらい 正気の沙汰はおしまい どっとはらい どっとはらい 狂気の沙汰の始まり 曇天つんざく朱印船 沈む夕陽の浅ましさ 朧月夜は生き別れ きのこ雲だよおっかさん 巡る因果の平方根 唐竹割りのかぐや姫 おぼこ娘もお歯黒の 髷の島田が恐ろしい どっとはらい どっとはらい 正気の沙汰はおしまい どっとはらい どっとはらい 狂気の沙汰の始まり どっとはらい どっとはらい 正気の沙汰はおしまい どっとはらい どっとはらい 狂気の沙汰の始まり どっとはらい |
黒猫暗い 暗い恩讐(おんしゅう)の道の果て じっと 虚空見つめる双つの眼 黒い 黒い頁は開かれて 闇に さかしまの詩(うた) 木霊(こだま)する 影へ肢体(からだ)をすり寄せて 追いて来るのかどこまでも───黒猫! 深い 深い忘却のドロ沼に 重く 憂鬱の滓(おり)は淀みゆき 長い 長い悔恨の時経(ふ)れば 夜は 悪夢の濁醪(どぶろく) 醸(かも)すとか 嘘の膠(にかわ)で貼り付いた 笑い仮面の虚しさよ 罪の血糊の味しめて 咽(むせ)び泣くのかいつまでも───黒猫! 旋毛(つむじ)曲がりの稲妻が 脳天目掛け轟かば 笑い仮面の真っ二つ 呪詛の血が沸き肉踊る 修羅の剣山生けるのは 忘れじの君鬼薊(おにあざみ) 四五九町歩(じごくちょうぶ)の土塀には 処女の簪(かんざし)眠るとか 春の弥生の空に 気の触れ桜がひらひら 春のうららの風に 涅槃の薫(かお)りがそよそよ 老女の乳を啄(ついば)みし 赤子を真似た獄卒が 猫足立ちに囁ける 不協和音の数え唄 ひとつ人には悪業を ふたつ不幸は愛(め)でるもの みっつ淫らは美徳なり よっつ世迷(よま)いの言葉吐け 春の弥生の空に 気の触れ桜がひらひら 春のうららの風に 涅槃の薫(かお)りがそよそよ 暗く 暗く魂の紡ぎ出す 果てぬ 無為と頽廃の万華鏡 黒く 黒く逆毛立つ獣よ 何処か 懐かしく響く汝の名───黒猫! | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 暗い 暗い恩讐(おんしゅう)の道の果て じっと 虚空見つめる双つの眼 黒い 黒い頁は開かれて 闇に さかしまの詩(うた) 木霊(こだま)する 影へ肢体(からだ)をすり寄せて 追いて来るのかどこまでも───黒猫! 深い 深い忘却のドロ沼に 重く 憂鬱の滓(おり)は淀みゆき 長い 長い悔恨の時経(ふ)れば 夜は 悪夢の濁醪(どぶろく) 醸(かも)すとか 嘘の膠(にかわ)で貼り付いた 笑い仮面の虚しさよ 罪の血糊の味しめて 咽(むせ)び泣くのかいつまでも───黒猫! 旋毛(つむじ)曲がりの稲妻が 脳天目掛け轟かば 笑い仮面の真っ二つ 呪詛の血が沸き肉踊る 修羅の剣山生けるのは 忘れじの君鬼薊(おにあざみ) 四五九町歩(じごくちょうぶ)の土塀には 処女の簪(かんざし)眠るとか 春の弥生の空に 気の触れ桜がひらひら 春のうららの風に 涅槃の薫(かお)りがそよそよ 老女の乳を啄(ついば)みし 赤子を真似た獄卒が 猫足立ちに囁ける 不協和音の数え唄 ひとつ人には悪業を ふたつ不幸は愛(め)でるもの みっつ淫らは美徳なり よっつ世迷(よま)いの言葉吐け 春の弥生の空に 気の触れ桜がひらひら 春のうららの風に 涅槃の薫(かお)りがそよそよ 暗く 暗く魂の紡ぎ出す 果てぬ 無為と頽廃の万華鏡 黒く 黒く逆毛立つ獣よ 何処か 懐かしく響く汝の名───黒猫! |
胡蝶蘭朝靄(あさもや)と語り 夕立と歌う 健やかにただ咲いた 愛しい花よ 静けさを愛し 偽りは知らず 喜びにただ満ちる つましい花よ たなびく白い雲は あなたの腕(かいな) そよ吹く東風は あなたの調べ すべてがあなた ああ わたしの形が亡びようと ああ あなたの心は咲きつづく 永遠(とわ)に 木洩れ日とはしゃぎ 陽炎(かげろう)と睦む 麗(うら)らかにただ開く 優しい花よ 微笑みを抱いて 疑いは持たず 清らかにただ眠る さかしい花よ 流れる空の星は あなたの涙 たゆたう揚羽蝶は あなたの夢見 すべてがあなた ああ わたしの形が亡びようと ああ あなたの心は咲きつづく 永遠に はためく青い木々は あなたの明日 羽ばたく巣立ち鳥は あなたの希望 生きとし生けるものは あなたの言葉 すべてがあなた ああ わたしの形が亡びようと ああ あなたの心は咲きつづく ああ わたしの体が消え去ろうと ああ あなたの言葉は生きつづく 永遠に 胡蝶蘭 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 朝靄(あさもや)と語り 夕立と歌う 健やかにただ咲いた 愛しい花よ 静けさを愛し 偽りは知らず 喜びにただ満ちる つましい花よ たなびく白い雲は あなたの腕(かいな) そよ吹く東風は あなたの調べ すべてがあなた ああ わたしの形が亡びようと ああ あなたの心は咲きつづく 永遠(とわ)に 木洩れ日とはしゃぎ 陽炎(かげろう)と睦む 麗(うら)らかにただ開く 優しい花よ 微笑みを抱いて 疑いは持たず 清らかにただ眠る さかしい花よ 流れる空の星は あなたの涙 たゆたう揚羽蝶は あなたの夢見 すべてがあなた ああ わたしの形が亡びようと ああ あなたの心は咲きつづく 永遠に はためく青い木々は あなたの明日 羽ばたく巣立ち鳥は あなたの希望 生きとし生けるものは あなたの言葉 すべてがあなた ああ わたしの形が亡びようと ああ あなたの心は咲きつづく ああ わたしの体が消え去ろうと ああ あなたの言葉は生きつづく 永遠に 胡蝶蘭 |
月夜の鬼踊り泣いだわらし そごいねが 何さ泣いだ ごんぼほり 思い通り いがねのは じょっぱりばし するがらだ 真ん丸 月夜の晩は 山がら 鬼が出やるぞ 手に手に 刃物を持って 村中 懲らしめでやれ 赤鬼は金棒で 青鬼は刺叉(さすまた)で 黄の鬼は鋸(のこぎり)で 緑鬼は薙刀(なぎなた)で 踊れ 寝れね大人 そごいねが 何さ悩む 倉の中 貯めで貯めで 足りねのは ほいど根性 あるがらだ 真っ赤な お月様見で でっかぐ 鬼が笑うぞ おのおの 肩怒らせで 夜中 懲らしめでやれ 赤鬼は金棒で 青鬼は刺叉(さすまた)で 黄の鬼は鋸(のこぎり)で 緑鬼は薙刀(なぎなた)で 踊れ 笑わね人 そごいねが 何さ呪う うらめしや 人が悪ぐ 見えるのは 己に悪 あるがらだ 満月 明るい夜は のっしど 鬼が歩ぐぞ めいめい 武器を片手に 朝まで 懲らしめでやれ 赤鬼は金棒で 青鬼は刺叉(さすまた)で 黄の鬼は鋸(のこぎり)で 緑鬼は薙刀(なぎなた)で 踊れ | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一 | | 泣いだわらし そごいねが 何さ泣いだ ごんぼほり 思い通り いがねのは じょっぱりばし するがらだ 真ん丸 月夜の晩は 山がら 鬼が出やるぞ 手に手に 刃物を持って 村中 懲らしめでやれ 赤鬼は金棒で 青鬼は刺叉(さすまた)で 黄の鬼は鋸(のこぎり)で 緑鬼は薙刀(なぎなた)で 踊れ 寝れね大人 そごいねが 何さ悩む 倉の中 貯めで貯めで 足りねのは ほいど根性 あるがらだ 真っ赤な お月様見で でっかぐ 鬼が笑うぞ おのおの 肩怒らせで 夜中 懲らしめでやれ 赤鬼は金棒で 青鬼は刺叉(さすまた)で 黄の鬼は鋸(のこぎり)で 緑鬼は薙刀(なぎなた)で 踊れ 笑わね人 そごいねが 何さ呪う うらめしや 人が悪ぐ 見えるのは 己に悪 あるがらだ 満月 明るい夜は のっしど 鬼が歩ぐぞ めいめい 武器を片手に 朝まで 懲らしめでやれ 赤鬼は金棒で 青鬼は刺叉(さすまた)で 黄の鬼は鋸(のこぎり)で 緑鬼は薙刀(なぎなた)で 踊れ |
塔の中の男風が吹きつける 荒れ果てた古城 鉄柵の窓に 人影が揺らぐ 旅人が告げる 彼は詩人だった 神と闘って ここにいるのだと 塔の中の男 忘られし人よ 塔の中の男 早過ぎた人よ 光の子どもよ 春の訪(おとな)いも 立ち止まるところ 薄明の霧が 重く垂れ込める 牧人は語る 彼は偉大だった 神に敗れ去り ここに来たのだと 塔の中の男 忘られし人よ 塔の中の男 早過ぎた人よ 無垢なる童(わらべ)よ 鉄の窓 開け放ち 憧憬の涙をこぼす 愛に満ちた 楽園の遠い記憶 むく鳥は歌う 青空 飛び魚は駆ける 海原 しゃくなげは眠る そよ風 カモシカは踊る 山かげ 夢に微睡(まどろ)んでいる 愛を育んでいる ユートピア 乳呑み子は微笑む 太陽 少年は学ぶ 月光 英雄は挑む 雷鳴 手弱女(たおやめ)は額ずく 流星 夢に微睡(まどろ)んでいる 愛を育んでいる ユートピア 時の移ろいに 見捨てられた城 ひび割れた窓に 蝋燭が灯る 人は聞くだろう 彼は誰なのか 神も祈らずに ここにいるのかと 塔の中の男 忘られし人よ 塔の中の男 早過ぎた人よ 至誠の僕(しもべ)よ 光の子どもよ 愁いを抱きしめて 世界を待っている 慈愛を抱きしめて 世界を讃えている 今も | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 風が吹きつける 荒れ果てた古城 鉄柵の窓に 人影が揺らぐ 旅人が告げる 彼は詩人だった 神と闘って ここにいるのだと 塔の中の男 忘られし人よ 塔の中の男 早過ぎた人よ 光の子どもよ 春の訪(おとな)いも 立ち止まるところ 薄明の霧が 重く垂れ込める 牧人は語る 彼は偉大だった 神に敗れ去り ここに来たのだと 塔の中の男 忘られし人よ 塔の中の男 早過ぎた人よ 無垢なる童(わらべ)よ 鉄の窓 開け放ち 憧憬の涙をこぼす 愛に満ちた 楽園の遠い記憶 むく鳥は歌う 青空 飛び魚は駆ける 海原 しゃくなげは眠る そよ風 カモシカは踊る 山かげ 夢に微睡(まどろ)んでいる 愛を育んでいる ユートピア 乳呑み子は微笑む 太陽 少年は学ぶ 月光 英雄は挑む 雷鳴 手弱女(たおやめ)は額ずく 流星 夢に微睡(まどろ)んでいる 愛を育んでいる ユートピア 時の移ろいに 見捨てられた城 ひび割れた窓に 蝋燭が灯る 人は聞くだろう 彼は誰なのか 神も祈らずに ここにいるのかと 塔の中の男 忘られし人よ 塔の中の男 早過ぎた人よ 至誠の僕(しもべ)よ 光の子どもよ 愁いを抱きしめて 世界を待っている 慈愛を抱きしめて 世界を讃えている 今も |
