今日のうたコラム - 歌ネット|歌詞検索サービス「歌ネット」

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    MACO&鷲尾伶菜がお互いに訊きたい5つの質問!
    MACO&鷲尾伶菜がお互いに訊きたい5つの質問!

    イチオシ!

    MACO&鷲尾伶菜がお互いに訊きたい5つの質問!

     シンガーソングライターの“MACO”が、最新アルバムを引っさげ、2019年3月21日の福岡公演を皮切りにスタートさせた『交換日記 + BEST LOVE MACO TOUR 2019』全国ツアー。ついに4月28日に、北海道のカナモトホール(札幌市民ホール)にてファイナルを迎えました。その最終日にはなんと、E-girls/Flowerの“鷲尾伶菜”さんがサプライズで登場!  お互いのファンの間でも、その仲の良さは知られており“わしまこ”の愛称で呼ばれているお二人。さて、今日のうたコラムではGWスペシャルとして、そんな“わしまこ”とのコラボ企画を【前編】と【後編】に分けてお届けいたします…!【前編】では、それぞれお互いに対する5つの質問を考えていただき、その回答を公開。気になるQ&Aをお楽しみください…! 【鷲尾伶菜がMACOに訊きたい5つの質問!】 Q1.インスピレーションが沸くのはどんな瞬間? MACO:眠る前に部屋の中で ということが多かったけど 最近は移動中にインスピレーションが 沸くことが多いかな。 新幹線とかよく書ける。 Q2.ウサギを飼おうと思ったきっかけは? MACO:整体の先生がウサギの魅力を 教えてくれたのがきっかけで、 即ウサギショップへ行ったよ。 ウサギという生き物にビビっ!ときたのもあった。 不思議だよね。 Q3.“恋”って何ですか? MACO:病?かなぁと思います(笑)。 私はこうして原稿を書いたりしているときでも 頭の中のもうひとつのゾーンで ずっと恋愛のことを考えているんですよ。 本当に病気みたいだなって思う(笑)。 Q4.これだけは譲れないって事や物はありますか? MACO:睡眠と水。 寝ることがとても好きで、睡眠を削ると あんまり色々うまくいきません(笑)。 眠いときに寝られるときは本当に幸せを感じます。 あとお風呂の時間も好きなので 水がないとやばいです。 Q5.どうしたらピッチが安定しますか? MACO:わっしーピッチ良いよーーー! 逆に教えてほしいよ。 その曲に歌いなれれば その曲のピッチって取りやすくなる気がする! 【MACOが鷲尾伶菜に訊きたい5つの質問!】 Q1.今の仕事をしていなかったら どんな仕事についていた? 鷲尾:実家が美容室だから、美容師かなぁ。 Q2.私と二人でいる時のもっとも印象的な出来事は? 鷲尾:カラオケでの心霊体験。 Q3.自分の曲の中で一番好きな曲や、フレーズは? 鷲尾:あなたがいなくても あなただけのために 綺麗でいたいと想う Blue Sky blue 「Blue Sky Blue」/Flower Q4. 愛ってなんですか? 鷲尾:まこちゃんからの質問ってことで、真心。 Q5. いままでもらった言葉で 一番嬉しかった言葉や心に残っている言葉は? 鷲尾:心に残ってる言葉は 継続は力なり。 【後編はお互いのお気に入りフレーズ&メッセージ!】

    2019/04/29

  • Official髭男dism
    もう僕にとってaikoさんはずっと“星”ですね。
    もう僕にとってaikoさんはずっと“星”ですね。

    Official髭男dism

    もう僕にとってaikoさんはずっと“星”ですね。

     2019年5月15日に“Official髭男dism”がニューシングル「Pretender」をリリースします。昨年4月、月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』主題歌に「ノーダウト」が起用されたヒゲダン。そんな彼らは今回、ドラマに続き映画の主題歌も担当。5月17日公開の映画『コンフィデンスマンJP』にシングルタイトル曲「Pretender」書き下ろしました。    さて、今日のうたコラムでは、ヒゲダン・藤原聡(Vo.&Pf.)のインタビューを【前編】【後編】に分けてお届けいたします。長澤まさみ×東出昌大×小日向文世による、史上最大の<騙し合い=コンゲーム>が展開される今作。しかも今回は【ロマンス編】とのことで、色恋沙汰も絡んでくる模様。その映画の世界に寄り添いながら描いた歌詞について、また、作詞のこだわりについて、語っていただきました。本日は【後編】です! 君とのラブストーリー それは予想通り いざ始まればひとり芝居だ ずっとそばにいたって 結局ただの観客だ 「Pretender」/Official髭男dism ― この曲は“韻”も気持ちがよいですよね。率直な疑問なのですが、こうした韻って降ってくるものなのでしょうか…。 藤原:まぁ降ってきません(笑)!じゃあどう作っているかと言うと、説明するのは難しいんですけど…。メロディーを思いついて、そこに語感の気持ちよい歌詞をハメようとすると、自然と韻を踏んでいるというか。ただすごく苦労はします。とにかく韻を踏む場所ほど、最後まで歌詞を悩んでますね。限られた韻の言葉しか選べないなかで、メッセージを伝えなければならないので、めちゃくちゃつらいときありますね。 グッバイ 君の運命のヒトは僕じゃない 辛いけど否めない でも離れ難いのさ その髪に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや 「Pretender」 藤原:ここのサビも結構きつかったなぁ。“ない”“ない”“がたい”で。探して探して、ひねってひねってたどり着く感じです。でも「Pretender」は僕としてはまだ踏んでないほうですね。たとえば「Stand By You」とか韻だらけですもん。あの歌詞は本当にしんどかったです(笑)。 Stand By You いつもStand By You 涙のターミナル Uh Uh 並んで立っている Stand By You いつもStand By You 未来がハイになる Uh Uh 君と歌になる 「Stand By You」/Official髭男dism 藤原:たまにこうやって韻に気づいてくださる方がいるんですよね。実は「ノーダウト」も“い”で踏んでいたり、サビでは“お”で踏んでいたり。でも歌詞ってほとんどの場合、韻を優先させると、意味が伝わりにくくなるんですよ。だからそこのサジ加減は毎回かなり考えますね。そんななかで「Pretender」は韻を踏みつつも、よりメッセージを伝えるというところを重視した曲なのかなって思っています。 もっと違う設定で もっと違う関係で 出会える世界線 選べたらよかった 「Pretender」 藤原:ちなみに「Pretender」のなかで<世界線>というワードを使っているんですけれども、僕は『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』というアニメの大ファンでして、このフレーズはそこからインスピレーションを受けたところもあります。そのアニメはタイムトラベルをする話で、世界線というものが並んでいて、もしもこうなっていたら、次はこうなっていたという前提で進んでいく世界というものがあるんですね。 ― パラレルワールドのような。 藤原:そうそう。それで『STEINS;GATE』では、主人公がその<世界線>を越えて、世界を変えたいという想いで奮闘していくんです。だから僕にとって<世界線>という言葉はとてもロマンチックなもので、大好きなワードなんです。なおかつ『コンフィデンスマンJP』の物語ともリンクするなぁと思いながら、歌詞を書きました。 あと今回のCDジャケットは“ニキシー管”という、真空官のなかに数字が出てくるものがビジュアルになっているんですけど、それも『STEINS;GATE』に出てくる“ダイバージェンスメーター”という、世界線の変動を示すメーターから影響を受けているんですよね。その値が1を越えると、世界線が変わるんですけど、このジャケットの場合は<0.52519>なのでまだ程遠いですね(笑)。 ― 聡さんはアニメから歌詞のインスピレーションを受けることって多いんですか? 藤原:それもあります。でも最近は、何かからインスピレーションを受けるというより、メロディーが連れてくる言葉を大切にしようとしているところですね。僕はこれまで、適当な英語とかで鼻歌を歌いながら仮歌を作ることが多かったんですけど、それを今は頑張って、自分の心の叫びや価値観を日本語で捻り出せるようにしていて。まぁそれによって曲のできるペースが落ちているんですけれども…(笑)。だけどまだ「いつもどおり」とか「言葉が~」とか「伝える」とか、決まったワードばかりが出てきてしまうので、いろいろと模索中です。 ― 好んでよく使う言葉ってありますか? 藤原:語感が気持ちよいからなんでしょうけど<知るよしもない>というフレーズがよく出てくる気がします(笑)。「ノーダウト」にも使っているんですけど、今作りかけの仮歌詞にも登場していて、スタッフさんに「聡っちゃん<知るよしもない>って好きだよね~」って言われました(笑)。 ― 逆に、使わないように気をつけている言葉はありますか? 藤原:僕自身はあまりないんですけど、汚い言葉遣いをすると「それはやめたほうがいいかも」と言ってくれるひとは、わりとチームのなかにいますね。たとえば「Pretender」でも<「好きだ」とか無責任に言えたらいいな>というフレーズが最初は“「好きだ」とか無責任にホザけたらいいな”だったんですね。でも「ホザく」という言葉は、あまり行儀がよろしくないねと。 僕の価値観では気にならないとしても、誰かにとっては気持ちよくなくて、そのワードのせいで歌詞のメッセージが伝わりにくくなったりしたら嫌じゃないですか。だから、たとえばそういう汚い言葉を他の言葉に置き換えることで、より伝わりやすくなるのであれば、そうしたほうがいいなって。今回も、書き直したことで、僕自身もより好きだと思えるものになったので。そうやって一考の余地を与えてくれるひとが周りにいるっていうのは、良いことだなと思いますね。 ― 聡さんが歌詞を書くとき、大切にすることはなんですか? 藤原:歌との親和性ですかね。歌っていて気持ちがよいかどうか。あとは、その気持ちよさを壊す度胸というか、壊すことを恐れない心。どっちも持ってないといけないなと思っていて。型にハメる追求心を持ちながらも、そこから外れる好奇心も常にないと、同じ音楽ばかりになってしまうので。展開や着地点を、信じながらも疑うということを大切にしていますね。 ― 最近、グッと来た歌詞を教えてください。 藤原:今年、僕もボーカリストとして参加しているんですけれども、FM802アクセスキャンペーンソングを歌う、Radio Darlings(レディオ・ダーリンズ)というユニットがありましてですね。今回は“aiko”さんが作詞作曲を担当した「メロンソーダ」という楽曲がテーマソングで。その歌詞の、まさに僕が歌っているフレーズがとくにグッと来ました。 メロンソーダがビールになって ハンバーガーはハンバーガーのまま 「メロンソーダ」/Radio Darlings 藤原:この曲を歌うちょっと前に、母校が甲子園の春の選抜に23年ぶりに出場して。それを観に行ったんですよ。そのとき、同級生と再会したんですけど、なんかみんなそれぞれ結婚してお嫁さんがいたり、お子さんがいたりして。「久しぶりだね!」って言って飲む物は、昔みたいにジュースやお茶じゃなくてお酒だったりして。でも同じ熱量で、頑張っている後輩の球児たちを応援できるという“今”がすごく「メロンソーダ」のフレーズと重なったんですよ。 ― たった2行でも、aikoさんの言葉の力というか、表現力は凄いですよね。 藤原:そうなんですよ。さすが、僕に歌詞の素晴らしさを教えてくださったアーティストさんです(笑)。これまで何曲も何曲も歌を作ってきて、それでも未だにこんな新しくて素晴らしい歌詞とメロディーを作れるって、本当に凄いことだと思うし、もう僕にとってaikoさんはずっと“星”ですね。 ― ありがとうございました!では最後に、聡さんがこれから挑戦してみたい歌詞とはどんなものでしょうか。 藤原:…下ネタ、をロマンチックに書きたい。たとえばMr.Childrenさんの「 隔たり 」のような。ああいうの…いいなぁと思うんですよね。だけど、僕自身が下ネタを言っている自分があまり好きじゃないので、どこまでできるのかはわからないんですけど(笑)。でもそういうものが作れたら、もっと表現の幅が広がるんじゃないかなと思います。とにかくより良い音楽、良い言葉を届けられるように頑張っていきたいですね。 【前編】はコチラ! (取材・文 / 井出美緒) ◆紹介曲「 Pretender 」 作詞:藤原聡 作曲:藤原聡 ◆2nd Single「Pretender」 2019年5月15日発売 初回限定盤 PCCA-04784 ¥2,500+税 通常盤 PCCA-04785 ¥1,000+税 <収録曲> 1.Pretender 2.Amazing 3.Pretender(Acoustic ver.)

    2019/04/26

  • Official髭男dism
    簡単に関係に名前をつけられるような歌詞にしたくなかった。
    簡単に関係に名前をつけられるような歌詞にしたくなかった。

    Official髭男dism

    簡単に関係に名前をつけられるような歌詞にしたくなかった。

     2019年5月15日に“Official髭男dism”がニューシングル「Pretender」をリリースします。昨年4月、月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』主題歌に「ノーダウト」が起用されたヒゲダン。そんな彼らは今回、ドラマに続き映画の主題歌も担当。5月17日公開の映画『コンフィデンスマンJP』にシングルタイトル曲「Pretender」書き下ろしました。    さて、今日のうたコラムでは、ヒゲダン・藤原聡(Vo.&Pf.)のインタビューを【前編】【後編】に分けてお届けいたします。長澤まさみ×東出昌大×小日向文世による、史上最大の<騙し合い=コンゲーム>が展開される今作。しかも今回は【ロマンス編】とのことで、色恋沙汰も絡んでくる模様。その映画の世界に寄り添いながら描いた歌詞について、また、作詞のこだわりについて、語っていただきました。本日は【前編】です! ― 『コンフィデンスマンJP』ドラマに引き続き、映画の主題歌担当、楽しみにしておりました。 藤原:ありがとうございます!正直に言いますと、映画化が決定したと聞いたとき、もし主題歌のお話が僕らに来なかったら悲しいなって少し不安でした(笑)。ファンのみなさんも「もしや映画の主題歌も?」とか「お願いします!」みたいな反応をたくさんしてくださっていたので。ドキドキしていたところはありましたね。だからこそ、こうしてもう一度、携わらせてもらえることになり、すごく嬉しいです。 Let me show 神様も ハマるほどの 大嘘を oh 誰も ハリボテと 知るよしもない 完璧な Lie and lie lie and lie そして少しの愛で Let me show 欲張りの その向こうを 「ノーダウト」/Official髭男dism ― ドラマ主題歌の「ノーダウト」は“社会の不条理”を描いた、わりとゴリゴリした楽曲でしたが、今回の映画主題歌「Pretender」はちょっと切ないラブソングで、ガラリとテイストが変わりましたね。 藤原:映画では規模がより広がり、【ロマンス編】ということで、色恋沙汰も絡んでくるんですよ。なので今回は“詐欺師の憂鬱”みたいなところにフォーカスを当ててみました。やっぱり、恋愛と騙し合いの相手が一緒になってしまったりすると、自分の感情に素直に動けない場面もあるわけで。そう考えるとこういう歌詞が出てくるんですよね。 グッバイ 君の運命のヒトは僕じゃない 辛いけど否めない でも離れ難いのさ その髪に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや グッバイ それじゃ僕にとって君は何? 答えは分からない 分かりたくもないのさ 「Pretender」/Official髭男dism 藤原:映画を観て、二人の関係性に名前をつけるのは難しいことだと強く感じました。だって、騙されている側はもう完全に恋人同士だと思っているわけじゃないですか。だけど騙している側からしたら、単にターゲットでしかなくなっている。すると、どっちの視点で物語を描くかによって、関係性の名前のつけ方って変わってくるな、と。 たったひとつ確かなことがあるとするのならば 『君は綺麗だ』 「Pretender」 藤原:それなら、主人公の<僕>の目に映る主観で、ただただ「今、目の前にいるあなたは美しい」と、そんなふうに歌えたら良いなと思ったんです。俯瞰で二人の関係をはっきりさせるような、簡単に関係に名前をつけられるような歌詞にしたくなかった。それは映画を観ても思ったし、曲を作りながら自分のなかにもそういう価値観ってあるなと感じました。だから、曲タイトルもみんなの解釈の余地があるようなワードにしたんです。 ― 「Pretender」とは、辞書で調べると【ふりをする人】とか【詐称者】とか【要求者】とか…。 藤原:そうそう、いろいろ意味があるんですよね。これはふっと頭に浮かんだワードだったんですよ。この曲に名前をつけるとしたら、歌詞内にはあまりピンと来る言葉はなくて。それでたどり着いたのが「Pretender」でした。このタイトルの意味もそうですし、この曲がバラードなのか、ミディアムチューンなのか。悲しい歌なのか、何かを振り切るための前向きな歌なのか。いろんな面をあえてあまり明確にしていないんです。 ― たしかに、そもそも<僕>は<君>を「好き」だったのかどうかも、言い切れないようなところがありますよね。 藤原:そうなんですよ。なので、この曲を聴いて「切ない」と言ってくださるなら、それがそのひとにとっての正解で。でもそうじゃない受け取り方もまた正解で。同じ失恋にしたって、振られる側なのか、振る側なのか、そういう違いもありますしね。あとは、たとえば職場に気になるひとがいるけど、職場恋愛は結構キツイなぁ…という気持ちがあって結ばれないとか。そういうそれぞれのひとのケースにリンクするものがあって、この曲がそのひとの人生にとってのお気に入りになってくれたら良いなと思いますね。 もっと違う設定で もっと違う関係で 出会える世界線 選べたらよかった もっと違う性格で もっと違う価値観で 愛を伝えられたらいいな そう願っても無駄だから 「Pretender」 ― まさにこのフレーズは、いろんなケースの関係に当てはまり、リアルに響きそうです。 藤原:ですよねぇ。職場恋愛もそうだし、映画の物語を踏まえたところもあります。もしも詐欺師同士じゃなかったら、普通に恋愛をしていたかもしれない世界もあったのかなって。そこに対しての“憂鬱”を登場人物が抱えてそうだなって感じたんですよね。あと、僕にそういう体験があるわけじゃないんですけど、昔マネージャーに「この業界はアーティストとスタッフの色恋沙汰厳禁」って言われたことがあって(笑)。 別にそんな気はまったくないけれども「でももし本当に惚れてしまったらどうするんだろう。それこそこの歌詞のとおりだよな…」ってふとそんなことも頭に浮かびましたね。ちょうど僕は今、ドラマ『初めて恋をした日に読む話』を観ているんですけど、あれも恋愛の相手が高校生だったり、いとこだったりするじゃないですか。そういう叶いにくい恋愛って世の中にたくさんあって、それぞれが<もっと違う設定で もっと違う関係で>とか<もっと違う性格で もっと違う価値観で>とか思っているんだろうなって。 ― また藤原さんはこの歌詞について『夢の中で「あっ、これは夢だ。」と気付く』感覚だとコメントされていたのが印象的でした。それは<君の運命のヒトは僕じゃない>と気付いてしまうということですよね。 藤原:そうです。二人はただ“運命のヒトごっこ”をやっているだけだってわかっているし、ずっと続くわけがないことも、いつかは終わらせなきゃならないことも、もう気付いてしまった。だけどまだ夢から覚めたくない。だけどそんなの甘いよな。そういう葛藤の感情を描いているんですよね。 ― ちなみに聡さんは恋愛において、どのようなときに“気付いて”しまいますか? 藤原:なんでしょうねぇ…。あくまで僕の場合ですけど、自分の音楽的な成功を喜んでもらえなかったときとか。自分が音楽に費やす時間を理解してもらえなかったときとか。そういう違和感が一番かなぁ。きっとみんないろんなことがありますよね。束縛された瞬間だったり。一緒に遊んでいるときにふと「つまんないな」と感じた瞬間だったり。その“なんか違う”という気付きが、恋愛の終わりに繋がっているんだろうなと思いますね。 ― では、聡さんが「Pretender」でもっとも核になっていると感じるフレーズを教えてください。 藤原:難しいけど…、僕にとってはサビの最後の『君は綺麗だ』というひと言ですかね。 ― 決して「君が好きだ」ではないんですよね。 藤原:はい、そこはすごく自分のなかでこだわったポイントなんですよ。「好き」かどうかはわからない。それに「好き」という言葉で片づけてしまうには、あまりにも心配しなきゃいけない要因が多すぎるんですよ。 「好きだ」とか無責任に言えたらいいな そう願っても虚しいのさ 「Pretender」 ― ここのフレーズを読むと、「好きだ」と言えないくらい誠実に<君>を思っているようにも感じられます。 藤原:うんうん、そうですよね。それでもとにかく、目の前にいるあなたが美しいということはわかるんだと。それだけは伝えたいんだと。それ以外に答えを出すつもりはないと。そんな想いが『君は綺麗だ』というひと言に込められています。あと、関係性に名前をつけてしまったら、その瞬間に終わってしまう気がして、それは嫌だっていう想いも同時に含まれているかな。 それもこれもロマンスの定めなら 悪くないよな 永遠も約束もないけれど 『とても綺麗だ』 「Pretender」 ― そして最後の最後だけは『君は綺麗だ』ではなく、『とても綺麗だ』であるところもグッときました。 藤原:最後だけは、今の<僕>自身の心の状態も表したいと思ったんです。なんか…神様の決めたことで今こうなっているのなら、まぁしょうがないなって受け入れようとしている姿とか、永遠に一緒にいられるわけでも次の約束があるわけでもないけれど今<君>に抱いている想いとか、そういう感情が人間らしくて『とても綺麗だ』なって。ここだけは、悩む主人公とその相手を、達観して描いている第三者的なフレーズなんですよね。 【後編】に続く! (取材・文 / 井出美緒) ◆紹介曲「 Pretender 」 作詞:藤原聡 作曲:藤原聡 ◆2nd Single「Pretender」 2019年5月15日発売 初回限定盤 PCCA-04784 ¥2,500+税 通常盤 PCCA-04785 ¥1,000+税 <収録曲> 1.Pretender 2.Amazing 3.Pretender(Acoustic ver.)

