国境の春岡晴夫 | 岡晴夫 | 松村又一 | 上原げんと | | 遠い故郷は はや春なれど ここはソ満の 国境(くにざかい) 春と云うても 名のみの春よ 今日も吹雪に 日が暮れて 流れ果なき アムールよ ペチカ燃やして ウォッカ汲(く)めば 窓に流れる バラライカ 祖国離れて 旅する身には なぜか心に しみじみと 響くやさしの セレナーデ たとえ荒野(あれの)に 粉雪降れど やがて花咲く 春じゃもの 咲けよオゴニカ 真赤に咲けよ 燃ゆる血潮の この胸に 明日の希望の 花よ咲け |
上海の花売り娘岡晴夫 | 岡晴夫 | 川俣栄一 | 上原げんと | | 紅いランタン ほのかにゆれる 宵の上海 花売娘 誰の形見か 可愛い耳輪 じっとみつめる 優しい瞳 あゝ 上海の花売娘 霧の夕べも 小雨の宵も 港上海 花売娘 白い花籠 ピンクのリボン 襦子もなつかし 黄色の小靴 あゝ 上海の花売娘 星も胡弓も 琥珀の酒も 夢の上海 花売娘 パイプくわえた マドロスたちの ふかす煙の 消えゆく蔭に あゝ 上海の花売娘 |
港シャンソン岡晴夫 | 岡晴夫 | 内田つとむ | 上原げんと | | 赤いランタン 夜霧に濡れて ジャズがむせぶよ 阜頭(バンド)の風に 明日は出船だ 七つの海だ 別れ煙草は ほろにがい 泣いてくれるな 可愛い瞳よ どうせ船乗り 波風まかせ あすはどこやら 鴎の仲間 青い海見て 暮らすのさ 暗い波止場に いま鳴るドラは どこの船やら 三本マスト せめて今宵は しみじみ酔おか 海は果てない 旅じゃもの |
広東の花売娘岡晴夫 | 岡晴夫 | 佐藤惣之助 | 上原げんと | | 紅の雲 黄金(きん)にかゞやく 港広東 埠頭(バンド)をゆくよ 花売り娘 可愛い前髪 ひすいの耳環 花を召しませ 南国の甘い花よ 水の面(も)に 燈火かゞやく夢の広東 流れて燃ゆる フラワーボート 漕げよ舳舟反(サンパン) 胡弓の調べ 花を召しませ 月の夜に薫る花よ 七色に ネオン輝く夜の広東 ホテルの窓に ギターのひびき 霧にぬれてる フランス・ブリッジ 花を召しませ 青春の紅い花よ |
南京の花売娘岡晴夫 | 岡晴夫 | 佐藤惣之助 | 上原げんと | | みどりの光よ たそがれよ 呼べば来る 花篭さげて 純な瞳よ 南京娘 花はいかが 嬉しい花 楽しい花 ゆれてほのかに 涙ぐむよな 花のいのちよ 流れの画舫(がぼう)よ 夕月よ 水に散る うたげの夢に 濡れるまつ毛よ 南京娘 花はいかが 優しい花 悲しい花 白いジャスミン すすり泣くよな 花のこころよ 乙女の匂いよ 茉莉花(まつりか)よ 空に照る こがねの星に 何をささやく 南京娘 花はいかが 愛(いと)しい花 あなたの華 雨も降らぬに ほろり散るよな 花のすがたよ |
パラオ恋しや岡晴夫 | 岡晴夫 | 森地一夫 | 上原げんと | | 海で生活(くら)すなら パラオ島におじゃれ 北はマリアナ 南はポナペ 島の夜風に 椰子の葉揺れて 若いダイバーの 船唄もれる 島へ来たなら ダイバー船へお乗り 男冥利に 生命をかけて 珊瑚林に 真珠採りするよ ダイバー愛(いと)しの 鼻唄歌うて 高波(なぐら)うねりに 度胸がすわりゃ 海は故郷(ふるさと) パラオの王者 錨(アンカー) 降ろして ランタン振って 帰るダイバーは 人気者 |
花の広東航路岡晴夫 | 岡晴夫 | 佐藤惣之助 | 上原げんと | | 南国の 青い空 赤い夕陽の 珠江(シュコウ)の流れ 進む汽船の デッキの上で 語るクーニャン まりほの匂い ドラも鳴ります 花の広東航路 花塔(ホワトウ)も たそがれて 霞むみどりの 沙面(シャーメン)波止場 並ぶジャンクに 灯りがともりゃ 風もささやく 歌さえ響く 月が出ました 花の広東航路 船おりて そのままに プロムナードは 埠頭(バンド)のほとり 蛇の料理は うれしかないが 街の花火の 楽しい光り 夢の旅行よ 花の広東航路 |