月下に捧ぐ舞踏曲満月に似合うものなぁに ひとりぼっちの狼さ 月の光は誰のもの 親を知らない子らのもの さあさ 踊れ 月の下 アイアイアー 夜明けまで 三日月欠けりゃなんとなる 夜空が夢を見なくなる 月の衣は誰のため 恋に患う人のため さあさ 集え 月のもと アイアイアー 夜明けまで 星は五芒(ごぼう)で月は丸 丸くなりたや胸の内 月の宿りは誰を待つ 昨日帰らぬわが子待つ さあさ 歌え 月の影 アイアイアー 夜明けまで アイアイアー 月の下 月が回る オホホーオンロロロ 星が踊る オホホーオンロロロ 月が咽(むせ)ぶ オホホーオンロロロ 夜が歌う オホホーオンロロロ | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一 | | 満月に似合うものなぁに ひとりぼっちの狼さ 月の光は誰のもの 親を知らない子らのもの さあさ 踊れ 月の下 アイアイアー 夜明けまで 三日月欠けりゃなんとなる 夜空が夢を見なくなる 月の衣は誰のため 恋に患う人のため さあさ 集え 月のもと アイアイアー 夜明けまで 星は五芒(ごぼう)で月は丸 丸くなりたや胸の内 月の宿りは誰を待つ 昨日帰らぬわが子待つ さあさ 歌え 月の影 アイアイアー 夜明けまで アイアイアー 月の下 月が回る オホホーオンロロロ 星が踊る オホホーオンロロロ 月が咽(むせ)ぶ オホホーオンロロロ 夜が歌う オホホーオンロロロ |
幽霊列車汽車は走る 霧の町を 浮世の山の トンネル抜けて ほろほろ鳥が 汽笛を鳴らす 悲しさの意味 教えてくれる町へ 汽車は走る 黄泉の国へ 三途の川の 懸け橋越えて 河原の鬼が 切符をもぎる 愛を失くした 人の眠れる国へ 幽霊列車がもうすぐ 誰そ彼の駅に着くから 懐かしの人を尋ねに行(ゆ)こうよ 幽霊列車がもうじき 彼は誰の駅を発つから 忘れじの人を捜しに行こうよ 汽車は走る 夢の中を いっぱい貨車に 思い出詰めて 宵待ち草が 発車を告げる 過去と未来の 葛(つづら)折りなす場所へ 幽霊列車がもうすぐ 誰そ彼の駅に着くから 懐かしの人を尋ねに行(ゆ)こうよ 幽霊列車がもうじき 彼は誰の駅を発つから 忘れじの人を捜しに行こうよ | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 汽車は走る 霧の町を 浮世の山の トンネル抜けて ほろほろ鳥が 汽笛を鳴らす 悲しさの意味 教えてくれる町へ 汽車は走る 黄泉の国へ 三途の川の 懸け橋越えて 河原の鬼が 切符をもぎる 愛を失くした 人の眠れる国へ 幽霊列車がもうすぐ 誰そ彼の駅に着くから 懐かしの人を尋ねに行(ゆ)こうよ 幽霊列車がもうじき 彼は誰の駅を発つから 忘れじの人を捜しに行こうよ 汽車は走る 夢の中を いっぱい貨車に 思い出詰めて 宵待ち草が 発車を告げる 過去と未来の 葛(つづら)折りなす場所へ 幽霊列車がもうすぐ 誰そ彼の駅に着くから 懐かしの人を尋ねに行(ゆ)こうよ 幽霊列車がもうじき 彼は誰の駅を発つから 忘れじの人を捜しに行こうよ |
蜘蛛の糸ここはどこじゃいな 硫黄華【はな】咲く徒【あだ】し野の 闇に木霊する 嗚咽【おえつ】慟哭【どうこく】すすり泣き 地獄ジャナイカ 助ケテオクレ 無体【むたい】ジャナイカ 打【ぶ】タズニオクレ 蜘蛛の糸 ぞろぞろり 蜘蛛の糸 ぞろぞろり 我身可愛さに 無頼【ぶらい】放蕩【ほうとう】し放題 イエスお釈迦様 神は存ぜぬ知りませぬ 地獄ジャナイカ 救ッテオクレ 後生ジャナイカ 堪忍シテオクレ 蜘蛛の糸 ぞろぞろり 蜘蛛の糸 ぞろぞろり アア 痛イヨ アア 怖イヨ アア 暗イヨ アア 寒イヨ 地獄に仏じゃ 光一筋蜘蛛の糸 ここが天王山 くんずほぐれつ滝登り 来ルンジャナイヨ 切レルジャナイカ 登ルンジャナイヨ 落チルジャナイカ 蜘蛛の糸 ぞろぞろり 蜘蛛の糸 ぞろぞろり | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治・鈴木研一・ナカジマノブ | | ここはどこじゃいな 硫黄華【はな】咲く徒【あだ】し野の 闇に木霊する 嗚咽【おえつ】慟哭【どうこく】すすり泣き 地獄ジャナイカ 助ケテオクレ 無体【むたい】ジャナイカ 打【ぶ】タズニオクレ 蜘蛛の糸 ぞろぞろり 蜘蛛の糸 ぞろぞろり 我身可愛さに 無頼【ぶらい】放蕩【ほうとう】し放題 イエスお釈迦様 神は存ぜぬ知りませぬ 地獄ジャナイカ 救ッテオクレ 後生ジャナイカ 堪忍シテオクレ 蜘蛛の糸 ぞろぞろり 蜘蛛の糸 ぞろぞろり アア 痛イヨ アア 怖イヨ アア 暗イヨ アア 寒イヨ 地獄に仏じゃ 光一筋蜘蛛の糸 ここが天王山 くんずほぐれつ滝登り 来ルンジャナイヨ 切レルジャナイカ 登ルンジャナイヨ 落チルジャナイカ 蜘蛛の糸 ぞろぞろり 蜘蛛の糸 ぞろぞろり |
相剋の家慚愧の数だけ涙を零せば 呵責の鎖が切れるというのか 刹那の庵を股旅歩けば 菩提の地平が見えるというのか 青春とは不仕合わせの驕り 諦念とは高利貸しの夜逃げ 楡の花が咲いたよ 中絶の夜 絶食の月 童貞の道 相剋の家 自涜の汚泥にその日を窶せば 憤怒の仮面が笑うというのか 懶惰の墓標に誰かを刻めば 紅蓮の車輪が止まるというのか 情熱とはチンドン屋の悟り 追憶とは破傷風の家出 茱萸の実ひとつ弾けた 獄中の友 中傷の秋 月経の春 相剋の家 あぁ 淡い光 茜のさす森の中 あぁ 貴方の声 我が懐かしの埴生の宿 あぁ 甘い記憶 寄せては返す夢の中 あぁ 数多の恋 我忘れじの慟哭の歌 相剋の家 帰りたい帰りたくない 帰ろかな帰るのよそうかな お前は逃げてるお前は逃げてる お前は逃げてるお前は逃げてる | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 慚愧の数だけ涙を零せば 呵責の鎖が切れるというのか 刹那の庵を股旅歩けば 菩提の地平が見えるというのか 青春とは不仕合わせの驕り 諦念とは高利貸しの夜逃げ 楡の花が咲いたよ 中絶の夜 絶食の月 童貞の道 相剋の家 自涜の汚泥にその日を窶せば 憤怒の仮面が笑うというのか 懶惰の墓標に誰かを刻めば 紅蓮の車輪が止まるというのか 情熱とはチンドン屋の悟り 追憶とは破傷風の家出 茱萸の実ひとつ弾けた 獄中の友 中傷の秋 月経の春 相剋の家 あぁ 淡い光 茜のさす森の中 あぁ 貴方の声 我が懐かしの埴生の宿 あぁ 甘い記憶 寄せては返す夢の中 あぁ 数多の恋 我忘れじの慟哭の歌 相剋の家 帰りたい帰りたくない 帰ろかな帰るのよそうかな お前は逃げてるお前は逃げてる お前は逃げてるお前は逃げてる |
芳一受難阿弥陀寺の 丑三つ刻 草木も皆 眠り落ちている 生ぬるい風 怪しい声 狐の火が 乱れ飛んでいる 巧みな調べ弾く お前がほしい 見事な音色出す お前がほしい こっちへ来い 一緒に来い 恐れず来い 迷わず来い 芳一 琵琶の響く 夜の墓場 卒塔婆たちが すすり泣いている 精も根も 尽き果てんと 天を仰ぎ 撥[ばち]をかき鳴らす 優しい顔をした お前がほしい 綺麗な声をした お前がほしい こっちへ来い 一緒に来い 恐れず来い 迷わず来い 芳一 観自在菩薩行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子 色不異空空不異色色即是空空即是色 受想行識亦復如是舎利子是諸法空相 亡霊ども 取り憑かれた 命の灯が 風に揺れている お釈迦様の 般若の経 体中に 墨で敷き詰める あはれを慰める お前がほしい 無念を紛らわす お前がほしい こっちへ来い 一緒に来い 恐れず来い 迷わず来い 芳一 羯諦羯諦波羅羯諦 波羅僧羯諦菩提薩婆訶 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一 | | 阿弥陀寺の 丑三つ刻 草木も皆 眠り落ちている 生ぬるい風 怪しい声 狐の火が 乱れ飛んでいる 巧みな調べ弾く お前がほしい 見事な音色出す お前がほしい こっちへ来い 一緒に来い 恐れず来い 迷わず来い 芳一 琵琶の響く 夜の墓場 卒塔婆たちが すすり泣いている 精も根も 尽き果てんと 天を仰ぎ 撥[ばち]をかき鳴らす 優しい顔をした お前がほしい 綺麗な声をした お前がほしい こっちへ来い 一緒に来い 恐れず来い 迷わず来い 芳一 観自在菩薩行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子 色不異空空不異色色即是空空即是色 受想行識亦復如是舎利子是諸法空相 亡霊ども 取り憑かれた 命の灯が 風に揺れている お釈迦様の 般若の経 体中に 墨で敷き詰める あはれを慰める お前がほしい 無念を紛らわす お前がほしい こっちへ来い 一緒に来い 恐れず来い 迷わず来い 芳一 羯諦羯諦波羅羯諦 波羅僧羯諦菩提薩婆訶 |
