中澤卓也、ロング インタビュー!「その人たちには応えたいなって思います…」初となる全曲オリジナルの新曲を収録したアルバム『HANDS MADE』が 2023年 4月12日 発売! さわやかな 大人のポップス! 自身が全曲の作詞を手掛け、4曲で作曲も担当! 素直なやさしい歌声で、言葉が心に響く! 読者プレゼントあり!

インタビューの最後に、読者プレゼントあり!

Nakazawa Takuya

中澤卓也

Album『 HANDS MADE 』


★ 2017年、21歳で歌手デビュー「レコ大」新人賞受賞! レーサーとの二刀流歌手!
★ さわやかな 大人のポップス、全7曲入り 最新アルバム!
★ 自身が全曲の作詞を手掛け、4曲で作曲も担当!
★ 素直なやさしい歌声で、言葉が心に響く!
★「その人たちには応えたいなって思います…」



最新シングル「陽はまた昇る」(2022年9月28日 発売)ミュージックビデオ

中澤卓也 最新アルバム「HANDS MADE」収録 『SHOW TIME』

中澤卓也 最新アルバム「HANDS MADE」収録 『Magical Summer』

中澤卓也 最新アルバム「HANDS MADE」収録 『ただいま おかえり』

中澤卓也 最新アルバム「HANDS MADE」収録 『君の未来を願う詩』




リリース 情報


中澤卓也 「HANDS MADE」
アルバム CD / Digital
2023年 4月12日 発売
OPCN-0003
¥2,500
タクミレコード / ダイキサウンド

<収録曲>
1 SHOW TIME    (作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)
2 Magical Summer  (作詞:中澤卓也、作曲:幡宮航太、編曲:幡宮航太)
3 夏の夜長に   (作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)
4 Umbrella  (作詞:中澤卓也、作曲:菊池真義、幡宮航太、編曲:菊池真義、幡宮航太)
5 ただいま おかえり(作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)
6 君の未来を願う詩 (作詞:中澤卓也、作曲:幡宮航太、編曲:幡宮航太)
7 またね (Home Recording Ver.) (作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)

各配信サイト


中澤卓也 「陽はまた昇る」
シングル CD(CD+DVD) / Digital
2022年 9月28日 発売
OPCN-0001~2
¥2,000
タクミレコード / ダイキサウンド

<収録内容>
【CD】
1 陽はまた昇る(作詞:中澤卓也、作曲:菊池真義・幡宮航太、編曲:幡宮航太・菊池真義)
2 しあわせの在り処(作詞:中澤卓也、作曲:菊池真義・幡宮航太、編曲:菊池真義・幡宮航太)
3 陽はまた昇る(オリジナル・カラオケ)
4 しあわせの在り処(オリジナル・カラオケ)
【DVD】
メイキング映像

各配信サイト


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中澤卓也 歌詞一覧




オンライントーク会

中澤卓也『1on1トーク会』(オンライントーク会)
開催日時: 2023年 6月25日(日)13:00〜
参加方法: anysee.jp にて 対象商品を購入すると参加可能。

オンライントーク会 詳細/参加購入



新曲発売キャンペーン

ニューアルバム『HANDS MADE』発売記念イベント
中澤卓也 ミニライブ&特典会

開催日時: 2023年 6月 21日 (水) 第一部 13:00 / 第二部 16:00
開催場所: イオンモール 新潟南 1F マリンコート(新潟県新潟市江南区下早通柳田1丁目1番1号)

キャンペーン詳細



コンサートツアー 情報

中澤卓也 コンサートツアー 2023

〈バンドツアー〉
5月30日(火)大阪・メルパルクホール大阪
5月31日(水)愛知・日本特殊陶業市民会館
6月 4日(日)福岡・キャナルシティ劇場
6月13日(火) 北海道・カナモトホール
6月20日(火)新潟・長岡市立劇場
6月27日(火)神奈川・横浜関内ホール

〈演歌・歌謡曲ツアー〉
8月28日(月)埼玉・RaiBoC Hall(市民会館おおみや)         
9月 4日(月)新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館劇場       
9月11日(月)宮城・トークネットホール仙台 小ホール         
9月19日(火)京都・ロームシアター京都 サウスホール          
9月24日(日)島根・島根県芸術文化センター「グラントワ」小ホール  
9月28日(木)熊本・益城町文化会館
         
〈弾き語りツアー〉
10月13日(金)愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール     
10月16日(月)大阪・メルパルクホール大阪             
10月23日(月)福岡・北九州芸術劇場 中劇場             
10月30日(月)新潟・新潟テルサ                  
11月 8日(水)神奈川・横浜関内ホール  

コンサートツアー 詳細



中澤卓也コンサートツアー 2023 〜バンドツアー〜



中澤卓也 スペシャル ロング インタビュー!