    2019/04/25

  • イチオシ!
    歌ネットにとっての様々な“MVP”歌詞&アーティストをご紹介!
    歌ネットにとっての様々な“MVP”歌詞&アーティストをご紹介!

    イチオシ!

    歌ネットにとっての様々な“MVP”歌詞&アーティストをご紹介!

     1989年1月8日からスタートした【平成】が、2019年4月30日ついに終わりを迎えますね。そしてやってくるのは【令和】という新時代…。と、そのまえに。今回のうたコラムでは、2001年5月から歴史を刻み始めた『歌ネット』にとっての、様々な【MVP】を発表してみたいと思います。これまで、多くの歌詞が次々と伝説を築いてきてくださいました。 ~【最古ミリオンリリック部門】~ 私を降ろした後 角をまがるまで 見送ると いつもブレーキランプ 5回点滅 ア・イ・シ・テ・ル のサイン 「未来予想図II」/DREAMS COME TRUE  歌ネットに歴代人気曲として認定されているミリオンリリックで、最もリリース日の古い作品はドリカムのこの名曲。1989年11月22日にリリースの2ndアルバム『LOVE GOES ON…』収録されており、平成がスタートした年に生まれた楽曲です。尚、歌ネットで初の“2000年以前の楽曲”100万アクセス突破!という記録を作り上げた1曲でもあるのです。 ~【最速ゴールドリリック部門】~ 既読になった画面を見ながら なかなか返って来ない返事が今日も俺を不安にさせた 「なんか変なこと送ったのかな?」 読み返しても別に普通だし... 「片想い。~リナリア~」/Sonar Pocket  この曲は2013年5月1日に歌詞掲載がスタートされるや否や、わずか1日で約20万回アクセスを記録し、史上最速でゴールドリリックに認定されました。理由は彼らがいち早く“LINEの<既読>機能”を歌詞に盛り込んだから。今や当たり前の存在になったLINEですが、当時はこんなにもアクセスが集中するほどの最新文化だったことがわかりますね。 ~【SNSで拡散ヒット部門】~ 突然ごめんね でも聞いてほしい 目を見たらきっと言えない気がするから 初めて話したあの時から 私の中で何かが動きはじめた 「あなたへ贈る歌」/erica  数年前、女子中高生を中心に【LINE歌詞ドッキリ】が流行しました。ラブソングの歌詞を一行ずつ、LINEで好きなひとや恋人に送り、相手の気持ちを確かめたり反応を楽しんだりするというもの。その使用曲として人気だったのが、ericaのこの曲。2013年1月リリースの楽曲ですが、口コミで人気が上昇し、2014年10月には歌詞ランキング圏外からトップ10への大躍進。現在は、100万アクセス目前のミリオンリリックとなっております。 ~【最大紅白効果部門】~ 都合のいい大義名分(かいしゃく)で 争いを仕掛けて 裸の王様が牛耳る世は…狂気(Insane) 20世紀で懲りたはずでしょう? 燻(くすぶ)る火種が燃え上がるだけ 「ピースとハイライト」/サザンオールスターズ  2014年12月31日、31年ぶりに紅白へ出場したサザン。しかも事前発表がないなかでのサプライズ登場だったこともあり、放送日前からなんと1,000倍のアクセス数(90,000回)を記録。また、この歌詞が現代社会をストレートに描写した内容であることや、桑田さんがチョビ髭をつけてパフォーマンスを行ったことも話題に。2013年にリリースされた楽曲ですが、CD売り上げも200位圏外から69位へ急上昇する結果となりました。 ~【新星ブレイクアーティスト部門】~ あの子に見せてた笑顔は あたしが知らない笑顔で ああやだな ばかだよな って感じたよ 君の知らないとこ やっぱり ほらあるんだね ああ明日も明後日も会いたいよ 「大切な君へ」/井上苑子  歴代人気曲に認定されているミリオンリリック。井上苑子のメジャーデビュー作です。2015年夏、家入レオや大原櫻子、西野カナといった人気アーティストの新曲が週間ランキングの上位に並ぶ激戦期に突如、首位に君臨。83位(6/28)→26位(7/5)→7位(7/12)→5位(7/19)→3位(7/26)→2位(8/2)と右肩上がりに上昇し、ついに1位(8/9)。若者リスナーのグッドミュージックセンサーが動画やアプリで反応し、ブレイクへと繋がりました。 ~【コラボソング部門】~ さよなら 愛しき人よ もう二度と会えない もう会わない そう決めたのに どうして どうして あなたを 忘れられないんだろう? 今日も夜空に ネガウ アイタイ。 「夜空。feat. ハジ→」/miwa  2015年8月19日にリリースされたmiwaとハジ→のコラボソング。歌ネットの全歴代コラボソングのなかで最もアクセス数の多い楽曲です。ノンタイアップにも関わらず、Mステ、CD-TV、水曜歌謡祭といった音楽番組で二人により披露されたことで、どんどん“泣ける神曲”旋風が口コミで広まり、瞬く間にミリオンリリックに認定されたのです。 ~【1アーティスト上位独占部門】~ 前前前世から僕は 君を探しはじめたよ そのぶきっちょな笑い方をめがけて やってきたんだよ 「前前前世 (movie ver.)」/RADWIMPS  2016年に大ヒットした映画『君の名は。』で4曲の主題歌を手がけたRADWIMPS。その「前前前世 (movie ver.)」「なんでもないや (movie edit. + movie ver.)」「スパークル (movie ver.)」「夢灯籠」はすべて歴代人気曲に認定されており、しかもミリオンリリック。同年9月と10月の月間ランキングでは上位4枠を独占。1アーティストの楽曲が同時に4作も上位を占める、歌ネット初の記録となりました。 ~【最多歴代人気曲認定アーティスト部門】~ 百年先も 愛を誓うよ 君は僕の全てさ 愛している ただ愛してる 同じ明日約束しよう 世界中に ただ一人だけ 僕は君を選んだ 君といれば どんな未来も ずっと輝いているから 「One Love」/嵐  全アーティストのなかで、最も多くの歌詞が歴代人気曲に認定されているのは、嵐です。その数、235曲!2位はMr.Childrenで150曲。3位は、RADWIMPSで120曲。1位は圧倒的ですね。ちなみに現在、嵐楽曲の歌詞アクセスベスト5は、1位「One Love」、2位「A・RA・SHI」、3位「Love so sweet」、4位「Believe」、5位「Still...」となっております。 ~【年間最大アクセス数記録部門】~ ~【最長週間ランキング記録部門】~ あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ そのすべてを愛してた あなたとともに 胸に残り離れない 苦いレモンの匂い 雨が降り止むまでは帰れない 今でもあなたはわたしの光 「Lemon」/米津玄師  歴代人気曲に認定されているミリオンリリック。ドラマ『アンナチュラル』主題歌として書き下ろされ、2018年3月14日にリリースされたこの曲は、みなさんご存知の通り大ヒット。なんと年間で約600万アクセスを記録&40週連続で週間ランキング1位を独走いたしました。現在も歌詞人気は衰えず、770万アクセスを突破。2019年4月1日付けのウィークリーランキングでも首位に返り咲いております。 ~【全歴代人気曲最大アクセス数記録部門】~ できれば横にいて欲しくて どこにも行って欲しくなくて 僕の事だけをずっと考えていて欲しい やっぱりこんな事伝えたら格好悪いし 長くなるだけだからまとめるよ 君が好きだ 「クリスマスソング」/back number  さて、最後にご紹介するのはこの曲!歌ネットに掲載されている、全アーティストの全楽曲のうち、もっとも多く歌詞アクセスを記録しているのは、2015年11月18日にリリースされたback number「クリスマスソング」です。当時、たった1ヶ月でミリオンリリックに認定。歌ネット初の歌詞アクセス400万回の大台を突破。そして現在、約880万アクセスを記録中…!最大の“神歌詞”として歴代人気曲の首位に輝いているんです。    こうして【平成】には多くの伝説が作られてきたわけですが、ここから【令和】にはどんな歌詞が誕生してゆくのか…。新時代がますます楽しみになりますね。そして【令和】でも是非是非、歌ネットをご愛用ください…!

    2019/04/24

  • 中村千尋
    幸せにするなんてつまんないこと言わないで。
    幸せにするなんてつまんないこと言わないで。

    中村千尋

    幸せにするなんてつまんないこと言わないで。

     2019年4月10日に“中村千尋”が2nd Full Album『スカートの中』をリリースしました。普段は他者に見せることない、スカートの中。今作にはそのような【女性の秘めた裏側】を描いた全11曲が収録されております。さて、今日のうたコラムでは新曲「新しいキスをして」をご紹介。みなさんはこれまで、浮気心って芽生えたこと、ありませんか? あの人の助手席になんて うっかり乗るんじゃなかったな 横顔にドキドキしてる あたしに気づきたくなかった あなたにどんな顔をして 「ただいま」と言えばいいのかな 優しく笑いかけないで よそ見もできないくらい強く 抱きしめて 「新しいキスをして」/中村千尋  歌の主人公の<あたし>には、すでに<あなた>というパートナーがおります。一緒に暮らしていて、お互い「ただいま」「おかえり」と言い合えて、いつも<優しく笑いかけ>てくれるひと。きっと<あたし>はその穏やかな幸せを、信じて疑わなかったことでしょう。このままで十分だったはずでしょう。…<あの人>に出逢ってしまうまでは。    うすうす<あの人>に対して感じていた、何か。自分がしばらく忘れかけていた、何か。その正体に<気づきたくなかった>から、<あたし>は<うっかり>してしまわぬよう気をつけていたのではないでしょうか。でも、ついに<うっかり>してしまった。<あの人の助手席に>乗って<横顔にドキドキしてる あたしに>気づいてしまいました。  というより、こうなるとわかっていて、浮気心のほうが勝ってしまったのだと思います。そして、帰り道に込み上げてくる罪悪感。<あの人>によそ見をしてしまって、<あなた>を正面から見られない後ろめたさ。結果、様々な葛藤から逃げるかのように<あたし>は、小さな罪の原因を心の中で<あなた>のせいにしてしまうのです。 幸せにするなんて つまんないこと言わないで 脱がせあって確かめ合って 知らないあなたを知りたい 昨日と違うとこ見せて 新しいキスをして いつも新しいキスをして 「新しいキスをして」/中村千尋  正直、お相手は<あの人>でなくても良かったのかもしれません。大切なのは、今の<あたし>が欲しているのが“<幸せにするなんて つまんないこと>=穏やかな幸せ”ではなくて“<ドキドキ>=刺激”だということ。その<ドキドキ>欲を<あなた>が満たしてよ。<よそ見>なんてできないくらいにいつも新鮮な気持ちでいさせてよ。  と、この歌では、そんなワガママな乙女心が露わになっているのです。また、曲タイトルの「新しいキスをして」のあとに続く言葉も想像が広がりますね。新しいキスをして“ください”なのか。新しいキスをして“あげる”なのか。新しいキスをして“しまった”なのか。新しいキスをして“くれないなら”なのか。いろんな解釈ができそうです。 あなたを手放す勇気もないのに この気持ちを持っていたいなんて ずるいあたし許さないで どこにも行けないくらい強く 抱きとめて 守りたいだなんて ありふれたこと言わないで あり合わせの隣り合わせじゃ嫌 知らないあたしを知って 昨日とは違うと言って 新しいキスをして 「新しいキスをして」/中村千尋  さらに<あなた>と一緒にいる<あたし>は、窮屈さを感じているようにも思えます。なぜなら<優しく笑いかけ>られるような、<幸せにするなんて>言ってもらえるような、<守りたいだなんて>思ってもらえるような、<あたし>でいなければならないから。本当はそうじゃないのに。だから<知らないあたしを知って>と言うのでしょう。 幸せにするなんて つまんないこと言わないで 脱がせあって確かめ合って 知らないあなたを知りたい 昨日と違うとこ見せて 新しいキスをして いつも新しいキスをして 「新しいキスをして」/中村千尋  <ずるいあたし>も知ってほしい。そんな<あたし>を許さないでほしい。嫉妬してほしい。その上で<脱がせあって確かめ合って>ほしい。<あなた>と<新しいキスをして>いたい。ちょっと面倒な主人公ですが、実はそんな本音を抱えている方、少なくないのではないでしょうか。そんなあなたは是非、誰にも言えない想いを重ねながら、中村千尋「新しいキスをして」を聴いてみてください…! ◆紹介曲「 新しいキスをして 」 作詞:中村千尋 作曲:中村千尋 ◆2nd Full Album『スカートの中』 2018年4月10日発売 ZLCP-0372 ¥2,315(税抜) <収録曲> 1.もくじBOY 2.何でかわかんないけど好き 3.インスタントラブ 4.「来ちゃった」 5.代官山みんなオシャレ 6.新しいキスをして 7.恋愛サイコパス 8.下心スケルトン 9.吾輩は猫である 10.悔しくて泣け 11.悲しみは記念になる

