本当の自分とは何なのか。

 2022年3月27日に“Thinking Dogs”が新曲「Collage」をリリースしました。本楽曲は、ひかりTVのオリジナルドラマ『ラブシェアリング』の主題歌にも起用されております。MVでは、見られる者と見る者を客観的な視点から、現代におけるソーシャルな監視社会を抽象的に表現。ぜひ、ドラマ、歌詞の世界観と合わせてお楽しみください。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Thinking Dogs”の大輝(Dr.)による歌詞エッセイを3回に渡りお届け!今回は第1弾。綴っていただいたのは、新曲Collage」にまつわるお話です。歌詞のテーマは「本当の自分とは何なのか」。好きなもの、好きなひと、好きな場所、自分にとっての“好き”を思い浮かべながら、このエッセイと歌詞を読んでみてください。



皆さんは「自分」という人間が本当はどんな人間なのか、じっくりと考えたことはありますか?
 
どんなモノが好きで、どんな人が好きで、どんな人間になりたいのか。
 
よくよく考えると、自分のことって分からないことだらけだったりしますよね。かくいう僕もその1人で。
 
今回のCollageという曲は「本当の自分とは何なのか。」をテーマに歌詞を書きました。
 
 
そもそものCollageという言葉。これはフランス語で「糊付け」という意味で、新聞や雑誌などから切り抜いた写真や絵、文字などを画用紙などの台紙に貼って1つの作品にする技法のこと。
 
所謂美術の表現技法ですが、実は人間も同じで「自分」という台紙に服やメイク、音楽や映画といった娯楽、食べ物、はたまた付き合う相手といったモノを自分の趣味趣向に合わせて切り取って貼り付ける、一種のCollageなのでは? と感じました。
 
 
そんな中で浮かんだ疑問が1つ。
自分が好きだと思って貼り付けているそれらのモノは、果たして本当に自分が好きなモノなのか。
 
 
「SNSで話題だから。」
「友達みんなが観てるから。」
「憧れのあの人が使ってるから。」
「映えるから。」
 
 
他にも沢山あると思うけど、そういった理由で買った物、食べた物、観た物、行った場所が皆さんにも1つはあると思います。もちろん僕もあります。
 
ただ、そうやって手を伸ばしたモノは本当に自分が欲しかったモノなのか。選んでいるようで選ばされているだけなんじゃないのか。
 
流行りのモノが悪い訳じゃない。ただ、流行りのモノばかりを追いかけていても、それは「いつになっても誰かのオマージュ」なんじゃないのか。
 
 
良くも悪くも、何も考えなくても、色々なところから色々な情報が入ってくる今の時代。そんな時代だからこそ、そこから何を選ぶのかがとても大事な気がしています。そしてまた、その選択が「自分」というモノを形成していくのかなと思います。
 
 
「本当の自分とは何なのか。」
僕もまだ探している途中です。そしてこれはきっと、生きている間ずっと付きまとうテーマだと思います。
 
最後の日にどんな答えが出せるのか。
そんなことを楽しみにしながら、人生という長い長い自分探しの旅をこれからも楽しみたいと思います。

<Thinking Dogs・大輝>



◆紹介曲「Collage
作詞:大輝
作曲:わちゅ~