 2017年1月18日、21歳の時、シングル『青いダイヤモンド』で日本クラウンから歌手デビューした中澤卓也。その年、「第59回 輝く!日本レコード大賞」新人賞を受賞。甘いルックスと、やわらかく伸びやかな歌声、そして、その堂々とした歌いっぷりで、一躍、注目を集めた。演歌も歌うため、若手イケメン演歌歌手としてくくられることも少なくないが、自身の持ち歌は、歌謡曲やポップス調のものがほとんどだ。
 
 2017年〜2021年まで、日本クラウンで 計6作のシングルをリリースした後、昨年、2022年 9月には、再始動となる自身の作詞によるシングル『陽はまた昇る』がリリースされた。その当時の自身の想いがつまった歌詞の曲は、メジャー調のニューミュージック風で、さわやかで優しい歌声が耳に残る。
 
 そして、今年、2023年1月、デビュー6年目に入り、4月12日には、初となる全曲オリジナルの新曲を収録したアルバム『HANDS MADE』がリリースされた。
 
 アップテンポの爽やかなシティポップ風、やさしいポップスバラード、力強いミディアム、語りかけるようなフォーク調の曲ありと、いずれも、耳に残るキャッチーでポップなメロディの曲ばかりで、どこか1980年代を思い出させるような、良質なポップスアルバムになっている。
 
 アルバムでは、全曲の作詞に加え、全7曲中 4曲では 作曲も担当しており、これまで以上に、中澤卓也の色が強く出ている。自身が手がけた詞も曲も、まるで職業作家が書くような秀逸なもので、もはや、シンガーソングライターと言ってもいいと思う。なにより、素直でやさしい歌声で、自身が作詞した言葉が伝わってくる、何度も聴きたくなるようなアルバムになっている。
 
 また、今年、2023年 4月には、レーシングドライバーとして、富士スピードウェイで開催されたツーリングカーレース『富士86BRZチャレンジカップ』に初参戦し、サーキットでのデビューとなる同レースにて初優勝を飾った。
 
 小学校のころからプロのレーシングドライバーを目指し、レーシングカートに乗り、高校も「モータースポーツ科」に進学したが、高校1年生の時、活動資金の問題でレーシングドライバーへの道を諦め、その後、歌手を目指すようになった。
 
 今後は、歌手とレーシングドライバーとの二刀流で活動していきたいと言う。
 
 今回のアルバムもそうだが、中澤卓也は、レコーディングの時、何度も繰り返し歌ったりはしない。歌っても数回で、多くは、一番最初に歌ったテイクで、しかも、ほぼ一発録りに近いものを採用する。そして、CD になった歌が完成形とは考えておらず、たとえば、コンサートなどで歌っていくことで、より進化していくものだと考えている。
 
 中澤卓也は、「その時、その瞬間に感じたものを、そのまま歌に込めて歌いたい」と考えていて、録音でもライブでも、その一瞬を大事にし、その一瞬に集中する。
 
 実際、今回のアルバムの最後に収録されている『またね (Home Recording Ver.)』は、自身のギターの弾き語りで自宅で歌ったものが収録されている。一発録りのため、ギターのミストーンもあったりするが、その空気感や生々しさに加え、なんとも言えない説得力がある。
 
 もちろん、ミスなく綺麗に録音されていることに越したことはないが、だから伝わるというものでもないし、それが音楽の本質でもない。
 
 当然のことだが、モーターレースは一発勝負で、やり直しがきかない。コンサートも同じく一発勝負だが、どうやら、中澤卓也は、レコーディングも同じように捉えていて、レースでも音楽でも、その一瞬に集中して最高のパフォーマンスを出すという「一瞬の勝負」に賭けて、それを楽しんでいるようにも感じる。
 
 落ち着いた、やさしい語り口が印象的な中澤卓也だが、既成概念にとらわれず、自分がいいと思うことをやるという強い信念と覚悟が伝わってくる。
 
 なにより、2021年にプライベートな問題がニュースになった時、それでも支えてくれたファンやスタッフ、そして、諦めていたモータースポーツへの道を再び作ってくれた人たちに恩返しができるように、「中途半端なことはできない」と言う。