ねぷたのもんどりこ頭割られて飛び出す目玉 矢尻【やじり】えぐって潰れる目玉 鴉つついて転がる目玉 土にドロリとこぼれる目玉 空が鳴る 道が沸く 火が踊る じゃわめく血 ねぷたのもんどりこ ヤレヤレヤレヤ ねぷたのもんどりこ ヤレヤレヤレヤ 太刀の一振り跳ねる生首 野辺に串刺し睨む生首 姫が持つ手で喘ぐ生首 犬がくわえて嘆く生首 空が鳴る 道が沸く 火が踊る じゃわめく血 ゆらゆらと ねぷた来る ぞろぞろと ねぷた来る 空が鳴る 道が沸く 火が踊る じゃわめく血 むかでの住処苔むす髑髏 谷を埋めて誘う髑髏 月の光に囁く髑髏 血潮を浴びて悦ぶ髑髏 空が鳴る 道が沸く 火が踊る じゃわめく血 | 人間椅子 | 鈴木研一 | 鈴木研一 | | 頭割られて飛び出す目玉 矢尻【やじり】えぐって潰れる目玉 鴉つついて転がる目玉 土にドロリとこぼれる目玉 空が鳴る 道が沸く 火が踊る じゃわめく血 ねぷたのもんどりこ ヤレヤレヤレヤ ねぷたのもんどりこ ヤレヤレヤレヤ 太刀の一振り跳ねる生首 野辺に串刺し睨む生首 姫が持つ手で喘ぐ生首 犬がくわえて嘆く生首 空が鳴る 道が沸く 火が踊る じゃわめく血 ゆらゆらと ねぷた来る ぞろぞろと ねぷた来る 空が鳴る 道が沸く 火が踊る じゃわめく血 むかでの住処苔むす髑髏 谷を埋めて誘う髑髏 月の光に囁く髑髏 血潮を浴びて悦ぶ髑髏 空が鳴る 道が沸く 火が踊る じゃわめく血 |
命売ります命の歌を聴かせておくれ 哀れな俺の鎮魂歌(レクイエム) 仮面を被り茶番を演じ 明日をも知れぬ世捨て人 世界に愛が満ちてるならば オイラを助けて 何故(なにゆえ)生まれて何故死に逝く 何故愛して何故争う 「命売ります」 バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ 命の意味を教えておくれ 惨めな俺の弔いに 霞を喰らい死骸を抱いて 白けた顔の異邦人 この世に夢がまだあるならば オイラを救って 何故(なにゆえ)生まれて何故死に逝く 何故愛して何故争う 「命売ります」 バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ 命の重さは 羽根より軽いか 山より重いか 命の灯りは 夜より暗いか 火より明るいか 天使の声で歌っておくれ 愚かな俺の餞(はなむけ)に 虚言を吐いて恰好をつけて 無頼の果ての放浪者(バガボンド) 地上を神が創ったならば オイラを諭して 何故生まれて何故死に逝く 何故愛して何故争う 「命売ります」 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 命の歌を聴かせておくれ 哀れな俺の鎮魂歌(レクイエム) 仮面を被り茶番を演じ 明日をも知れぬ世捨て人 世界に愛が満ちてるならば オイラを助けて 何故(なにゆえ)生まれて何故死に逝く 何故愛して何故争う 「命売ります」 バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ 命の意味を教えておくれ 惨めな俺の弔いに 霞を喰らい死骸を抱いて 白けた顔の異邦人 この世に夢がまだあるならば オイラを救って 何故(なにゆえ)生まれて何故死に逝く 何故愛して何故争う 「命売ります」 バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ バラババンバ 命の重さは 羽根より軽いか 山より重いか 命の灯りは 夜より暗いか 火より明るいか 天使の声で歌っておくれ 愚かな俺の餞(はなむけ)に 虚言を吐いて恰好をつけて 無頼の果ての放浪者(バガボンド) 地上を神が創ったならば オイラを諭して 何故生まれて何故死に逝く 何故愛して何故争う 「命売ります」 |
愛の法則黄昏の街に佇んだ 自然と涙が溢れ出た 今日という日には もう再び出遭えない 行き交う人の微笑みは 寂しさをたたえ美しい 家路の先には 愛も孤独もあるだろう 恋に 恋に 恋に落ちたら 泣き濡れる 世界が 泣き濡れる いっそ恋など知らねば 悲しくないものを 初恋の色は淡きもの 重ねる毎(ごと)に深きもの やがては緋色の 熱き血潮がほとばしる 恋人たちの語らいは 色褪せもせずに新しい 嬰児(みどりご)のように 身も心も捧ぐから 一目 一目 一目会いたくて 彷徨う 夜風と 彷徨う いっそあなたを知らねば 切なくないものを 実らぬものが恋なのか 実らないから恋なのか 嵐が 吹き荒れる 心に 吹き荒れる いっそひとりのままなら 苦しくないものを 愛の嵐が 吹き荒れる 愛の嵐が 吹き荒ぶ 愛の炎が 燃え上がる 愛の炎が 燃え盛る 恋に 恋に 恋に落ちたら | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 黄昏の街に佇んだ 自然と涙が溢れ出た 今日という日には もう再び出遭えない 行き交う人の微笑みは 寂しさをたたえ美しい 家路の先には 愛も孤独もあるだろう 恋に 恋に 恋に落ちたら 泣き濡れる 世界が 泣き濡れる いっそ恋など知らねば 悲しくないものを 初恋の色は淡きもの 重ねる毎(ごと)に深きもの やがては緋色の 熱き血潮がほとばしる 恋人たちの語らいは 色褪せもせずに新しい 嬰児(みどりご)のように 身も心も捧ぐから 一目 一目 一目会いたくて 彷徨う 夜風と 彷徨う いっそあなたを知らねば 切なくないものを 実らぬものが恋なのか 実らないから恋なのか 嵐が 吹き荒れる 心に 吹き荒れる いっそひとりのままなら 苦しくないものを 愛の嵐が 吹き荒れる 愛の嵐が 吹き荒ぶ 愛の炎が 燃え上がる 愛の炎が 燃え盛る 恋に 恋に 恋に落ちたら |
羅生門朱雀大路の地平に 諸行無常の陽は落ち はるか艮(うしとら)の母よ 明日我は旅立ちぬ この国は誰(たれ)も鬼の貌(かたち) それから 吹く風も胸を通り抜ける ここは 羅生門 あれは鳥辺山の僧 阿弥陀願い我身焼く 幸せは奪い掴むものか それとも ゆく河に身を任すことか ここは 羅生門 通りゃんせ通りゃんせ あの世とこの世の六道の 通りゃんせ通りゃんせ 帰りは難儀な辻なれど 東の方 青竜昇りて上弦の月なる 西の方 白虎の漲(みなぎ)る血潮を飲み干さん 南の方 朱雀(しゅじゃく)の囀(さえず)り音にも聞け我を 北の方 玄武に跨(またが)り暁(あかつき)へ駆けゆく | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治・鈴木研一 | | 朱雀大路の地平に 諸行無常の陽は落ち はるか艮(うしとら)の母よ 明日我は旅立ちぬ この国は誰(たれ)も鬼の貌(かたち) それから 吹く風も胸を通り抜ける ここは 羅生門 あれは鳥辺山の僧 阿弥陀願い我身焼く 幸せは奪い掴むものか それとも ゆく河に身を任すことか ここは 羅生門 通りゃんせ通りゃんせ あの世とこの世の六道の 通りゃんせ通りゃんせ 帰りは難儀な辻なれど 東の方 青竜昇りて上弦の月なる 西の方 白虎の漲(みなぎ)る血潮を飲み干さん 南の方 朱雀(しゅじゃく)の囀(さえず)り音にも聞け我を 北の方 玄武に跨(またが)り暁(あかつき)へ駆けゆく |
秋の夜長のミステリーコーヒーカップに 眼球がぷかり スプーンですくって 花瓶に生けた まつ毛の長さ まゆ毛の形 どんなんだろう とりとめもなく お喋りひとつ してみたいけど あゝ 口がない モンシロチョウが 夜空を渡る 捕えてみたら 左手だった 白くて細い 名無し指には 指輪もないから 胸にしまった 身の上話し 聞いてほしいけど あゝ 耳がない 恋人になってくれるかな 友だちにならなれるかな 秋の夜の 長い夜の ミステリー 隣の猫が じゃれているのは ペディキュアつけた おしゃまな素足 お化けだったら 足はないから お化けじゃないね 寒いでしょうと 部屋に招いて 抱きしめたいけど あゝ 背(せな)がない 恋人になってくれるかな 友だちにならなれるかな 秋の夜の 長い夜の ミステリー リンゴをむいたら ほっぺが出てきた ブドウの房は 黒髪だった 恋人になってくれるかな 友だちにならなれるかな 秋の夜の 長い夜の ミステリー トゥルルルル… いやまし更ける 秋の夜の 長い夜の ミステリー | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 人間椅子 | | コーヒーカップに 眼球がぷかり スプーンですくって 花瓶に生けた まつ毛の長さ まゆ毛の形 どんなんだろう とりとめもなく お喋りひとつ してみたいけど あゝ 口がない モンシロチョウが 夜空を渡る 捕えてみたら 左手だった 白くて細い 名無し指には 指輪もないから 胸にしまった 身の上話し 聞いてほしいけど あゝ 耳がない 恋人になってくれるかな 友だちにならなれるかな 秋の夜の 長い夜の ミステリー 隣の猫が じゃれているのは ペディキュアつけた おしゃまな素足 お化けだったら 足はないから お化けじゃないね 寒いでしょうと 部屋に招いて 抱きしめたいけど あゝ 背(せな)がない 恋人になってくれるかな 友だちにならなれるかな 秋の夜の 長い夜の ミステリー リンゴをむいたら ほっぺが出てきた ブドウの房は 黒髪だった 恋人になってくれるかな 友だちにならなれるかな 秋の夜の 長い夜の ミステリー トゥルルルル… いやまし更ける 秋の夜の 長い夜の ミステリー |
