今週リリースの新譜から「嘘」がテーマの2曲をピックアップ!

“人は守りたいものに嘘をつくの。
あるいは守ろうとするものに。”

 江國香織の珠玉の恋愛小説「スイート・リトル・ライズ」にそんなセリフがあります。2010年に中谷美紀と大森南朋のW主演で映画化もされたこの作品。一見幸せそうに見える夫婦が、お互いに別の相手と秘密の恋に落ち、日々の中に小さな優しい嘘が積み重ねられていく…という美しく切ないラブストーリーです。では、たとえば不倫をしている夫が妻につく嘘は、その妻との日常を守ろうとするがゆえのものなのでしょうか、それとも別の恋を守るためのものなのでしょうか…。本日のニュースでは、そんな“嘘”をテーマに描かれた楽曲を、新譜から2曲ご紹介いたします!

“君がついた嘘なら信じるよ
騙されても 愛していたいから
愛してる
信じるってなんだろな
疑って証明する事かな
それとも願うことかな”
「君がついた嘘なら」/JUJU

 JUJUが12月9日にリリースした6枚目のオリジナルアルバム『WHAT YOU WANT』の収録曲です。「騙されていたっていいの…」ダメ男に引っかかってしまう女性にありがちな心情ですが、相手の“嘘”に気づいていながらも、彼女が“信じる”こととは何なのか…。それはまさに、その“嘘”が自分のためのものであることではないでしょうか。自分が愛されているからこそ、自分との関係を“守ろうと”してくれているからこそ、生まれてしまった嘘なら仕方ない…。そう心に言い聞かせることは、彼女がこの恋を“守る”ために自分自身についている“嘘”でもあるのかもしれません。

“「好きだからしかたないって、
それも勿論仕方ないんだけど、
どうにもならないこともある。
嘘をつく唇はいつも堅くなるのよ。
そんな唇ではキスは出来ない…。」”
「嘘をつく唇」/東京スカパラダイスオーケストラ

 こちらは、女性がゆらりゆらりと彼から身をかわしながら踊るような妖艶ナンバー。“東京スカパラダイスオーケストラ”が12月9日にリリースしたニューシングルです。ゲストボーカルに、大注目のギター女子“片平里菜”を迎えた久しぶりの女性ボーカル×スカパラサウンド!どこか気怠そうな彼女のヴォーカルが見事にマッチしていますねぇ。片平は自身のTwitterでこの曲について「奔放に楽しみたいだけなのに、なんだか気怠いなぁって。女の子は嘘をつくけど 恋をすると嘘つけないよね。この曲だいすき!」とツイート。何かを守るために嘘をつくより、本能のままに刺激的な恋を求めている小悪魔な歌の主人公は、今夜も何処かの街へ繰り出してゆくのでしょうか…。

 子どもの頃はただ単純に『嘘はいけません!』と教わってきたはずなのに、大人になればなるほど、いつのまにか色んな角度からの嘘、色んな意味を持った嘘を覚えてしまうんですよね…。是非、JUJUの「君がついた嘘なら」、東京スカパラダイスオーケストラの「嘘をつく唇」、オトナの2曲を聴いて、また新たな“嘘”のカタチも感じてみてください!