| 独白amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 私が私を語るほどに 私から遠く離れてしまうのは何故でしょうか? 身を投げた漆黒の太陽が 遺言のごとく焼き付けたひと夏の影絵は トイレの汚物入れの中で真っ赤に滲んで泣きじゃくるばかりです 殴られた痣はすぐ消えてしまった いっそ消えずに一生残ればよかった 誰かを憎む理由をこの身体に誇示して 全てを切り裂く免罪符となれ 物心ついた私は白痴でキチガイで あなたがそう呼ぶからそれにふさわしい人間になった 「どこにでもいる真面目な子でした」「まさかあの子が」 世間様の暇つぶしに辱められた自尊が 良からぬ企みを身ごもるのも必然で 言葉を殺した あれが死に損ないの言葉ゾンビ 『言葉を殺した』という言葉だけが残った 途方に暮れた十五歳の夏 流れていった涙や後悔の時間に 今更しがみつくほどの未練は持ち合わせず 過去の痛みが全て報われたわけじゃない 私の痛みは君の失望にこそ芽吹く この物語はフィクションであり、実在する事件、団体、人物との いかなる類似も必然の一致だ だが現実の方がよっぽど無慈悲だ ひぐらしの声 夕涼み 恋占いはフルスモークのハイエースに連れ去られた 精霊は事件性にも宿るか 底なし沼の水面にたかる虻達の祈りか 被虐者の呪いか 愛されなかった分や 報われなかった分や 人それぞれの身体に空いた無数の穴ぼこ 埋め合わせる為に犠牲になった何かが 差し詰め生涯悔やむことになる、むごたらしい致命傷 通り魔や殉教者や死にたがりの志願者 結局のところ誰もが未来の加害者 「まさかあの子が」と口走る前に顧みる 私の過去の痛みはあの子の為にこそ使う 「言葉にならない」気持ちは言葉にするべきだ 「例えようのない」その状況こそ例えるべきだ 「言葉もない」という言葉が何を伝えてんのか 君自身の言葉で自身を定義するんだ 流れていった涙や後悔の時間に 今更しがみつくほどの未練は持ち合わせず 過去の痛みが全て報われたわけじゃない 私の痛みは君の失望にこそ芽吹く この物語はフィクションであり、実在する事件、団体、人物との いかなる類似も必然の一致だ だが現実の方がよっぽど無慈悲だ 音楽や小説 映画とか漫画 テレビ ラジオ インターネット 母が赤ん坊に語る言葉 友人との会話 傷つけられた言葉 嬉しくて嬉しくてたまらなかった言葉 喜び 悲しみ 怒りだとか憎しみ かつての絶望が残す死ぬまで消えない染み それが綺麗な思い出まで浸食して汚すから 思い出も言葉も消えてしまえばいいと思った 言葉は積み重なる 人間を形作る 私が私自身を説き伏せてきたように 一行では無理でも十万行ならどうか 一日では無理でも十年を経たならどうか 奪われた言葉が やむにやまれぬ言葉が 私自身が手を下し息絶えた言葉が この先の行く末を決定づけるとするなら その言葉を 再び私たちの手の中に 奪われた言葉が やむにやまれぬ言葉が 私自身が手を下し息絶えた言葉が この先の行く末を決定づけるとするなら その言葉を 再び私たちの手の中に 再び私たちの手の中に 今再び 私たちの手の中に 言葉を取り戻せ |
| 戸山団地のレインボーamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 戸山団地のレインボー あれはまだ引っ越したばっかの 八月の激暑 青森じゃ数年に一度の 買えなかった冷房 扇風機はしおらしく重労働 夢見てた成功 バイトも辞めて失くした退路 子供の頃から焦がれて 虜になった 幾人もが辞めて 無理と笑われて もう夢物語じゃない 現実の肌触り 金と生活の狭間に 夢が挟まってたんだ 戸山団地のレインボー 僕はまだ信じてみてもいいか? ああ 今だけの音色 苦悩、苦痛も不可欠な色彩 土砂降りのレインボー 序章だけずっと生きてた気がして ああ 行き先不明瞭 エンディングは迎えにこないから 44号線の 農道と新幹線の高架下 日陰者の根城 すれ違うのは軽トラと季節だけ 足取りを清書 憤りも推敲を重ねて 泥のついた名著 労働の空き間に夢が暮らしてる 自分を疑いそうなら いっそ疑って 問い詰めたんだ 本心はどうなんだ? 月末の支払いに もどかしいこの苛立ち 天秤揺れる余地もなく やるしかない人生だ 戸山団地のレインボー 僕はまだ信じてみてもいいか? ああ ここだけの音色 不平、不満も不可欠な色彩 土砂降りのレインボー 助走だけずっと走ってきたんだ ああ 行き先不明瞭 エンディングは迎えにこないから 居酒屋、カフェ、県のイベント タウンホール、前座、武道館 どこだって歌わない上辺 どうせ賑やかしには似合わねえ 根拠のない自信はもう捨てて 根拠のある自信を探し出せ たかが太陽光の反射に ほだされて定まった決意じゃねえ 失敗や困難だらけの僕らだから 僕らだけの景色を描けるはずだよな その返事みたいに 合図みたいに 虹が架かった 道は繋がった 戸山団地のレインボー 君はまだ信じていてくれるか? ああ 僕だけの音色 失意、挫折も不可欠な色彩 土砂降りレインボー 序章からやっと抜けたところ ああ 行き先不明瞭 エンディングを迎えに行くんだ 戸山団地のレインボー あれはまだ引っ越したばっかで 夢見てた成功 希望を足せば僕だけの色彩 |
| とどめを刺してamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 失望したって君が言う時 君は失望の彼女みたいだ 夜明け前だ 血の気の引いた空 死人みたいな一日がまた来る 君の瞳は拒絶していた 曖昧な受諾と定めと 時間がくれるはずだったもの そのほとんどを おかしいのは自分以外 嫌いなくせに笑ってるパラノイア 悲しい風には泣かない 悲しいなんて認めない ねえ二度と泣かないように 君を脅す君にとどめを刺して 僕と逃げよう 地の果てまで 追っ手は暗闇 明日無き逃亡 「誰にだって辛いことはある」 そういうのは自分にだけ言って 君の辛さを平凡にしたがる 人の無自覚が誰かの辛さになる 青い国道をひた走って 逃げ切れるような気がした 何かに追われてるような気分に追われてた 鼓動が速い分だけ 人より速く進めると言い聞かせ 苦しい顔で走らない 苦しいなんて認めない ねえ二度と泣かないように 君を見くびる君にとどめを刺して 僕と逃げよう 潔白ではいられなかった人生 呪いながら 立ち寄ったダイナーで 君と僕の顔写真 指名手配のニュース 「自分の気持ちを殺害したとされる男女二人が」 「計画的逃亡」 「服装を変えながら」 「知人の元を転々と」 ねえ カーラジオのボリュームを上げて ねえ もっと上げて 最高な気分なんだ 笑いが止まらない どこまでも行けそうだ どこまでも行けそうだ ねえ二度と泣かないように 君をいじめる君にとどめを刺して 僕と逃げよう 命尽きるまで この世に恩義も義理もないさ 急カーブ、猛スピード そりゃそうだ この結末は もちろん想像した 曲がりきれぬ道を曲がろうとしたんだ せめて最期は 笑っている為 |
つじつま合わせに生まれた僕等 amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 遠い国の山のふもと この世で一番綺麗な水が湧いた やがてそれは川になり そこに群れを作った魚を 腹を空かした熊が食べて 猟師が熊の皮をはいで それを市場で売りさばいて 娘の為に買った髪飾り 悪い人間がやってきて 全部奪ってしまったのは 歴史のちょうど真ん中辺り 神様も赤ん坊の時代 母親のこぼした涙が 焼けた匂いの土に染みて それを太陽が焦がして 蒸発して出来た黒い雨雲 その雲は海を越えた砂漠に 5ヶ月ぶりの雨を降らせた 雨水を飲んで生き延びた詩人が 祖国に帰って歌った詩 それを口ずさんだ子供達が 前線に駆り出される頃 頭を吹き飛ばされた少女が 誰にも知られず土に還る そこに育った大きな木が 切り倒されて街が出来て 黒い煙が空に昇る頃 汚れた顔で僕等生まれた 善意で殺される人 悪意で飯にありつける人 傍観して救われた命 つじつま合わせに生まれた僕等 高層ビルに磔の 価値観は血の涙を流す 消費が美徳の人間が こぞって石を投げつけるから 金にもならない絵をかいた 絵描きは筆をへし折られて 見栄っ張りで満員の電車が 走る高架下で暮らしている 喜怒哀楽をカテゴライズ 人に合わせて歌が出来て 悲しい時はこの歌を 寂しい奴はあの歌を 騙されねーと疑い出して 全部が怪しく見えてきて 人を信じられなくなったら 立派な病気にカテゴライズ 不健康な心が飢えて 悲劇をもっと と叫んでいる 大義名分が出来た他人が やましさも無く断罪する 人殺しと誰かの不倫と 宗教と流行の店と いじめと夜9時のドラマと 戦争とヒットチャートと 誰もが転がる石なのに 皆が特別だと思うから 選ばれなかった少年は ナイフを握り締めて立ってた 匿名を決め込む駅前の 雑踏が真っ赤に染まったのは 夕焼け空が綺麗だから つじつま合わせに生まれた僕等 ふざけた歴史のどん詰まりで 僕等未だにもがいている 結局何も解らずに 許すとか 許されないとか 死刑になった犯罪者も 聖者の振りした悪人も 罪深い君も僕も いつか土に還った時 その上に花が咲くなら それだけで報われる世界 そこで人が愛し合うなら それだけで価値のある世界 だからせめて人を愛して 一生かけて愛してよ このろくでもない世界で つじつま合わせに生まれた僕等 |
