好きな人には恋人がいた。私はそれを知ってて好きになった。

 デジタル時代の恋愛ソングのカリスマとして、女性から圧倒的な支持を得るシンガーソングライター“CHIHIRO”が『失恋セラピー三部作』としたデジタルシングルを3ヶ月連続でリリース!恋愛迷子になってしまった女性に向けた恋愛処方箋となるような楽曲たち。2021年9月15日には、第1弾配信シングル「もうByeBye」をリリース。10月20日には、第2弾配信シングル「後悔のまえに」をリリース。11月17日には第3弾配信シングル「恋人ごっこ」をリリースしました。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“CHIHIRO”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け!今回は第2弾です。綴っていただいたのは、新曲「恋人ごっこ」のお話です。恋人みたいだけど恋人じゃない。好きになった人は好きになっちゃいけない人だった。叶うことのない恋をしているあなたへ。このエッセイと歌詞が届きますように。



私の好きな人には恋人がいた。
私はそれを知ってて好きになった。
 
君に自然に必然に魅かれていった。
君も私にそうだった。
分かっていても気持ちが止められなかった。
どうしてこんな出会いを
神様は与えたんだろう。
 
剥がれそうになっていた張り紙に
立ち入り禁止って書いてあった。
なんとなく見ないフリをして進んだ。
剥がれちゃえばいいのに
とさえ思ったりした。
 
 
誰もいない道で
重なる手と手なんだか切なかった
触れちゃいけないものが多すぎて辛かった
でも君といると優しい好きが心纏い幸せだった
 
一緒にいる時間は幸せと辛いが行き来して
帰り道にいつも涙が溢れそうになってた。
ふと見上げた空に滲んだ月は
すごく綺麗でぐしゃぐしゃな感情になった。
 
 
どうしてこんな旅路選んだ
ただね分かって欲しいのは
どこで出会っても
荷物を下ろして
あなたの元に飛び込むでしょう
 
分かってる。
きっとどこで出会っても
きっといつ出会っても
君に恋をしてたんだと思う
 
 
恋人がいるのに
好きになってごめん
邪魔したいわけじゃない
ただ会いたかった
ここが好きだった
夢みたいだった
綺麗事ってちゃんと分かってる
 
これも分かってる。
ここにいちゃいけないことも。
手放さなきゃいけないことも。
 
 
まるでシンデレラI say I'll be going
時間がくればさよならしなきゃね
魔法が解けてもここにいたいよ
なんて願いは叶わないよね
探されることないガラスの靴は
粉々にね割れるのでしょう
 
よく小さい頃おとぎ話に憧れた。
私は可愛いお姫様になって
素敵な王子様と結ばれるって
当たり前に思ってた。
 
絶対ハッピーエンドで
絶対幸せになってるって信じてた。
 
「ねぇ、私彼女にはなれないかな?」
 
目の前にいる王子様に聞いてみても
嬉しい返事はいつも来なかった。
 
私のガラスの靴なんて拾われるこもなく
探される事もないんだと思う。
誰かに踏まれて割れると思う。
 
もう、私は行くね。
もう、行かなきゃね。
 
ガラスの欠片と壊れた心を
鞄にそっとしまって私は歩かなきゃ。
 
 
さよならできない心が弱い
でも戻るね 元の場所に
幸せになって
幸せになる
 
本当はね恋人ごっこじゃなくて
恋人になりたかったんだよ。
 
ありがとう、
幸せになるね。

<CHIHIRO>

◆紹介曲「恋人ごっこ
作詞:CHIHIRO
作曲:CHIHIRO