猫じゃ猫じゃ猫じゃ猫じゃとおっしゃるが 猫は下駄など履きやせぬ 二人水性【みずしょう】の忍び逢い 修羅の果てまでサンサノサ お月さん沈むでないよ 恋の路照らしておくれ 下戸じゃ下戸じゃとおっしゃるが 下戸は銚子で飲みやせぬ 三味の調子で探り合い 差しつ差されつヨイヤサカ お月さん沈むでないよ 恋の路照らしておくれ 明けの烏 鳴くのはおよし 夢の刻【とき】が 醒めるというに デコじゃデコじゃとおっしゃるが デコで豆腐は断ちやせぬ 風邪の熱なら下がりょうが 想いは冷めぬションガイナ お月さん沈むでないよ 恋の路照らしておくれ さよう この世が苦しみなれば しよう 恋を こちゃえ こちゃえ さよう あの世が安らぎなれば みよう 夢を こちゃえ こちゃえ | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一 | | 猫じゃ猫じゃとおっしゃるが 猫は下駄など履きやせぬ 二人水性【みずしょう】の忍び逢い 修羅の果てまでサンサノサ お月さん沈むでないよ 恋の路照らしておくれ 下戸じゃ下戸じゃとおっしゃるが 下戸は銚子で飲みやせぬ 三味の調子で探り合い 差しつ差されつヨイヤサカ お月さん沈むでないよ 恋の路照らしておくれ 明けの烏 鳴くのはおよし 夢の刻【とき】が 醒めるというに デコじゃデコじゃとおっしゃるが デコで豆腐は断ちやせぬ 風邪の熱なら下がりょうが 想いは冷めぬションガイナ お月さん沈むでないよ 恋の路照らしておくれ さよう この世が苦しみなれば しよう 恋を こちゃえ こちゃえ さよう あの世が安らぎなれば みよう 夢を こちゃえ こちゃえ |
此岸御詠歌果たしてここはどこなのか 果たしてそこはどこなのか どこでもあり どこでもない ここにもあり そこにもある あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ Om | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 果たしてここはどこなのか 果たしてそこはどこなのか どこでもあり どこでもない ここにもあり そこにもある あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ あぁ Om |
杜子春お父さん 黄泉路の国でお達者でしょうか お母さん その後お体変わらずいますか 杜子春は辛いのです この世が暗いのです すべてがあべこべです 嘘が真(まこと) 真が嘘 杜子春 杜子春 杜子春 呼ばう心の声が 杜子春 杜子春 杜子春 諭す心の声が 道は己で選べと お父さん 常世の国は住みよいでしょうか お母さん 季節折々ご自愛ください 杜子春は怖いのです 病が止まぬのです 災いが消えぬのです 生きるも地獄 死ぬるも地獄 杜子春 杜子春 杜子春 呼ばう心の声が 杜子春 杜子春 杜子春 諭す心の声が 道は己で進めと 空を舞う 鳥たちの 健やかさ 野を駆ける 獣らの 朗らかさ なぜに 我々は迷うのでしょう お父さん いずれそちらに伺いますので お母さん お顔拝めずお許しください 杜子春は寒いのです 世界が冬なのです 争いが絶えぬのです 顔は菩薩 腹は阿修羅 杜子春 杜子春 杜子春 呼ばう心の声が 杜子春 杜子春 杜子春 諭す心の声が 道は己で掴(つか)めと | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | お父さん 黄泉路の国でお達者でしょうか お母さん その後お体変わらずいますか 杜子春は辛いのです この世が暗いのです すべてがあべこべです 嘘が真(まこと) 真が嘘 杜子春 杜子春 杜子春 呼ばう心の声が 杜子春 杜子春 杜子春 諭す心の声が 道は己で選べと お父さん 常世の国は住みよいでしょうか お母さん 季節折々ご自愛ください 杜子春は怖いのです 病が止まぬのです 災いが消えぬのです 生きるも地獄 死ぬるも地獄 杜子春 杜子春 杜子春 呼ばう心の声が 杜子春 杜子春 杜子春 諭す心の声が 道は己で進めと 空を舞う 鳥たちの 健やかさ 野を駆ける 獣らの 朗らかさ なぜに 我々は迷うのでしょう お父さん いずれそちらに伺いますので お母さん お顔拝めずお許しください 杜子春は寒いのです 世界が冬なのです 争いが絶えぬのです 顔は菩薩 腹は阿修羅 杜子春 杜子春 杜子春 呼ばう心の声が 杜子春 杜子春 杜子春 諭す心の声が 道は己で掴(つか)めと |
ダイナマイトダイナマイトを知ってるかい とっても楽しい権利物 「3」で当たれば小当たり 「7」で当たれば大当たり!! 2連チャン 3連チャン 4連チャン 5連チャン 6連チャン 7連チャン 8連チャン 9連チャン ダイナマイトが大当たり やればできるんだ君だって 単発のまれて終わりです 俺の頭はダイナマイト!! 2連チャン 3連チャン 4連チャン 5連チャン 6連チャン 7連チャン 8連チャン 9連チャン ダイナマイトをやるために 免許証質入れ金借りた 今じゃ無免許無一文 それでもやりますダイナマイト!! 2連チャン 3連チャン 4連チャン 5連チャン 6連チャン 7連チャン 8連チャン 9連チャン 10連チャン 11連チャン 12連チャン 13連チャン | 人間椅子 | 鈴木研一 | 鈴木研一 | | ダイナマイトを知ってるかい とっても楽しい権利物 「3」で当たれば小当たり 「7」で当たれば大当たり!! 2連チャン 3連チャン 4連チャン 5連チャン 6連チャン 7連チャン 8連チャン 9連チャン ダイナマイトが大当たり やればできるんだ君だって 単発のまれて終わりです 俺の頭はダイナマイト!! 2連チャン 3連チャン 4連チャン 5連チャン 6連チャン 7連チャン 8連チャン 9連チャン ダイナマイトをやるために 免許証質入れ金借りた 今じゃ無免許無一文 それでもやりますダイナマイト!! 2連チャン 3連チャン 4連チャン 5連チャン 6連チャン 7連チャン 8連チャン 9連チャン 10連チャン 11連チャン 12連チャン 13連チャン |
地獄のロックバンドギターは鎌 亡者を呵責の刻み ベースは斧 頭蓋を非情の破壊 ドラムは鎚 残滓を狂気の乱打 歌は裁く稲妻 冷徹の火 断罪 地獄のロックバンド 冥界のロックバンド ギターは鎌 ざく切り 悲痛の叫び ベースは斧 ぶつ切り 苦痛の唸り ドラムは鎚 こま切れ 恨みの呻き 歌は責める稲妻 逆鱗の火 雷鳴 地獄のロックバンド 冥界のロックバンド 悲しめ 怯えろ 苦しめ 悶えろ 吹け吹け 火の風 降れ降れ 血の雨 ギターは鎌 狡猾 いびる死神 ベースは斧 残忍 なぶる青鬼 ドラムは鎚 強暴 がぶる赤鬼 歌は襲う稲妻 業火の海 灰燼(かいじん) 地獄のロックバンド いびるギター なぶるベース がぶるドラム 冥界のロックバンド | 人間椅子 | 鈴木研一 | 鈴木研一 | | ギターは鎌 亡者を呵責の刻み ベースは斧 頭蓋を非情の破壊 ドラムは鎚 残滓を狂気の乱打 歌は裁く稲妻 冷徹の火 断罪 地獄のロックバンド 冥界のロックバンド ギターは鎌 ざく切り 悲痛の叫び ベースは斧 ぶつ切り 苦痛の唸り ドラムは鎚 こま切れ 恨みの呻き 歌は責める稲妻 逆鱗の火 雷鳴 地獄のロックバンド 冥界のロックバンド 悲しめ 怯えろ 苦しめ 悶えろ 吹け吹け 火の風 降れ降れ 血の雨 ギターは鎌 狡猾 いびる死神 ベースは斧 残忍 なぶる青鬼 ドラムは鎚 強暴 がぶる赤鬼 歌は襲う稲妻 業火の海 灰燼(かいじん) 地獄のロックバンド いびるギター なぶるベース がぶるドラム 冥界のロックバンド |
無限の住人 武闘編懊(おう) 懊 懊 懊 懊 懊 懊 懊 斬(ざん)ッ 金坐金坐金坐斬(ざざざん)ッ 蛮(ばん)ッ 罵罵蛮(ばばばん)ッ 斬って斬って斬っても 刀剣(つるぎ)薙刀 断(だん)ッ 打打断(だだだん)ッ 岩(がん)ッ 峨峨岩(がががん)ッ 屠って屠って屠っても 刺客剣士剣客 いつまで闘う 己が罪の果つまで どこまで血を見る 人の恨み消ゆまで 愛を抱きしめて 背を震わせて 今日も刃抜く それが 無限の住人 懊(おう) 懊 懊 懊 懊 懊 懊 懊 惨(ざん)ッ 挫挫惨(ざざざん)ッ 挽(ばん)ッ 馬馬挽(ばばばん)ッ 突いて突いて突いても 血潮血反吐血飛沫(ちしぶき) 弾(だん)ッ 陀陀弾(だだだん)ッ 頑(がん)ッ 牙牙頑(がががん)ッ 払って払って払っても 骸(むくろ)髑髏(どくろ)屍(しかばね) いつまで争う 己が業を絶つまで どこまで身を切る 人の無念晴るまで 愛を胸に秘め 肩をそびやかし 明日も刃抜く それが 無限の住人 手足をもがれても 胴体ちぎれても 阿修羅が誘う 戦いの火蓋 鏨(ざん)ッ 嵯嵯鏨(ざざざん)ッ 卍(ばん)ッ 魔魔卍(ばばばん)ッ 刺して刺して刺しても 遺恨怨嗟怨念 壇(だん)ッ 堕堕壇(だだだん)ッ 巌(がん)ッ 瓦瓦巌(がががん)ッ 倒して倒して倒しても 嗚咽悲鳴絶叫 いつまで諍(いさか)う 己が命あるまで どこまで見送る 人に涙あるまで 愛を噛みしめて 時を踏みしめて 月に刃抜く それが 無限の住人 懊(おう) 懊 懊 懊 懊 懊 懊 懊 懊 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 懊(おう) 懊 懊 懊 懊 懊 懊 懊 斬(ざん)ッ 金坐金坐金坐斬(ざざざん)ッ 蛮(ばん)ッ 罵罵蛮(ばばばん)ッ 斬って斬って斬っても 刀剣(つるぎ)薙刀 断(だん)ッ 打打断(だだだん)ッ 岩(がん)ッ 峨峨岩(がががん)ッ 屠って屠って屠っても 刺客剣士剣客 いつまで闘う 己が罪の果つまで どこまで血を見る 人の恨み消ゆまで 愛を抱きしめて 背を震わせて 今日も刃抜く それが 無限の住人 懊(おう) 懊 懊 懊 懊 懊 懊 懊 惨(ざん)ッ 挫挫惨(ざざざん)ッ 挽(ばん)ッ 馬馬挽(ばばばん)ッ 突いて突いて突いても 血潮血反吐血飛沫(ちしぶき) 弾(だん)ッ 陀陀弾(だだだん)ッ 頑(がん)ッ 牙牙頑(がががん)ッ 払って払って払っても 骸(むくろ)髑髏(どくろ)屍(しかばね) いつまで争う 己が業を絶つまで どこまで身を切る 人の無念晴るまで 愛を胸に秘め 肩をそびやかし 明日も刃抜く それが 無限の住人 手足をもがれても 胴体ちぎれても 阿修羅が誘う 戦いの火蓋 鏨(ざん)ッ 嵯嵯鏨(ざざざん)ッ 卍(ばん)ッ 魔魔卍(ばばばん)ッ 刺して刺して刺しても 遺恨怨嗟怨念 壇(だん)ッ 堕堕壇(だだだん)ッ 巌(がん)ッ 瓦瓦巌(がががん)ッ 倒して倒して倒しても 嗚咽悲鳴絶叫 いつまで諍(いさか)う 己が命あるまで どこまで見送る 人に涙あるまで 愛を噛みしめて 時を踏みしめて 月に刃抜く それが 無限の住人 懊(おう) 懊 懊 懊 懊 懊 懊 懊 懊 |