| 月が綺麗amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 僕が言葉を話す 君が言葉で答える 僕らの距離を埋めたのは きっと言葉だった 地面に寝転んで星を 数えながら思ったこと これから話す言葉は ただそれだけの話 宇宙の埃として 右往左往ばっかの僕らは 地面に縛られてるから きっと本能なんだ この重力に抗いたいのは 涙が地面に落ちるのは それなりの重さがあるから 人生において苦楽は 惑星における衛星のよう 喜びだけを掴みたくて 近づき過ぎて墜落して 台無しだって泣いたんだ ところで今夜は月が綺麗 僕は時間を言葉で測る 千文字過去は捨てて行く 一万文字疎遠の彼とは 飲みにでも行かなきゃ足らないから お陰で千鳥足の帰路 北も南も分からなくなって もう諦めて寝転んだ歩道 空なら迷わず行けるのに プライドを守る為に 人を否定なんかするなよ 綻びはすぐに縫い合わせ 継ぎ接ぎだらけでみすぼらしい でも信念は大概そんなもんだ 飛べないからこそ見た景色 些細な綺麗が僕ららしい 人生において苦楽は 惑星における衛星のよう 悲しみだけ遠ざけたくて 離れ過ぎたら放り出され 真っ暗だって泣いたんだ ところで今夜は月が綺麗 あの惑星まで何万文字費やせば 意固地になるのは己の人生だから 気が狂うほど積んでは崩し 高くなるほどに足場は揺らぎ 重力に抵抗せよ 抵抗せよ 抵抗せよ その先を見たい訳じゃない 逆らってるだけ 逆らってるだけ 喪失と欠落の空白 埋める為に選んだ何か 人生において苦楽は 惑星における衛星のよう 重力に縛られた僕が あの星へ行く為の言葉 国道に寝転んで ところで今夜は月が綺麗 |
たられば amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | もしも僕が天才だったなら たった一つだけ名作を作る 死ぬまで遊べる金を手に入れて それこそ死ぬまで遊んで暮らす もしも僕が王様だったなら 嫌いな奴は全員消えてもらう 僕以外、皆居なくなるかもな なら僕が消えた方が早いか あなたの眠った顔見ていたら こんな僕も 悪くはないなって思えたんだ 無い物ねだりの 尽きない戯言 もしも僕の頭が良かったら 大学に行って勉強するよ 立派な仕事で親孝行して 両親が喜ぶ顔が見たかった もしも僕が優しい人だったら 困ってる人は全員助ける 見て見ぬ振りで素通りして 惨めな気持ちになるのは、もう嫌だ もしも僕が話し上手だったら 深夜ラジオのパーソナリティーになる どこかの誰かの辛い一日を 笑顔で終わらせる人になる あなたの眠った顔見ていたら こんな僕も 悪くはないなって思えたんだ 無い物ねだりの 尽きない戯言 もしも僕がミュージシャンだったなら 言葉にならない言葉を紡ぐ 誰も聞いた事無い旋律で そんな事考えていたっけな もしも僕が名医だったなら 親父の病気は僕が治す 照れくさいから言わないけどな そういうとこばっかり似てるよな あなたの眠った顔見ていたら こんな僕も 悪くはないなって思えたんだ 無い物ねだりの 尽きない戯言 もしも僕が神様だったなら 喜怒哀楽の怒と哀を無くす 喜と楽だけで笑って生きていて それはきっと贅沢な事じゃない もしも僕が生まれ変われるなら もう一度だけ僕をやってみる 失敗も後悔もしないように でもそれは果たして僕なんだろうか |
多数決 amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 臆病者ほど人を傷つけると言うなら 一番臆病なのはこの世界なのかもしれない 優しい奴ほど背中を丸めて歩く 腹いせにこの都会を踏んづけて歩く 時代は変わっていくのではなく吹きすさぶのだ 向かい風に逆った奴らは行っちまった 息を止めた憐れな孤独の悲しみ共 空元気が繁華街に反響して空虚 価値観も善悪も 多数決で決まるなら もしかしたら 生まれる場所を間違えたのかもな もういいよ いいよ この部屋は世界の隅で 機会を今かと、窺うには丁度いいかもしれない 賛成か 反対か 是非を問う 挙手を願う 多数派が少数派に面倒を押し付ける 持つ者は持たざる者を食い物にしてる 強い者が弱きを挫いて溜飲を下げ 都会は田舎をゴミ捨て場だと思ってる 人類最後の解決法が戦争だけなら 進化論も当てにはならなかったみたいだ その実、知恵のある振りをした獣だから 空腹もこれ以上無い動機になりえた 違和感も常識も 多数決で決まるなら もしかしたら当たり前も もう疑うべきかもな もういいよ いいよ この町は忘れ去られた 良からぬ事を企てるには丁度いいかもしれない 賛成か 反対か 是非を問う 挙手を願う 札束の数 名誉の数 友達の数 勲章の数 勝ち越した数 賞状の数 努力した数 褒められた数 僕らの価値は数字じゃない 自分の評価を人に任せる訳にはいかない 世界は移り変わる 昨日の価値は今日の無価値 罪悪も合法も 多数決で決まるなら もしかしたら百年後は もう全員罪人かもな もういいよ いいよ この世界は壊れすぎた 白紙から描き直すには丁度いいかもしれない 賛成か 反対か 是非を問う 挙手を願う |
| タクシードライバーamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | ショッピングモール、アウトレット、郊外の黄昏 家族連れ、人いきれ、シャツに聖者の肖像、滲んで 車の牽引ロープを買った伏し目がちな青年 自宅の鴨居にぶら下げて首を括る予定 地方都市と呼ぶのもはばかられる様な町で 地元の友人と未だつるんで、たまには呑んで 息苦しさを感じながらも幸福だとうそぶいて 青い青空が青過ぎてもはや黒で タクシードライバー 世情を憂いて 溜め息で曇る生活に流行歌 飲み過ぎてくだまいて突っ走る四号線 政治批判でもなんでもいいから話しをして 途方もない真っ黒が喉につっかえて 吐き出したくないもの吐き出してしまいそうなんだ タクシードライバー 夜の向こうへ連れてって 優先席前に立ち尽くす妊婦がいたので 腹は立ったが結局なんにも言えなくて サラリーマンが性的倒錯をスマホの画面でまき散らして 世界の気まずさがこの車両に凝固してる 遠い国の爆破テロ、および犯行声明 僕が聞いたのはタクシーのラジオAM 窓から六本木の高層ビルがいけ好かねえ 物質主義が貫通してる、東京の楔として タクシードライバー トランクを開けてくれ 僕らの荷物、多過ぎて歩けない 流れる都市の景色があまりにもきらびやかで 相対的に僕らの幸福は萎縮して 汗かいて一粒の喜びに明け暮れて そのくせ帰りの道筋だって人任せ タクシードライバー 夜の向こうへ連れてって ニュースの紛争、ネットに流れた死体のjpeg 痛みを無視出来るなら人は悪魔にだってなれる 排他主義反対と疎外する人間が居て 暴力反対という暴力には無自覚な奴がいて 不良になる為には、まず良い人間にならなければ 家出する為には、まず家に住まなければ 運転手さん、あなたは出会った中で一番の思想家 生活に根ざした哲学で疾走する思想家 タクシードライバー 窓ガラスを開けてくれ 淀んだ空気 開け放って 夏の風 将来も未来も視界不良の道半ばで けど、不安に人生を明け渡せる訳はねえ この長いトンネルは一体いつ抜けるんですかね? どうぞ行ける所まで行ってくれて構わねえ タクシードライバー 夜の向こうへ連れてって |
| 太陽の羽化amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 群生するススキが 気が狂ったように手招きしてる 日差しは赤味がかり 夏では写せないものを露わにする それは そろそろ訪れる 太陽の羽化 状態としての生をボンネットに縫い付けて 身体を輸送する僕は 誰かが描いた白線に沿って 風景にこびりついた憂鬱 とたんに思い出が痙攣する 砂漠に埋まった貝殻で指を切る 今日も来る 暗色の悲しい兆し ついに訪れる 太陽の羽化 だけど 片方だけ 翅はなかった 季節ならさっき出て行った つまらない歌を置いてった 僕らは遠く離れた 取り返しのつかないほど 浮かぶことを諦めた 太陽が町を照らした 始まることをやめた今日が いつもの日常の振りした |
| それを言葉というamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 僕らはいずれ錆び付いて ついには動かなくなる 緩やかに終わりへの航路をたゆたう 箱船に乗せられたある意味 標なき漂流者だ 加速する日々は ついには減速する日々を迎え 陽が沈んで黒ずんだ水平線と対峙する 暗夜行路に至ったのです 打ち上げられた船乗りの靴 明星とデネボラの隙間 微かに光る六等星 全ての人に忘れ去られる事が 終わる事だとしたら その時僕は既に終わっていたし それを寂しいとすら考えなかった ただ静かに唸る波に揺さぶられて 喉が千切れる位に後悔の歌を叫んだのです 苦し紛れの声 苦渋の歌声 稲妻と響け 無理だと言われた距離を越えてみせろ 「言葉にすればたやすくて」って言葉にしなきゃ分かんねぇよ 君は伝える事諦めてはだめだ それを届けて 死に損なった朝が眩しい 出掛けさせられてる毎日に 千切れた涙を銃弾としてこめろ それを言葉という 少年少女がうろつく雑踏に転がる望みなど もはや誰も拾わない 期待出来ない時代に 期待されなかった僕らは 「あいつはもう終わりだ」と言われながら 屈折した尊厳はまるで青く尖るナイフだ 幸福を競い合うのに飽きて 不幸比べになったらもう末期だ 僕が歌を歌って得る安心と あの娘が自傷行為して得る安心の そもそもの違いが分からない どっちにしろ 理解しがたい人の集まりの中で 自分さえ理解出来ない人間の成れの果てだ やり遂げる事で得る満足も 小銭と同じであっという間に消費した ファストフード店で頭を抱えながら繰り返す 終わってたまるか 終わってたまるか 苦悩の果ての果て 惨めなうめき声 ここでこそ歌え 抜け殻になった命こそ鳴らせ 「心にも無い事言って」って心に無いなら言えねぇよ 僕は伝える事さげすんだりしない それを届けて 死に損なった朝が眩しい 出掛けさせられてる毎日に 千切れた涙を銃弾としてこめろ それを言葉という 明日がある以上終わりじゃない 朝日が愚鈍に射し込む車内 押しつぶされた心はくしゃくしゃで ホームに吐き出された もう一歩も動けない 微動だにできない 儚い抗いを弔い 理論武装解除を 丸裸の行動原理を 下らない人間くらいが丁度いい 下らない人間くらいが丁度いい 下らない人間くらいが丁度いい どうせ下らない世界だ 終わったと言われた毎日を あの時確かに泳ぎきった 僕らの両手は涙を拭う為の物ではないさ 死に損なった朝が眩しい 出掛けさせられてる毎日に 千切れた涙を銃弾として込めろ それを言葉という |