    2019/04/23

  • ビッケブランカ
    さよならって言葉はこの世からすっかり消えた
    さよならって言葉はこの世からすっかり消えた

    ビッケブランカ

    さよならって言葉はこの世からすっかり消えた

    結婚っていうのはね、たぶん、 幸せ探偵団を結成するみたいなものよ。 時には髪を振り乱したり、 大きな敵と闘ったりしながら、 それでも幸せのために前に進んでいくの。 (小川糸『にじいろガーデン』より引用)  4月22日は【4(よ)い2(ふ)う2(ふ)】の語呂から【よい夫婦の日】記念日。ということで、まずは“よい夫婦”の在り方に通ずるような言葉をご紹介しました。ちなみにこの記念日は、1994年に講談社が制定したもので、毎年この1年で話題になった著名人夫妻へ『よい夫婦の日 ナイス・カップル大賞』を送るというイベントを行っているんだそう…!    さて、今日のうたコラムではさらに【よい夫婦の日】にオススメしたい新曲をご紹介!2019年4月10日に“ビッケブランカ”が配信リリースした「Lucky Ending」です。TVアニメ『フルーツバスケット』ED曲として書き下ろされたこの歌は、歌詞先行公開時、注目度ランキングの首位に君臨。来たる6月12日にリリースされる3rdシングルにも収録されます。 さあこの記念日にはなまるつけよう 大きい愛につつまれたこの幸運な日 あやふやな目線をすぐにそらすような 僕に何度も君は語りかけてくれた 「Lucky Ending」/ビッケブランカ 大事な話もすぐに茶化すような 僕は危なっかしくて心配したでしょう 「Lucky Ending」/ビッケブランカ  3拍子の軽やかなリズムが印象的であり、サウンドからも<はなまる>をつけたくなるような、温かくて優しくて<大きい愛>が伝わってきます。何より<僕>から<君>に対する“感謝”が溢れていますよね。<あやふやな目線をすぐにそらすような僕>に、<大事な話もすぐに茶化すような僕>に、ここまでずっと寄り添い続けてくれた<君>…。  そうやって、相手の心から逃げなかった<君>の強い想いは、やがて<僕>にちゃんと届きました。そして<僕>は“自分の弱さを知る”という強さを手にした。だからこそ今、あやふやな目線ではなく、大事な話を茶化さず<この記念日にはなまる>をつけることができるのではないでしょうか。小川糸さんの『にじいろガーデン』の言葉を借りれば、「幸せ探偵団を結成する」決意ができたのだと思います。 さよならって言葉はこの世から すっかり消えた 残るのは隣でふざける僕だけ 君が笑わない日はもう来ない 「Lucky Ending」/ビッケブランカ  また、どんな形であれ、人はいつか必ず別れるもの。ですが<さよならって言葉はこの世から すっかり消えた>と思えるほどに、長く長く一緒にいたいからこそ、わたしたちは“夫婦”になるのかもしれません。きっと、さよならなんて言葉は、最期の最期まで、忘れてしまえるほどの二人を“よい夫婦”と呼ぶのでしょう。    さらに<残るのは隣でふざける僕だけ>というフレーズには“これからも隣にい続ける”という覚悟が含まれています。続く<君が笑わない日はもう来ない>というフレーズには“僕がふざけて笑わせ続けるから、絶対に悲しませない”という意志も込められています。愛によって、昔よりずっと強くなった<僕>の姿が見えてきますね…! ここにいてわかったんだ まもりたい気持ちは勘違いじゃない つなぐものを絆と言えたら everything changes everybody changes 違う世界にいても決して違わない everything changes everybody changes 変わらないでいてずっと ここにいて ここにいて 「Lucky Ending」/ビッケブランカ  確かな<まもりたい気持ち>を胸に、これから<僕>は<君>と「時には髪を振り乱したり、大きな敵と闘ったりしながら、それでも幸せのために前に進んでいく」のでしょう。【よい夫婦の日】も、そうじゃない日も、是非、あなたにとっての大切なひとを思い浮かべながら、ビッケブランカ「Lucky Ending」を聴いてみてください! ◆紹介曲「 Lucky Ending 」 2019年4月10日配信 作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ

    2019/04/22

  • BIGMAMA
    たった一行のフレーズまではエスコートしたい
    たった一行のフレーズまではエスコートしたい

    BIGMAMA

    たった一行のフレーズまではエスコートしたい

     2019年4月17日に“BIGMAMA”がニューシングル「mummy mummy」をリリースしました。ドラマ『賭ケグルイ season2』の主題歌として書き下ろされた表題曲。さらにカップリングには「吸血鬼はAB型がお好き」や「Wolfgang in the moon」とタイトルから気になる新曲が収録されております。さて、今日のうたコラムではそんな最新作をご紹介!    今回は特別に、BIGMAMAの作詞を手がけている、ボーカルの“金井政人”さんに単独インタビューを敢行。もともとは「文章を書くのも読むのも大嫌いだった」という彼に、歌詞についてのこだわりや新曲への想いをたっぷりお伺いしましたので、記事を第1弾~第3弾に分けてお届けいたします!では、本日はラスト第3弾をお楽しみください。 広い宇宙の片隅へ 僕らの無計画なハネムーン 太陽さえも焦がすような 微笑みで優しく包んでく Wolfgang in the moon Wolfgang on the last day このままずっと 二人 月で暮らそう 「Wolfgang in the moon」/BIGMAMA ― 3曲目「Wolfgang in the moon」は、映像が浮かんでくるような、ちょっと絵本チックで幻想的な世界観ですね。 金井:そうですね。まず作っていた楽曲がすごく壮大で、宇宙をテーマにしやすいものだったので。あと、2曲目の“吸血鬼”では「血の味」について考えましたが、この“狼男”では「月に吠える理由」を考え、実は月に帰りたかったんじゃないかという結論から物語が出来上がりました。 冒頭でも言いましたが、僕のなかでの3曲共通のテーマは“怪物に学べ”というもので。なんか“ミイラ”や“吸血鬼”もそうですけど、そういう古典的に伝わっているものには、何か自分の知らない学ぶべきことがあると思うんですね。十字架が嫌いとか、ニンニクが嫌いとか、そういうところに隠された何か。それを想像するところから始めたんです。 地球は青ざめた顔のまま 僕らの行方を捜している 「Wolfgang in the moon」 金井:歌詞では、このたった一行がすごく気に入っているんですよね。有名な「地球は青かった」という言葉を<地球は青ざめた顔のまま>に変えると、どこか困っている様子を表現できると思いました。地球は何かを失って、それを捜している。そう動機づけしたとき、そこを狼男が月に行きたかったんだという物語に繋げてあげようと。そしてラストは、月への<その一歩目を踏み出せば さあ 何かが変わるかもしれない>というオチを作りましたね。 ― 第1弾でお話しいただいた「羊の行方」と同じで、イメージの展開のされ方がすごくおもしろいです。 金井:本当はそんな歌詞は誰も書かなくていいし、地球には必要ないと思うんですよ。頭のなかで数える羊の行方なんて、知ったこっちゃないじゃないですか。だけど自分が作詞で何に喜びを見出しているかというと、それでひとがクスって笑ってくれたり、音楽を通じておもしろいなぁって思ってくれたり、自分にしか作れないものをわかってもらったりすることなんですよね。「まだ羊の行方や血の味について書いたひとはいないでしょ?」というところがエクスタシーなんです。そういうものがエンタメになったら楽しいし、くだらないことがカッコよかったら最高じゃないですか。 だからたまにインタビューで「この歌詞で伝えたいことは?」とか訊かれると、困ってしまうことがよくあって。僕は逆に意味を持ちすぎることには気をつけようと思っているんですね。極論を言うと「世界平和」とか「政治にこう思う」なんてメッセージを歌うくらいなら、それを自分で実現しなさいって思うんですよ。僕ならそうする。それより自分は、音楽家でありたい。誰かが喜ぶものや、良い意味でショックを与えられるようなものを作りたい。それで結果的にひとの心が動いて、誰かの一歩が進んで、ちょっとずつ世界が変わったりしたらいいなぁとは思うけれど、その順番を間違えないようにはしたいですね。 ― 金井さんが作詞する際、使わないように気をつける言葉はありますか? 金井:まず、この世の中にすでにあるタイトルはつけたくないですね。だから僕は今、ニューシングルに絶対「Lemon」や「LOSER」とはつけない。何故ならば、それがもう評価されて、そのワードのアイデンティティはそのアーティストが確立させているから。そこは毎回、避けるように気をつけています。 ― 逆に、好んでよく使う言葉というと。 金井:<運命>とか<神様>とか。自分の傾向です。その言葉を音楽として最も体現できたのが「神様も言う通りに」という曲で。僕はお参りをしていて、ふと神様の気持ちを想像したことがあるんですね。「これだけたくさんひとがいて、大変だろうな」って。それで一度、お願いをするんじゃなくて「今年も一年頑張るので、見守っていてください」くらいで帰ったことがあるんですよ。そうしたら、のちに「それが正しいんだよ。お参りっていうのは、自分の名前を伝えて、報告をしに行く場所なんだよ」ということを話してくれたひとがいて。 その真偽作法はいろいろあるとは思うんですけど、僕としてはあのときに自分が思い直したことって正しかったんだなって感じました。仮に、神様が願いを叶える順番をつけるとしても、本当に頑張っているひとから優先させていくんじゃないかなって。すると、また助詞の話に戻りますけど“神様の言う通りに”ではなくて「神様も言う通りに」がいいと思ったんですよね。自分の意志で実現させていくんだという気持ちを<も>という助詞に込めて。だから「抗え」というか「偶然を必然に変えろ」と表現したくて<運命>や<神様>というワードを使っていることが多い気がします。 神様も言うとおり いつか思い通りに 「神様も言う通りに」/BIGMAMA ― 歌詞を書くとき、一番大切にしていることを教えてください。 金井:難しいな。でもやっぱり“おもしろいかどうか”かな。あと、聴き手や読み手をあてにしすぎないこと。信じているけど、信じすぎないこと。音楽って3分前後のスピード感あるなか、浴びせられるように届くものなので、すべての情報を吸い取ってくださいって、無理だと思うんですよ。だから自分の書いたものが100%伝わるとは思ってないというか、過信しないこと。でもたった一行にはエスコートしたいんですよね。このフレーズだけは、ここに込めた思いだけは感じてほしいというものを明確にして、歌詞を書いている場合が多いです。 出来上がり完成 反対に賛成 狂ってないです 狂ってないです 狂ってないです 長いものにはそう ぐるって巻いて ぐるって巻いて ぐるって巻いたら出来上がりました あれ君どこの木乃伊? 「mummy mummy」 たとえばこの曲だったら<狂ってないです>が<ぐるって巻いて>に変わって、長いものに巻かれていたら「あれ君はどこの誰?」みたいな。結果的にそのワードだけでも残ってくれたら、他はわりと素通りしてくれてOKなんですよ。たとえインタビューで「歌い出しが…」と話していたとしても、そこはたった一度その曲を聴いたときに入ってこなくても、僕の予想通り。だから作った核にちゃんとエスコートすることができれば、歌詞として成功だと思います。そして、もっとこの曲を好きになってくれたひとが、頭から最後までチェックして深読みしたときに、より面白いものが作れていたら最高だし、いい仕事したなって思います。 ― 今回は作詞のお話をじっくり訊けて嬉しかったです。これまでBIGMAMAさんのいろんなインタビューを拝読しましたが、歌詞を語っていらっしゃるものってあまり多くないですよね。 金井:そう、そうなんですよ。うちの場合、歌詞はあまり日の目を浴びないところがあります。基本的には、バンドにバイオリニストが入っているという面に価値があり、自分たちの存在意義が強くなっているので。かといってライブハウスで一言一句、歌詞を聴くバンドでもなく、深く考えずに楽しんでほしいなとも思うし。それでも、家に帰ってふとした瞬間に、あるフレーズを思い出してもらえたら、すごく嬉しいですね。せっかく買って聴いてくれたひとが、いろんな面から楽しめるものを作り続けたいです。 ― ありがとうございました!では最後に、金井さんがこれまで書いたことないテイストの歌詞で、挑戦してみたいと思うものはありますか? 金井:あ~…いろいろありますよ。ずっと会話で進めてみたい、とか。「 」のなかだけで完結する歌詞。あと“化学式”というテーマの曲を書こうと思ったこともある。ちょっと都市伝説的な話ですけど、H2O(水)っは、とあるキャラクターの形をしているんですよ。水って必要不可欠なものじゃないですか。そして、そのキャラクターもそれぐらいのレベルで侵食しているものじゃないですか。そこに秘密があるんじゃないかなって。それをキャッチ―に歌ったら面白そうだなって。 なんか、たとえば“誰かに手紙を届けるように”とか、そういうことは別に、僕が書かなくても誰かがやるでしょうと思うんですね。そうじゃなくて、自分だけのアイデアが生まれてきた瞬間が、僕自身一番ドキドキできるので。まだ溜めている案もたくさんあるし、それをどんどん新しい形で出していきたいなと思いますね。 (取材・文 / 井出美緒) ◆紹介曲 「 Wolfgang in the moon 」 作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA 「 神様も言う通りに 」 作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA 「 mummy mummy 」 作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA 【第1弾】はコチラ! 【第2弾】はコチラ! ◆ニューシングル「mummy mummy」 2019年4月17日発売 初回限定盤 UPCH-7484 ¥1,800+税 通常盤 UPCH-5959 ¥1,200+税 <収録曲> 1.「mummy mummy」 2.「吸血鬼はAB型がお好き」 3.「Wolfgang in the moon」