東京の花売娘岡晴夫 | 岡晴夫 | 佐々詩生 | 上原げんと | | 青い芽をふく 柳の辻に 花を召しませ 召しませ花を どこか寂しい 愁いを含む 瞳いじらし あの笑くぼ ああ 東京の花売娘 夢を見るよに 花籠抱いて 花を召しませ 召しませ花を 小首かしげりゃ 広重描く 月も新たな 春の宵 ああ 東京の花売娘 ジャズが流れる ホールの灯影 花を召しませ 召しませ花を 粋なジャンバーの アメリカ兵の 影を追うよな 甘い風 ああ 東京の花売娘 |
青春のパラダイス岡晴夫 | 岡晴夫 | 吉川静夫 | 福島正二 | | 晴れやかな 君の笑顔 やさしく われを呼びて 青春の花に憧れ 丘を越えてゆく 空は青く みどり燃ゆる大地 若き生命(いのち) 輝くパラダイス 二人を招くよ 囁くは 愛の小鳥 そよ吹く 風も甘く 思い出の夢に憧れ 丘を越えてゆく バラは赤く 牧場の道に咲く 若き生命 あふるるパラダイス 二人を抱(いだ)くよ 花摘みて 胸にかざり 歌声 高く合わせ 美(うるわ)しの恋に憧れ 丘を越えてゆく ゆらぐ青葉 白き雲は湧きて 若き生命 うれしきパラダイス 二人を結ぶよ |
啼くな小鳩よ岡晴夫 | 岡晴夫 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 啼くな小鳩よ 心の妻よ なまじ啼かれりゃ 未練がからむ たとえ別りょと 互いの胸に 抱いていようよ 面影を 旅ははるばる 果てないとても 呼べば届くよ 夜ごとの夢に 思い出したら 祈ろじゃないか つきぬ縁(えにし)を 身の幸(さち)を さらば小鳩よ 心の妻よ 瞳曇るな また逢う日まで 帽子ふりふり 後(あと)ふり向けば 暁(あけ)の野風が ただ寒い |
港に赤い灯がともる岡晴夫 | 岡晴夫 | 矢野亮 | 八洲秀章 | | 暗い空だよ きらりと光る 切れたテープか 鴎の鳥か あゝ 港に赤い灯がともりゃ 残る未練の すすり泣き 今日の出船は 東か西か ドラがしみこむ 俺らの胸に あゝ 港に赤い灯がともりゃ 海が恋しい 船乗りさ (セリフ) 『今度こそこの町へ落ち着こうと、何度考えた かしれねえが、あの海の呼ぶ声を聞くと、なぜ かじっとしちゃいられねえんだよ。そりゃ俺だ ってたまには岸壁にへばりつくこともあるんだ が、いつかまたあの広い海へ出ていってしまう んだ。あばよ、港よ陸よ、あすはまた海へ行く』 歩みつかれて 錨をおろす なれた酒場の あの娘のえくぼ あゝ 港に赤い灯がともりゃ せめて一夜の 陸(おか)の夢 |
東京シャンソン岡晴夫 | 岡晴夫 | 吉川静夫 | 上原げんと | | あの娘(こ)スターか ニュー・フェイスか 初恋の 淡き夢 面影の 浮びくる 柳影 月も泣く 若き日よ あゝ ロマンスの 花咲く都東京 あの夜別れた ネオンまたたく 胸に散る 紅(くれない)の 花の束 抱(いだ)きしめ 思い出す 忘られぬ 人の名よ あゝ ロマンスの 花咲く都東京 あの日歌いし 歌も流れる 人の波 寄せる街 希望(のぞみ)わく ともる灯も ほのぼのと 明日(あす)を呼ぶ 鐘の音よ あゝ ロマンスの 花咲く都東京 |
男の涙岡晴夫 | 岡晴夫 | 高橋掬太郎 | 上原げんと | | 夜の裏町 流して更けて 男泣かねど 散る涙 せめて唄おか あゝ せめて唄おか 切ない胸を 柳落葉の あの角で 旅の楽屋は 只さえ淋し 抱いたギターよ 何を泣く 云えぬ思いを あゝ 云えぬ思いを 心に秘めて 夢にあの日を 見るばかり 男なりゃこそ 笑って捨てた 恋よ情けよ 思い出よ 人にゃ見せない あゝ 人にゃ見せない 涙のしみを 知っておくれか お月さん |