人面瘡吉原もいつしか小夜(さよ)ふけて 戦慄の笛竹むせび泣く 菖蒲(あやめ)太夫に岡惚れ徒(あだ)情け ××〔こつじき〕男(を)の子(こ)の無念の調べかな 不忍の池には身投げせし 男の子の生首笑うとか 魂魄残りて菖蒲の恨めしや 女陰(みほと)の爛(ただ)れてあの世と舌を出す だらだらどろどろ血みどろ人面瘡 だらだらどろどろ血みどろ人面瘡 横浜の波止場はぬばたまの 黒船が闇夜に消え失せる 洋妾(ラシャメン)お駒の首吊る床の間は メリケン憎しと散りぬる女郎花(おみなえし) だらだらどろどろ血みどろ人面瘡 だらだらどろどろ血みどろ人面瘡 愛して 憎んで 恨んだ果てに 呪って 叫んで 狂って生える 七色の人面瘡 闇に咲く人面瘡 口から 鼻から 血膿を吐いて 乳から 臍(へそ)から 笑って生える 七色の人面瘡 闇に咲く人面瘡 七色の人面瘡 闇に咲く人面瘡 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 吉原もいつしか小夜(さよ)ふけて 戦慄の笛竹むせび泣く 菖蒲(あやめ)太夫に岡惚れ徒(あだ)情け ××〔こつじき〕男(を)の子(こ)の無念の調べかな 不忍の池には身投げせし 男の子の生首笑うとか 魂魄残りて菖蒲の恨めしや 女陰(みほと)の爛(ただ)れてあの世と舌を出す だらだらどろどろ血みどろ人面瘡 だらだらどろどろ血みどろ人面瘡 横浜の波止場はぬばたまの 黒船が闇夜に消え失せる 洋妾(ラシャメン)お駒の首吊る床の間は メリケン憎しと散りぬる女郎花(おみなえし) だらだらどろどろ血みどろ人面瘡 だらだらどろどろ血みどろ人面瘡 愛して 憎んで 恨んだ果てに 呪って 叫んで 狂って生える 七色の人面瘡 闇に咲く人面瘡 口から 鼻から 血膿を吐いて 乳から 臍(へそ)から 笑って生える 七色の人面瘡 闇に咲く人面瘡 七色の人面瘡 闇に咲く人面瘡 |
泣げば山がらもっこ来るおらは山出し田舎者(いながもん)だ 字だって知らねじゃ だども話コしかせでやる 一つ聞いでけ 山さカラスが帰るのだば おめも分がるべ 人も夜には寝ねばまいね 寝ねんでいれば 山がらもっこ来るぞ 起ぎでばりいで 泣いでばしだば 逃げるがってもだめだ おめどそっくりの 顔したやづ来る やづの正体分がんねけど まんずおっかね 屋敷入へられだどごろは皆 潰れでまたじゃ いづもいいごどしてる家(え)さは もっこは行がね 悪の薫(かま)りコ好ぎだんだべ おめもそんだのが 山がらもっこ来るぞ 起ぎでばりいで 泣いでばしだば 逃げるがってもだめだ おめどそっくりの 顔したやづ来る 人さ泥んこぶつけでみろ 手ハァ泥だらけ 人さ笑って喋ってみろ 笑みコ返るっきゃ おめのなすごど黙ってでも おめさ来るはんで そせば話コとっちぱれだ そろそろ寝ねば 山がらもっこ来るぞ 起ぎでばりいで 泣いでばしだば 逃げるがってもだめだ おめどそっくりの 顔したやづ来る 泣げば山がらもっこ来る 寝ねば山がらもっこ来る おめの顔したもっこ来る おめの振りしたもっこ来る 泣げば山がらもっこ来る 寝ねば山がらもっこ来る おめの顔したもっこ来る おめの振りしたもっこ来る 泣ぐな | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一 | | おらは山出し田舎者(いながもん)だ 字だって知らねじゃ だども話コしかせでやる 一つ聞いでけ 山さカラスが帰るのだば おめも分がるべ 人も夜には寝ねばまいね 寝ねんでいれば 山がらもっこ来るぞ 起ぎでばりいで 泣いでばしだば 逃げるがってもだめだ おめどそっくりの 顔したやづ来る やづの正体分がんねけど まんずおっかね 屋敷入へられだどごろは皆 潰れでまたじゃ いづもいいごどしてる家(え)さは もっこは行がね 悪の薫(かま)りコ好ぎだんだべ おめもそんだのが 山がらもっこ来るぞ 起ぎでばりいで 泣いでばしだば 逃げるがってもだめだ おめどそっくりの 顔したやづ来る 人さ泥んこぶつけでみろ 手ハァ泥だらけ 人さ笑って喋ってみろ 笑みコ返るっきゃ おめのなすごど黙ってでも おめさ来るはんで そせば話コとっちぱれだ そろそろ寝ねば 山がらもっこ来るぞ 起ぎでばりいで 泣いでばしだば 逃げるがってもだめだ おめどそっくりの 顔したやづ来る 泣げば山がらもっこ来る 寝ねば山がらもっこ来る おめの顔したもっこ来る おめの振りしたもっこ来る 泣げば山がらもっこ来る 寝ねば山がらもっこ来る おめの顔したもっこ来る おめの振りしたもっこ来る 泣ぐな |
ミス・アンドロイド未開の森に守られ 静かに眠る美少女 有史以前の科学の 粋を集めたロボット まだ 目が覚めない なぜ 目を開けない もし 目が覚めたら その 目は何見る 愛情を与えねば 魂を授けねば 起き上がれない 愛情が灯るまで 魂を宿すまで ミス・アンドロイド ミイラの下僕(しもべ)従え 石の棺で夢見る 人の歴史の興亡 宇宙の果ての盛衰 まだ 目が覚めない なぜ 目を開けない もし 口開いたら その 声何言う 愛情を与えねば 魂を授けねば 起き上がれない 愛情が灯るまで 魂を宿すまで ミス・アンドロイド フランケンシュタインでも 赤い唇奪えない 考古学者の論理は お髪(ぐし)ひとつも解けない まだ 目が覚めない なぜ 目を開けない もし 手が動けば その 指何指す 愛情を与えねば 魂を授けねば 起き上がれない 愛情が灯るまで 魂を宿すまで ミス・アンドロイド | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一 | 人間椅子 | 未開の森に守られ 静かに眠る美少女 有史以前の科学の 粋を集めたロボット まだ 目が覚めない なぜ 目を開けない もし 目が覚めたら その 目は何見る 愛情を与えねば 魂を授けねば 起き上がれない 愛情が灯るまで 魂を宿すまで ミス・アンドロイド ミイラの下僕(しもべ)従え 石の棺で夢見る 人の歴史の興亡 宇宙の果ての盛衰 まだ 目が覚めない なぜ 目を開けない もし 口開いたら その 声何言う 愛情を与えねば 魂を授けねば 起き上がれない 愛情が灯るまで 魂を宿すまで ミス・アンドロイド フランケンシュタインでも 赤い唇奪えない 考古学者の論理は お髪(ぐし)ひとつも解けない まだ 目が覚めない なぜ 目を開けない もし 手が動けば その 指何指す 愛情を与えねば 魂を授けねば 起き上がれない 愛情が灯るまで 魂を宿すまで ミス・アンドロイド |
阿呆陀羅経炎がメラメラ 心はカラカラ 頭はグラグラ 体はフラフラ 六根清浄(ろっこんしょうじょう)針の山 修羅の道行く一人旅 にっちもさっちもいかない 煩悩 愛とはトキメキ 然してオウノウ 咲いてはシュウネン 散ってはオンネン 五蘊皆空(ごうんかいくう)秋の空 鳩摩(くま)の羅什(らじゅう)も泣いちっち あっちもそっちもこっちも 煩悩 羯諦(ぎゃてい) 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 桜がヒラヒラ 命がハラハラ 今宵もツレヅレ 思いはウタカタ 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)除夜の鐘 五百羅漢の笛太鼓 いつまでたっても消えない 煩悩 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 炎がメラメラ 心はカラカラ 頭はグラグラ 体はフラフラ 六根清浄(ろっこんしょうじょう)針の山 修羅の道行く一人旅 にっちもさっちもいかない 煩悩 愛とはトキメキ 然してオウノウ 咲いてはシュウネン 散ってはオンネン 五蘊皆空(ごうんかいくう)秋の空 鳩摩(くま)の羅什(らじゅう)も泣いちっち あっちもそっちもこっちも 煩悩 羯諦(ぎゃてい) 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 羯諦 桜がヒラヒラ 命がハラハラ 今宵もツレヅレ 思いはウタカタ 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)除夜の鐘 五百羅漢の笛太鼓 いつまでたっても消えない 煩悩 |