<もくじ>

1 初となる全曲新曲のオリジナルアルバム 〜「もうちょっと自分の新しい色みたいなものを…」〜
2 アルバムの全曲で作詞を担当 〜「言葉が本来持ってるメロディーは崩したくない…」〜
3 全7曲中 4曲で 作曲も担当 〜「あえて入れてもらったんです…」〜
4 作曲を担当していない 3曲 〜「こんな曲を歌ってみたらどんな感じになるのかな…」〜


5 こだわりのレコーディング 〜「その瞬間に感じたものを、そのまま歌に込めて…」〜
6 3種類の異なるコンサート 〜「もっと濃くその色を出せるんじゃないかな…」〜
7 再び、レーシングドライバーへの道も 〜「その人たちには応えたいなって思います…」〜
8 歌手とレーシングドライバーの二刀流 〜「自分がこんなになってちゃいけないなって思って…」〜


1 初となる全曲新曲のオリジナルアルバム 〜「もうちょっと自分の新しい色みたいなものを…」〜
 
ーー 2023年4月12日に発売された、初となる全曲オリジナルの新曲を収録したアルバム『HANDS MADE』は、アップテンポの爽やかなシティポップ風、やさしいポップスバラード、力強いミディアム、語りかけるようなフォーク調の曲ありと、いずれも、耳に残るキャッチーでポップなメロディの曲ばかりで、どこか1980年代を思い出させるような、気持ちのいいポップスアルバムになっている。なにより、やわらかで、伸びやかな歌声に、ヘンなチカラが入っていない余裕のある歌唱で、言葉がよく伝わってくる。とにかく歌声がやさしく、心地よい。
 
中澤: うれしいです。ありがとうございます。
 
ーー 今回、アルバムでは、全曲の作詞に加え、全7曲中 4曲では 作曲も担当しており、これまで以上に、中澤卓也の色が濃く出ている。自身が手がけた詞も曲も、職業作家が書くような秀逸なもので、もはや、シンガーソングライターと言ってもいいと思う。クレジットこそされていないが、明確なイメージを持って作られた、ほぼセルフプロデュースのアルバムという感じがする。
 
中澤: そうですね、自分の手を加えたっていうことでは、今までよりも色濃く出てるんじゃないかなと……。(昨年 9月のシングル)『陽はまた昇る』(作詞:中澤卓也、作曲:菊池真義・幡宮航太、編曲:幡宮航太・菊池真義)を出したときに、「新たなスタート」っていう意味で、詞の世界観もそういう感じで新曲を出したときに、なんかもうちょっと自分の新しい色みたいなものを、自分を応援してくれてるファンの人たちも含めて世の中に出していきたいなと思って……。自分の新しい色の楽曲をもうちょっとたくさん世の中に出したいなっていうところから、アルバムを出したいなっていうのをふと思ったんです。
 
ーー 昨年、2022年9月28日に発売された、再始動となったシングル『陽はまた昇る』は、カップリングとも 2曲の作詞を自らが担当。タイトル曲『陽はまた昇る』は、メジャー調のニューミュージック風で、さわやかで優しい歌声が耳に残る。「♪休み休みでもいいのさ」「♪あしたはまたやってくる」「♪流した分の涙は花となり咲くでしょう」……と、まさに、その時の想いがつまった作品になっている。
 
中澤: そうですね……。で、アルバムを出したいなと思ったときに、もう先にタイトルは『HANDS MADE』っていうのが自分の中にあって……。自分の今までの楽曲は、もちろん自分の意見とかもありましたけど、作曲家の方がいて、作詞家の先生がいて、編曲の方がいてっていう中で自分の色を出してたけど、今回は、自分で作った曲もあるし、バンドメンバーと一緒に作った曲も「こういう曲が欲しい」、「ライブでこういうテンション感でやりたいからこういう曲が欲しい」、「こういうイメージの曲が欲しい」っていう自分の意見を紐解いてってくれて、メンバーが曲にしてくれたっていう曲も多かったので、そういう意味では、結構、自分の色が色濃く出たアルバムになったんじゃないかなって思います。
 