    2019/04/18

  • BIGMAMA
    このフレーズはいつかどこかで使いたいとずっと思っていて…。
    このフレーズはいつかどこかで使いたいとずっと思っていて…。

    BIGMAMA

    このフレーズはいつかどこかで使いたいとずっと思っていて…。

     2019年4月17日に“BIGMAMA”がニューシングル「mummy mummy」をリリースしました。ドラマ『賭ケグルイ season2』の主題歌として書き下ろされた表題曲。さらにカップリングには「吸血鬼はAB型がお好き」や「Wolfgang in the moon」とタイトルから気になる新曲が収録されております。さて、今日のうたコラムではそんな最新作をご紹介!    今回は特別に、BIGMAMAの作詞を手がけている、ボーカルの“金井政人”さんに単独インタビューを敢行。もともとは「文章を書くのも読むのも大嫌いだった」という彼に、歌詞についてのこだわりや新曲への想いをたっぷりお伺いしましたので、記事を第1弾~第3弾に分けてお届けいたします!では、本日はその第2弾をお楽しみください。 匿名希望で存在不要な その生き様 晒せ 「mummy mummy」/BIGMAMA   ― ニューシングルのタイトル曲「mummy mummy」は“木乃伊(ミイラ)”を意味しているんですね。 金井:そうです。実はこのタイトルは最後に決めたんですけど、僕がいくつか候補を提案したなかから、周りに選んでもらって「mummy mummy」になりました。結局この曲の主題は何なのか、どこをポイントに読み解いて欲しいのか、ということを考えたときに、これが一番しっくりくるだろうと。 ― ちなみに他にはどんな選択肢があったのですか? えーっとねぇ…「科学(Science)」とか。すべての曲タイトルに“科目の名前”を振りたいという案も僕のなかではあったんです。そして“怪物に学べ”というテーマで書こうかな、とも思っていました。だけど、まぁハロウィンっぽく“怪物”そのものの名前を並べてみるほうが、作品としてのメッセージが伝わりやすいかなって。 ― ミイラ、とは何の象徴ですか? 金井:没個性かな。「ずーっと長いものに巻かれ続けていると、君が誰だかわからなくなっちゃうよ?」というのが、僕にとっての主題なんですね。タイアップさせていただいているドラマ『賭ケグルイ season2』の内容が“駆け引き”をテーマにしたものなので、どんなやつから負けていくか、倒れていくかというところに注目してみました。すると「どれだけ強く己を持っているか」が重要になってくることが見えてきて。そうやって作品のフィルターを通して汲み取ったものが、歌詞になっていると思います。 出来上がり完成 反対に賛成 狂ってないです 狂ってないです 狂ってないです 長いものにはそう ぐるって巻いて ぐるって巻いて ぐるって巻いたら出来上がりました あれ君どこの木乃伊? 「mummy mummy」 金井:このサビは空耳アワーのような感覚で生まれましたね。ある程度、音像が出来上がってきて「どういうことを歌えば作品に気持ちよく寄り添っていくことができるか」と考えたんです。寄りすぎてベタベタするのも気持ち悪いから、ちょうどいいところを探して。そうしたら先ほどの「ずーっと長いものに巻かれ続けていると、君が誰だかわからなくなっちゃうよ?」というテーマを表す<ぐるって巻いて>というワードと、『賭ケグルイ』というタイトルに繋がる<狂ってないです>というワードが浮かんできました。全体のビジョンが見えた感じですね。 ― 「mummy mummy」のなかで、とくに“書けてよかった”と思うフレーズはありますか? 金井:自分がこっそり良いなと思っているのは<チャンスもピンチ?>というフレーズです。 ピンチはチャンスじゃチャンスもピンチ? 危機感持ってないとアウト ちゃんとキャスティングボードライドしないと 退屈すぎると天国も地獄 混ぜるな危険てさ ねえ 「mummy mummy」 金井:セルフツッコミが入っているというか。<ピンチはチャンス>ってよく言うじゃないですか。でも「じゃあ、逆だったら?」ってフレーズはいつかどこかで使いたいとずっと思っていて。僕自身「このチャンスを逃したらものすごいピンチなんじゃないか?」みたいなことを感じていた時期もあったから。やっとこの曲で言えましたね。 AじゃなくてBはあり得ない Oも違くてABがbetter rhesus monkeyはplusよりminus 理想的不可逆なflavor Aは辛くてBはほろ苦い Oは甘くてABがbetter 喉乾いてカラカラ 干からびちゃうよ Vampire 「吸血鬼はAB型がお好き」/BIGMAMA ― カップリングはまた「mummy mummy」から一転して、ユーモアある楽しい歌詞ですね。これはどんなきっかけから生まれたのですか? 金井:カップリングの曲もせっかくだから、リード曲「mummy mummy」と何かテーマをそろえて書き下ろそうと思ったんですね。とはいえ“巻きモノ”でそろえてもしょうがないなと。それなら“ミイラ”という怪物つながりで、2曲目では“吸血鬼”を、3曲目では“狼男”をテーマにしてみたんです。 それで最初“吸血鬼”で歌詞を書いたんですけど、レコーディング前日に、メンバーで唯一、作詞のディレクションができる柿沼に「何が言いたいかよくわからない。ちょっと真面目すぎる」って言われたんですよね。僕も「なるほど!」と思いました。だってそもそも“吸血鬼”で伝えたいことなんてないから(笑)。むしろ大事なのは“伝えたいことはない”ってことだと。ただ、ツッコミどころがあるとしたら「血って、血液型によって味があるの?」というところだったんです。 AはキリッとBはまろやか OはドロッとABがbetter 「吸血鬼はAB型がお好き」/BIGMAMA 金井:ちなみに、こないだ自分のラジオ番組でもたまたま血液型に詳しい方に話を聞いてみるというコーナーがあったんですけど、よく言われる“血液型の相性”とか“性格”とかは「あなたの思い込みです」って全否定されまして。それでも、血液型について食事の席とかで話すことって少なくないし、僕自身共感することもあるし、純粋にエンタメとして面白いところもあるじゃないですか。 だからこそ「じゃあ吸血鬼は何型が好きか」という着想が生まれて、結果「AB型が好き」というキーフレーズができたんです。もともと音楽は楽しいものなので、単純に言葉で遊べたらいいなと思って完成したのがこの曲ですね。ひたすら<ABがbetter>と言い続けるという…。 ― 金井さんは何型ですか? 金井:O型です。 ― てっきりAB型かと思いました(笑)。 金井:そんな自分を美化した歌詞にはできません(笑)。身近な人間は僕のことを「絶対に0型でしょ」って言いますね。ものごとを決めるのが得意じゃないので。 ― いわゆる“O型の特徴”というと何でしょうね。 金井:何より、絶対的に優柔不断ですね。まぁ血液型に詳しい方には全否定されたわけですけど…。でも、O型のひとが3人いたとしたら「何を食べる?」っていつまでも決められないイメージがあるんですよ。みんながみんな「何でもいいよ」と言い合っているシーンが、自分のなかで想像できるというか。 ― でもきっと、内心「これが食べたい!」という意思があるわけでもないんですよね? 金井:そうそうそう。本っ当に何でもいいんですよ。とくに僕の場合、仕事のストレスとして実は最も抱えがちなのが、どっちでもいいことを自分の責任で決めるというシチュエーションなんですよ。それが結構、ツラいときがあって。たとえば、同じくらい「いいな」と感じているときに「この黄色とこの黄色、どっちがいいと思う?」とか聞かれると、内心「どっちでもいいなぁ…」と思いながらも、どちらかを僕が決めないといけない。 そうやって決め疲れているわけですよ、いろんなことを。「あなたが選んだんでしょ?」という責任がすべて跳ね返ってくるので。だからその分「何を食べる」なんて質問には心から「何でもいいわ」と思うんですね。このように、10年以上のミュージシャン生活で、僕の性質が作り上げられてしまいました。よって、物事をパッと決めてくれるひとと一緒にいるのが、めちゃくちゃ楽ですね。 【第3弾に続く!】 (取材・文 / 井出美緒) ◆紹介曲 「 mummy mummy 」 作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA 「 吸血鬼はAB型がお好き 」 作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA 【第1弾】はコチラ! 【第3弾】はコチラ! ◆ニューシングル「mummy mummy」 2019年4月17日発売 初回限定盤 UPCH-7484 ¥1,800+税 通常盤 UPCH-5959 ¥1,200+税 <収録曲> 1.「mummy mummy」 2.「吸血鬼はAB型がお好き」 3.「Wolfgang in the moon」

    2019/04/17

  • BIGMAMA
    “読み書きが嫌いなひと”を前提に、歌詞や文章を書くようになった。
    “読み書きが嫌いなひと”を前提に、歌詞や文章を書くようになった。

    BIGMAMA

    “読み書きが嫌いなひと”を前提に、歌詞や文章を書くようになった。

     2019年4月17日に“BIGMAMA”がニューシングル「mummy mummy」をリリースしました。ドラマ『賭ケグルイ season2』の主題歌として書き下ろされた表題曲。さらにカップリングには「吸血鬼はAB型がお好き」や「Wolfgang in the moon」とタイトルから気になる新曲が収録されております。さて、今日のうたコラムではそんな最新作をご紹介!    今回は特別に、BIGMAMAの作詞を手がけている、ボーカルの“金井政人”さんに単独インタビューを敢行。もともとは「文章を書くのも読むのも大嫌いだった」という彼に、歌詞についてのこだわりや新曲への想いをたっぷりお伺いしましたので、記事を第1弾~第3弾に分けてお届けいたします!では、本日はその第1弾をお楽しみください。 ― 2006年にデビューされてから、金井さんは10年以上、BIGMAMAの歌詞を手がけ続けておりますが、ご自身の作詞にはどのような特徴があると思いますか? 金井:助詞が好きです。たとえば今回のシングルで言うと「mummy mummy」に<天国も地獄>というフレーズがあるじゃないですか。それは、よく聞く“天国と地獄”という言葉の<と>の助詞を<も>にしただけなんですけど、たった一文字で意味がまったく変わりますよね。天国には心地良い場所というイメージがあるけれど、そのうち飽きて嫌になってしまうんじゃないかなって。そうやって助詞ひとつで物事の見え方が変わってくるのがわかるような歌詞が好きで、そういう書き方をよくしていると思います。 ― 昔からそのように言葉について考えることが好きだったのでしょうか。 金井:いや、文章を書くのも読むのも大っ嫌いだったんです。学校でも現代文の成績がとくに悪くて。作者の気持ちなんて作者にしかわからないと思っていました。 ― 歌詞を書くようになってから、言葉にこだわるようになってきたのですか? 金井:まず、周りに誰も歌詞を書いてくれるひとがいなかったので、とりあえず書き始めてみたら「あ、これは、そのひとの頭の辞書であったり、引き出しであったり、そういうところにちゃんとオリジナリティーのある言葉が入っていないと、早々に飽きられる」という危機感を覚えたんですね。それで最初は仕方なく、いろんなものを読んだり、ひたすら本屋さんで表紙を眺めたりして。でもだんだん、そんな文字嫌いの自分を楽しませてくれるものに出会えるようになって、それって凄いものだなって感じたんです。 多分、もともと本好きなひとが「楽しい」って思う気持ちとはまた違うんですよ。もともと「嫌い」というのが前提にあって、だけど「修行だ」と言い聞かせて読み続けている。その上で「このひとはなんて素晴らしい文章を書くんだ!」という感覚が何回か繰り返されるようになって。それで僕は、自分と同じように“読み書きが嫌いなひと”を前提に、歌詞や文章を書くようになったんです。嫌いなひとでも楽しんでもらえるような量と、言葉遣いと、内容で、差し出そうと。そういう気持ちで現在に至ります。 ― 今や絵本の作家などもなさっていますよね。では、歌詞や絵本の物語って、どういったところをきっかけに生まれるものなのでしょうか。 金井:難しいですね…。こうやって喋っているときに浮かぶこともあるし。あと、たとえば「Sweet Dreams」という曲を書いたときには、まず英語で<have a good night>=“おやすみなさい”というフレーズがあったんですね。そして、よく眠れない夜には「羊が一匹、羊が二匹…」って数えるというじゃないですか。そこで僕は曲をイメージしながら、ふと「じゃあ、あの羊たちはどこへ行くんだろう…」と思ったんです。 くたびれた足取りで 羊は列をなして 未だ見ぬ明日まで ため息に包まれて 瞼を通り過ぎて行く 「Sweet Dreams」/BIGMAMA ― 羊の行方…!考えたことありませんでした。 金井:「あの羊たちが何をしているのか」ということで、ひとつ物語が書けるなと。かといって、日常の中にそういう種がゴロゴロ転がっているわけでもないんですよ。自分がちゃんと見つけてあげないといけないというか。そこに置いてあるイスひとつでも、どう意味を見出すかで歌詞を書けるのかもしれないし。その都度、作ったものには何かしらの着想の些細なきっかけがありますね。 ― 丁寧に生きていないと、気づけないことですね。 金井:もう職業病みたいなものかもしれないです。常に、ハッと思いつくことがあるかどうかのセンサーのスイッチが入っている状態なんですよ。映画を観に行っても、友達とご飯を食べに行っても。なんか僕は今、脳みそをこの部屋にいる方たちから借りていると思っています。自分の脳みそと、限りなく溶かして、合わせ味噌みたいに(笑)。つまり、一緒にいるひとの脳みそと合体させた上で、この時間があるんだと。その感覚は本を読むときも、映画を観るときも同じですね。そうすると、自分だけでは生まれ得なかった言葉とか、表現とか、アイデアが出てくることがあります。 ― 活動のなかで“歌詞面”で「ここは変わったな」と思うところってありますか? 金井:単純なところだと、僕は最初、洋楽のバンドに憧れていたので、英語で歌う曲が多かったんですね。だけどやっぱりミュージシャンとして、まず日本人としてきっちり日本語で勝負できないと、長く音楽家でいることは難しいと思って。そこから日本語の歌が増えていったとういう変遷はあります。そこ以外はあまり変わってないかな。ただ、年相応の言葉にはなっていますね。今の自分が歌って、恥ずかしいか恥ずかしくないか、という美徳みたいなものは年齢を重ねるにつれ、少なからず変化していると思います。 ― 歌詞で影響を受けたアーティストはいらっしゃいますか? 金井:僕の場合は、アーティストではなく父ですね。自分の父の言葉が一番カッコいい。誰かの歌詞で揺さぶられることってそんなに多くはないし、歴史の教科書に載っているような文章よりも、身の回りの人間に影響を受けます。カッコいいひとたちがたくさんいるので。そのひとたちの言葉が、自分のなかにストックされていって、歌詞に繋がっているような気がしますね。 ― なかでも、とくに印象的な言葉を教えてください。 金井:ずっと忘れがたいのは、父からの「お前が巻き込んだひとたちを、絶対に不幸にするな」という言葉かな。これは僕が「ミュージシャンになります」と言った、次の日に言われたんですけど、今でも胸に深く刻まれていますね。まず「幸せにしろ」じゃないところがいいなって。自分の力で誰かを幸せにできるなんて、簡単に思うのはおこがましい。それは家庭を持ったときに、初めて口にするべき言葉なんだろうなって。 だけど「不幸にするな」という言葉は、「損をさせない」とか「出来る範囲のことをし尽くす」とか「困ったときにきちんと助ける」とか、たくさんの解釈ができて。さらに「お前が巻き込んだひとたち」という“巻き込んだひとの範囲”をどこまで僕が設定するかも考えないといけませんよね。周りのスタッフたちなのか、メンバーなのか、ファンの方々なのか。そうやっていろんなことを僕に考えるきっかけを与えてくれた言葉なので、すごく大切にしているんです。 【第2弾に続く!】 (取材・文 / 井出美緒) ◆紹介曲 「 Sweet dreams 」 作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA 「 mummy mummy 」 作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA 【第2弾】はコチラ! 【第3弾】はコチラ! ◆ニューシングル「mummy mummy」 2019年4月17日発売 初回限定盤 UPCH-7484 ¥1,800+税 通常盤 UPCH-5959 ¥1,200+税 <収録曲> 1.「mummy mummy」 2.「吸血鬼はAB型がお好き」 3.「Wolfgang in the moon」

    2019/04/16

  • いきものがかり
    ぼくらの声は、誰かを愛するためにあるんだ。
    ぼくらの声は、誰かを愛するためにあるんだ。

    いきものがかり

    ぼくらの声は、誰かを愛するためにあるんだ。

     2019年4月1日に“いきものがかり”が新曲「SING!」を配信リリースしました。フジテレビ系『めざましテレビ』のテーマソングとして書き下ろされたこの曲。毎朝、晴れやかであたたかな歌声がわたしたちの心を優しく包み込み、新たな一日をスタートさせるためのパワーを与えてくれております。今日のうたコラムでは、そんな1曲をご紹介! 歌いはじめよう ぼくらの声は 誰かを愛するためにあるんだ なんどだって伝えるから あなたの手よ 優しいままでいて 「SING!」/いきものがかり    「おはよう」「行ってきます」「行ってらっしゃい」が飛び交う朝。そうした当たり前の風景にだって<ぼくらの声は 誰かを愛するためにあるんだ>というフレーズが通じます。わたしたちは日々、無意識のうちに<誰かを愛するため>の声を、愛する誰かへの声を、伝えているのです。でも<優しいままで>い続けるのは、簡単なようで難しい。だからこそ、いきものがかりは<なんどだって伝えるから>と歌うのでしょう。 朝陽が街を照らしてる 行き交うひと みんなそれぞれに 自分という大事なストーリー ただ懸命に今日を暮らしている 街頭ビジョンで流れるつらいニュース 誰か責める声 でも信号待ちの親子は 笑っていたよ ちゃんと手をつないで 優しさはきれいな絵空事じゃない そうぼくらだって ためされてる 想いあうこと 投げ出さず 笑えてるかな 「SING!」/いきものがかり  では<優しいままで>いるのが難しいときとは、どんな場合でしょうか。たとえば<自分という大事なストーリー>に傷をつけられたようなとき。<ただ懸命に今日を暮らしている>のに報われないとき。<街頭ビジョンで流れるつらいニュース>を目にすれば、つい<誰か責める声>側に回ってしまったり。SNSで棘のある言葉を向けてしまったり…。    そんなふうに、行き場のない自分のつらさを、違うつらさのなかにいる“見知らぬ誰か”にぶつけてしまうひとも少なくないでしょう。しかし、そこから生まれるのは“つらいの連鎖”だけです。きっと、つらいときこそ、<優しいままで>いるのが難しいときこそ、<ぼくら>は<ためされてる>のだと思います。そのつらさを越えられるかどうか。    そして“隣にいる大切なひと”と<想いあうこと>ができるかどうか。その手を<投げ出さず 笑えてる>かどうか。もちろん<信号待ちの親子>にだって大変なことはあるでしょう。それでも<笑っていた>。<ちゃんと手をつないで>いた。その姿からは<ためされ>ながらも<きれいな絵空事じゃない>優しさを、しっかり守り繋いでゆくひとの強さが伝わってきますよね。 怒りや悲しみに心捨てないで いまできることを つづければいい 見失うなら この手を つかめばいいさ 愛しつづけよう うまくいかない くじけそうなときほど顔上げて それはぜんぶ無駄じゃなくて つづいていく ぼくらの物語 もっとぼくらは生きていくんだ 自分の手でしあわせを描いて 涙なんてぬぐえること 忘れないで 大丈夫だから 「SING!」/いきものがかり  また、わたしたちが<優しいままで>あり続けるために大切なのは、ただ“誰かと手を繋ぎ続けること”だけではありません。自分の手で<いまできることを>つづけて、<しあわせを描いて>、<涙なんて>ぬぐってゆくこと。もし怒りや悲しみに支配され、心を見失いそうになったなら“<この手>=音楽”をつかんでみること。そうした“選ぶ強さ”もこの歌は教えてくれているのです。 選びつづけよう 誰かじゃなくて ぼくらでぼくらの道をなんども 笑えたなら そこにはもう 希望がある 優しいままでいて 歌いはじめよう ぼくらの声は 誰かを愛するためにあるんだ もう悲しみに負けないで あなたの手は ひとりじゃないんだ この世界よ 優しいままでいて 「SING!」/いきものがかり  つらいひとが、つらいひとを責めれば、それは“つらいの連鎖”になります。だけど<誰かを愛するため>の声が、<誰かを愛するため>の声と重なれば“愛の連鎖”になる。<優しいまま>の手が、<優しいまま>の手と繋がれば“優しいままの世界”が生まれる。だからどうか今日も、もっと多くの“愛の連鎖”で“優しいままの世界”が広がって欲しい。そんな願いが込められているのが、いきものがかり「SING!」です。 “ありがとう”って伝えたくて あなたを見つめるけど 繋がれた右手は 誰よりも優しく ほら この声を受けとめている 「ありがとう」/いきものがかり いつだって真ん中にあるよ たいせつなものはここにある つつむような君のその手が優しい 強く握り返すよ 「笑顔」/いきものがかり 帰りたくなったよ 君が待つ街へ かけがえのないその手に今 もう一度伝えたいから 「帰りたくなったよ」/いきものがかり 泣いて 笑って つないだこの手は 最後の瞬間まで 離しはしないで この道の先を またふたりで 歩いていこう… 歩いていこう… 「茜色の約束」/いきものがかり  これまでも、たくさんの“優しい手”を歌い続けてきた、いきものがかり。新時代・令和にもよりいっそう凜と真っ直ぐな歌声で<ぼくらの声は 誰かを愛するためにあるんだ>と、<あなたの手は ひとりじゃないんだ>と、<なんどだって伝え>続けてくれることでしょう。新章の幕開けとなる「SING!」を是非、じっくりとご堪能ください…! ◆紹介曲「 SING! 」 2019年4月1日配信 作詞:水野良樹 作曲:水野良樹 編曲:亀田誠治