恐怖の大王黙示録の時代 ラッパが鳴り響く 世界のおしまいが 近付いた 眠れる荒神が 時の静寂破り 馬頭星雲から 目を覚ます 宇宙の仕組みに 逆らうものども 神代の時代に 還してやるのぞ 生命の意味を悟るのじゃ 心の奥を覗くのじゃ 生命に明かり灯すのじゃ 心に光戻すのじゃ 恐怖の大王 永遠に幸あれ 恐怖の大王 永遠に栄えあれ ダニエル エゼキエル ノストラダムスまで 預言された時が やって来た 荒ぶる凶星が 闇の呪縛解き 北斗七星から まろび出す 浮世の栄華に 驕れるものども 原初の地平に 戻してやるのぞ 怒りの杖を下すのじゃ 涙の雨を降らすのじゃ 怒りの慈悲で叩くのじゃ 涙の愛で包むのじゃ 恐怖の大王 永遠に幸あれ 恐怖の大王 永遠に栄えあれ 衆生を救うため この世を正すため 恐怖の大王[おおきみ]は 訪れる 猛々しい貌[かお]で 試練を伴って オリオンの果てから 現れる 自然の理[ことわり] 抗うものども 太古の常世に 直してやるのぞ 地上に楽土造るのじゃ 仏の国を建てるのじゃ 地上に夢を結ぶのじゃ 仏の花を咲かすのじゃ 恐怖の大王 永遠に幸あれ 恐怖の大王 永遠に栄えあれ | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 黙示録の時代 ラッパが鳴り響く 世界のおしまいが 近付いた 眠れる荒神が 時の静寂破り 馬頭星雲から 目を覚ます 宇宙の仕組みに 逆らうものども 神代の時代に 還してやるのぞ 生命の意味を悟るのじゃ 心の奥を覗くのじゃ 生命に明かり灯すのじゃ 心に光戻すのじゃ 恐怖の大王 永遠に幸あれ 恐怖の大王 永遠に栄えあれ ダニエル エゼキエル ノストラダムスまで 預言された時が やって来た 荒ぶる凶星が 闇の呪縛解き 北斗七星から まろび出す 浮世の栄華に 驕れるものども 原初の地平に 戻してやるのぞ 怒りの杖を下すのじゃ 涙の雨を降らすのじゃ 怒りの慈悲で叩くのじゃ 涙の愛で包むのじゃ 恐怖の大王 永遠に幸あれ 恐怖の大王 永遠に栄えあれ 衆生を救うため この世を正すため 恐怖の大王[おおきみ]は 訪れる 猛々しい貌[かお]で 試練を伴って オリオンの果てから 現れる 自然の理[ことわり] 抗うものども 太古の常世に 直してやるのぞ 地上に楽土造るのじゃ 仏の国を建てるのじゃ 地上に夢を結ぶのじゃ 仏の花を咲かすのじゃ 恐怖の大王 永遠に幸あれ 恐怖の大王 永遠に栄えあれ |
虚無の声地下室を出てみよう 世の中を見てみよう まっさらに 信じられないけど 僕たちの世界は幻 色即是空(しきそくぜくう) 色付きの眼鏡で 逆様に覗いたモザイク 空即是色(くうそくぜしき) 隙間だらけに浮かぶ 空 欠伸しながら寄せる 海 そして気付く 虚無のゆえに 愛おしい 世界が終わる この世が消える 虚空に響く 虚無の声 恋人の腕(かいな)の 温もりは一夜(ひとよ)の浮橋 色不異空(しきふいくう) ありふれた月日が 灰色の景色で遠のく 空不異色(くうふいしき) 砂塵まみれに霞む 街 月の光に滲む 夜 やがて分かる 空(くう)のゆえに 美しい 世界が終わる この世が消える 虚空に響く 虚無の声 色即是空 空即是色 生きるために生きる 僕たちは無常の嬰児(みどりご) 五蘊皆空(ごうんかいくう) 苦しみも涙も 過ぎ行く雨風と托生 諸法空相(しょほうくうそう) すべて 愛おしい 世界が終わる この世が消える 虚空に響く 虚無の声 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 地下室を出てみよう 世の中を見てみよう まっさらに 信じられないけど 僕たちの世界は幻 色即是空(しきそくぜくう) 色付きの眼鏡で 逆様に覗いたモザイク 空即是色(くうそくぜしき) 隙間だらけに浮かぶ 空 欠伸しながら寄せる 海 そして気付く 虚無のゆえに 愛おしい 世界が終わる この世が消える 虚空に響く 虚無の声 恋人の腕(かいな)の 温もりは一夜(ひとよ)の浮橋 色不異空(しきふいくう) ありふれた月日が 灰色の景色で遠のく 空不異色(くうふいしき) 砂塵まみれに霞む 街 月の光に滲む 夜 やがて分かる 空(くう)のゆえに 美しい 世界が終わる この世が消える 虚空に響く 虚無の声 色即是空 空即是色 生きるために生きる 僕たちは無常の嬰児(みどりご) 五蘊皆空(ごうんかいくう) 苦しみも涙も 過ぎ行く雨風と托生 諸法空相(しょほうくうそう) すべて 愛おしい 世界が終わる この世が消える 虚空に響く 虚無の声 |
深淵天をつんざき稲妻が降ってくる 眠ったままの魂を醒ますため 光の腕は心臓をわし掴み 容赦などせず滝壺(たきつぼ)へ投げ入れる 落ちてゆく落ちてゆく 戦慄へ 降りてゆく降りてゆく 戦慄へ 落ちてゆく落ちてゆく 深淵へ 降りてゆく降りてゆく 深淵へ 苦悩と名乗る御使いが待っている お前はいつも孤独のみ友とした 悩んだ深さ苦しみの重さだけ 底の知れない断崖を覗けよう 落ちてゆく落ちてゆく 戦慄へ 降りてゆく降りてゆく 戦慄へ 落ちてゆく落ちてゆく 深淵へ 降りてゆく降りてゆく 深淵へ 真っ暗闇を 手探りまさぐり こわごわ進む 曲がりくねり 洞穴(ほらあな)そこらに 木霊が返る なんて静かな世界だ なんて大きな世界だ 岩の壁の あちこちそちこち 偉大な教え 大回廊 果てなく連なる 古代の叡智 なんて美しい景色だ なんて懐かしい景色だ あゝ 私が 生きているのは 喜びのため あゝ 私が 喜びあるのは 苦しさのゆえに あゝ 私が 生きているのは 喜びのため あゝ 私が 喜びあるのは 苦しさのゆえ あゝ 私が 泣いているのは 幸せのため あゝ 私が 幸せにあるのは 苦しみのゆえに 空の青さは生命を愛でている 世界はけして解体をしてはない 喜び咽(むせ)ぶ官能が続くまで 私はさらに苦しみを求めよう 落ちてゆく落ちてゆく 戦慄へ 降りてゆく降りてゆく 戦慄へ 落ちてゆく落ちてゆく 深淵へ 降りてゆく降りてゆく 深淵へ | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 天をつんざき稲妻が降ってくる 眠ったままの魂を醒ますため 光の腕は心臓をわし掴み 容赦などせず滝壺(たきつぼ)へ投げ入れる 落ちてゆく落ちてゆく 戦慄へ 降りてゆく降りてゆく 戦慄へ 落ちてゆく落ちてゆく 深淵へ 降りてゆく降りてゆく 深淵へ 苦悩と名乗る御使いが待っている お前はいつも孤独のみ友とした 悩んだ深さ苦しみの重さだけ 底の知れない断崖を覗けよう 落ちてゆく落ちてゆく 戦慄へ 降りてゆく降りてゆく 戦慄へ 落ちてゆく落ちてゆく 深淵へ 降りてゆく降りてゆく 深淵へ 真っ暗闇を 手探りまさぐり こわごわ進む 曲がりくねり 洞穴(ほらあな)そこらに 木霊が返る なんて静かな世界だ なんて大きな世界だ 岩の壁の あちこちそちこち 偉大な教え 大回廊 果てなく連なる 古代の叡智 なんて美しい景色だ なんて懐かしい景色だ あゝ 私が 生きているのは 喜びのため あゝ 私が 喜びあるのは 苦しさのゆえに あゝ 私が 生きているのは 喜びのため あゝ 私が 喜びあるのは 苦しさのゆえ あゝ 私が 泣いているのは 幸せのため あゝ 私が 幸せにあるのは 苦しみのゆえに 空の青さは生命を愛でている 世界はけして解体をしてはない 喜び咽(むせ)ぶ官能が続くまで 私はさらに苦しみを求めよう 落ちてゆく落ちてゆく 戦慄へ 降りてゆく降りてゆく 戦慄へ 落ちてゆく落ちてゆく 深淵へ 降りてゆく降りてゆく 深淵へ |
冥土喫茶陰鬱な静寂 人魂の灯 骸骨の杯 無念の乾杯 しゃがれた声が呟く ようこそ冥土喫茶へ 黄泉の国のすぐそこ 三途の川のすぐ横 あの世着いたらすぐにおいでよ 陰惨な曼陀羅 梵字の品書き 大王お墨付 奪衣婆の料理 女給さん白装束で 死化粧して死臭ふりまく 黄泉の国のすぐそこ 三途の川のすぐ横 あの世着いたらすぐにおいでよ 陰湿な音楽 囚われの楽団 短調の連続 絶望の調べ 忌まわしい和音虚しく 終わりのない闇に沈む 黄泉の国のすぐそこ 三途の川のすぐ横 あの世着いたらすぐにおいでよ | 人間椅子 | 鈴木研一 | 鈴木研一 | | 陰鬱な静寂 人魂の灯 骸骨の杯 無念の乾杯 しゃがれた声が呟く ようこそ冥土喫茶へ 黄泉の国のすぐそこ 三途の川のすぐ横 あの世着いたらすぐにおいでよ 陰惨な曼陀羅 梵字の品書き 大王お墨付 奪衣婆の料理 女給さん白装束で 死化粧して死臭ふりまく 黄泉の国のすぐそこ 三途の川のすぐ横 あの世着いたらすぐにおいでよ 陰湿な音楽 囚われの楽団 短調の連続 絶望の調べ 忌まわしい和音虚しく 終わりのない闇に沈む 黄泉の国のすぐそこ 三途の川のすぐ横 あの世着いたらすぐにおいでよ |
品川心中飯盛(めしもり)の宿品川の 朝は衣々(きぬぎぬ) 山は富士 ええこちゃエー ええこちゃエー お染太夫の巻き紙の 添います主(ぬし)とあらかしこ 有り難や 有り難や 年季(ねん)が明けたらご新造に 夫婦善哉 デデレコデン 芝の本屋の金蔵は 身上軽けりゃ身も軽い ええこちゃエー ええこちゃエー 沖つ白波見目に皺(しわ) 回る金子(きんす)もお茶を挽く 往生や 往生や 生きて浮き名が立つじゃなし おその六三か ナンマイダ 春の海に小舟がぷかり 人は生まるる時はひとり 手に手 取り合うならばふたり さあ 海へ 海へ 参りまほう 西の空に奴凧(やっこ)がふわり 人は死にゆく時もひとり 目と目 互いに瞑(つぶ)るふたり さあ 海へ 海へ 入りまほう 目出度目出度の白無垢は 死出の旅路の左前 堪忍や 堪忍や 世帯持ちたやあの世でも 蓮の台(うてな)で トテリンシャン | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | 人間椅子 | 飯盛(めしもり)の宿品川の 朝は衣々(きぬぎぬ) 山は富士 ええこちゃエー ええこちゃエー お染太夫の巻き紙の 添います主(ぬし)とあらかしこ 有り難や 有り難や 年季(ねん)が明けたらご新造に 夫婦善哉 デデレコデン 芝の本屋の金蔵は 身上軽けりゃ身も軽い ええこちゃエー ええこちゃエー 沖つ白波見目に皺(しわ) 回る金子(きんす)もお茶を挽く 往生や 往生や 生きて浮き名が立つじゃなし おその六三か ナンマイダ 春の海に小舟がぷかり 人は生まるる時はひとり 手に手 取り合うならばふたり さあ 海へ 海へ 参りまほう 西の空に奴凧(やっこ)がふわり 人は死にゆく時もひとり 目と目 互いに瞑(つぶ)るふたり さあ 海へ 海へ 入りまほう 目出度目出度の白無垢は 死出の旅路の左前 堪忍や 堪忍や 世帯持ちたやあの世でも 蓮の台(うてな)で トテリンシャン |