ーー 昨年9月の再始動シングル『陽はまた昇る』をきっかけに、今回のアルバム『HANDS MADE』では、「やりたいことをやろう」という思いで作られた。
 
中澤: そうですね、本当にイメージ通りになりましたね。
 
ーー アルバムでは、全曲の作詞に加え、全7曲中 4曲で 作曲も担当している。詞は、以前から書いていたが、作曲に関しては、今回が初めてだ。
 
中澤: (アルバム)1曲目の『SHOW TIME』(作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)もそうなんですけど……、今まで作曲っていう部分では、そこに対しての意欲はあんまりなかったんですけど、でも、自分の作ったメロディーも、編曲でキーボードの幡宮(航太)さんが、すごくうまく編曲してくださったんで、なんかそれもすごい自分の自信にもなったし、「ああ、なんかこういう形で今後も曲作りができていったらすごい楽しいかな」って思えるアルバムになりましたね。
 
ーー アルバムタイトル『HANDS MADE』(ハンズ・メイド)には、いろんな人の手が加わった「手作り」という思いが込められている。
 
中澤: そうですね〜。もう制作過程でもそうだし、いろんな人の手が加わってるのもそうだし……。でも、やっぱ、これが発売されて、いろんな人たちの手に渡ったときに、その人たちが、またいろいろ宣伝してくれたりとか、いろんなとこにリクエスト出してくれたりとか、発売後もファンの人たちの手が加わって、どんどんどんどん大きくなっていってほしいなっていう思いも込めて、なにか「手」っていうものをフィーチャーしたいなっていうのがすごくあったんです。なんで、ジャケットも、もう手だけっていう……、僕の左手です。

2 アルバムの全曲で作詞を担当 〜「言葉が本来持ってるメロディーは崩したくない…」〜
 
ーー 昨年、2022年9月の再始動となったシングル『陽はまた昇る』では、まさに思いのこもった詞を書いているが、それ以前にも、2021年に発売された 6作目のシングル『約束』のカップリング曲『Summer Dreamer』と『Memory』でも作詞を担当している。
 
中澤: 歌詞は……、「書いてみたら?」っていう話をいただいたのがきっかけで、自分でも「なんか、勉強しといた方がいいんじゃないか……」みたいな……。まあ、過去に何曲かは書いてますけど、ただ、表題曲になる曲とかを書き始めたのは、もう『陽はまた昇る』が最初ですね。
 
ーー 中澤卓也が書く詞にはセンスを感じる。いずれも、まるで、職業作詞家が書くような見事な詞だ。作曲とは違い、言葉は誰でも書けるからこそ、いいものを作るのは難しい。
 
中澤: いやいやいや……、とんでもないです……。でも、やっぱり、詞を作っていくのは、なんか楽しく感じるようになってきたのと、あと、やっぱり、作っていけば作っていくほど、なんか「やっぱ、ここ、もうちょっとこうしたいな〜」とかいうのは、作品になった後もありますね。やっぱ、自分の曲を聴くじゃないですか、そうするとやっぱり、「もうちょっと、ここをこういう風にしたらよかったのかな〜」とか……。
 
中澤: あと、やっぱり、曲によって何パターンか書いてる詞もあったりするので、あらためて聴くと、「ここの詞は、やっぱりあっちのパターンの詞の方が良かったのかな〜」っていうのもありますね(笑)。でも、そういうのを繰り返していくことが、次につながっていくのかな〜とも思ったり……。
 
ーー 今回のアルバムでは、全曲、メロ先(メロディ先行 = 歌詞よりもメロディを先に作ること)で、あとから詞が付けられている。メロ先の場合、言葉数が決まってくるので、なんにもないところから歌詞を書く「詞先」よりも難しい。しかも、ただ単に文字数をあわせれば良いというだけでなく、メロディにフィットする言葉でなくてはいけないから、難しい正解のないパズルに挑戦するようなものだ。
 
中澤: そうですね、今回のアルバムは、全部、メロ先ですね。めちゃめちゃタイヘンでした……(笑)。でも、自分的には、メロ先の方が書きやすいですね。なんか、「本当にこれを伝えたい」みたいな、1個 テーマが自分の中でぶれないものが決まっててっていうパターンだと、詞先の方が書きやすいこともあるのかもしれないですけど……。うん、メロ先の方がやっぱり、イメージがそこでつかみやすいっていうのがあったりとかしますね。
 
ーー どの曲も、おいしいメロディのところに、印象的に耳に残る言葉がうまく乗せてある。たとえば、1曲目の『SHOW TIME』(作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)では、サビの「♪上手いヘタの前に大事なことは」が、一度 聴いただけで耳に残る。さらに、「♪明日(あした)野郎は馬鹿野郎って」のところでは、韻をふみながら、「野郎」と「やろう」がうまくかかってる。
 