    2019/04/15

  • さめざめ
    平成最後の好きな人が自分の生涯を共にする相手ではなかったとしても
    平成最後の好きな人が自分の生涯を共にする相手ではなかったとしても

    さめざめ

    平成最後の好きな人が自分の生涯を共にする相手ではなかったとしても

     2019年4月10日に“さめざめ”がニューアルバム『ネオフューチャーメンヘラ』をリリースしました。今日のうたコラムでは、今作から、歌詞先行公開時より注目度ランキング3位を記録していた人気曲「ラストセックスフレンド」をご紹介いたします。第1弾、第2弾に続き、さめざめ“笛田サオリ”本人がフレーズごとに込めた想いを綴る歌詞エッセイの最終章・第3弾!歌詞と併せて彼女の生の言葉をお楽しみください。 ~「ラストセックスフレンド」歌詞エッセイ~  この曲はアルバムの中で最後の最後にできた曲。セックスフレンドなんて決してなりたかったわけじゃない。好きになって夢中になって、どうしても一緒にいたいから選んだもの。カッコつければ「名前のない関係」かもしれないけど、きっと好きな人からすれば私は「セックスフレンド」だった。好きな人に失恋をしてしまった今、私はあの人を最後のセックスフレンドにしようと決めた。きっともう二度とあんなに苦しすぎる恋をしない。 一番、悲しいシーンで一時停止したまま 帰る場所なんてなかったから適当な灯り探して 自分を騙していた、君にとって大切なものだと そんな変な顔をしないでよ いつもみたいに笑って  この話は、好きな人に想いを伝えてフラれたところから始まっている。<自分を騙していた>はアルバムリード曲「一生あたし女の子宣言」の<鈍感にもなれちゃうクズ>とイコールである。自分にとって知りたくない現実だからこそ、自分の良いように自分を洗脳し、自分を騙した。<適当な灯り>=身近にいる自分に優してくれる人を探した。  <そんな変な顔をしないでよ>はアルバム収録曲「あなたしかいなかったあたしなんて死んでくれ。」の<変なこと言わないから>と話が繋がっている。自分が伝えた想いに対して、好きな人が自分の想いとは相反する表情を見せた。それを<変な顔>と表現した。5曲目の「ラストセックスフレンド」の次に「あなたしかいなかったあたしなんて死んでくれ。」が続いてるのは、本当に物語の続編の曲だから。 心の奥の奥の奥の部屋で泣いているんだよ だけど出会う前のあたしになんて 戻りたくないの、もう戻れないの  人の前では陽気なふりをしたり、笑ったりしているときほど、一人の時は死んだ魚の目をしていた。誰にも見せることのない部屋で押し殺しながら泣いているのは“さめざめ”だから。 好きだけじゃどうにもできない 好きなとこいっぱいあるのに ああ、君の恋になれなかった これで最後、これが最後と誓った  好きな人のことを思って素直に出てきた言葉。好きって言葉ほど無力なものはないと思った。<最後>は二つの決意の意味合いがある。もうこれで会わないという最後の決意。もう一つはセックスフレンドという存在をこれで最後にしたいという決意。 一番、優しいシーンもつめを折って残したまま 誰にも分からなくていいの あたしたちだけのもの  この曲は私が生きた3つの時代背景を描きたいと思った。私が生まれた昭和の名残を出すために<カセットテープ>のつめを折るという言葉を使った。 他人(ひと)が思うよりずっとずっとずっとこれは恋だったの その目に惹き込まれたあの日から 分かっていたよ、だけど正しいことがすべてじゃない  初めて好きな人と見つめ合ったときに感じたこと。目を合わせたときに一瞬でその人の目に惹きこまれた。<だけど正しいことがすべてじゃない>この曲で一番、芯のある言葉だと思う。「一生あたし女の子宣言」や「異常な乙女」にも出てくる“正しさ”という言葉は今回のアルバムの裏テーマだ。 好きだけじゃどうにもできない 好きなほど前は見えなくて ああ、君の恋になりたかった 超えてしまった、永遠なんてもう死んだの  二十代の頃、失恋をしたときに人生の先輩に言われた言葉。「永遠なんてないんだよ。」そう言われた時、当たり前なのに永遠がないことに悲しすぎて泣いてしまった。そのときやっと知った、永遠が手に入らないものだって。 君のいないこの街は詰まんないね、月もきたないね 平成最後の好きなひとよ、一生忘れない  一生、一生、一生忘れない  月がきれいだと好きな人のことを思い出した。月がきれいだと好きな人に連絡をした。<平成最後>という言葉、ありきたりだからこそ作品に残したかった。昭和に生まれ、平成最後のこの4月に作品をリリースし令和に向かっていくことへの決意。 好きだけじゃどうにもできない 好きなとこいっぱいあるのに  ああ、君の恋になれなかった  これで最後、これが最後と誓っても もう二度と会えないくらいならキスも何もしなくていいから 心殺してもそばにいたい それくらい恋だった、君はあたしの恋だった あたしのことを見つけてくれてありがとう  この歌詞を書いたときは、<もう二度と会えないくらいならキスも何もしなくていいから>と思っていたのに、いざ本当に失恋をしてしまうとキスも何もしないのにそばにいるということがこんなにも辛いと思わなかった。現実は心を殺せなかった。<あたしのことを見つけてくれてありがとう>普通はプロポーズされた女性が男性に言う言葉。でもあえてこの言葉を言う。だって、私にとってはそれくらいの好きだった人だから。  平成最後の好きな人が自分の生涯を共にする相手ではなかったとしても、間違いなく出会ってから惹かれあって一緒に過ごした時間に嘘はない。楽しかったから。彼女じゃなかっとたしてもそばにいたあの日々は、死ぬ前に走馬灯の中で流れる思い出の一つだろう。もうキスをすることもない好きな人へ、最後にちゃんとお礼を言いたい。現実では変な顔されそうだから言えなかったけど、「あたしのことを見つけてくれてありがとう」。 <さめざめ・笛田サオリ> 【第1弾「一生あたし女の子宣言」歌詞エッセイ】 【第2弾「どうでもいいから愛しあおうよ。feat.後藤まりこ」歌詞エッセイ】 ◆紹介曲「 ラストセックスフレンド 」 作詞:笛田サオリ 作曲:笛田サオリ ◆ニューアルバム 『ネオフューチャーメンヘラ』 SMZM-0010 ¥2,800+税 <収録曲> 01. 一生あたし女の子宣言 02. どうでもいいから愛しあおうよ。 feat. 後藤まりこ 03. SAYONARA at room 04. 夜、それは限りなく 05. ラストセックスフレンド 06. あなたしか見えなかったあたしなんて死んでくれ。 07. 異常な乙女 08. デェトスポット 09. プリプリアイラブユー ~プロポーズ願書受付中~ 10. あたしに生まれて 

    2019/04/12

  • さめざめ
    二人の声に一緒にあなたの声も混ざって歌って欲しい。
    二人の声に一緒にあなたの声も混ざって歌って欲しい。

    さめざめ

    二人の声に一緒にあなたの声も混ざって歌って欲しい。

     2019年4月10日に“さめざめ”がニューアルバム『ネオフューチャーメンヘラ』をリリースしました。幸せになれない恋ばかり繰り返す女子たちに、圧倒的な支持のある楽曲を生み出し続けてきた彼女は今年で結成10周年。今作にも、報われない恋をする女性の心を描き切った、共感力の高い、聴けば聴くほどクセになる全10曲が収録されているんです。    今日のうたコラムでは、そんなニューアルバムから“後藤まりこ”とコラボレーションした新曲「どうでもいいから愛しあおうよ。feat.後藤まりこ」をご紹介いたします。今回も第1弾に引き続き、さめざめの“笛田サオリ”本人がフレーズごとに込めた想いを綴ってくださいました。尚、4月12日には歌詞エッセイ最終章・第3弾を公開予定です…! ~「どうでもいいから愛しあおうよ。feat.後藤まりこ」歌詞エッセイ~  今回はそれぞれが抱える「生きづらさ」をテーマにしました。性別も肌の色も容姿も見えないコンプレックスも誰かが抱えて生きているものに対して、そんなのどうでもいいくらいの衝動で生きて欲しい、目に見えないものを大切にして欲しい、という強い願いと自分自身への決意を後藤まりこさんと歌わせていただきました。二人で歌ったからこそみんなに届けられるものになったと思います。 オギャーオギャーって生まれてきた時には決まっていたんだ 血も直系も名前も顔も環境も なんか違うって思いながら思春期になって このまま死んでたまるかって閃いた  私は4歳にして人生で初の円形脱毛症になるほど幼稚園という環境で息が詰まりそうな気持ちで生きていた。小学生の頃はスクールカーストの最下級にいる生徒でいじめにも遭っていた。いじめっ子たちに体育館裏に呼び出されて土下座をさせられたこともあった。学校を休む勇気も非行に走る勇気もなくて、人の印象に残らないように目をつけられないように生活していた。でも、高校生の頃に音楽で自己表現をすることを覚えた時、このままの自分の生き方で終わりたくないと思った。 いけないことはいけないって言われれば言われるほど その心理が知りたくなって 叶わぬもの叶えたくて この衝動、大量生産したくなったの  大人になればなるほど、一般常識で「いけない」と言われるものに興味を持つようになった。いけないと括られたものほど衝動というものは抑えられなくなっていく。 あたしはあたし、あなたはあなたは、そんなのどうでもいい 黒くても白くてもそんなのどうでもいい・いい 男とか女とかそんなのどうでもいいから 目に映るものだけがすべてじゃない  ここ数年、新宿二丁目で飲むことが増えて感じたこと。性別という概念なんてどうでもいいし、世の中で白黒はっきりさせなきゃいけないものだってどうでもいい。目に映るものだけを真実と呼ぶのはとても残酷で、目に映るもの以外を大切にしたいと思った。 生まれたからには「使命」があるって信じていたいな これか?あれか?どれなんだ?ってのたうち回っても みんなと同じ風になれないしなりたくないの 唯一、同じなのはこの空の下  後藤まりこさんを「ミドリ」の頃から見ていて現在に至るまで、突き進んでいく勇者のような生き様に自分にないものをたくさん感じて憧れを抱いていた。後藤まりこさんこそ「使命」を感じて歌っているように見える。私は「さめざめ」を見つけるまで、十代の頃はアイドルを目指し、一時期は作家を目指し、バンドをやったりしたけどやっと「さめざめ」を見つけることができた。後藤さんも私も全く違う音楽の生き方をしてきたけど、これからも唯一無二な存在でいて欲しいし、いたいと願っている。 好きなものは好きだってなんで言っちゃいけないの? なんで隠さなきゃいけないの? 息しづらい、生きづらい この街でちゃんと呼吸をさせてよ  自分が東京を選んでこの街で生きていると言うのに、時に心は行方不明になり呼吸がしづらくなる。自由を謳いやすいこの街でさえも上手く生きるのは難しい。 ぼくはぼく、きみはきみ、そんなのどうでもいい 名前とか秘密とかそんなのどうでもいい・いい 大人とか子供とかそんなのどうでもいいから 目に映るものだけがすべてじゃない 目に映るもの以外のすべてが愛  後藤まりこさんはお話をする際にご自身のことを「僕」と呼ばれるので、それをあえて歌詞に入れてみた。二人で歌うからこそ、よりこの曲で伝えたいものが伝わった気がする。 他人のせいにしたくないの  今、ここで生きてること ここで悶えていること 自分のせいにしたいから、この衝動に従ってゆこうよ  私がよく思ってること。他人にああしろこうしろと言われて上手くいかないと結局、他人のせいにしてしまう。それなら自分のせいにしてやりたいように、衝動のまま生きていきたい。 あたしはあたし、あなたはあなたは、そんなのどうでもいい 黒くても白くてもそんなのどうでもいい・いい 男とか女とかそんなのどうでもいいから 目に映るものだけ見てんじゃないよ ぼくはぼく、きみはきみ、そんなのどうでもいい 名前とか秘密とかそんなのどうでもいい・いい ちゃんと見て、もっと見て、あたしの中のあたしを 目に映るものだけがすべてじゃない 目に映るもの以外のすべてが愛 あいあいあいあい あいあいあい あいあいあい あいあいあい あいあいあい  私の声と後藤さんの声が混ざり合った時、違う生き方をしてきた同世代の私たちがその瞬間この作品で愛を産み出すことができた。今回は後藤さんのコケティッシュな声や息づかいなどを贅沢にも自分の楽曲で発揮していただいた。フューチャーリングの初めての相手が後藤まりこさんで私は本当に幸せだ。歌詞には表記してない最初と最後の「どうでもいいから愛しあおうよ。」の二人の声に一緒にあなたの声も混ざって歌って欲しい。あえて歌詞に表記しなかったのは、タイトルとしての価値をより輝かせたかったからだ。 <さめざめ・笛田サオリ> 【第1弾「一生あたし女の子宣言」歌詞エッセイ】 ◆紹介曲「 どうでもいいから愛しあおうよ。 feat. 後藤まりこ 」 作詞:笛田サオリ 作曲:笛田サオリ ◆ニューアルバム 『ネオフューチャーメンヘラ』 SMZM-0010 ¥2,800+税 <収録曲> 01. 一生あたし女の子宣言 02. どうでもいいから愛しあおうよ。 feat. 後藤まりこ 03. SAYONARA at room 04. 夜、それは限りなく 05. ラストセックスフレンド 06. あなたしか見えなかったあたしなんて死んでくれ。 07. 異常な乙女 08. デェトスポット 09. プリプリアイラブユー ~プロポーズ願書受付中~ 10. あたしに生まれて 

    2019/04/10

  • 藤田麻衣子
    私たち、もうサヨナラしなくていいんだね。
    私たち、もうサヨナラしなくていいんだね。

    藤田麻衣子

    私たち、もうサヨナラしなくていいんだね。

    「またね」って言葉 また会えるんだ 私たち もうサヨナラしなくていいんだね 「またね」/藤田麻衣子  2019年3月20日に“藤田麻衣子”がニューアルバム『wish』をリリースしました。今日のうたコラムでは、その収録曲から、失恋ソングとも、片想いソングとも、両想いソングとも言い切れないけれど、たしかにラブソングである「またね」をご紹介いたします。まず「またね」って言葉で、気軽に別れの挨拶をする【現在】シーンから幕をあける歌。    みなさんなら、誰かに「またね」と手を振るとき、どんな気持ちであることが多いですか? 別に“二度と会わない”と決めている場合じゃない限り、あまり気にしないことが多いのではないでしょうか。友達だから。永遠のサヨナラじゃないから。「またね」はそのまま「また都合が合うときにでも会おうね!」くらいの意味合いだと思います。 友達にはなれないとわかった むなしい期待してしまうから 忘れられないまま 一人前に進めなくなるから 両腕で精一杯 その胸を押して 遠ざけて 断ち切って 必死にがんばったんだよ 「またね」って言葉 言わないように 私たち もうサヨナラ選んだ二人 もう会わないと何度決めて 泣いただろう でも本当は会いたかった 「またね」/藤田麻衣子  しかし時には、簡単に「またね」とは言えないこともあるんですよね。それがかつての<私>でしょう。歌は【現在】から【過去】の回想シーンへ移ります。そこに見えるのは、まだ<友達には>戻れそうもない二人。<もうサヨナラ選んだ二人>です。ではなぜ、あの時の<私>は<「またね」って言葉 言わないように>と、堪えたのでしょうか。    大きな理由は3つ。1つは<その胸>に嘘をつきたくなかったから。世の中には「またね」と別れておきながら、もう二度と会わないひとだってたくさんいます。だけど<私>はちゃんとお別れしたかった。希望なんて匂わせたくなかった。それは同時に、自分自身も<むなしい期待して>しまいたくなかったからという、もう1つの理由にも繋がります。    二人のラストシーンが脳内再生されたとき、やっぱり「またね」という言葉から“また会える可能性”を抱いてしまいますもんね。そしてもう1つは「またね」という言葉に本音が滲んでしまわないようにです。本当はまた会いたかったし、まだ愛していた。でもだからこそ「またね」をグッと堪えて、<両腕で精一杯 その胸を押して 遠ざけて 断ち切って 必死にがんばった>のです。二人のために“言わない”選択を貫いたのです。 あれからもうどれくらい経つかな 髪型もお互い変わったね ねぇこんなふうに普通に 話せる日が来るなんてね あんなにかき乱された この胸が今は 穏やかに 見つめられる 甘酸っぱさ残しながら 好きな気持ちは形を変えて 私たち もう本当の友達になったね なんか少しね 淋しいね だけどね きっと嬉しいことなんだよ 「またね」/藤田麻衣子  さて、歌が進み、シーンはまた【過去】から【現在】へ。時は随分と流れ、なんと二人には<こんなふうに普通に 話せる日>が来たのです。絶対に<友達にはなれないと>思ったはずだったのに。あんなに<かき乱され>泣いたのに。今、お互いの胸の中にあるのは<穏やか>で<甘酸っぱ>くて、少し<淋し>くて、だけど<嬉しい>気持ちです。  そんなふうに<本当の友達>になることができた“今”があるのは、あのとき<私>が言わなかった言葉があるからです。それが「またね」のひと言。二人のために、前に進むために、わざと「またね」とは言わずにサヨナラをした。その“言わなかった言葉”こそが<私たち>の<好きな気持ち>を新しい形で繋いでくれたように思えますね。 「またね」って言葉 また会えるんだ 私たち もうサヨナラしなくていいんだね 胸の中には温かい この気持ち 広がってく 笑顔になれる 好きな気持ちは形を変えて 私たち もう本当の友達になったね なんか少しね 淋しいね だけどね きっと嬉しいことなんだよ またね 「またね」/藤田麻衣子  そして今<私たち>は、あの頃言えなかった「またね」を、笑顔で、温かい気持ちで、本当の友達として、口にすることができるのです。別れは淋しいけれど、でも、人生に残る大切なものはそれだけじゃない。そう教えてくれるのが、藤田麻衣子「またね」ではないでしょうか。この曲を聴いているあなたも、まだ「またね」とは言えそうもない大切なひとと、いつか優しい再会を果すことができますように。 ◆紹介曲「 またね 」 作詞:藤田麻衣子 作曲:藤田麻衣子 ◆メジャー4thアルバム『wish』 2019年3月20日発売 [初回限定盤] VIZL-1564 ¥4,700+税 [通常盤] VICL-65166 ¥3,000+税 <収録曲> 01 出会えただけで 02 これからも 03 in fact (Self Cover) 04 wish ~キボウ~ 05 何度も何度でも 06 またね 07 始まり 08 ハピネス 09 気持ちの整理できるまで 10 テントウ虫  Bonus Track  トライアングル(Piano ver. / duet with 奥華子) ※初回限定盤のみ