宇宙からの色悍(おぞ)ましいほどの時空を閲(けみ)し 宇宙の果てから 忌まわしいまでの気配に満ちて 暗愚は訪(おとな)う 輪廻を抜けて 次元を越えて 恐怖を撒き散らす フォトンベルト乗って 地球を搦(から)め取る アセンション嘯(うそぶ)き 堕落を仄(ほの)めかす チャネリング装い 禁忌を 唆(そそのか)す テレパシー囁き 宇宙からの色 黄泉からの色 狂おしいほどの光芒放ち 破壊を嗜(たしな)む 呪わしいまでの冷気を湛(たた)え 血肉を貪る 倫理の外で 狂気の淵で 科学を嘲嗤う ワームホール潜り 希望を打ちのめす ダークマターすす啜り 病を蔓延(はびこ)らす オールトの雲から 死霊を呼び寄せる カイパーベルトから 宇宙からの色 黄泉からの色 形なき 代物 名前なき 化け物 黄泉 闇 黄泉 闇 姿なき 禍(わざわい) 救いなき 存在 黄泉 闇 黄泉 闇 邪悪を解き放つ ホロスコープ廻し 虚空を知ろし食(め)す スペクトル操り 銀河を弄(もてあそ)ぶ タキオンの海から 悪夢を差し招く ゲヘナの彼方から 宇宙からの色 黄泉からの色 宇宙からの色 闇からの色 宇宙からの色 黄泉からの色 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | 人間椅子 | 悍(おぞ)ましいほどの時空を閲(けみ)し 宇宙の果てから 忌まわしいまでの気配に満ちて 暗愚は訪(おとな)う 輪廻を抜けて 次元を越えて 恐怖を撒き散らす フォトンベルト乗って 地球を搦(から)め取る アセンション嘯(うそぶ)き 堕落を仄(ほの)めかす チャネリング装い 禁忌を 唆(そそのか)す テレパシー囁き 宇宙からの色 黄泉からの色 狂おしいほどの光芒放ち 破壊を嗜(たしな)む 呪わしいまでの冷気を湛(たた)え 血肉を貪る 倫理の外で 狂気の淵で 科学を嘲嗤う ワームホール潜り 希望を打ちのめす ダークマターすす啜り 病を蔓延(はびこ)らす オールトの雲から 死霊を呼び寄せる カイパーベルトから 宇宙からの色 黄泉からの色 形なき 代物 名前なき 化け物 黄泉 闇 黄泉 闇 姿なき 禍(わざわい) 救いなき 存在 黄泉 闇 黄泉 闇 邪悪を解き放つ ホロスコープ廻し 虚空を知ろし食(め)す スペクトル操り 銀河を弄(もてあそ)ぶ タキオンの海から 悪夢を差し招く ゲヘナの彼方から 宇宙からの色 黄泉からの色 宇宙からの色 闇からの色 宇宙からの色 黄泉からの色 |
なまはげ最果ての土地に 粉雪が舞えば 因習の村は 祝祭の季節 伝説の時を 幾年(いくとせ)も越えて 戒めのために 客人(まれびと)は来たる 山より重い 人の罪 海より深い 人の業 なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが ざんばらの髪と わらしべの羽織 赤色(せきしょく)の顔に 憤怒だけが灯る 迷妄で惑う 輩(ともがら)を憂い 発願(ほつがん)の元に 鬼神(おにがみ)となれる 夜より暗い 人の性(さが) 火よりも熱い 人の欲 なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが 厳しさ それが愛じゃ 激しさ それが慈悲じゃ 手心 それが毒じゃ なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | 人間椅子 | 最果ての土地に 粉雪が舞えば 因習の村は 祝祭の季節 伝説の時を 幾年(いくとせ)も越えて 戒めのために 客人(まれびと)は来たる 山より重い 人の罪 海より深い 人の業 なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが ざんばらの髪と わらしべの羽織 赤色(せきしょく)の顔に 憤怒だけが灯る 迷妄で惑う 輩(ともがら)を憂い 発願(ほつがん)の元に 鬼神(おにがみ)となれる 夜より暗い 人の性(さが) 火よりも熱い 人の欲 なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが 厳しさ それが愛じゃ 激しさ それが慈悲じゃ 手心 それが毒じゃ なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが なまげものは いねが 泣いでるわらしは いねが |
芋虫ひねもす隠れ ひねもす食らう 何も判らず 何も遺さず 何も…何も… 俺は芋虫 貪るだけの 俺は芋虫 肥えてゆくだけの 闇に蠢めき 闇に悶える 何も得られず 何も叶わず 何も…何も… 俺は芋虫 醜いだけの 俺は芋虫 卑しいだけの 俺は芋虫 嫌らしいだけの ああ ずるずると血膿のぬめる肉塊 ああ どろどろとはらわた腐る肉塊 ああ 朽ちてゆく 朽ちてゆく 朽ちてゆく ああ ぐつぐつと煮えくり返る肉欲 ああ どろどろと虚しくよどむ肉欲 ああ 堕ちてゆく 堕ちてゆく 堕ちてゆく | 人間椅子 | 鈴木研一 | 鈴木研一 | 人間椅子 | ひねもす隠れ ひねもす食らう 何も判らず 何も遺さず 何も…何も… 俺は芋虫 貪るだけの 俺は芋虫 肥えてゆくだけの 闇に蠢めき 闇に悶える 何も得られず 何も叶わず 何も…何も… 俺は芋虫 醜いだけの 俺は芋虫 卑しいだけの 俺は芋虫 嫌らしいだけの ああ ずるずると血膿のぬめる肉塊 ああ どろどろとはらわた腐る肉塊 ああ 朽ちてゆく 朽ちてゆく 朽ちてゆく ああ ぐつぐつと煮えくり返る肉欲 ああ どろどろと虚しくよどむ肉欲 ああ 堕ちてゆく 堕ちてゆく 堕ちてゆく |
りんごの泪山のかけすがあはれと啼(な)くたびに 村の娘はりんごを一つもぐ なぜ なぜ りんごは思う どうして独りになるのかな でも でも りんごは告げる 父(とと)さま母(かか)さまおさらばじゃ りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 ある夜お婆が炉端で言うことにゃ 人に買われてりんごは紅いとさ なぜ なぜ りんごは思う どうして売られてゆくのかな でも でも りんごは告げる 兄(あに)さま姉(あね)さまおさらばじゃ りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 十五時五十四分 青森発上野行急行津軽 りんごは今日も売られていく お岩木山の麓(ふもと)では お猿の弥三郎(やさぶら)手を振って 齧(かじ)るりんごも目にしみて 汽車はじょんからじょんからと 流す泪(なみだ)の血の色は ついにりんごを紅く染め 月夜に蛍も淋しがり 汽車はじょんからじょんからと りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一・和嶋慎治 | | 山のかけすがあはれと啼(な)くたびに 村の娘はりんごを一つもぐ なぜ なぜ りんごは思う どうして独りになるのかな でも でも りんごは告げる 父(とと)さま母(かか)さまおさらばじゃ りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 ある夜お婆が炉端で言うことにゃ 人に買われてりんごは紅いとさ なぜ なぜ りんごは思う どうして売られてゆくのかな でも でも りんごは告げる 兄(あに)さま姉(あね)さまおさらばじゃ りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 十五時五十四分 青森発上野行急行津軽 りんごは今日も売られていく お岩木山の麓(ふもと)では お猿の弥三郎(やさぶら)手を振って 齧(かじ)るりんごも目にしみて 汽車はじょんからじょんからと 流す泪(なみだ)の血の色は ついにりんごを紅く染め 月夜に蛍も淋しがり 汽車はじょんからじょんからと りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 りんごりんごりんご りんごの哀しみ籠の中 |