空に歌えば amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 虚実を切り裂いて 蒼天を仰いで 飛び立った永久 空に歌えば 後悔も否応無く 必然 必然 なるべくしてなる未来だ それ故、足掻け 蜃気楼 涙の川を漕ぎ出して 幾星霜 さよなら 行かざるを得ない 何を失ったとて 忘れない 悔しさも 屈辱も 胸に飾って 虚実を切り裂いて 蒼天を仰いで 飛び立った永久 空に歌えば 後悔も否応無く 必然 必然 断ち切るには眩し過ぎた 未来へ、足掻け 人を傷つけずには 本懐は遂げられず 失って構わないと思える 理想が道しるべ 笑うなら 笑ってよ 嘲笑も 道連れにして あの日の君の声 言いたかった事 言えなかった事 空に歌えば 後悔を振り切って 必然 必然 投げ出すには背負いすぎた それ故、足掻け 苦悩は一陣の驟雨となりて 行かすものかと足にすがる嘲笑の泥濘 雨雲に幽閉 隔離された空 捕縛された暗がりからの逃走 掴んだものはすぐにすり抜けた 信じたものは呆気なく過ぎ去った それでも、それらが残していった、この温みだけで この人生は生きるに値する 失意の濁流を抜けて 曇天から射す一条の光 その時、既にもう 雨は上がっていた 虚実を切り裂いて 蒼天を仰いで 飛び立った永久 空に歌えば あの日なにか叫んでた君の声 言いたかった事 言えなかった事 空に歌えば 後悔も連れ立って 必然 必然 終わらすには失くしすぎた それ故、足掻け 有限 有限 残り僅かな未来だ それ故、足掻け |
| そういう人になりたいぜamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 僕はあんまり出来た人間ではないから 君が嫌になってしまうのも しょうがないと思ってるよ きっと 人にとって大事なものなんてさ 一人に一個だろ それが君だとは言い切れない僕さ そんな歌を歌ってしまう僕を見ても 君は笑ってるぜ そうだその笑顔を好きになったんだ 嘘つき 泥棒 人殺し ねぇ神様 僕の神様は そうだ君の笑顔なんだ 涙こらえて立ちつくす 人の背中をそっと押してやる どんな時だって優しい顔 そういう人になりたいぜ 「めんどくせぇな」って頭掻いて 人のために汗をかいている そんで「何でもねぇよ」って笑う そういう人になりたいぜ 確かな暖かい宝物積み上げたら 幸せになれると 僕はそうずっと信じてきたけど 結局僕はいつまでも 馬鹿野郎 僕の幸せは 君の幸せではないんだ 自分らしさ見失わず 人の事もちゃんと思いやる 人前で泣き言は言わないぜ そういう人になりたいぜ 当たり前に心から笑えて 当たり前に日々を駆け抜けて 当たり前に疲れて眠ってる そういう人になりたいぜ そういう君が好きだから そういう君が好きだから 君の気が狂っても待っている奴がいるぜ 君の家が無くなっても帰る場所はあるぜ 君を守る為世界を終わらせてもていいぜ そこで僕は凍えて死んじまったっていいぜ 夕焼け空が悲しいな 世界が終わりそうな色だから 洗濯物は放っておこう 世界は明日も続くけれど さよならでも涙見せず いつもと変わらない その笑顔 自分の事より人の心配 そういう人になりたいぜ 「バイトはちゃんと続けなきゃ駄目よ。新しい部屋は決まったの? 君は君の思う道を進んでね そういう君が好きだから」 そういう人になりたいぜ そういう人になりたいぜ |
| 世界の解像度amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 俯瞰で見れば 世の理のような色彩 当事者となり 凝視すれば粗悪な落書き ありえないことが何度起こった 君が生きている間に その度目を伏せて 無かったことにした 今や忘れた 悲劇も喜劇も 同じ容量 数メガ単位のBGM 聞きながら 命からがら 壊れた世界泣きついて やっぱ僕らにはなかった 人の才能も そんな世界の解像度 今日も残酷の過密かき分け やるべきことに疲弊して 残す生きていた証拠 合わせる世界の解像度 君の視点 僕の視点 何が見える 騙し騙され うんざりして耳を塞ぐのは 気持ちは分かる けどそのせいで僕ら生き別れ もう今更だよ 善か悪とか それより繋ぎ直すんだ 断線したライト 夜は明かりがいる 何はともあれ 外は嵐で 悲惨だけど君は 無防備な滑走で 笑うから 抗うから 君は君だけの場所で 目を閉じないで見ていて 個々の視点、再縫合 新しい世界の解像度 いつかの欺瞞の成功にすがって 奴らが明日狙うのは どうせ過去の再放送 それが彼らの解像度 今日の視点 過去の視点 何が見える 一瞬で日常は終わる 一生その虚しさ付きまとう 終わり恐れることから始めて だって僕ら忘れてしまうだろ 生と死を生きて 日々の喜びと音楽を傍らに 宇宙の果てから君の細胞 繋ぐ直線に僕の骸 泣きながら手をとった もう終わったあなたの手 まだ終わらない僕の手 これから始まる君の手 壊れた世界泣きついて 頭いかれても歌うぜ 思索の倍音と 響き合う世界の解像度 会いたかったと言いに来た 句点じゃなくここは読点 その痛みや悔恨も 繋げば世界の解像度 何が見える 何が見える 何が見える |
スピードと摩擦 amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 切れかけた街灯に照らされて 明滅繰り返す人々の影 ゴムの匂いと空気の湿り気 静寂と呼ぶには、はなはだ多弁 したがって 定まらぬ視点 星を滑って 東北に流転 蛾が群がって どうせ無駄だって 夢に焼け落ちて あとは何もねえ 行き先のない乗車券 此岸の終わりの夕景 地球の裏の荒野へ 早く連れてってくれ 夏の庭に犬の骨 死屍累々の日付 それを踏んづけて明日へ 気管支炎の音符で 血を吐くまで歌え 放射状 北の山背 そこに咲いた花でさえ 冒涜は許されて 僕は舌打ちをしたこの街へ いや、舌打ちしたのは街の方で 砂場に子供らの神話体系 その一粒ごと神は宿って 絡まって 切れぬ社会性 みだりに越えて 唾を吐き掛け 我が塞がって 来世疑って 無様に燃えて あとは何もねえ 獣と人の分岐点 命にたかる銀蠅 精子は霊地の巡礼 死ぬには早い降雪 国道沿いのラブホテル トワイライト純潔で 言葉足らずの夜明け 吃音的な世の果て それを飲み込んでは咽せる 結露に滴るカーテン 命が今焼け落ちて 車道に冬の銀河系 トラックの荷台に跨がって 歳月が通り過ぎた 交差点で横転して 血を流していた 窓越しにそれを見ていたら 命がじりじりと焦げる音を聞いた スピードと摩擦 火花を散らして スピードと摩擦 内臓を焦がして 体内に発車の汽笛 血液は逃避の路線 旅立っては近づいて 離れてくのはどうして? 苛立ちは尚叫んで ひび割れた今日の風景 地表にうがつささくれ 二月は無垢な難破船 スピードと摩擦 内臓を焦がして |
| 水槽amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 車両基地のレールが 喘息みたいに軋む音がして 雨が近いことをさとる ショッピングモールの駐車場では ベンチに腰掛けた春が ATMが開くのを待っていた 陽射しは依然、退屈な音量で オルゴールみたいなジャズは この町に似合うことを自覚してるから 鳴るべくして鳴っているのだ 僕らは焦りで満たされた 水槽で生きてるから 僕らは恐れが充満した 喫煙室で暮らしてるから 今日が終わることに焦りも恐れもなく 清書された一日を 目でなぞる様に そして、あくびを噛み殺しもしない 誰かそのエアーポンプの電源を切ってくれないか さもなくば僕がそうする 見てみろよ これが世界の全てだ シャッター商店街 環状道路7号線 地元のラジオから流れるスタジアムロックが 大仰なエンジン音で ネズミ捕りに捕まった 退屈も悪くないって言葉は 退屈以外を知ってはじめて言えるんだ そして、あのパチンコ店の看板 あれが世界の果てだ |