    2019/04/09

  • 坂田穂乃花
    あなたが彼に愛された、そんな記憶はもう捨ててよ。
    あなたが彼に愛された、そんな記憶はもう捨ててよ。

    坂田穂乃花

    あなたが彼に愛された、そんな記憶はもう捨ててよ。

    過去にだれともであわないでよ 若いきすしないでよ 今 産まれてきてよ (今橋愛)  こちらは歌人・今橋愛さんの一首。過去に誰かと出逢ったこと。若いキスをしたこと。産まれたこと。それらは“過去形”であるはずなので、3つの願いはどれも無茶。そんなことは主人公だってわかっています。でも、それでも、そう思わずにはいられないんですよね。つまり<私>の知らない<あなた>がいるのは、いつであろうと嫌、なのです。 私よりずっと前から 彼と出逢えていたんでしょう? 私の知らない彼の姿を あなたは知っているんでしょう? 「元カノさんへ」/坂田穂乃花  さて、今日のうたコラムでは、そんな短歌に通じる新曲をご紹介。2019年3月20日に“坂田穂乃花”がリリースした「元カノさんへ」です。主人公の<私>が本音を伝えるお相手は、愛する<彼>ではなくて、タイトルどおり、彼の元カノさん。とはいえ、元カノから何か嫌がらせを受けているわけでも、二人のヨリが戻っているわけでもなさそう。  だけど<私>は少なからず“<あなた>=元カノ”に対して、嫌悪・怒り・嫉妬のようなものを感じていることがヒリヒリ伝わってきます。理由のひとつはまず、冒頭の短歌と同様に<私の知らない彼の姿を あなたは知っている>から。理不尽ではありますが「私だけの彼の“過去”を持っているなんてズルい…!」という気持ちなのでしょう。 考えたくないって思うのに気づけばふと 頭に浮かぶ どうして? 「消えてよ」 頑張ったって何したって 変わらない過去消せない思い出 あなたが彼に愛された そんな記憶はもう捨ててよ あなたもきっとそっと彼から 愛されていたんでしょう? 優しく抱き寄せる彼の温もり あなたも知っているんでしょう? 「元カノさんへ」/坂田穂乃花  また同時に、そうやって<考えたくないって思うのに気づけばふと 頭に浮かぶ>ような今の自分の姿も嫌なのだと思います。無駄な嫉妬をしていることも。不毛に頑張っていることも。だからきっと「消えてよ」というセリフや<あなたが彼に愛された そんな記憶はもう捨ててよ>というフレーズは、元カノだけに伝えているわけではありません。  今は、自分が<彼から愛されて>いるのに、確かに<優しく抱き寄せる彼の温もり>を感じているのに、その大切な“実感”を通じて、わざわざ他者の過去を思い浮かべてしまう。そんな自身の不安にこそ「消えてよ」と言いたいのではないでしょうか。想像上の元カノの記憶なんて「捨ててよ」と自分自身に言い聞かせているのではないでしょうか。  さらに、どんなに元カノを憎んでも無駄で、どんなに<私>が<考えたくないって思うのに気づけばふと 頭に浮かぶ>のなら、あとは<彼>に何とかしてもらうしかないですよね。ゆえに、本当に言いたいのは「消えてよ」というより「消してよ」なのかもしれません。元カノを愛した記憶なんてもう「消してよ」「捨ててよ」と<彼>にこそ、言いたいのです。 考えたくないって思うけど気づけばふと 頭をよぎる Ah 「やめてよ」 頑張ったって何したって 変わらない過去消せない思い出 今はもう私だけを 深く奥底まで感じてよ 入り込めない2人の間が怖くて 切なくて苦しい もういっそ過去の時間なんていらないのに 「元カノさんへ」/坂田穂乃花  そして歌が進むにつれ、本音のベクトルはどんどん“元カノ”から<彼>へと移ってゆきます。<もういっそ過去の時間なんていらないのに>と思う。しかし<頑張ったって何したって 変わらない過去消せない思い出>がある。それなら過去以上に、思い出以上に、元カノ以上に、愛していると<彼>に“証明”してほしいんですよね。    というより、もしその“証明”さえ強く実感できれば、このような歌が生まれなくても済むのでしょう。<今はもう私だけを 深く奥底まで感じてよ>なんて願うことすらしなくていいくらいに<私だけ>を愛してくれている実感が必要なのです。そう考えながら「元カノさんへ」を聴くと<私>から<彼>への強い想いがいっそう心を揺さぶります。 頑張ったって何したって 変わらない過去消せない思い出 今はもう私だけを 深く奥底まで感じてよ 「元カノさんへ」/坂田穂乃花  会話や日常の節々に“元カノさん”を探してしまうあなた。愛するひとがかつて愛したひとのことを考えずにはいられないあなた。ぜひ、その想いを重ねながら、坂田穂乃花「元カノさんへ」を聴いてみてください…! ◆紹介曲「 元カノさんへ 」 作詞:坂田穂乃花 作曲:坂田穂乃花 ◆インディー・デビュー・シングル 『元カノさんへ』 2019年3月20日発売 EDCE-2030 ¥1,200(税抜) <収録曲> 01. 元カノさんへ 02. ウワサバナシ 03. あなたとの時間

    2019/04/08

  • androp
    みんな「ヤバい…!」ってそこの2行で心を打たれました。
    みんな「ヤバい…!」ってそこの2行で心を打たれました。

    androp

    みんな「ヤバい…!」ってそこの2行で心を打たれました。

     2019年2月27日に“androp”がニューシングル「Koi」をリリースしました。タイトル曲は、川口春奈×高橋一生の映画『九月の恋と出会うまで』主題歌として書き下ろし。さらに2019年4月5日には“上白石萌音×内澤崇仁(androp)”として新曲「ハッピーエンド」を配信リリース。上白石主演の映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』主題歌として書き下ろし。  内澤さんが作詞作曲を手がけた、最新作「Koi」と「ハッピーエンド」で共通しているのは、どちらもラブソングあるという点です。また、歌ネットでミリオンリリックに認定されている大ヒット提供曲、Aimer「カタオモイ」も然り。そこで今回のうたコラムでは、そんなラブソングの名手・内澤崇仁さんにインタビューを敢行!今日はラスト第3弾をお届けいたします。 ― 第3弾では、上白石萌音×内澤崇仁(androp)の「ハッピーエンド」についてお伺いしていきます。 内澤:以前、萌音さんには「ストーリーボード」というタイトルの楽曲を提供させていただいたんですけれども、僕の中では「ハッピーエンド」はその曲と繋がっていて。どこかリンクさせたいなという想いが個人的にはありました。 僕が主人公だったら 小さな物語でいいから 君と僕のハッピーエンドにしよう ストーリーは僕が書き換えるよ 君にまつわる全てを幸せに でもやっぱり主人公じゃなくてもハッピーエンドがいい 超大作でもないし 感動のファンタジーでもない ラスト 3分のどんでん返しもいらないよ 出会えた 出会えた 君と出会えた 「ストーリーボード」/上白石萌音 ― もう「ストーリーボード」の歌詞に<ハッピーエンド>というキーワードが綴られているんですよね。 内澤:はい、実はそこを繋げたかったんです。というのも、もともと「ストーリーボード」を提供するとき、すでに「ハッピーエンド」の音はあったんですね。だから生まれた時期は2曲とも一緒だったんです。兄弟みたいな曲というか。それを当時、萌音さんが「こっち(ハッピーエンド)もすごく好き」だと言ってくださっていたので、今回、提供できることになって、僕的にも念願が叶ったという感じです(笑)。なんとなく「いつかこの曲を気に入ってくれた萌音さんに…」と考えていたから。そんな兄弟を繋げる部分を作りたいなという気持ちが、タイトルに表れていますね。 せっかくのケーキも失敗作 夢のサプライズも上手くいかない あなたの声が好きです 言えないけど それはそれは笑った顔が素敵 照れると髪触る癖も知ってるよ 優しいとこも好きです 言えないけど 「ハッピーエンド」/上白石萌音×内澤崇仁(androp) ― この歌の主人公もめちゃくちゃ可愛いですね。どうやってこの子の性格や思想が生まれていくのですか? 内澤:やっぱり一番は提供する方の印象ですね。今回だったら、萌音さんに一番似合う言葉遣いやフレーズをチョイスしていきます。あと今回は、映画『L・DK』の主題歌ということもあったので、ヒロイン・西森葵(上白石萌音)の考えとかにもちょっと寄せたり。 好きで好きで大好きなの 何千もの星の下で巡り会う奇跡 あなただけなの 夢はハッピーエンド あなたとお揃いのストーリーがいいの 歳をとるたび好きになるのよ 「ハッピーエンド」 ― 冒頭では<好きです>と敬語だったのが、サビでは<好きで好きで大好きなの>と溢れちゃっている感じも可愛いです。 内澤:そう、萌音さんもそういうことを言いそうだと思ったし(笑)、同じく『L・DK』の葵も言いそうなんですよ。そういうふうに、歌う本人と作品の主人公との性格や思想が交じり合って、歌の主人公が生まれることが多いですね。 好きで好きで大好きなの 明るい星に隠れて魔法のキスして もう何もいらないから ハンバーグが好きなあなた 73億分の1のあなたじゃなくちゃ あなたじゃなくちゃ だめなの 「ハッピーエンド」 ― また<せっかくのケーキも失敗作 夢のサプライズも上手くいかない>とか、<ハンバーグが好きなあなた>とか、具体的なワードが綴られているフレーズも胸キュン度をアップさせております。こういうシチュエーションはどうやって描いていくのでしょうか。 内澤:具体的なシーンはですね…。めっちゃ恥ずかしい…(笑)。スタッフの中にAbemaTVの『今日、好きになりました。』とか『オオカミくんには騙されない』という恋愛ドキュメンタリー番組がすごく好きな人がいまして。僕はその話を「そういうものがあるのかぁ」くらいに聞いていたんですよ。 で、今回ラブソングを書くとなって、若い子の気持ちも知りたいなと思ったんですね。だけど、僕には若い知り合いはいない。ということで、僕もそういうものを観てみようと、そのスタッフからおすすめの回を訊いて、実際に観てみて。それを踏まえた上で、自分の頭のなかで世界観を作り(笑)、出来上がったフレーズたちなんです。 ― なるほど(笑)。それを観て、内澤さんがキュンとしたところも歌詞に反映されているんですね。 内澤:そうですね(笑)。あと最近の若い子は「愛している」って言葉は言わないとか。それよりも「好き」って表現を使うんだなぁとか。そういうことを「なるほどな…」と思いながら、学びましたね。 ― サビに<ハンバーグ>というフレーズがあるのも印象的です。 内澤:はい、サビなので普遍的な気持ちを歌いたいから、すごく迷ったんですよ。だけれども、身近な具体的なワードを入れたほうが、より聴いてくれたひとが自分事に捉えられるんじゃないかなって。でも今思えば別に<ハンバーグ>じゃなくてもよかったですよね(笑)。唐揚げでも。なんか男の子が好きそうな食べ物が良いと思ったのですが…。 ― いえ<ハンバーグ>がたった一つの正解である気がします。 内澤:よかった(笑)。映画『L・DK』でも“大きいプリン”を作ったりするシーンがあるんですけど、それならハンバーグとかも作ってそうだなぁって想像が膨らんだのもあったんですよね。あと<ハンバーグ>のあとに<73億分の1のあなた>という言葉を並べることによって、より<あなたじゃなくちゃ だめなの>という気持ちがグッと伝わればいいなと思いました。 ― 内澤さんがとくにお気に入りのフレーズはありますか? あと1センチが遠いよ苦しい… だめだ だめだ 期待したってどうせ 「ハッピーエンド」 内澤:萌音さんの歌と合わさって、すごくキュンキュンしたのはこのフレーズですね。僕はレコーディングも立ち会わせていただいたんですけど、萌音さんが歌っていて、ブースに男3人くらいいて、みんなそこの2行で心を打たれまして(笑)。「ヤバい…!」って胸を押さえながらうずくまっていったんですよ。それも含めて、印象的なフレーズですね。 ― フレーズもキュンキュンですし、歌い方もこう…本当に「ヤバい…!」ってなりますよね(笑)。 内澤:そうなんですよ(笑)。女優さんだからだと思うんですけど、感情の込め方だったり、言葉への想いの乗せ方がすごく上手で。もう曲の主人公自身が歌っているような感覚になります。レコーディングで聴いていて、何度もドキッとさせられました。表現力が豊かだな。同じ言葉でもこんなに変わるんだ。こんなにキュンとさせられるんだ。そういうことを感じましたね。 ― ありがとうございました!では最後に、内澤さんがこれから挑戦してみたい歌詞とはどんなものでしょうか。 内澤:落語みたいな歌詞を書いてみたいと思いますね。落語家さんて、座布団一枚の上で、一人何役も演じて、いろんなシチュエーションを繰り広げるじゃないですか。僕も座布団よりもっと大きな、ステージという場所で、そういう世界観を歌いたいなって。昔「Nam(a)e」という曲を書いたんですね。 美しい鳥は泣いています 何で泣くの?と聞くと 「私はアナタ」と言うのです そして鳥は言ったんだ 「ララララ ラララ 私は渚に写るアナタだもの そんなに要らない名前なら とっても悲しいね」 「Nam(a)e」/androp 内澤:これは裏声と地声で“鳥”と“そうでないもの”の会話を表現して、曲を構成したんです。それは少し落語に近いものがあったのかもしれませんが、でもなかなかリズムに乗せるって難しくて。だからこそ今、聴く人がいろいろと想像を膨らませられるような歌詞にチャレンジしてみたいですね。 【第1弾】はコチラ! 【第2弾「Koi」編】はコチラ! (取材・文 / 井出美緒) ◆紹介曲 「 ハッピーエンド 」 作詞:内澤崇仁 作曲:内澤崇仁 「 Nam(a)e 」 作詞:内澤崇仁 作曲:内澤崇仁 ◆ニューシングル「 Koi 」 2019年2月27日発売 初回限定盤 UPCH-7482 ¥1,944(税込) 通常盤 UPCH-5958 ¥1,296(税込) <収録曲> 01. Koi 02. For you  03. Image Word (solo acoustic ver.) ◆配信シングル「 ハッピーエンド 」 2019年4月5日配信

