現実を生きるリカちゃんとmid-20sなわたしたち。

 2022年10月5日に“ゆいにしお”がメジャー1stフルアルバム『tasty city』をリリース! 今作は、ゆいにしおの持ち味である「独特な言葉遊びを交えた歌詞」や「あたたかみのあるポップさ」が発揮された楽曲が12曲収録されております。また、アルバムリリースに伴い、10月26日からは、全国3箇所でワンマンライブを開催。こちらも是非チェックを!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな“ゆいにしお”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「mid-20s」にまつわるお話です。歌の幕開けとなるフレーズが誕生したきっかけとは…? 今、ほんの少しお疲れなあなたに、この楽曲とエッセイが届きますように。



YouTuberの動画はあまり見ないほうだけど、よく見ているYouTubeチャンネルがある。
 
そのチャンネルの名前は『現実を生きるリカちゃんねる』。
 
みんなおなじみの、あのリカちゃん人形が、まるで現代に生きているかのように振る舞うYouTubeチャンネル。憧れの存在としてのリカちゃんが、自堕落な、でも働くときは働く会社員として暮らすギャップにめちゃくちゃハマっている。
 
『リカちゃんねる』の投稿主は、もともと販売されているおもちゃの小道具に加え、オリジナルの小道具もたくさんつくっている。充電ケーブルや害虫対策のスプレーまで、とにかく生活の作り込みのすごさに驚く。
 
一枚ずつ写真を撮って繋げたコマ撮りにも関わらず、生身の人間のように動くリカちゃんも見どころ。
 
誰にも見せることを想定していない部屋着でお腹をボリボリ書いたり、スカスカの冷蔵庫には卵のパックが空のままで冷やされていたり。「私の生活をのぞかれているのだろうか?」と身の毛もよだつ思いでこの動画を見る人も多いでしょう。私がそうだからです。
 
そしてついに、そんな愛しい現実リカちゃんの生き様(?)は、歌詞にも反映されてしまった。
 
10月5日に発売される「mid-20s」という曲は、こんな歌い出しではじまる。
 
2、3年付き合った彼氏が今欲しい
 
これは、現実リカちゃんが、「出会いから始めるのが面倒すぎるので2、3年付き合って気心知れた彼氏が突如目の前に現れてほしい」と言いながらロング缶のチューハイをグビグビ飲むところからインスパイアされている。
 
実際、きっと出会ったら出会ったで素敵な人生のかけらになると思う。わかっている。わかってはいるし、実際そうしている人が着実に幸せを掴んでいくんだと思う。でも、四半世紀近くいろいろ考え苦しみ傷つき抜いたわたしたちには、もうそんな体力は残ってないのである。
 
「それでいい。今は一旦それでいいのだ。」
とゆいにしおは言いたい。
 
現実を生きるリカちゃん、そしてどうしようもなく愛しいわたしたち・mid-20sに曲をかいているんだ、と最近は強く思います。
 
痩せたいな~って言いながらポテトのLサイズを食べちゃう夜に聞いてね!

<ゆいにしお>



◆紹介曲「mid-20s
作詞:ゆいにしお
作曲:ゆいにしお

◆Major 1st Full Album『tasty city』
2022年10月5日発売
COCP-41838 ¥3,000 (tax in)
 
<収録曲>
1.CITY LIFE
2.mid-20s
3.スパイスガール
4.sun shade
5.チートデイ
6.suitcase
7. Rough Driver
8.パレード
9.息を吸う ここで吸う 生きてく
10.スポットライト
11.タッチミー(2022 Ver.)
12.ワンダーランドはすぐそばに