| 抒情死amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | アイデンティティが東京湾に浮かんでいる 巡航する豪華客船のその波で 浮遊してる やがて沈む 物珍しそうに 乗客は人だかり 助けるべきか? いや、あんな得体のしれないものには触れるな あれはなんだ? あれはなんだ? あれはなんだ? あれはなんだ? 受諾と拒絶 拒絶 拒絶 手は組めないぜ ただじゃ死なないぜ 許可されて生きる 命ではないよ ああ私の私 応答途絶 途絶 途絶 生きているなら声を聞かせて 徐々に蝕まれる暮らしの抒情詩 ああ詠い続けて 何が善で何が悪か 白と黒分かり合えずいがみ合って 灰色が割って入って お互いを認め合うべきだと 懐から取り出す 共感を見て いや、そんな危険かもしれないものには頼れるか それはなんだ? それはなんだ? それはなんだ? それはなんだ? 受諾と拒絶 拒絶 拒絶 先生や医者 神様にでも 変えること出来ない形と中身 ああ私の私 応答途絶 途絶 途絶 生きているなら声を聞かせて 徐々に蝕まれる暮らしの抒情詩 ああ詠い続けて 受諾と拒絶 拒絶 拒絶 拒絶 拒絶 拒絶 拒絶 不法投棄された千億の陰口 焼却処分だ見栄も顕示欲も 僕らは内側、静かな場所へ行こう それなのに自分を無くせって 従えって 我慢しろって 強い風に吹き飛ばされて落ちた 東京湾 形と中身 私の私 受諾と拒絶 拒絶 拒絶 冷笑や脅し圧力にさえ 歪めること出来ない形と中身 ああ私の私 応答途絶 途絶 途絶 生き抜いたなら顔をみせてよ 徐々に蝕まれる暮らしの抒情詩 ああ詠い続けて |
自虐家のアリー amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | いずれにしても立ち去らなければならない 彼女は傷つきすぎた 開かないカーテン 割れたカップ 流し台の腐乱したキャベツ 愛と呼べば全てを許した 母の仕打ちも割れた爪も 酷く痩せた膝を抱いて 責めるのはいつも自分の事ばかり お前なんかどこか消えちまえと 言われた時初めて気付いた 行きたい場所なんて何処にもない ここに居させてと泣き喚いた 「窓から小さく海が見えるから 父さんとこの部屋に決めたの」と 昔嬉しそうに話していた 母は今夜もまだ帰らない あの海と一つになれたらって そう思った後に少し笑った 自虐家のアリー 波の随に 歌って 被虐者の愛 波の随に 願った 抱きしめられたくて 嘘ついたあの日を 今でもずっと悔やんでる 私だけが知っているんだから わがままはとうの昔に止めた 時々とても優しく笑う それが母の本当の姿 物心ついた時から父は居ない 理由は今も聞けない 今夜も海を眺めながら 記憶の中だけ裸足の少女 あの海と一つになれたらって そう願ったのは何故だろう 自虐家のアリー 波の随に 歌って 被虐者の愛 波の随に 願った 抱きしめられたくて 嘘ついたあの日を 今でもずっと悔やんでる 苦しくてしょうがなくて 海への道駆け抜けた 砂浜で 月明かりの裸足の少女 愛されていないって 疑った私を許して 何もいらないよ これが最後のわがまま 自虐家のアリー 波の随に 浮かんで 被虐者の愛 波の随に 沈んだ あの人が愛した 父さんが愛した この海になれたら 抱きしめてくれるかな 今でもずっと愛してる |
| 死んでるみたいに眠ってるamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 法律を破りたい いい人なんか報われない ホールデンとかディーン・モリアーティ 車を盗んで逃げ出したい 所詮僕など俗物だ でもそれに居直るような 物質の奴隷はごめんだ 命の喜びは裏切れない 悲しみだって喜びさ 何もそれは現実逃避じゃなく 震えるこの身の震源地が 恐れの向こうで脈動するから 死んでるみたいに眠ってる 泥を掴む度汚れてく 耳をそばだて聴いてみる 寝息は未来の匂いがする 精神的にまいっちゃった 原っぱ寝そべって休みたい そいつを僕は罵った もっと働けと罵った 断固として過去は否定したい 青春は安寧との闘争だ 新しい歌を歌いたい ラジカセで聴いたフォーエバーヤング 死んでるみたいに眠ってる 悲しみの眉間を撃ち抜く 枕元には修羅が立つ 涙を流して怒ってる 間違ってることは支持できない それは根本的な尊厳だ 野垂れ死ぬなら本望だ 僕のまま僕を終えるなら 死んでるみたいに眠ってる 誰かが遠くで手を振ってる 僕はそれを無視してる 見えているけど無視してる 死んでるみたいに眠ってる 泥を掴む度汚れてく 耳をそばだて聴いてみる 寝息は未来の匂いがする |
| しらふamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 「自分以外皆死ね」ってのは「もう死にてえ」ってのと同義だ 団地からの三人称視点 寂れた外壁に吸いさしの煙草押し付け 現場監督の怒号に唾を吐いて夕暮れ もう消えてくれ 未だ歌手としては無名 ぼろぼろになるまで働いて食う飯はうめえ けど明日にはばっくれ 我慢、忍耐とは無縁 こんな僕に光が射すなら早くそうしてくれ 解体作業、ソープ、オフィス、世田谷の小学校 豊かな心、情操教育で現実を描こう アスベスト吸い込み、渡る現場は鬼ばかり 高所作業、安全帯無しで人生綱渡り こんなはずじゃなかった 頭で繰り返し これで何百回目かの人生の振り出し もう無理かもね 祈る気力もない流星 あの日期待した僕の才能、下方修正 努力 積み上げた労力は結局徒労 それなら目の前にある惰眠をむさぼろう 昨日出来たはずの世紀の名曲は 掃いて捨てる程ある駄作にも埋もれる駄作だ 埃だらけの作業服 冷たい視線 山手線 特に原宿より南は痛てえ 俳優、バンドマン、その日暮らしにホームレス 履歴書なしで派遣される工務店 事務所前チューハイで乾杯の晴天 古株の面々 まるで現代の蟹工船 妥協でされるがままの搾取 汗を酒で潤す さながらヨイトマケの唄か山谷ブルース 夢見がちな馬鹿とギリギリの奴らが集い 気がついたら僕もそんな一派の一人 泥酔にまかせて現実をずらかった 夢も消えちゃった 「今日の仕事も辛かった」 スナックの皿洗い、送迎じゃまどろっこい 大湊自衛隊員の愚痴には酷く悪酔い 次第に増える独り言、あの日の怒号、反響するエコー いや待て、これはもしかしたら幻聴 フラッシュバックで言葉を書く マッチポンプな自傷行為 宿命とは聞こえがいいが ようは体のいい呪いだ 早揚がりの泥酔の果てにふらふらの自意識が 下手な勘ぐりをし出す前にもう眠るか 「自分以外皆死ね」ってのは「もう死にてえ」ってのと同義だ 悪いのは僕か世界か 千鳥足じゃふるさとに吹く風だって冷てえ こんなんじゃ世間だっていざって時にはつれねえ 震えて朝焼け 外套の襟を立て 勇んで出てったはずのふるさとにまた立って もうここには居られねえ 自暴自棄な足取りで 分かったもう出てくよ 僕はすっかり素面で 老いも若きも酔っぱらいの三千世界で 我こそが純粋なる全うな素面で 痛み真っ向から食らい歌う酩酊いらずで 青年は詩を書く 離れた陰気な群れ 属する場所がないって場所にはぬけぬけと属して 舐め合う傷跡は蜜の様に甘え そのカビ臭い地下室からはさっさと抜け出して むき出しの肌で受け止める現実の雨 |
少年少女 amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 校庭の隅っこで 体育座りしてぼんやりと見てる 野球部のフライを眺めるように なんとなく未来を見てる いつかは変わってしまうかな 大好きなあの子の笑顔とか 馬鹿だったあいつらも 大人になってしまうかな 今まさにヒットを放った 4番バッターのあいつは 一年後の冬に 飲酒運転で事故って死んだ その時 誰もがあまりの空っぽに立ち尽くしていた 母さんが汚れたバットを抱きながら泣き叫んでいた 僕が憧れた彼女は 男に逃げられたストレスで 過食気味になったと笑った こけた頬を引きつらせ 右手には悪趣味な指輪と かさぶたの吐きだこ 諦めるのは簡単と コーヒーをすすった 夜の街を彷徨いながら 昔話に夢中になってた そんな事もあったねと 彼女は笑いながら泣いた それでも それでも 頑張れなんて言えなかった さよなら さよなら せめて笑いながら手を振った 少しずつ 諦める事ばっかり上手になってた 我慢する事が 人のためになると思ってた 記憶の隅に積み重ねた 無謀な夢と悔し涙 押し殺したホントの気持ちが むなぐらに掴みかかる 「どうしてここに居るんだよ 今すぐに逃げ出せよ 望んだ様に生きられないなら 死んでんのと同じだ」 そうだ 僕も君ももう一度新しく生まれ変われるよ 傷ついて笑うのは 金輪際もうやめにしよう 凍える夜に一人だから 僕等は間違った事もやった 心無い人が多すぎて 僕らは無駄に強くなった それでも それでも 間違いじゃないと信じたいな さよなら さよなら 強がりは夜の闇に溶けた 校庭の隅っこで 体育座りしてぼんやりと見てる 野球部のフライを眺めるように なんとなく未来を見てる 僕は変わってしまったかな 時々不安で恐くなるよ ホームインした四番バッターがはしゃいで笑う声 それぞれの不安を抱えて それぞれ未来へ歩んでいった それぞれが痛みを抱いて それぞれ今日に立ち尽くした なんだろう なんだろう 涙が溢れてしょうがないよ さよなら さよなら 思い出なんて消えてしまえ どうせ明日が続くなら 思い出なんていらないよ この足を重くするだけの感傷なら どぶ川に蹴り捨てた それでも それでも 涙が枯れる事はないから さよなら さよなら せめて僕は笑いながら泣いた |