    2019/04/05

  • androp
    <会いたい>と願うよりも<会いに行くよ>という強い意志を。
    <会いたい>と願うよりも<会いに行くよ>という強い意志を。

    androp

    <会いたい>と願うよりも<会いに行くよ>という強い意志を。

     2019年2月27日に“androp”がニューシングル「Koi」をリリースしました。タイトル曲は、川口春奈×高橋一生の映画『九月の恋と出会うまで』主題歌として書き下ろし。さらに2019年4月5日には“上白石萌音×内澤崇仁”として新曲「ハッピーエンド」を配信リリース。上白石主演の映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』主題歌として書き下ろし。  内澤さんが作詞作曲を手がけた、最新作「Koi」と「ハッピーエンド」で共通しているのは、どちらもラブソングあるという点です。また、歌ネットでミリオンリリックに認定されている大ヒット提供曲、Aimer「カタオモイ」も然り。そこで今回のうたコラムでは、そんなラブソングの名手・内澤崇仁さんにインタビューを敢行!今日はその第2弾をお届けいたします。 ― 第2弾では、androp「Koi」についてお伺いします。この曲が主題歌の映画『九月の恋と出会うまで』は、今時あまりないくらいにまっすぐな作品ですよね。 内澤:僕もそう感じました。大人の恋愛ではあるんですけど、ものすごくピュアでストレートだなって。だからこの映画に似合う主題歌も、そういう性格のものだろうと思って、メロディーや歌詞に繋がっていきましたね。 ― タイトルは「Koi」と英語表記ですが、それによって、いつも見慣れているはずの「恋」という言葉の意味を改めて考えさせられました。 内澤:そうなんです。andropの楽曲タイトルって、いつも英語表記なんですけど、それはやっぱり日本語の言葉から簡単に連想できるものに楽曲の内容が縛られたくないなという想いが、昔からあるからなんですよね。その限定的な想いのまま、曲を聴いてもらうのはちょっと嫌だなって。 今回の「Koi」に関しても、漢字の「恋」だと、結構いろいろと連想されるものってあるじゃないですか。それ以上は考えが広がらないというか、そうじゃなくて、日本人にとってなるべく紐づくものが少なくあってほしいと、今回もローマ字表記にはこだわりましたね。 ― パッと見の印象も「恋」と「Koi」では全く違いますしね。 内澤:ですよね。あと、歌ネットさんで「恋」ってタイトル検索すると、多分ものすごい量の曲がヒットしますよね? でも「Koi」だと、グッと少なくなるんじゃないかなって。そこもローマ字表記の良いところではありますね(笑)。 ― 「Koi」で一番最初に出てきたのは、どのフレーズでしたか? 内澤:これは、主題歌のお話をいただいたときにはある程度、映画が出来上がった状態で。その映画を観させていただいたんですね。まだ最後のエンドロールは真っ黒な画面だったんですけど、エンドロールが流れる場面までたどり着いたら、もうワンコーラス分くらいはブワーッて降りてきたんですよね。冒頭から。 物語が僕を拒んだって 誰かが運命を定めたって 会いに行くよ どこにだって 探し続けるよ 出会えた頃とまた同じように 恋するよ 「Koi」/androp 内澤:そうやって頭のなかで鳴り始めたものを、どんどん書き起こしていったら「Koi」という作品が出来上がっていたような感じだったんです。なので1行目から順番に出てきましたね。でも今改めて思うと、やっぱりこの冒頭のサビフレーズが、僕がもっとも表現したい核だったんだと思います。 何もいらない 何もいらないんだよ 君以外は 本当にそう思う 「Koi」 ― 冒頭に続くこのフレーズも“恋とは?”のひとつの答えだなと感じました。 内澤:そうですね。ここは、よりドストレートなものが良いなと。かつ、近くで呟いているようなフレーズにしたいと思いました。映画で、高橋一生さん演じる主人公・平野進には、言葉にできないくらいの想いがあるんですよね。だけど、それを表す言葉を無理にいろいろと探すんじゃなくて、そのまま“言葉にできない”という気持ちを表現したかったんです。 春にほころぶ小さな蕾 夏の暑さに 眩しい光 秋の彩り 冬の冷たさ そんな当たり前が 君となら特別に変わる ずっと一緒にいてほしい 「Koi」 ― また“春夏秋冬”が綴られているフレーズも素敵です。恋をしているから、今までより丁寧に日々を感じられるんだろうな、とか。<冬の冷たさ>というワードから、手を繋ぐんだろうな、とか想像が膨らみました(笑)。 内澤:きっと繋ぐんでしょうねぇ。ここ実は“春夏秋冬”の表現を入れるか迷ったんですよ。季節を限定しない描写にしようかと。ですが、やっぱり変わるんだろうなって。春夏秋冬、今まで普通に訪れていたものが、恋というひとつのきっかけで変わるんだろうなって。そこを表現したかったので“春夏秋冬”を描きました。 ― きっと、視覚や触覚などの五感も<特別に変わる>んでしょうね。ちなみに内澤さんは、ひととの関わりのなかで、五感のどこを使うことが一番多いですか? 内澤:五感かぁ…。耳かな。聴覚。なんか僕は、普通のひとよりも“可聴域”というものが広いらしくて。だから使うつもりはなくとも、自然に耳を使って物事を感じている気がします。あと何より音が好きです。ひとの声も好きだし、ピアノの音も好きです。だからandropの曲にはピアノが入っているものが多かったりしますね。 君が遠くに行ってしまって もう会えないとわかっていたって 僕は探すよ 君の姿を 君じゃなければだめなんだ 出会えた頃とまた同じように 恋して 恋して また笑ってよ 物語が僕を拒んだって 誰かが運命を定めたって 会いに行くよ どこにだって 探し続けるよ 出会えた頃とまた同じように 恋するよ 恋するよ 「Koi」 ― この歌では“願い”を歌っているわけではないところも印象的ですね。<探すよ><会いに行くよ><探し続けるよ><恋するよ>と意志を歌っています。 内澤:そうなんです。それはとても意識したところですね。やっぱり平野(高橋一生)は、決して言葉は達者ではないけれども、ただただひたむきに、彼女(川口春奈)の運命を変えようと突き進んでいく姿が印象的で。それなら<会いたい>と願いを歌うよりも<会いに行くよ>という強い意志をこの曲にも貫いたほうがいいと思いました。 ― 第1弾で、andropは“普遍的な愛”は描いてきたけれど“恋”の歌はあまりないとおっしゃっていました。では“ただひとを想うこと”と“恋”の違いとは、なんだと思いますか? 内澤:たしかに、何が違うんだろう。こう…若干、限定されるところかな。恋は。たとえば「付き合いたい」とか「結婚したい」とか、そういう具体的な気持ちが入ってくるところはありますね。そういう意味だと“恋”を描くときって、使うワードも変わってくるから。だけど多分、想いの芯みたいなものは“ただひとを想うこと”も“恋”も一緒なんだろうな、と思います。 第3弾「ハッピーエンド」編に続く! 【第1弾】はコチラ! (取材・文 / 井出美緒) ◆紹介曲「 Koi 」 作詞:Takahito Uchisawa 作曲:Takahito Uchisawa ◆ニューシングル「Koi」 2019年2月27日発売 初回限定盤 UPCH-7482 ¥1,944(税込) 通常盤 UPCH-5958 ¥1,296(税込) <収録曲> 01. Koi 02. For you  03. Image Word (solo acoustic ver.) ◆配信シングル「 ハッピーエンド 」 2019年4月5日配信

    2019/04/04

  • androp
    僕は非常に恋愛に関して、こじらせておりまして(笑)。
    僕は非常に恋愛に関して、こじらせておりまして(笑)。

    androp

    僕は非常に恋愛に関して、こじらせておりまして(笑)。

     2019年2月27日に“androp”がニューシングル「Koi」をリリースしました。タイトル曲は、川口春奈×高橋一生の映画『九月の恋と出会うまで』主題歌として書き下ろし。さらに2019年4月5日には“上白石萌音×内澤崇仁”として新曲「ハッピーエンド」を配信リリース。上白石主演の映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』主題歌として書き下ろし。  内澤さんが作詞作曲を手がけた、最新作「Koi」と「ハッピーエンド」で共通しているのは、どちらもラブソングあるという点です。また、歌ネットでミリオンリリックに認定されている大ヒット提供曲、Aimer「カタオモイ」も然り。そこで今回のうたコラムでは、そんなラブソングの名手・内澤崇仁さんにインタビューを敢行!今日はその第1弾をお届けいたします。 ― これまでandropでは“ザ・ラブソング”というものをあまり書かれていない印象ですが、今回の「Koi」や「ハッピーエンド」を聴くと、実は内澤さんかなり得意分野なのではないでしょうか。 内澤:いや、不得意なんですよ。もう毎回、ただただ必死ですね。andropの場合はバンドなので、やっぱり僕だけのものではないじゃないですか。だから僕個人の恋愛話や恋愛観を歌ったとして、どうなんだろうと(笑)。その歌を人前で歌ったときに、一緒に演奏しているメンバーたちはどういう気持ちで表現すればいいのかとか考えちゃうと、なかなか…ね。 そうすると自然に、バンドメンバーそれぞれが音に感情を込めやすいような歌詞になっていくんですよね。夢だったり、希望だったり、絆だったり、個人的な恋じゃなくて普遍的な愛みたいなものだったり、演奏しながら個々に大切にできる内容を描くことが多いです。だからこそ恋愛モノは少ないし、とくに個人的な実体験とかになると…ないかもしれません。 ― では今回のようにタイアップがあると、逆にラブソングが書きやすかったりしますか? 内澤:そうですね。タイアップとか楽曲提供とか。それは僕だけではなくて、ドラマや映画の登場人物とか、その歌を歌うアーティストさんとか、いろいろ絡んだ上で作品が作り上げられていくので。そうなると歌詞も書きやすいです。だから楽曲提供をするときには、ラブソングを作ることが多いのかもしれないんですけど。 Darlin' 夢が叶ったの お似合いの言葉が見つからないよ Darlin' 夢が叶ったの 「愛してる」 「カタオモイ」/Aimer 生まれてここまで選んだ日が 重なり合って僕ら出会えた 離れられないよ 離したくないよ 探していたんだ君のことを やっと やっと僕ら出会えたんだ 「ストーリーボード」/上白石萌音 ― これまで内澤さんが提供されたラブソングは、もれなく“幸せ”であるところが印象的です。 内澤:たしかに。多分、そのひとが表現するにあたり、一番似合いそうなものとか、伝えやすそうなものを考えるようにしているからだと思います。あとたとえば、僕が提供した曲を人前で歌ったりするときに、音楽によって楽しくなってもらいたいなとか、歌うひとがより輝いたらいいなって想いがあったりするんですね。 そういう気持ちが幸せなラブソングに繋がっている気がします。ということは、もし今後、提供する方の闇がすごく深くて(笑)、失恋ソングによって一層深みが増すようなアーティストさんだったとしたら、失恋ソングも生まれるのかもしれないです。 ― あと、内澤さんの提供曲の主人公は、恋する姿がすっごく可愛いし、魅力的です。今回の萌音さんのコメントにもありましたけど、本当に「なぜこんなにかわいい歌詞を書ける」のか。「なぜこんなに恋する女の子の心がわかる」のか。なぜですか。 内澤:なぜ…(笑)。僕はもうとにかく必死ですよ。歌うひとの気持ちや人柄を汲んで、ずっと歌ってもらえる曲を作りたいとは思っているんですけど。逆に女性の気持ちがわからなすぎるからだと思いますね。いや…僕は非常に恋愛に関して、こじらせておりまして(笑)。自分のなかに思い描く理想像があるのかな。 君が僕を忘れてしまっても ちょっと辛いけど… それでもいいから 僕より先に どこか遠くに 旅立つことは 絶対 許さないから 生まれ変わったとしても 出会い方が最悪でも また僕は君に恋するんだよ 僕の心は君にいつも片想い 好きだよ 分かってよ 分かってよ 分かってよ 「カタオモイ」/Aimer 内澤:このAimerさんへの提供曲は、レコーディングのとき、Aimerさんのプロデューサーであるagehaspringsの玉井健二さんもいらっしゃっていたんですね。そのとき歌詞を読んだ玉井さんから「君、そうとうこじらせているね」って言われたんですよ(笑)。恋愛観を。そこで僕は「そうなんだ…」と思って。そのときから「僕は恋愛観をこじらせているんだ」ということを、なんとなく自負しております。 ― ただし、そのこじれをandropの楽曲として出すのは違うと。 内澤:そうなんですよね。andropで僕のこじれ感を出しても…というか、自分自身で歌ってもなという気持ちがあるので、このように提供曲に表れてしまっているところは大いにあると思います(笑)。 ― そんなこじらせの内澤さんは、高校時代などどのような恋愛をしてきたのですか? 内澤:いや、僕は本当に高校時代も、とくに恋愛というものをしてこなかったんですよね。休み時間は、学校の屋上の手前にある、踊り場みたいなところに、ずっとギターを隠して置いていて。休み時間になったらすぐそこへ行って、一人でギターを弾いているような男子だったので(笑)。 お弁当を食べながら女子とお話をするだとか、放課後に一緒に帰るだとか、そういうことがまったくなかったわけです。ただの音楽大好き少年でした。とくにそのときは、ボーカルではなくギタリストだったので、ギターに夢中でしたね。その結果…こじれたんですけど。 ― でもそのような高校時代を過ごしたからこそ、こんなに素敵なラブソングたちが生まれているのかもしれません。 内澤:そう言っていただけるのなら、こじらせておいて良かったなと思います(笑)。 ― ちなみに、最近キュンとしたラブソングはありますか? 内澤:ラブソング。ラブソング…。意外とラブソング、聴かないんですよね。昔から自分とは無縁だと思っちゃっていて(笑)。あと世の中に多いし、もう名曲もたくさんあるので、僕が歌わなくてもいいかと思っている部分もあって。 ― では代わりに、内澤さんが歌詞面で影響を受けたアーティストを教えてください。 内澤:さだまさしさん、かな。たとえば「主人公」という曲とか結構好きで。 あなたは教えてくれた 小さな物語でも 自分の人生の中では 誰もがみな主人公 時折り思い出の中で あなたは支えてください 私の人生の中では私が主人公だと 「主人公」/さだまさし 内澤:さだまさしさんの歌詞の世界観には、小さい頃からかなり影響を受けていると思います。広い意味での愛の表現の仕方だったりとか。物語のような、小説のような、歌詞も書かれたりするし。歌って、いろいろと顔を変えられるんだなということを学ばせていただいた、最初のひとですね。 【第2弾「Koi」編に続く!】 (取材・文 / 井出美緒) ◆紹介曲 「 カタオモイ 」 作詞:内澤崇仁 作曲:内澤崇仁 「 ストーリーボード 」 作詞:内澤崇仁 作曲:内澤崇仁 232482 ◆ニューシングル「 Koi 」 2019年2月27日発売 初回限定盤 UPCH-7482 ¥1,944(税込) 通常盤 UPCH-5958 ¥1,296(税込) <収録曲> 01. Koi 02. For you  03. Image Word (solo acoustic ver.) ◆配信シングル「 ハッピーエンド 」 2019年4月5日配信

    2019/04/03

  • イチオシ!
    様々な謎の【数字タイトルの楽曲】に注目!
    様々な謎の【数字タイトルの楽曲】に注目!

    イチオシ!

    様々な謎の【数字タイトルの楽曲】に注目!

     先日“サカナクション”がニューアルバム『834.194』発売延期を発表しました。もともとのリリース日は2019年4月24日でしたが、ボーカル・山口一郎が自身のラジオで「一言でいうと、歌詞に妥協できず、このアルバムを完成するにはもう少しだけ時間が必要」との理由を語り、元より約2ヶ月先の6月19日にリリースされることが決定したのです。    さて、歌詞にもいっそう期待が高まる今作ですが、何よりこの謎めいたアルバムタイトルが気になりますよね。山口は「きっとこの数字が何のことなのかを理解できた時に、アルバムのテーマを理解していただけるのかなと思っています」とコメント。そこで今日のうたコラムでは、様々な【数字タイトルの楽曲】に注目してみました。もしかしたら何かが、サカナクションのアルバムタイトルの謎を解くカギになるかもしれません…!    数字タイトルの楽曲の場合、【西暦や日付や時刻】【過ごした時間】【年齢】【国道路線番号】【カウント】【体温】【部屋番号】【緯度経度】【料金】【角度】【長さ】【BPM】【円周率】等が表されているパターンがございます。しかし、パッと見では何を意味しているのかわからない楽曲も多々。では、そんな楽曲たちを一挙ご紹介いたします! ウェイクアップ グンナイ 24時間を クイッククイック 幸せほど クイック クイック 嬉しいほど クイック クイック 「919」/Superfly ・歌詞にある<クイック>の語呂合わせになっており、かつこの曲が収録されているアルバムリリース日が9月19日であることに由来。 時間が経って 色褪せたって 取り戻したいよ 逢いたくて泣いた夜を越えていきたい 今もう一度 ずれたチューニング合わせるように 二人の願いひとつにして 奏でた441 「441」/miwa ・ギターやピアノなど楽器のチューニングを合わせる際に基準となる“周波数=441Hz”の意味。好きな人とのすれ違った想いを合わせたいという気持ちが込められている。 これで5度目の別れ話です でも今回はどこか違うんです いつもの『忍法・記憶喪失』も なぜか今回は効かないんです 「05410-(ん)」/RADWIMPS ・「0(お)5(こ)4(し)10(てん)」の語呂合わせから「ん」をマイナスして、「起こして(おこして)」と読む。 このなんとでも言える世界がいやだ 何の気なしに見てたい ただ ただそれだけなのに このどうとでもとれる世界がいやだ どうでもいい もう黙っててパパ 黙っててパパ 「37458」/RADWIMPS ・「3(み)7(な)4(し)5(ご)8(はち)」の語呂合わせから「みなしごはっち」と読む。 あとどれくらいの道が 待っていたとしても このまま諦めはしないよ 自分のことさえわからない 5150 「5150」/THE ORAL CIGARETTES ・「5150」はアメリカの警察が使う隠語で「今にも犯罪を犯しそうな者」を意味する。 クランクアップがいつなのか僕らには決められない だから風に吹かれていこう フィルムは用意したよ 一生分の長さを ざっと115万キロ 「115万キロのフィルム」/Official髭男dism ・映画の35mmフィルムは1秒=0.4572メートル。これで“<一生分>=80年”をずーっと撮り続けると、約115万キロメートルのフィルムが必要となる。 今は振り向かず8823 クズと呼ばれても笑う そして 君を自由にできるのは 宇宙でただ一人だけ 今は振り向かず君と… 「8823」/スピッツ ・「8(は)8(や)2(ぶ)3(さ)」の語呂あわせから「はやぶさ」と読む。ボーカル・草野が好きな西岸良平のマンガに登場するキャラクターから連想したとのこと。 気がついたかい やあ はじめまして You ここじゃ皆誰もがさ 総背番号制 「No.525300887039」/supercell ・タイトルは「ナンバー」と読む。描かれているのは、人類が<総背番号制>になった世界。おそらく主人公の<僕>は背番号<525300887039>である。 もし…例えばの話。 そんなガラじゃないけど、 僕の人生最後の言葉は 笑って言う、“1992*4##111(コレ)”なんだ。 「1992*4##111」/二宮和也(嵐) ・auの携帯電話(ガラケー)でこのタイトルの数字と番号を打ち込むと「ありがとう」となる。 “3 3 5 5 4 1 1” この数字を2乗にして “生きたい生きたい” になってしまえ 何十億人を弾き飛ばして出会えた 無事に僕等死に向かってる 「3355411」/小南泰葉 ・携帯電話(ガラケー)で「3355411」と打つと「しにたい(死にたい)」になる。 「サヨナラ」の4文字。 君がどれくらいためらったかわかる午前4時 ごめんねとか打つとこで どれくらい好きかってことばかり まだ指がなぞって 「388859」/flumpool ・携帯電話(ガラケー)で「388859」と打つと「サヨナラ」になる。  語呂合わせ、ガラケーならではの暗号、歌詞を深く読まないとわからない意味、様々な意味が込められていて、非常におもしろいですよね…!きっとみなさんにも、大切なひととだけ通じ合う【パスワード】のようなものがあると思います。そんな数字の秘密を、是非タイトルから想像して楽しんでみてください。そして、サカナクションのニューアルバム『834.194』の意味をいち早く予想してみましょう。 ◆サカナクション New Album『834.194』 2019年6月19日発売 完全生産限定盤A VIZL-1590 ¥5,900+税 完全生産限定盤B VIZL-1591 ¥4,900+税 通常盤 VICL-65194~65195 ¥3,500+税

    2019/04/02

  • イチオシ!
    だから私は「あなたが嫌い」とまた嘘を重ねていく。
    だから私は「あなたが嫌い」とまた嘘を重ねていく。

    イチオシ!