中澤: ははは……(笑)、ありがとうございます。
 
ーー 2曲目の『Magical Summer』(作詞:中澤卓也、作曲:幡宮航太、編曲:幡宮航太)は、杉山清貴や桑田佳祐を彷彿とさせるような、まさに夏っぽいメロディの曲だが、そのイメージ通りの歌詞が付けられている。 
 
中澤: そうですね、『Magical Summer』は、実は、アルバムの中で一番最初に出来上がった曲ですね。僕もすごく好きな曲です。これに関しては、詞は速攻でできましたね。一番、(言葉が)はまりやすかったですね。
 
ーー メロディと言葉のマッチングがすごくいいから、歌詞カードを見なくても、言葉がちゃんと聴こえてくる。とくに、『Magical Summer』では、「♪僕の夏はからまわり」が耳に残る。
 
中澤: あ〜、いや、うれしいです。なんか、その言葉……日本語のそもそも言葉が持ってるメロディーとかリズムとかがあるんですよね、それに反したことをあんまりしたくないなっていうのが、自分の中ですごくあって、そこをブレないようにっていうのは、すごくあるんですよね。
 
ーー 自身で作曲もしている『ただいま おかえり』(作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)では、「♪もうほんとイヤになっちゃうよね」の歌詞の付け方が絶妙で、本当に「やんなっちゃう」感じで聴こえる。よくこの言葉がはまったと思う。
 
中澤: ははは……(笑)、そうっすね。なんか……、その言葉がそもそも持ってる雰囲気とかニュアンスを崩さないようにっていうのは意識はしてますね。
 
中澤: これもメロ先ですけど、やっぱり、「こういうテーマの曲が欲しいな」っていうのがあるので、ある程度「こういう言葉は使いたいな」っていうものが前提としてあって、それでメロディーを作ってるから、(詞とメロディが)同時に生まれてきてるものも、ありますね。
 
中澤: 『ただいま おかえり』とかは、ほぼ同じタイミングで生まれてきてるところの方が多いかもしんないっす。「♪もうほんとイヤになっちゃうよね」ってところも、本来は違う着地の仕方をしてたと思うんすけど、「ここは、ちょっと、けだるさみたいなものを感じさせる言葉を入れたいな」と思ったから、多分、メロディーも、最初に作ったものとは多少変えてると思うんです。やっぱり、その言葉が本来持ってるメロディーは崩したくないなっていうテーマは、すごいありますね。

3 全7曲中 4曲で 作曲も担当 〜「あえて入れてもらったんです…」〜
 
ーー アルバムでは、全7曲中、半分以上の 4曲で 作曲も担当しているが、曲作りは、どのようにしているのだろうか?
 
中澤: 曲は、もう、ほぼギターですね。基本、なんか「このコードで作りたいな」っていうのをまず決めてやってます。なんとなくコードの持ってる雰囲気ってあるじゃないですか……、たとえば、G だったら力強い感じだったりとか、それこそ D とかだったら、ちょっと切ない儚い感じだとか……、っていうのがあって、なんとなく「こういう曲が作りたいな」と思ったらそのコードから始めてみて……って感じですかね。
 
中澤: でも、やっぱり自分の持ってる手ぐせだったりとか、そういうのが結構あるんで、単調になっちゃわないように、そこはやっぱ(編曲、キーボードの)幡宮(航太)さんとも相談しながら、意見を聞きながらっていうのはあるんですけど、基本は、もうそういう作り方ですね。
 
中澤: あと、前までは、そうやってコードから作ってたのが多かったんすけども、最近は、こういうスマホのボイスメモとかに、ふと思いついたメロディーとかをいっぱい入れといて、それを後から掘り起こしてっていうパターンも多かったっすね。
 
ーー たとえば、1曲目の『SHOW TIME』(作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)は、リズムが印象的で、リズムが先行して作られたような曲に感じる。
 
中澤: ああ……、『SHOW TIME』は、頭の Aメロが先にできました。ちょっとラフな感じというか、かっちりとしたメロディーラインじゃなくて、やっぱリズムっぽい感じですかね。
 
中澤: なんとなく自分のイメージの中で、やっぱ「ショータイム」とか「ステージ」というものをテーマに作りたいなっていうのがあって、ワクワク感じゃないけど、なんかそういう……。まあ、ミュージカルまではいかないけど、そういう壮大な感じで始まっていくっていうテーマで作りたかったっていうのはすごいありますね。言葉の置き方だったりとかも、Aメロとか、ちょっとそういうのを意識して。
 