針の山独り見知らぬ畦(あぜ)道行けども行けども行けども針の山 俺の穢(けが)れた臓腑を死んでる予定の母親貪(むさぼ)って 人を憎んだ数だけ犬死に猫死に無駄死に俺は死に そして針の山から血だるま火だるま俺は堕ちてゆく 誰か無間地獄から助けて助けて助けて針の山 俺の奢れる舌をヤットコどっこい閻魔は引っこ抜き 愛の言葉の数だけ犬死に猫死に無駄死に俺は死に そして針の山から血だるま火だるま俺は堕ちてゆく もっと光を求めて戻れど戻れど戻れど針の山 俺の狂える額を冥土の使いの禿鷹(はげたか)ついばんで 刺さる針の数だけ犬死に猫死に無駄死に俺は死に そして針の山から血だるま火だるま俺は堕ちてゆく | 人間椅子 | 和嶋慎治 | Tony Bourge・Burke Shelley・Ray Phillips | | 独り見知らぬ畦(あぜ)道行けども行けども行けども針の山 俺の穢(けが)れた臓腑を死んでる予定の母親貪(むさぼ)って 人を憎んだ数だけ犬死に猫死に無駄死に俺は死に そして針の山から血だるま火だるま俺は堕ちてゆく 誰か無間地獄から助けて助けて助けて針の山 俺の奢れる舌をヤットコどっこい閻魔は引っこ抜き 愛の言葉の数だけ犬死に猫死に無駄死に俺は死に そして針の山から血だるま火だるま俺は堕ちてゆく もっと光を求めて戻れど戻れど戻れど針の山 俺の狂える額を冥土の使いの禿鷹(はげたか)ついばんで 刺さる針の数だけ犬死に猫死に無駄死に俺は死に そして針の山から血だるま火だるま俺は堕ちてゆく |
天国に結ぶ恋君の和毛(にこげ)を壜に詰めて いつか空家の床下に埋めてみたい 君の写真にお香は焚かれ 日がな一日僕はうたた寝をしよう 愛から死への論理によって 恋の幻想は独占される 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 君の乳房のxxxxx して 愛の詩集の表紙を飾ってみたい 靴に満たした月経の血を 指にすくって頁の挿絵をなぞる 染色体の科学によって 肉の時間は凍結される 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | | 君の和毛(にこげ)を壜に詰めて いつか空家の床下に埋めてみたい 君の写真にお香は焚かれ 日がな一日僕はうたた寝をしよう 愛から死への論理によって 恋の幻想は独占される 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 君の乳房のxxxxx して 愛の詩集の表紙を飾ってみたい 靴に満たした月経の血を 指にすくって頁の挿絵をなぞる 染色体の科学によって 肉の時間は凍結される 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く 天国に結び 恋は花開く |
無情のスキャットこの世に天使がいるものなら 私の頬にも恵みをくれ 報わることない労苦背負い 日陰に佇むこの私に 天翔る日は来るだろか 陽の目を見る日あるだろか 天使様 シャバダバ‥‥ どこかに女神が潜むのなら 私の額(ぬか)にも微笑をくれ 勝利のワインの味も知らず 恋すら実らぬこの私に 美酒に酔う日は来るだろか 愛を抱く日あるだろか 女神様 シャバダバ‥‥ 空に数多星が光る 誰も彼も星の御許(みもと) 千の願い胸に膨らませ ルルル‥‥ いずこか仏が御座(おは)すのなら 私の元にもお慈悲をくれ めぼしい物など何も持たず 侘びしく 寂しく しくじりばかりのこの私に 満ち足りる日は来るだろか 夢の叶う日あるだろか 仏様 シャバダバ‥‥ 私の命に光を 私の明日に光を すべての命に光を すべての明日に光を | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治 | 人間椅子 | この世に天使がいるものなら 私の頬にも恵みをくれ 報わることない労苦背負い 日陰に佇むこの私に 天翔る日は来るだろか 陽の目を見る日あるだろか 天使様 シャバダバ‥‥ どこかに女神が潜むのなら 私の額(ぬか)にも微笑をくれ 勝利のワインの味も知らず 恋すら実らぬこの私に 美酒に酔う日は来るだろか 愛を抱く日あるだろか 女神様 シャバダバ‥‥ 空に数多星が光る 誰も彼も星の御許(みもと) 千の願い胸に膨らませ ルルル‥‥ いずこか仏が御座(おは)すのなら 私の元にもお慈悲をくれ めぼしい物など何も持たず 侘びしく 寂しく しくじりばかりのこの私に 満ち足りる日は来るだろか 夢の叶う日あるだろか 仏様 シャバダバ‥‥ 私の命に光を 私の明日に光を すべての命に光を すべての明日に光を |
陰獣海のまにまにドンブラコ ウネウネ終日(ひねもす)のたのたり 海月(くらげ)の宴で吹く笛は 破瓜の涙と血の音色 盲(めし)いた獣を呼び出せ 邪教の儀式に狂えるまま 陰獣 堕胎の狂女がアッパッパァ エベエベ笑ってまた孕む へその緒ちぎった錆びた鎌 真昼の戦慄草いきれ 盲(めし)いた獣を呼び出せ 邪教の儀式に狂えるまま 陰獣 太古の眠りを貪り倦(う)みて 今や屍骸に宿るらむ 示申を忘れし似非(えせ)詩人をして 百鬼夜行と呼ばせしむ 宇宙の歪みから……… 墓場の澱(よど)みから……… 禁忌の咆哮衆愚を喰らいて げに物の怪の恐るべし 久遠を閲(けみ)しし地底の示申殿 異形像には觸れるまじ 宇宙の歪みから……… 墓場の澱(よど)みから……… 屋根裏部屋からオドロドロ ズリズリ蠢く魑魅魍魎 月下に禁書が紐解かれ 腐臭に夜鷹もほくそ笑む 盲(めし)いた獣を呼び出せ 邪教の儀式に狂えるまま 陰獣 | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治・鈴木研一 | | 海のまにまにドンブラコ ウネウネ終日(ひねもす)のたのたり 海月(くらげ)の宴で吹く笛は 破瓜の涙と血の音色 盲(めし)いた獣を呼び出せ 邪教の儀式に狂えるまま 陰獣 堕胎の狂女がアッパッパァ エベエベ笑ってまた孕む へその緒ちぎった錆びた鎌 真昼の戦慄草いきれ 盲(めし)いた獣を呼び出せ 邪教の儀式に狂えるまま 陰獣 太古の眠りを貪り倦(う)みて 今や屍骸に宿るらむ 示申を忘れし似非(えせ)詩人をして 百鬼夜行と呼ばせしむ 宇宙の歪みから……… 墓場の澱(よど)みから……… 禁忌の咆哮衆愚を喰らいて げに物の怪の恐るべし 久遠を閲(けみ)しし地底の示申殿 異形像には觸れるまじ 宇宙の歪みから……… 墓場の澱(よど)みから……… 屋根裏部屋からオドロドロ ズリズリ蠢く魑魅魍魎 月下に禁書が紐解かれ 腐臭に夜鷹もほくそ笑む 盲(めし)いた獣を呼び出せ 邪教の儀式に狂えるまま 陰獣 |
月のモナリザ永久に 背を向けた 月の裏には 悠久を 閲【けみ】しきた 霊廟がある 人類の 曙の 遥けく昔 彼方より 飛来した 客人【まれびと】の墓 夜を 見守れよ 星を 光らせよ 永遠に 微笑めよ 月のモナリザ 平安と 創造の 銀河から来た 永遠の 生命を 知らしめるため 人々が 気付くまで 眠り続ける 死の姿 装って 眠り続ける 夜を 見守れよ 星を 光らせよ 永遠に 微笑めよ 月のモナリザ 伝説の神々が 栄光を仄めかす 常しえの天国の 階【きざはし】にいるのだと 導けよ 誘えよ 月のモナリザ 幾度も 滅んでは 歴史が出来る 争いに 明け暮れて 砂塵に帰る 月光は いつの世も 遍【あまね】く照らす 何事も もの言わず 優しく照らす 夜を 見守れよ 星を 光らせよ 永遠に 微笑めよ 月の女神 夜を 見守れよ 星を 光らせよ 永遠に 微笑めよ 月のモナリザ | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 鈴木研一 | | 永久に 背を向けた 月の裏には 悠久を 閲【けみ】しきた 霊廟がある 人類の 曙の 遥けく昔 彼方より 飛来した 客人【まれびと】の墓 夜を 見守れよ 星を 光らせよ 永遠に 微笑めよ 月のモナリザ 平安と 創造の 銀河から来た 永遠の 生命を 知らしめるため 人々が 気付くまで 眠り続ける 死の姿 装って 眠り続ける 夜を 見守れよ 星を 光らせよ 永遠に 微笑めよ 月のモナリザ 伝説の神々が 栄光を仄めかす 常しえの天国の 階【きざはし】にいるのだと 導けよ 誘えよ 月のモナリザ 幾度も 滅んでは 歴史が出来る 争いに 明け暮れて 砂塵に帰る 月光は いつの世も 遍【あまね】く照らす 何事も もの言わず 優しく照らす 夜を 見守れよ 星を 光らせよ 永遠に 微笑めよ 月の女神 夜を 見守れよ 星を 光らせよ 永遠に 微笑めよ 月のモナリザ |
賽の河原これはこの世のことならず 賽の河原の物語 親にはぐれた嬰児(みどりご)の 人のあはれと泣き止まぬ 現世(うつしよ)の唄を乗せて 廻向(えこう)の風が吹きつける 一つ積んでは父のため 二つ積んでは母のため 三つ積んでは人のため Om それはあの世のことなれば 賽の河原に鬼ぞ住む 死出の山路は暮れなずみ 子取ろ子取ろと羽虫鳴く 現身(うつせみ)の涙で出来た 輪廻の河が打ち寄せる 一つ積んでは父のため 二つ積んでは母のため 三つ積んでは人のため Om 右も左も 分からぬ 霧と硫黄の 荒野を 鬼に追われて 子供は逃げる 石を蹴散らし どこに行くのだろう 遊び疲れた 子供は 石の蒲団に くるまり 水に呑まれて 湖の底 醒めることない 夢を見るのだろう 賽の河原に積んでは崩れる 賽の河原に積んでは崩れる | 人間椅子 | 和嶋慎治 | 和嶋慎治・鈴木研一 | | これはこの世のことならず 賽の河原の物語 親にはぐれた嬰児(みどりご)の 人のあはれと泣き止まぬ 現世(うつしよ)の唄を乗せて 廻向(えこう)の風が吹きつける 一つ積んでは父のため 二つ積んでは母のため 三つ積んでは人のため Om それはあの世のことなれば 賽の河原に鬼ぞ住む 死出の山路は暮れなずみ 子取ろ子取ろと羽虫鳴く 現身(うつせみ)の涙で出来た 輪廻の河が打ち寄せる 一つ積んでは父のため 二つ積んでは母のため 三つ積んでは人のため Om 右も左も 分からぬ 霧と硫黄の 荒野を 鬼に追われて 子供は逃げる 石を蹴散らし どこに行くのだろう 遊び疲れた 子供は 石の蒲団に くるまり 水に呑まれて 湖の底 醒めることない 夢を見るのだろう 賽の河原に積んでは崩れる 賽の河原に積んでは崩れる |