    だから私は「あなたが嫌い」とまた嘘を重ねていく。

     4月1日はみなさんご存知のとおり【エイプリルフール】です。ひとをからかうような、罪のない、害のない嘘をついてもよいとされている日。そこで今日のうたコラムでは、3月にリリースされた最新作から【嘘】というワードが綴られている楽曲をいくつかご紹介いたします。ただし、ひと言で【嘘】と言えど、嘘には様々な種類があるんですよね。 あの夜に帰りたくて 思い出を振りかざして 祈るようにねだるように 合言葉を唱えている 嘘は無い 無い 無かった 「monaural fantasy」/back number  たとえば、この歌の場合は【自分のため】の嘘。きっと<祈るようにねだるように>唱えている<嘘は無い 無い 無かった>という合言葉こそ、少なからず己の心をザラつかせている“何か”をかき消す嘘なのだと思います。なんとか自分自身に言い聞かせ、なだめているような感覚です。かといってその嘘は必ずしも悪いものではないのでしょう。    わたしたちは、どんなに<あの夜に帰りたくて>も過去に戻ることはできません。今を生きていかなければなりません。そのためには“物語の修正”が必要なこともあるのではないでしょうか。つまり、たとえ悔いがあろうと、今の自分の生き方を守るための嘘をつく。その繰り返しで再生力が生まれることもあるのです。そしていつかその嘘が“本当”に変わるときさえくるかもしれませんよね。 片想いでも 逢えなくても それでいいよと 嘘をつく 心の中に 閉じ込めてた 想いはいつも消えないまま いつも消えないまま 「逢えなくても」/奥華子  また、この歌の場合も【自分のため】の嘘ですが、少し性質が異なります。前に進むためではなく、過去を守り、現状を壊さないための嘘だからです。本当は両想いになりたいし、そばにいたいし、このままじゃ嫌。でもそれ以上に「友達でさえいられなくなったら?」「あなたに嫌われたら?」という不安が勝ってしまう気持ちもわかりますよね…。  しかし、奥華子「逢えなくても」の主人公は<あなたが好きと言えなかった もっと素直になれたなら>とひどく後悔もしております。嘘をつき続けて、友達のままでも一生、そばにいる道を選ぶか。本当の気持ちを明かして、たとえ関係が崩れても、恋心に嘘をつかない道を選ぶか。正解はわかりませんが、あなたならどちらの選択をしますか? 好きでもないのに 私を好きだと あなたはいつも言うの だから私は「あなたが嫌い」と また嘘を重ねていく だってそうでしょ? あなたは他に 愛してる子がいるでしょ? I know I know 「そこらへんによくある話」/Flower  さらに【自分のため】の嘘が【あなたのため】になり、もっと言えば【他の誰かのため】になることもあります。たとえばこの歌では<あなたは他に 愛してる子が>いて、もし<私が 受け入れたら 哀しみに溺れる女(ひと)がいる>のです。もし<私>が自分の気持ちに素直になってしまったら、さらに“嘘の連鎖”は続いていくことでしょう。 広い背中に 顔をうずめたい 一秒だけでいいから ホントは泣いて しがみつきたい… 絶対やらないけど 「そこらへんによくある話」/Flower たまたま好きになった人に 好きな人がいただけのことよ そこらへんによくある話だわ 平気よ 愛されなくて 「そこらへんによくある話」/Flower  だから<私>はこれ以上、自分が傷つきたくなくて、自分が傷つけたくなくて、あなたに傷つけてほしくなくて、あの子に傷ついてほしくなくて、いろんな本音にフタをして<平気よ 愛されなくて>と嘘をつくしかないのです。「そこらへんによくある話」というタイトルすら“あなたじゃなきゃ…”という想いへの強がりであるのがわかりますね。 あんな事をしながら 私との未来語ったの? ただひたすら真っ直ぐに 君との未来だけを ずっとずっと見てたの 愛を囁いたその唇で誰とキスしてたの? 愛してるのは君だけって何度も言ったのに 「渇かない涙」/SILENT SIREN  最後にご紹介する、SILENT SIREN「渇かない涙」は<君>の最低な嘘により傷ついた<私>の心情を描いた歌詞です。これは先ほどの、Flower「そこらへんによくある話」に通じるものがありますよね。もしもあの<私>が「あなたが嫌い」と嘘を重ねていなかったなら、この「渇かない涙」の主人公と同じように傷つくひとがいたはず…。    嘘とは、ときに誰かを傷つけ、ときに誰かを守るものでもあることを、様々な歌詞が教えてくれます。「わたしなら大丈夫」という嘘や、「幸せになってね」という嘘や、「君のために」という嘘に、どんな本音が含まれているのか、想像しながら聴いてみるのも音楽の楽しみ方のひとつです。そして、エイプリルフールは、もちろん“楽しめる嘘”であることが大前提ですので、どうか羽目を外さずにお楽しみください…! ◆紹介曲 「 monaural fantasy 」 2019年3月27日リリース 作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏 「 逢えなくても 」 2019年3月20日リリース 作詞:奥華子 作曲:奥華子 「 そこらへんによくある話 」 2019年3月27日リリース 作詞:小竹正人 作曲:Masaya Wada・AILI 「 渇かない涙 」 2019年3月13日リリース 作詞:ゆかるん 作曲:すぅ

    2019/04/01

  • ACE COLLECTION
    この歌詞を聴いて、僕は部屋に戻って、また泣きました。
    この歌詞を聴いて、僕は部屋に戻って、また泣きました。

    ACE COLLECTION

    この歌詞を聴いて、僕は部屋に戻って、また泣きました。

     2019年3月27日に“ACE COLLECTION”が、1st digital Album『December 9』をリリースしました。彼らは、たつや◎(Vo.&Gt)、LIKI(Gt)、奏(Ba)、RIKU(Dr)による4人組バンド。今日のうたコラムでは、全曲の作詞・作曲を手がけている“たつや◎”さんに初の単独インタビューを敢行。第1弾、第2弾、第3弾に分けて、記事をお届けいたします…!本日はラスト、第3弾! ― 歌詞面で影響を受けたアーティストというと、どなたが思い浮かびますか? たつや◎:どうだろう…。高校時代、書き始めの頃は誰からの影響も受けずに、感覚で自由に書いていたんですよ。だけど高3の終わりくらいから、ライブハウスで活動するようになって、BUMP OF CHICKENさん、Mr.childrenさん、ウルフルズさん、YUIさんとかの歌詞を参考にしていった感じですね。 でも僕、1年ちょっと前くらいまで、ACE COLLECTIONを始めるまでは、歌詞についてまったく考えていなくて。もう前の曲を聴いていただきたいくらいに、最悪な歌詞なんですよ(笑)。 ― あくまでサウンドやメロディーのおまけのような感じだったのでしょうか。 たつや◎:そう。当時は「俺のメロディーセンス、最高だわぁ」とか思っちゃっていた、勘違い野郎でした。その頃、大人や先輩の方々からは結構「たつや◎はとにかく歌詞力がない」ってハッキリ言ってもらっていたんですよ。でも、勉強が嫌いだから、まさに「Lady」の歌詞にもあるように、逃げていたんですよね。 あーだのこーだの言ったって やるしかないことは決まってて なのに やりたくないこと理由つけて逃れようと必死になって 「Lady」/ACE COLLECTION たつや◎:それがACE COLLECTIONを組んで、僕は最初にメンバーから「曲がないとダメじゃん!」ってめっちゃ責められて。動画更新とか忙しかったんですけど「本気で作ればできるっしょ!」みたいな。待って…俺難しいよ…って(笑)。そういう状態のとき、さらにスタッフさんからも「まず30曲、作って」と言われたんですよね。 ― 30曲も…。 たつや◎:マジで言ってんの!?ってなりますよね。それでかなり悩み込んだんですけど「これはピンチをチャンスに変えなきゃいけない。一回、本気になろう」と、ものすごい量の歌詞を読んだり、自分で書いてみたり、とにかく必死こいてみたんです。どういう歌詞が良いのかとか、母音の響きとか、そういうこともノートにメモして。そうやって歌詞にこだわるようになっていきました。ACE COLLECTIONを組んだからこそですね。 そう考えると、その時期に最も影響を受けたのは、Aqua Timezさんかもなぁ。僕は小説もマンガもあまり読まないんですよ。アニメも観ない。だから想像力も語彙力もなかったんですけど、そんななか、Aqua Timezさんの歌詞は情景が思い浮かびながらも、心情がすごく真っ直ぐに伝わってくるのが魅力的だなぁと思ったんですよね。自分が書きたいものもこういうものなんじゃないかなって。それで歌詞の軸が決まったような気がします。 ― かつては「歌詞力がない」と言われていたものの、たとえばデビュー曲「鬱憤」などを聴いてもらったときの反応ってやっぱり違ったのではないでしょうか。 たつや◎:そうそう!前の僕の曲を知っているひとたちはみんな「え、これ違うひとが書いたんじゃない?」とか「大人のひと付けた?」とか言うんですよ(笑)。うちのギターのLIKI でさえ、変化しすぎて笑っていますもん。でも自分でもそれぐらい変わったと思います。 ― 今のたつや◎さんの歌詞の特徴をあげるとすると、それはどんなものだと思いますか? たつや◎:今って、めちゃくちゃド直球な歌詞を書くと「薄い」と言われがちじゃないですか。だけど僕は、幼い頃に「ママに怒られた~♪」ってありのままの出来事や感情を歌っていたのと同じように、自分の人生に起きたことや抱いた気持ちを伝えたいと思っています。そういうのが個性になればいいなと。 なんか人生って、結局は記憶の積み重ねじゃないですか。だからその記憶をたくさん自分のなかに保管しておいて、歌詞を書くときには引き出しを開けて、かつての記憶を次々と“歌”という形に変えて残していく。そういう生き方が僕には合っているんじゃないかなって。誰に何を言われても「この歌詞で行くわ」と胸を張って言えるような、芯を持っていたいですね。 ― では作詞のとき、一番大切にしていることは何ですか? たつや◎:脱線しないことですね。前は脱線だらけだったんですよ。つまり「で、これは何を歌っているの?」と言われてしまうような歌詞でした。でも今は、たとえば「Lady」だったら、都会に出てきた男の子の感情をテーマに描き切っている。そうすると、伝えたいことがブレないんですよ。あと、前向きなときにはとことん前向きに。ネガティブなときにはとことんネガティブに。常に歌詞の軸になるものを決めています。 ― たつや◎さんが「この歌詞にやられた!」と感じた楽曲を教えてください。 たつや◎:まずは、BUMP OF CHICKENさんの「K」ですね。まだ歌の魅力さえよくわからない中学生の頃、弟とリビングにあったパソコンでこの歌を聴いたことがあって。そうしたら僕ら二人して泣いちゃって(笑)。「歌で泣くことがあるの!?」って思ったんですよね。 手紙を読んだ恋人は もう動かない猫の名に アルファベット1つ 加えて庭に埋めてやった 聖なる騎士を埋めてやった 「K」/BUMP OF CHICKEN たつや◎:歌の最後“NIGHT”に<K>というアルファベットを付けることで、騎士の“KNIGHT”に変えてあげたというこのフレーズ。衝撃を受けましたね。あともう1曲は、高校の頃に聴いた、中島みゆきさんの「時代」です。 当時、周りのひとに「お前はどうして歌を歌いたいんだ?」と問い詰められることが多々ありまして。自分でも「たしかになんでだろう…」って考えていたんですよ。最初の動機はただただなんとなく自分に向いていそうだからということだったので。でもそんな理由じゃ、Mr.Childrenの桜井さんみたいな深い音楽は一生、作れないよなって。そうやってひたすら悩んでいた時期に、ふとテレビの歌謡祭で、平井堅さんが「時代」をカバーしていたんですよね。 今はこんなに悲しくて 涙も枯れ果てて もう二度と笑顔にはなれそうもないけど そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわ あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう 「時代」/中島みゆき たつや◎:この歌詞を聴いて、僕は部屋に戻って、また泣きました。なんというか…「頑張ったら絶対にいいことあるよ!」とか「楽しいことが待っているよ!」とかじゃなくて。「つらいよね。でもしょうがないんだよね。わかるわかる…」みたいな寄り添い方。僕自身が、ただ単にポジティブなことを言われても「そんな簡単に前向けないわ!」って思っていた時期だったからこそ、そんな心にも沁みる歌がすごいなぁと思いました。 そして、自分の音楽も誰かにとってのそういうものになればいいなぁと思ったんです。正直「時代」を聴くまでは、どういう歌が世間に気に入られるんだろうとか、ウケるんだろうとか、そんなことばかり考えて曲を作っていました。だけど音楽の魅力って、アーティストの人生がそのまま歌に投影されていて、聴くひとがそれに出会って、共感したり、心癒されたりするところにあるんだなぁって気づかされて。だから僕もその誰かに出会ってもらえるべき音楽のひとつになろうと思うんです。そのためにいろんな経験をして、その都度、歌にして残してゆく。それが自分が歌っていく意味だなって、今は思いますね。 ― ありがとうございました!最後に、たつや◎さんがこれから挑戦してみたい歌詞とはどんなものでしょうか。 たつや◎:ひたすらに“好き”と伝える曲。たとえばMr.Childrenさんの「常套句」のサビみたいな。まっすぐで、だけど伝わる気持ちは大きくて、めちゃくちゃ好きなんですよ。 君に会いたい 君に会いたい 何していますか 気分はどう 君に会いたい 君に会いたい 愛しています 君はどう 「常套句」/Mr.children そういう歌詞を今まで書かなかったのは、やっぱり自分が書くと「薄い」とか「誰だって書けるよ」とか言われるんじゃないかって怖かったからなんですよね。だけど、自分の人生を投影させて、見たもの感じたこと思ったことをそのまま書こうという結論に至った今なら、書きたいと思える。そう思えるようになったことが進歩だなと思います。だからもう…めっちゃ好き!という気持ちをただただ伝える歌詞を書きたいですね! 【第1弾】 【第2弾】 ◆紹介曲「 Lady 」 作詞:たつや◎ 作曲:たつや◎・LIKI 「 K 」 作詞:藤原基央 作曲:藤原基央 「 時代 」 作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき 「 常套句 」 作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai ◆1st digital Album『December 9』 2019年3月27日配信リリース <収録曲> M-1 HELLO WORLD M-­2 December 9 M-­3 鬱憤 M-­4 Lady M-­5 君と花したい M-­6 Butterfly M-­7 BLACK HOLE M-­8 LIFEメーカー M-­9 ROCK STAR 配信先URL <TOUR情報> ACE COLLECTION Bright Tour 2019 日時:2019年6月4日(火)開場18:00 / 開演19:00 会場:大阪BIG CAT 日時:2019年6月6日(木)開場18:00 / 開演19:00 会場:Zepp Diver City チケット情報

    2019/03/29

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