| 収束amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 海鳥が瓦礫の上空いなないた コンクリート世紀は知恵の数式 今じゃ遠い日のヒエログリフ かつての人の営み 腐食した建造物 侵食する植物の増殖 カンブリア爆発 ハタネズミがサカナを喰らえば 猛禽類が噛り付いて空へ誘った 逆光の太陽が燃え盛る 生き死にの律動 亜熱帯雨林と化した ここ東北の北端にも 湧き水、岩から滲みて 陽が落ちては冷却の星空に聞き入り 平穏が訪れたのだと知る 奪うも奪われるもなく 等しく星の砂塵となりて 唸り 遠吠え 求愛のさえずりや 威嚇のがなりとか 生命のオーケストラ 飲めや歌えや 騒げ愛おしいや 夜通しだ 呼応した鼓動しか物音しない ここ何億夜 規律無しの無秩序と思いきや 命の思想は確かに存在した 飲めや歌えや 騒げ愛おしいや 夜通しだ 呼応した鼓動しか物音しない ここ何億夜 荒廃したとは人の言い様だ ここにはもう人類は居ないのだから |
さよならごっこ amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 憂鬱が風に散らばり 吹きだまって影になる 僕らの足音は 無情を饒舌に諭す 君の瞳の深さを 覗き見て狼狽える 望みなどあったでしょうか この行く先には おどけて笑うのは この道が暗いから 明りを灯すのに 僕がいるでしょう さよならごっこは慣れたもんさ でも手を振ったら泣いちゃった 僕らの真っ赤な悲しみが 暮れる 暮れる そして夜が来る 当たり前にやってくる明日なら 「生きたい」なんて言わなかった よせばいいのに夢見てしまう 未来 未来 君のせいなんだ 成し遂げねばならないこと 三日月にぶら下げて 彷徨う夜道にすら 安堵は君の背に明るい 信じるには時間がいる ましてや他人だから それでも道が同じなら 離れる理由もない 全てが終わったら 分かち合う為に 誰かがいるでしょう 僕がいるでしょう さよならごっこは慣れたもんさ でも手を振ったら泣いちゃった 僕らの真っ赤な悲しみが 暮れる 暮れる そして夜が来る はじめからそこにある愛情なら 確かめ合う事はなかった 奇遇にも連れ合う縁だから 触れる 触れる 心の襟元 辛さなら背負えるから 痛みなら分け合えるから でも君のさだめまでは 肩代わりできなかった 別れは何度目でも 相変わらず悲しいから 別れる振りをするんだよ さよならの遊びだよ いつか必ず会えるって 自分を騙す遊びだよ さよならごっこは慣れたもんさ でも手を振ったら泣いちゃった 僕らの真っ赤な嘘だけが 濡れる 濡れる そして朝が来る 離れ離れになるってことは 一度は一つになれたかなあ 諦めと呼べば後ろめたい さだめ さだめ そう君は呼んだ |
| 月光、街を焼くamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | カーテンから漏れる月明り それを頼りに書く手紙 今生さらばと結ぶなら 別れの手紙のはずでした 色々あったの色々を 未練がましく箇条書き 私の歴史を知る旅路 ペンを銃器に見立てては 乱射する空想は実感をかすり あるいは誰かに命中し 都市では空が炎上し 冷笑じみた街に高笑い 逃亡の日々がはじまって ついには追い詰められた僻地で 自由を振りかざした僕は 発砲された自由に殺される 閉じた目 冷めた目 触れた手 それだけ この旅程 どれだけ この夢 仮初め 世界を 燃やして 燃やして 燃やして あまだれ 逃げ出せ 逃げ出せ 逃げ出せ |
| 空白の車窓からamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 初めの一歩はいつも恐ろしい 空白は見渡す限り 昔は空っぽに思えた だから怖くて塗りつぶした 逆恨みや愚痴にはじまり 「それでも」ってとこに至った 強迫観念に似ていた 没頭が坂を転がった いざ行かんと始める決意 旅路の身支度と同義 終わらせる覚悟、梱包し スーツケース詰め込む行為 しんとした部屋が名残惜しい 静寂の全てを所有し シンクでは弾けた水滴 その程度が僕らの汽笛 終わることなんか知らなかった もう取り戻せないあの無邪気さ ただ知らない君より 知った君が 持ち得る光源 新しい夜へ 季節も昔は別れ惜しんだ 今じゃ「またな」も言わず去って ただ車窓の景色の速度だけ早くなる 僕と歌だけ運んで 去っていった人は多い ここ数年においたって 状況ならそれぞれだし 祈るよ彼らのこの先 離れた場所で上手くやって 笑って再会なら幸い だけど取り残されたような 酒では溶けきれぬ寂しさ 進んでるか戻ってんのか 早いのか遅いのかなんて 景色が見えてこそ分かって たまにそんな気付きがあって 僕にとって彼は景色で 彼にとって僕は景色で そうだ寂しさの原因は 同じ電車に乗れたらって 終わることなんか知らなかった もう取り戻せないあの無邪気さ ただ知らない君より 知った君が 持ち得る光源 新しい夜へ 上手く笑えない僕の手には 後どれくらいのやめない理由 ただ車窓の景色の速度だけ早くなる 僕と歌だけ運んで どっかで諦めている しょうがない、と思うことが多くなった 人は死ぬし 変わる 譲れないものが一つ僕の身体を貫いて 地面に突き刺さってるどんな風が吹いても折れないように どんな波が襲っても流されぬように そして、景色だけが流れてく 流れてく 流れてく またな またな また会えるかな また会えるよな もう無理かもな もう無理だよな 終わることなんか知らなかった もう取り戻せないあの無邪気さ ただ知らない君より 知った君が 持ち得る光源 新しい夜へ この先は空白だ もう恐れない 自由とはなんて寂しいんだろう ただ車窓の景色の速度だけ早くなる 僕と歌だけ運んで さよならまたねと別れたから 今日も会いに来たよ ただそれだけ |
| 空洞空洞amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 耳を塞いだって ざわめきは聞こえてくる 酸性雨で花は枯れた 明日咲くはずの花は枯れた 意味のないことばっかりだ 意味ばかり求めすぎるから トンビは山に鳴いた もう帰れないと泣いた 掃き溜めみたい憧憬も 遠くからは見とれていた 憧れが駆け込み乗車 いたたまれなく頭を垂れた 絶望と君、隣り合わせ 自暴自棄とは背中合わせ がらんどうが乗り合わせ 乗り過ごしたんだ幸福を 空っぽな奴ほど詩を書きたがる ほんとそうだよな ほんとそうだよな 傷ついたなんて言わないぜ けど痛くないわけじゃないよ 優しい人なんていないぜ 武装解除しただけ 空洞空洞 僕らが野垂れ死んだって その頃には忘れるくせに 「信じてる」も「愛してる」も オーナメント巻いてる空洞空洞 何にもやる気が起きないよ やりたいことなんてないよ 反省なんかもうしないよ 責任なんてとらないよ 別れた人はもう忘れた でも忘れたこと忘れない 亡霊と僕ら生きてる つまりは憑りつかれてたんだよ 送電鉄塔 原っぱで口ずさもう 夢にあふれた歌 夢にあふれた歌 死にたがらない奴らが 死にたがる奴らを迫害した 翌日の某コンビニで マシンガンは品切れ 空洞空洞 君の骨は拾えないぜ この命使い果たすまで それを使命と呼ぶんだよ そんな訳ねえよ 空洞空洞 離れるものを留める術それすら持たない僕らは 泣き言ばっかを歌う 最近街でよく流れる流行歌 あれだってそう 誰だってそう 街はがらんどう 巨大な空洞 車道の側溝 自販機の横 笑みの喉元 君の足元 夢、希望も恨みつらみも 「君に会いたい」も「くたばれ」も 詰め込んだ火炎瓶で 世界ざまあみろ 空洞空洞 みんな死んだ焼野原で めでたしめでたしで終わり そうだったらいいのにな なつかれちまった 空洞空洞 |
虚無病 amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 諸行無常未来都市 輪廻の環状線 抜け出せない因果と 去勢に至る 未来無き未来 選択肢なき幸福 感染 反戦 我に返るも 手遅れ 潜れ 潜れ オーバーテクノロジーと心中して 生け贄 犠牲 人間性 侵入禁止区の春 生命の樹形図 患って列をなせ、弱きブレーメン 人間反対の姿勢を声高に表明 総人類、何らかの病気だろどうせ 欠陥品どものファンファーレ 虚無の犠牲者 夕焼け溺死、滅亡前夜の 緑地公園クレーター跡地で 隣人ですら疑い合うから 争いも致し方ない ミクロ マクロ 本能のフラクタル ブラフマ 気まずさと迎合 因果交流電燈の曼荼羅 収束するべく いがみ合う シェルターにノゲシが咲く 循環のライフゲーム 社会性脱ぎ去った我らは動物 北へ北へと頼りなく行軍 あらゆる恐怖症に欠落に躁鬱 失敗作どものファンファーレ 虚無の犠牲者 夢もない 希望もない 目的もない 味方もいない いない いない 人が嫌い 世界嫌い 言葉が嫌い 過去、未来 怖い 怖い 怖い しいたげられて 追いつめられたら やむをえず防衛機制 復讐の狼煙 脅し 暴利 思い通り 思い通り 思い通り 逆上して列をなせ、若きレベルエール 愛された事ないから愛は知らない 総人類、何らかの負い目を背負って 出来損ないどものファンファーレ 虚無の犠牲者 |
