INFPらしいINFP

 2023年6月21日に“ゆいにしお”がMajor 1st Single『ワークライフアイランド』をリリースしました。今作は新曲3曲を通して“社会人女子の夏”を描くコンセプチュアルな作品になっており、さらに「ゆいにしお presents summer 2man tour "DAILY ISLAND"」は今作のリリースをひっさげたツアーとなっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな“ゆいにしお”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「SUMMER TUNE」にまつわるお話です。最近よく目にする「MBTI」というワード。ゆいにしおが自身の性格診断の結果に基づく“あるある”を読んでいくうちに、気づいたこと、感じたことは…。 また今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをご堪能あれ…!


ゆいにしおの朗読を聞く

最近ネットを騒がせている性格診断がある。
いくつかの質問に答えることで、16種類の性格に分類される、というものだ。
 
「16Personalities」という無料で受けられる診断がネットにあり、ネット上では「MBTI」とよばれている。正確には「MBTI」という名称ではないので、診断の際は留意していただきたい。詳しいことは調べていただき、ご自身の判断で診断を受けてください。
 
そんな診断、友人が突然ハマって、私にも半ば強制的に受けさせた。
結果は「仲介者(INFP)」だった。16種類の性格は、4文字のアルファベットで表記される。アルファベットそれぞれにも意味があるのだけど今回は割愛。
 
「16Personalities」によると、「仲介者型気質の人は、真の理想主義者で、極悪人や最悪の出来事の中にさえも、常にわずかな善を見い出し、物事をより良くするための方法を模索しています。落ち着きがあり控えめで、内気にさえも見られますが、内には激情と情熱があり、まさに光を放つ可能性を秘めています。」とある。
 
共感や調和を大切にしながらコミュニケーションを取り、自分の妄想の世界に引きこもる、といったところだろうか。創作をする人にはぴったりな性格じゃないか、と診断結果が出た時は誇りに思ったものだ。
 
そこから診断にハマって、SNSにも診断についての話題をよく目にするようになった。「◯◯(診断結果)あるある」と、それぞれの結果に当てはまる性質を簡単にまとめたものも多い。
 
私の診断結果である「INFP」は、「生産性のないことしか考えていない」とか「提出物の期限がいつのまにか過ぎている」とか(今もギリギリで原稿を書いている)、内向的で直感型の性格を表すからか、わりと散々な言われ方をしている。
 
時間を食い潰して見ているうちに、「本音を言おうとすると泣きそうになる」とか「親しい人にすら考えていることを話せない」といったあるあるにふと目が止まる。
自分だけが特別苦手なことだと今まで思っていて、社会で生きづらい原因となっていることだったからだ。
あるあるとしてまとめられていたのは衝撃的だった。
 
正直、診断はかなり簡易的なので、こういう「あるあるネタ」は、昔流行った「A型は真面目☆」みたいなのとなんら変わらない。信憑性は0といっていい。
 
だけど、今まで社会と馴染めずモヤモヤしていた部分が言語化され、さらに同じ仲間がいることがわかっただけで気持ちが楽になった面はある。
 
そんなふうに、「◯◯らしい」はときどき何かを救う瞬間がある。
 
6月21日にリリースされた『SUMMER TUNE』も、忙しい毎日の中の休息を、海なんか行ったりすることで夏らしさを取り戻す、という曲だ。
誰かの勝手に決めた枠組みがしんどければそこから離れて、それがふと寂しくなれば枠組みにおさまればいい。そうやって切り抜けていこうじゃないか。
 
ただし、人に「あなたは◯◯だから◯◯だよね」と押し付けるのは、この性格診断に限らずよろしくないことなので控えましょうね。
 
<ゆいにしお>



◆紹介曲「SUMMER TUNE
作詞:ゆいにしお
作曲:ゆいにしお

◆Major 1st Single
『ワークライフアイランド』
2023年6月21日発売
 
<収録曲>
1.We Are Girls Forever!
2.SUMMER TUNE
3.アイスコーヒー