旅君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | | うつろい かげのなかにやむ やむ あめはおち いきははき すう まあるくうしなう まあるくあるく いびつがうむ えつとかい たゆたう あかり のむ はく こぼれた むらさき |
傘の中の手君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | | 行く手囀る朝陽を 軽弾みに見舞うような 浅葱の眩暈に! 1,駆け寄る 2,頬寄す 3,嫌気さす...お好きにどうぞ! 泥濘んだ指間をすり抜けてゆくよ 痩せた魔法と笑いたがるあなたと手 三つ編んで ご覧、扉棚引く ね!眠りの中で歌ってたあの日 「寸でのところで飲めば嘘だよ」 君をずっと待っていたようだ 知らないふりして頭掻いてる 羽根を広げてよ、仕舞い込んだ羽根 冴えた色を掴んで飛ぶ傘の中の手 広げ 仰ぐモノクロ 縦に靡くこの世を 君の声と曲がりながら泳ぐ 発条の軋んだうざったい体も着いてきたから 踊るよ、ここから 白い口が嘘をつく前に さあ、「新品の酸素だよ」って懲りずに教えてよ 何度も転んで、こんなんで、ぐずぐずのまま 覚めてゆく夢の頬つねる指 「ここまでおいでよ」軋み出せば骨 重ねるほどに壊れる体は? 遮る雨の向こうへ! 傘の中の手、その手へ |
笑止君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | | 数えてる指がだんだん重くなったら 笑ってるみたいね 引き摺り続けた影絵 肩透かしてゆく風を吸い過ぎたから あなたの声もいきなり遠くなって沈んだ ほら、水浸しの朝の上腕が湧き、袖を掴む 天鵞絨と継ぎ目なくこの世は混ざり出した 今、殆ど隠して 手繰れば夢なら爪先まで絡繰の内? 錆びつく鍵なら煙にあずけて 剥がれた仮面に反転して煮立ってく涙 距離解く彼は誰? 忽ち夜ならば 白く誤魔化され肩を抱いている 風に散らした恋のように届かない 伸ばしている指間に積み上がってしまった空 垂れた糸のその先に結わえていく 星を吊す彼の娘の背中も白々しく曇り出した 今、縫層を解いて 手折れば花さえ はらり溢れ絡繰のうち 錆びつく手懸り、殆ど教えてくれ 体を逸れた時間に巻きつく指 このままあなたと煙に巻かれて |
散瞳君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | | 溢れた手に怯えている 君の手は何を掴んだ? ただ腐ってくの? 列成す能面 取り残されて 凹んだ球面に零れ落ちて 逆様になる一瞬を 気付かないふりしたんだ 聴こえない歌が弾け飛んだ朝 君の名前 飽きるほど 窓の向こうに繋いでいたら 美化は気化し無駄に灰色なノイズが走った 今日も充満した花のような雨です 笑ってよ 君を忘れていく世界を 跳ね返してくれよ! 気付かないふり しないで! 聴こえない歌が弾けとんでった 花は染まった 凍り付いた逆光ひっ掴んでおいでって 見えないくらいが良いったってさ 僕はぐらつくんだ 煌々充満した 花弁の雨が止まないんだ ぎこちない小指で世界を 抱きしめてくれよ |
火傷に雨君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | | 止まない雨の中 真っ逆さまに手透かして 優しいあの娘の潤んだ右目 冷たく燃えていた? 忘れてた景色さえも泥に塗れていた すぐにドアを蹴破って この夜余さず掻っ攫って 雨と舞う 君は発条引く羽根翻し 構わず踊ってよ、 差し出す指が逸れてもずっと ねえ!今すぐにならその耳まで 囁く声は降りしきって聞こえる? 明日を選んでいた 怠い美化で終わらせたなら また疼き出すだろ 吐き尽くしたことにして 底で泣き喚く火傷も忘れ 雨と舞う 君は発条引く羽根翻し 構わず踊ってよ 差し出す指が逸れてもずっと ねえ、笑わせるなよ (さらさら届かない) 囁く声が降りしきってきこえる! 夢見てたんだよ、これからもそうだよ ずぶ濡れの僕らは切れ切れの反射光 ずぶ濡れで僕らは乱反射して! 気づいていたんだろう |
縫層君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | | 出口塞ぐはあなただらけの幕間 気化せぬように幾つも束ねて呼ぶ? 肺混線の送電網で 濃い反動を眩くように唾棄して 灰色な夕景へ! 不完全なままの翼に降る雨!雨! 心臓の音が混ざり合う ときめきに怯えながら 歪んだ音は鳴り止まない この世で踊るよ! 血走る息の根が伸ばす手は 君の目に打たれていく透明を結う ほら、めくれた夕どきの空 まだ雨上がりの街中 晴れ間、裂けた空へ燃えた また造られた花弁... 見上げるほど古い肋の膜目 流れ込んだ木漏れに浸され あなたの頬を染めてく雨 心臓の音が混ざり合うときめきに怯えながら 歪んだ音が、間に合わないこの手をとるよ! (ふたり)は足掻くほど近付く? きっと花弁を浴びるような接吻で 見えるように掻き壊す指までそっと! 泣き声がとれない耳からずっと |
花曇君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | 君島大空 | | ここは繋がったままの瞼 閉じたら開いた扉 空すら吸い込む ふざけた電飾の渦も届かない場所 したり顔のまま出てきてよ 君に会いにきた いつか、あなたに来た手紙と 浅い眠りを泳ぎだした二人 身を捩る夢の中 体を抜けてゆく 春の歌が聴こえるまでお前は忘れて笑っているんだ 壊れた鏡を並べて誰か喋り出すの 肌の下、目眩の徒然を、針狂す指が星を結わえたことも 鞄の中は散らかったままで霧が晴れてしまって 諄い雨音に過ぎたまんまの春が聴こえてきても さあ行こう、息解くよ こんなにも瓦落多に寄りかかった 騒がしい街が今更振り向いて 君の名前を呼び出すけれど 何も覚えてないふりをしてね 「ねえ昨日が壊れても何も怖くない?」 頼りなく嘲笑った夜の底に鍵を落としてしまっても 僕が繰り返す錆びた雨など届かぬように きっと花曇の白い胸に波は寄せて 頬を冷やすひび割れた風と溶けて流れ出せ ここは繋がった瞼 いつか誰かが閉ざした扉 |