| 拒否オロジーamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 応答せよ、応答せよ 本日、7号線を南下する北風を見送った東北から 押し黙る空を無数に漂流する、出口無きそれぞれの地獄たちへ 「色々あったな」では済まされない、色々の一つ一つを あるいは、 未だ得体のしれない、心に翳り続ける憂いの数々の出生を つまびらかにする為に 性懲りもなく 相も変わらず ここに立って呼びかける 応答せよ、応答せよ ミズーリを疾走する、若き太陽熱と無暗な排気量をもって 人が生きるという巨大な山影に抵抗を試みる少年らは 一つの苦悩につき、一つの窃盗を夜ごと働き 世界への仇討ちが大儀であるかのような腹を決めた形相で 小さな悪事をけち臭く積み上げた 結果、多くの証明を反故にされた私たちはついには瞳を濁し その青い栄光と失敗にブックカバーを被せ 雪が降る朝のプラットフォーム 出勤前の束の間の空白に かじかんだ手でページめくれば あらゆる行間に孤独が住み着いたのだ 私の叙情も感傷も、果たせなかった拒絶である 電波塔が貫く空も、下校する子供らの足取りも、果たせなかった拒絶である カナリヤが鳴いている それと同じように、私の拒絶は震えている 応答せよ、応答せよ 檻を蹴破れ 服役囚よ 都市の路地 文字起こし 星殺し 拒否オロジー |
季節は次々死んでいく amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 季節は次々死んでいく 絶命の声が風になる 色めく街の 酔えない男 月を見上げるのはここじゃ無粋 泥に足もつれる生活に 雨はアルコールの味がした アパシーな目で 彷徨う街で 挙動不審のイノセント 駅前にて 僕が僕と呼ぶには不確かな 半透明な影が生きてる風だ 雨に歌えば 雲は割れるか 賑やかな夏の干涸びた命だ 拝啓 忌まわしき過去に告ぐ 絶縁の詩 最低な日々の 最悪な夢の 残骸を捨てては行けず ここで息絶えようと 後世 花は咲き君に伝う 変遷の詩 苦悩にまみれて 嘆き悲しみ それでも途絶えぬ歌に 陽は射さずとも 明日は次々死んでいく 急いても追いつけず過去になる 生き急げ僕ら 灯る火はせつな 生きる意味などは後からつく 君が君でいるには不確かな 不安定な自我が 君を嫌おうと せめて歌えば 闇は晴れるか 根腐れた夢に預かった命だ 拝啓 忌まわしき過去に告ぐ 絶縁の詩 最低な日々の 最悪な夢の 残骸を捨てては行けず ここで息絶えようと 後世 花は咲き君に伝う 変遷の詩 苦悩にまみれて 嘆き悲しみ それでも途絶えぬ歌に 陽は射さずとも 疲れた顔に足を引きずって 照り返す夕日に顔をしかめて 行こうか 戻ろうか 悩みはするけど しばらくすれば 歩き出す背中 そうだ行かねばならぬ 何はなくとも生きて行くのだ 僕らは どうせ拾った命だ ここに置いてくよ なけなしの 拝啓 今は亡き過去を想う 望郷の詩 最低な日々が 最悪な夢が 始まりだったと思えば 随分遠くだ どうせ花は散り 輪廻の輪に還る命 苦悩にまみれて 嘆き悲しみ それでも途絶えぬ歌に 陽は射さずとも 季節は次々生き返る |
| 感情道路七号線amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 生きるために死んで 享楽にえずいて 欲しいのは機関銃 恐れと己の 顔面撃ち抜いて 僕の雲を抱いて 偲ぶは7号線 友よ、この歌を歌うな 環状線に鯨 排気ガスを吸って孤独に遊泳 スターフォール 墜落したホームセンター それか確か僕の無名 この街には何故かポスト見当たらないのは 誰も伝えたいことなんて無くなったから サイレンが非常事態を叫ぶ毎日 ならば生きる為に叫べアイデンティティ 不許可の心携えた者の末路に 病める血気に頬が赤く染まるのを見た 大切なものは変わらず今日も手の中 毎夜確かめる変わらず今日も手の中 |
| 鴉と白鳥amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 際立って透明な 霜が降りる頃 鴉の目玉は瑠璃色 凍てつく寄る辺ない夜を 忌々しく睨み続けたから 街へ降りれば石を投げられて 森では鼻摘まみ者 ほとほと疲れて逃げ込む 納屋で憂鬱を育てた 愛されたいと願うことを 恥じてしまうには十分だった この長い孤独は この羽根が黒く染まってしまったのは 妬みで黒ずんだ泉に浸したから 声が酷くしゃがれてしまったのは 憎たらしい人生を 夜通し罵り続けたから 失意のほとりで 出会ったあの人は 桑の実の紅い目玉と白い羽根 陽の光集め 故郷へ帰る旅路の途中 普通じゃないのは人と違うから 人と違う二人が揃えば 僕らだけの普通 その羽根が白く空にはためくのは 故郷の雪景色の天鵞絨を纏うから 僕らきっとどこか似ていた それはこの地上で 同じ痛みに集うから 「ここにいるべきじゃないよ もっと相応しい場所があるよ」 君はそう言い旅に戻った 白い羽根が空に際立った 同じ色に交れば普通で 他に交れば僕ら除け者 所在変われど僕は変わらず僕である この羽根と等しく そんな僕を僕は誇るよ この羽根が黒く 忌まわしくはためくのは 僕が僕である痛みに羽ばたくから 声が酷く耳障りなのは 憎たらしい人生を 未だに罵り続けるから 際立って透明な 霜が降りる頃 白鳥の目玉は紅色 旅路のもの懐かしさと 別れた人に泣き腫らすから |
| 悲しみ一つも残さないでamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 汽笛が鳴れば素っ気なく もうこれまでと旅ゆく人 泣けば切ない、笑えば尚更 だから悲しみ一つも残さないで 家族と別れ、友と離れ どこで暮らしても僕は僕で そういう考えはやめておけ 生きた轍を君と呼べ ああ大嫌い 悲しい事は なのに僕らさよならばかり どこにも行かないで ずっとこの町で暮らして 歳をとって死ぬまで 笑って生きてたいよ できればこっそり出てってくれ 悲しみ一つも残さないで 旅ゆく人は荷物も少なく 望郷、忘れ難き思い出も 始発駅に全部置いてくるから 青森駅は感傷だらけ 夢は夢だとうそぶいた 叶えてこその夢だと誰かが言った 夢を終えた奴らに耳を貸すな 君の夢なら 君が夢見ろ ああ大嫌い 苦しい事は なのに僕ら戦ってばかり どこにも行かないで ずっとこの町で暮らして 歳をとって死ぬまで 笑って生きてたいよ できればこっそり出てってくれ 悲しみ一つも残さないで 戦う人よ傷を癒せ 道半ばで倒れる事なかれ 「命など惜しくない」と言うが 君を惜しむ人がここにいる 先は長いが終わりは早い 焦りはじめてからが始まりだ その先の事は僕も知らない 言いたい事はこれで全部 ああ大嫌い 寂しい事は なのに僕ら旅立ってばかり どこにも行かないで ずっとこの町で暮らして 歳をとって死ぬまで 笑って生きてたいよ 汽笛が鳴るから僕も行くよ 悲しみ一つも残さないで 悲しみ一つも残さないで |
| かつて焼け落ちた町amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 世界中どこでも暮れる ありふれた夕日が 特別になったのは 僕らの育った町 知ってしまったから ここはかつて焼け落ちた町 笑えよ 泣けよ歌えよ 言葉は下らない 未来には届かない 僕らが頭を抱える 人生という旅路は帰り道 死ぬまでの 毛布に包まって 静寂の音に震え 花芽吹いて森が茂って 人が増えて集落となって それを戦火が全部さらって それに泣いてまた立ち上がって 人が集えばそこが町で いい人、悪い人もはらんで いがみ合って 愛し合って それを人は生活と呼んで 額に汗、騙し騙され 食う為には友も裏切って 生きてますか? 生きてますか? ここはかつて焼け落ちた町 僕らが耳を澄ませる 海原には祈りが 沈んでるかもしれない 僕らが暮らしてる土地 そこには屍が 埋まってるかもしれない 歴史は繰り返し 土だけがそれを見ている たかが百年生きぬ癖に 生きる死ぬに悩みは尽きない 喜びの歌は未だ止まぬ 悲しみの歌もまた然り 陽が昇ったらそこが朝で 呼んでもないのに明けやがって 悩んだって 辛くたって 朝日の中、命たずさえて 人と人とが家庭になって そこで僕ら産声を上げて 生きてますか? 生きてますか? ここはかつて焼け落ちた町 人が集えばそこが町で それを戦火が全てさらって 青森空襲で焼け野原 瓦礫の中、焚き火に集って 人が集えばそこが町で 怒りも悲しみも持ち寄って 「この子だけはどうか助かって」 それが僕の親父の親父で 君が居るからここが家で 家があるから僕らの町で 生活して 歳をとって 朝日の中仕事に向かって 突然の悲劇に泣いたって 人と人とで慰めあって 生きてますか? 生きてますか? ここはかつて焼け落ちた町 僕らの町 ここが僕らの町 ここが僕らの町 |
| 数え歌amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 一つ 人として真っ当に 人愛おしみ、人に失意 瞳に灯を宿すあの人 失せしともしび 夢に等しい 二つ 再び信ずるとて うだつあがらぬ詩にぶら下がり 裏切られた事も恨まぬ 負担を分け合う二人なら 三つ ミミズ腫れの三日月 身を隠すとばり 見つからぬように 四つ 寄る辺ない夜にこそ 僕の名前を呼んでくれ 一つ 二つ ただ悲しかった事 足し算したり 引き算したり 三つ 四つ 嬉しかった事 足し引きゼロで眠りたい夜 五つ いつかの傷も痛む 理屈では癒えぬ感傷と 後悔ですら慈しむ 去り行けば痛みすら愛おしい 六つ 移ろう人も街も むつ市の海辺、過去が映る 無痛でいられぬ人の世に ここだけは嵐もくつろぐ 七つ 懐かしいあの人の名は 夏のたもとに流れて泣いた 八つ 矢継ぎ早、急ぐ四季に 顔も忘れた母の呼び声 一つ 二つ 忘れてしまいたい事 足し算したり 引き算したり 三つ 四つ 消すに消せない事 足し引きゼロで眠りたい 五つ 六つ どうしようもなかった事 悔やんでみたり 開き直ってみたり 七つ 八つ 溢れ出した思い出 全部持っては行けない 明日には 九つ ここまでと、ここから 木漏れ日がコツコツ、ノックする部屋から とうの昔に消し去ったつもり 遠ざかる昨日 とうとうさよなら 一つ 二つ 離れたくなかった人 足し算したり 引き算したり 三つ 四つ 愛してくれた人 足し引きゼロで眠りたい 五つ 六つ 信じきれなかった人 悔やんでみたり 開き直ってみたり 七つ 八つ とめどない思い出 全部持っては行けない 明日には |
| 風邪amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 37度の微熱 もんどりうったソファーに亀裂 彼女の長い髪の毛 それで心を縛って祈れ 背後霊 どこにも飛んでかない様に もうふらふらしない様に 待合室で嘔吐した病院 人生汚してこそフィロソフィー やりたいこと やりたくないこと やれること やれないこと 面倒くさくなってほっぽって 選択肢すらなくしちゃって 運命なんて他に選択肢が無かったってだけ 必然なんてなんとなくなるようになったってだけ ごめんちょっと調子が悪いだけなんだよ本当に かれこれ数時間 便器にしがみついて 朦朧とうわ言 |
| 帰ってこいよamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 稲穂が揺れる田舎の風は 置いてきぼりの季節の舌打ちか溜め息 駅の待合室でうらぶれて 誰彼構わず 憂鬱にする 憂鬱にする どうせ出てくつもりなんだろ この町ではみんなそう 決意は揺るがないか 迷いなどはないか 故郷を捨てるつもりか 気に病むな、それでいい 振り向くな 立ち止まるな 花、そぞろ芽吹くとも、芽吹かざるとも 幼い頃に遊んだ校舎の壁が ひび割れた分僕らも傷ついた ガードレール ゴールポスト 漁港のはしけ この町は何もかも錆び付いて 美しい思い出なんてあるものか 記憶の中じゃ泣いて挫けてばかり この町が嫌いだとみんな言うが 早く出ていくんだと決まって言うが 帰ってこいよ 何か成し遂げるとも、成し遂げずとも 君のその愚直な心は 満員電車などに潰されたりはしないのだろうが 額に汗 将来 野望 人間関係 地下鉄の路線図みたいにこんがらがって 信頼出来る人が傍にいるならいい 愛する人ができたなら尚更いい 孤独が悪い訳じゃない ただ人は脆いものだから すがるものは多い方がいい 真っ黒な夜 真っ黒な夜でこそ思い出せ 生まれた町を 今年も花が咲いたよ 遠くで鳴る境内の祭り囃子 君が居なくたって夏は過ぎるけど 知らせ無くとも 今か今かと 待ち人の面影に振り返り 祭りの後、闇と静寂が落ちて 砂浜に花火と狂騒の残骸 季節巡れど心は止まったまま 君が出てったあの時のまま 帰ってこいよ 何か成し遂げるとも、成し遂げずとも 菜の花畑の風車 コンビニも出来て 分校の校舎も建て替えられて あれから大分経った この町も様変わりしたよ 勤め先は相変わらずないから 若い奴らはみんな出ていった 昔よく遊んだあの公園も 今年取り壊されるってさ 夢を叶えたって胸を張ろうが やっぱ駄目だったって恥じらおうが 笑って会えるならそれでいい 偉くならなくたってそれでいい ビルの谷間勇ましく歩く君が 陽に照らされた姿を想うのだ 忙しくしてんならしょうがないか 納得できるまで好きにしろ 帰ってこいよ 何か成し遂げるとも、成し遂げずとも |
エンディングテーマ amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | こんなに空が青いのは ちょっと勿体ないな 少し曇ってるくらいの方が 丁度いいよな 真っ白な病室の 窓の向こうでは そろそろ桜も咲くんだろうけどな 満たされていたいって いつも思うけれど 満たされていないからこその 願う力 腹が減ってる時の 食欲みたいな物 あなたはどうか大事にしてね 失う事に慣れたりしなかった 最後まで僕は悲しい人間でした だけどそれと引き換えに 僕は願うのです 生きて 生きて 生きていたいよ 僕が死んだら 流れ出すエンドロール 僕が主演の 青春群像 お世話になった人達の 名前がずらっと並べば 何時間掛かるか分からないや そんな事考えると ちょっと笑えてくるよな だからエンディングテーマはこんなもんだろ 幼い頃飼ってたペットが死んだとき あまりの悲しさに 出会わなきゃ良かったと思った 手にする喜びと 失う悲しみ 天秤にかけるのは 馬鹿げたことです 偉そうな事を言ったりしてごめんな 本当に僕が言いたい事は つまり 僕の中で生きている 僕が愛したもの達みたいに あなたの中で生きていたいよ 僕が死んだら 流れ出すエンドロール 人はそれぞれ 日常に戻って ふとした時に思い出して 欲しいけどさ 我ながら名作とは言えないもんな そんな事考えると ちょっと笑えてくるよな だからエンディングテーマはこんなもんだろ 失い続ける事で 何かに必死になれる力が宿るのなら 満たされていないってのは 幸せなのかな だとしたら 今の僕はきっと幸せなんだな なのに 心が痛いよ 涙が止まらないよ あなたが死んだら 流れ出すエンドロール 僕はきっと 脇役だろうな 少し寂しいけれどきっと それでいいんだ あなたが幸せだった 証拠だから 僕が死んだら 流れ出すエンドロール あと18小節のエンディングテーマ あなたの胸に焼きついて 消えないような 気の利いた言葉を 言いたいんだけど そんな事考えてたら もう時間か 最後はやっぱり 「ありがとう」かな |
命にふさわしい amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 好きな人ができた 確かに触れ合った アスファルトより土 鋼鉄より人肌 無意識に選ぶのが 冷たさより温みなら その汚れた顔こそ 命にふさわしい 身の程知らずと ののしった奴らの 身の程知らなさを 散々歌うのだ 前に進む為に 理由が必要なら 怒りであれなんであれ 命にふさわしい こぼれた涙を蒸発させる為に 陽が照る朝を 飽きもせず こりもせず 待っている 待っている 全部を無駄にした日から 僕は虎視眈々と描いてた 全部が報われる朝を 世界を滅ぼすに値する その温もりは 二人になれなかった 孤独と孤独では 道すがら何があった? 傷ついて笑うその癖は そんなに悲しむことなんて無かったのにな 心さえなかったなら 友達ができた 理想を分かち合った 向かうべき場所に 歩幅すら共にした 裏切られたっていいと 道端ひれ伏すような 酩酊の夜明けこそ 命にふさわしい 失くした何かの埋め合わせを 探してばかりいるけど そうじゃなく 喪失も正解と言えるような 逆転劇を期待してる そしてそれは決して不可能じゃない 途絶えた足跡も 旅路と呼べ 世界を欺くに値する 僕らのこれまでは 一人になれなかった 寂しがりや共が集って 道すがら何があった? 傷つけて当然な顔して そんなに悲しむことなんて無かったのにな 心さえなかったなら 愛した物を守りたい故に 壊してしまった数々 あっけなく打ち砕かれた 願いの数々 その破片を裸足で渡るような 次の一歩で滑落して そこで死んでもいいと 思える一歩こそ ただ、ただ、それこそが 命にふさわしい 心を失くすのに値した その喪失は 喜びと悲しみは 引き換えじゃなかったはずだ 道すがら何があった? その答えこそ今の僕で 希望なんて いとも容易く投げ捨てる事はできる 心さえなかったなら 光と陰 |
| 1.0amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | あれから色々あったけど こちらは変わらずにいます いつも手紙感謝します 少なくともあなたは1です 僕にとってあなたは1です 窓越し木々からまだらな陽光 季節はほとほとせっかちで 酷く焦ってしまうもので 時間は平等と言いますが 平等ほど残酷なものはないですね 世界に望み託す人には 世界は薄情に見えるものです どうだっていいか ほんとのとこ後悔ばっかりで 今日も眠れない夜が来て 悔やんでも悔やみきれず 成仏できない想いが 真っ黒な夜に成りすまし 真っ黒に塗りつぶす空に 一粒の星明りだって 見当たらない街の底で それでもしがみ付く光を 生きていく為の言い訳を 死んではいけない理由を 悲しむ家族の顔とか 掴みたかった憧れとか 希望と呼べる微かなもの 見つかりますように 見つかりますように 悲観とは未来にするもので そう考えると悲観してるだけましだと思いませんか 「どうにかなるさ」という言葉は 他人ではなく自分に使うものです 他人に期待する人には 他人は無情に見えるものです 勝手にしてくれ 季節外れの海水浴場にて 寄せては返す過去と未来 出会いと別れ、光と陰 そんなものと遠く離れて ただ息をしてたいだけなのに 涙がこぼれそうになって もう無理かもなって もう無理かもなって それでも逃げ出せない因果を かつての嘲笑も罵倒も 後ろ指差されたこととか 全部帳消しにできるもの 嵐でも折れない旗の様に 絶対的に誇れるものが 見つかりますように 見つかりますように 友達も学校も 家族も社会も 恋人も 世界との繋がりが煩わしかった 僕らを縛り付けていた無数の糸は 繋ぎ止める為のものだった この世界へと きっと0か1でしかなくて その間に海原が広がり 泳ぎきれずに藻掻いている 生きたがりの亡霊たちが 凍える心に声も無く 消えたい願いすら叶わず 死にたいなんてうそぶいたって 対岸の灯が眩しくて それでも逃げ込める居場所を あなたを呼び止める声を もうここで死んだっていいって 心底思える夜とか 報われた日の朝とか あなたにとっての1が 見つかりますように 見つかりますように 「どうにかなるさ」って言える あなたにとっての1が 見つかりますように 見つかりますように |
| アルカホールamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 宵の淵に腰掛け物思い 街は馴れ馴れしかった、当時 でも、親しい顔すれば素通り 脆い思い出は溶けてしまった氷 彼はキスした手首の傷に 朝日に素面の顔は気まずい 目の下のクマは黒い三日月 温いシーツに香りの名残はずるい 外と隔離した部屋で 飲み干す傷病手当 現実に悪酔い どうせ咲かぬ蕾 間引かれるなら どうか私から はしゃいだ分だけ寂しい 空虚に化粧ほどこし 夕映えが最後に 頬を赤く染めてくれる そしたら綺麗と言って 良かったころの思い出 口を塞いで黙らせて 今だけ見ろって ア ア ア アルカホール フォール バスではいつも汗が酷い 焦る日ほど信号は黄色い ミーティングで静寂に身じろぎ 動悸 他人はいつも私には遠い はみ出した者が泣く だからどうとかじゃなく 諦めていい 理由には十分 宛名ない速達で黒が来る 幼い頃ママが言った「あなたは天使だ」って だから天国をスリップして この部屋に落ちた すでに羽根もがれたけど 今さら飛ぶ気もないの だからなんだって言うの ただ一つ、ママごめんね ア ア ア アルカホール フォール 軽薄な喧騒と耳つんざく音楽 その波にさらわれて全部忘れたはず こんな夜の孤独とか いつかの綺麗なキスとか 夜遊びの冬の匂いとか 笑ったはずの季節とか 朝方打ち上げられて 顔を覆って泣いてる 記憶の死骸達でアクセサリー作って 「綺麗でしょ?」「綺麗でしょ?」ってずっと泣いてる あの子は誰だっけ?なんて私に聞かないで 寂しい分だけはしゃいで 後ろめたさあしらえば 無邪気な顔の夜が 全て匿ってくれる そしたら綺麗と言って こんな惨めな私を 口を塞いで黙らせて 全部夢だって ア ア ア アルカホール フォール |
| 或る輝きamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 粘着質な夜明け 底なし沼と星空の類似 観測地点における寒波の去来 親不孝通りの吐瀉物の染み 捨て鉢なエンジン音の個人タクシー 残響と共に襟を立て、立ち去る季節 行くも行かざるも虚しいまま 湖面に不時着する落葉 断定的な微笑み 網膜 拡散 悲しみ 悲しみ (上昇と同時に墜落する肢体 住宅街の夕景のささくれ 果たせぬ願い 明日への展望 来訪する季節 ついに出発しなかった旅路 あの日、あの時のあの子の微笑み 後部座席に思い出、遺失物 悲しみ 悲しみ) 或る特定の期限における爆発的な命の輝き 瞬き 疾走とはつまり燃え落ちる衛星の輝き 瞬き 肢体がバラバラになっても 痛みが炎と朽ち果てても 存在した 存在した 輝き 屈折したエゴが結ぶ実像 環状線、囚われの身の泊地の精神性 体育倉庫の堅い地面に裂傷 深夜一時にこだまする執行猶予的な笑い声 潰れたガソリンスタンドに横付けされた侘しさ 利他的な憤怒 日々、暮れていく感性 相対的な幸福 省略された人間性 病巣 雑音 悲しみ 悲しみ (遮光カーテンに真夜中の染み 空白を埋める為の慣性運動 ぼたぼたと滲んでいく鼻血 遮断された生活の孤立 はためく企業の旗と不良カラス 自覚のない自堕落 死んでいく感性 値札の付いた幸福 間接的存在否定 虚言 悲しみ 悲しみ) |
| アダプテッドamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 満たされなさに名前を付けたら 図らずとも幸福と呼ばれた 主義主張 躁鬱シャーマニズム 段ボールハウス居住サルトル 路線バス 錆びた車体 経年劣化する思考 欲情の二乗 麦藁帽子を掛けた軽トラ 初月無料 女子アナ プラウト アダプテッド 立ち食い蕎麦 神降ろしにて食し ウインドウズ 便箋 世は情け 過大評価 過小評価 キルユー 宙ぶらりん 文庫 シティーライト 出会いと別れ切符切りそびれ ホスピス横たわり終末医療 患った不治の病、青春 あの夏の尻尾掴みたい アダプテッド 森の呼ぶ声を聞いた 僕は死んだ 真夏にあの子抱いた一夜 きらめく星空は 僕らを貫通してった弾痕 天の川は創傷 世界に二人だけ 観念だけになって 口角を上げた夏 絶唱 絶唱 社用車で昼食ついぞ嘔吐 なんだかんだあって今、水死体 身辺整理 七つ目の夜に 鉄道唱歌 口ずさみ行こう 惚れた腫れたの日銭物乞いに 南無阿弥陀仏 漁船 夢違え 死ぬには広すぎる海底では ただよっている ただ酔っていアダプテッド 夕闇彼方が燃えた 僕は死んだ あの子が世界を変えた一夜 きらめく星空は 僕らを貫通してった弾痕 天の川は創傷 世界に二人だけ 観念だけになって 口角を上げた夏 絶唱 絶唱 煌々と燃えたる朝焼けの 照らす窓辺に 古新聞 古雑誌 古自分 古自分 苔むす生に串さして 哲学たちんぼとおりゃんせ とおりゃんせとおりゃんせ 笑う音がいとおかし あなたがいれば死んでもいいか 死んだらどうか 相談しようそうしよう きらめく星空は 僕らを貫通してった弾痕 天の川は創傷 世界に二人だけ 観念だけになって 口角を上げた夏 絶唱 絶唱 アダプテッド |
| 明日には大人になる君へamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 明日には大人になる君へ 距離の最小単位を 時間の最小単位を “私”の最小単位を 細切れになった 映画フィルムの一コマのような静謐な場所で 自覚と無自覚の交差する三叉路で 初秋の風が撫ぜる歩道橋で そこで待ち合わせしよう 明日には大人になる君へ 私は自死を否定しない 私は孤独を否定しない 私は“私”という定義の領分については懐疑的でありたい 社会における境遇と その惰弱な精神を拠り所にした “私”と呼ぶには未成熟な自意識を 混同したりはしない 明日には大人になる君へ これから来る人生の屈辱においては 報復を誓うのも無理はないのかもしれない しかしながらその痛みが 君の尊厳に値するか知るべきだ 金品目的の窃盗犯は 私の書いた詩の一行だって盗めやしない 私はそれを尊厳と呼ぶ |
| アオモリオルタナティブamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 放課後チャリでにけつライブハウス たくやのムスタングは水色 どんな未来を迎えようとも 恐れるに足りぬ 青さが血走る MarshallとOrangeツインギター 道違えど出所は同じ トラブったら入力から辿れ 最初に言われた 間違いなかった 国道から脇道に入り 陽も届かぬ路地に 世間知らずがたむろすれば 世間知らずが世間だった あっち行ってこっち行っても 君はもうきっと大丈夫 どっから来たかの話じゃなく 何処へ向かうかの話ならば 法被着て神社横丁 話し込んでぬるいハイボール 今夜、数多の答え合わせ 生きてる限り何かの途中 仕事の愚痴 娘、反抗期 病んだことも挫折したことも 笑い話にできたことは多い そうじゃないことは誰もが秘めるから 所々に涙の跡 ヘンゼルのパン屑みたいに辿る むつ市本町通り雨上がり いつのわだかまり 今夜種明かし くたばる為に生きた訳じゃねえ 歩いた道程を 負けや恥と吐き捨てるな それこそが君の成り立ちなんだから あっち行ってこっち行っても 君はもうきっと大丈夫 思い出話の栞程度 不幸はピリオドなんかじゃねえ 法被着て神社横丁 話し込んでぬるいハイボール 過去と今日との答え合わせ 生きてる限り何かの途中 ミスった時こそ涼しい顔 伺うんじゃなく睨みつけろ ここぞという時にペダルを踏め 鬱屈も増幅すればアートたり得る 幾度挫けて身の丈を知って でも「ひょっとしたら」が「もう一度」と急かす 人生変える何かにも始まりはある それが今日じゃ駄目な理由は一つもない あっち行ってこっち行っても 君はもうきっと大丈夫 自分の成り立ちを知ってこそ 理想の成り行き描けるんだ 法被着て神社横丁 話し込んでぬるいハイボール いつかこの歌の答え合わせしようぜ 僕らはずっと途中 |
| アイザックamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | アイザック 1カートンのナーバス 哀楽 セブンスの歩幅 工業区 黒煙のキャンパス ラングストン 一服のドラマ 品川駅が咳き込むので 着飾った女性が背中をさすっていた うずくまった未明通りでは 今日も犯人による犯人捜しが 憶測と出歯亀と有識者でぎゅうぎゅう詰めだ 悪人のくせに悪人面する勇気すらない 恥知らずの悪人が吐いた 道徳によく似たそれは 腐敗する妄想 晩秋の訃報 猟銃の発砲 初雪が未だ逃走 十二月の東北 アイザック 1カートンのナーバス 哀楽 セブンスの歩幅 工業区 黒煙のキャンパス ラングストン 一服のドラマ 誰かが誰かを傷つける度に胸を痛めるなら いつかそれが死因になる そういう意味では優しさは病だ 誰かが吐き捨てたつばを 少なからず僕らは踏んづけて行進するんだ 吹雪も大時化も その先に灯りは見えずとも やぶれかぶれに自暴自棄に 死に物狂い 鉱山の崩落による 生き埋めのヒューマニズム 希望もいつか消える だがそれは息絶える時だ アイザック 1カートンのナーバス 哀楽 セブンスの歩幅 工業区 黒煙のキャンパス ラングストン 一服のドラマ |