ーー たしかに、アルバムのオープニングを飾る『SHOW TIME』は、コンサートの幕開きのような曲だし、ミュージカル風のリズムやコーラスが印象的だ。
 
中澤: あ〜そうですね。最近は、ドラムを習い始めたりとか、あと、キーボードも、最近、それこそ 幡宮(航太)さんに教えてもらったりとか……。そういう他の楽器をやると、やっぱり、ギターで作る曲とピアノで作るってことは全然違うじゃないすか。ピアノとかもやると「なんかこういう感じで作ってみたいな」っていうのも新たに出てきたりとか、あとドラムをやると「こういうリズムでの曲……」とか、そういうのもなんとなく自分の中で生まれてたりするので、その辺は、今後、リズムが先行でできるとかってなるといいですね。
 
ーー 3曲目の『夏の夜長に』(作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)も、夏っぽいイメージのギターバラードで、やさしい歌声が印象的だ。切ない夏のラブソングという意味では、桑田佳祐の『真夏の果実』のような雰囲気もある。  
 
中澤: そうですね……(笑)。でも、まさに、雰囲気として、テーマは何かそういう感じの曲が欲しいなと思ってて。で、あと、そうですね、「秋の夜長」っていう言葉はあるんですけど、「夏の夜長」っていうのはない言葉なんですけど、もう本当にその言葉通りで、なんか長く感じるというか……。
 
中澤: 久々に再会した 2人がいて、別に男性の方はそんなになんだけど、でもやっぱり話すが故に、話していったりとかすると、やっぱりいろんなこと思い出して、なんかすんごい長く感じるな〜みたいな……。だから、あえて「夏の夜長」っていう言葉にしたんです。
 
ーー サビから始まる 5曲目の『ただいま おかえり』(作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)も、「♪"ただいま" "おかえり" すべてを包む言葉が」がキャッチーなメロディに乗っていて、一度 聴いただけで覚えてしまう。
 
中澤: これ、もともと作り始めようかなと思ったきっかけが、最近、自分で『たく家』(たくや)っていうファンサイトをはじめたんですけど、そのテーマソングじゃないけど、そんなイメージで何か作れたらいいなっていうところから始まったんすよね。
 
中澤: なんか……、「ただいま」「おかえり」っていうのは、すごくシンプルだけど、すごい伝わる言葉で好きだし、その「ただいま」「おかえり」っていうこの言葉の持ってるメロディーを、一番 際立つようなメロディーで探したときに、サビのあの「♪ただ〜いま〜 おか〜えり〜」っていうメロディーが出てきたんです。で、やっぱ、これはもう頭、そのフレーズから始まるみたいなイメージがあったんで……。
 
ーー 冒頭に聴こえるブレスもいい。
 
中澤: ああ、そうです……(笑)、あえて入れてもらったんです。

4 作曲を担当していない 3曲 〜「こんな曲を歌ってみたらどんな感じになるのかな…」〜
 
ーー アルバム 全7曲中、『Magical Summer』『Umbrella』『君の未来を願う詩』の 3曲は、現在の中澤卓也のバンドのサポートメンバーであり、前作のシングル『陽はまた昇る』でも参加している キーボードの幡宮航太と、ギターの菊池真義が、作曲を担当している。
 
中澤: 『Magical Summer』(作詞:中澤卓也、作曲:幡宮航太、編曲:幡宮航太) に関しては、もう全くゼロからだったんですけど、この曲が一番最初にできたんです。この(アルバム)『HANDS MADE』を作ろうってなったときが、ちょうどその幡宮(航太)さんとピアノレッスンを始めた時期だったんですよ。
 
中澤: で、初回のレッスンのときに、昼ぐらいから始めて夕方ぐらいにレッスンが終わって、その後に、「アルバムを作らなきゃいけないね」みたいな話になったんですけど、そのとき、本当、曲は 1曲もできてなかったんで、「どんな感じのアルバムにしようかね?」みたいな相談をしてて、その中で「夏らしい曲は何か1曲欲しい」って言ってたんです……。『江の島セニョリータ』(2020年 シングル『北のたずね人』カップリング)、『Summer Dreamer』(2021年 シングル『約束』カップリング)に次ぐ、もう1曲 夏の曲が欲しいなっていうのを伝えたんです。
 
中澤: そんなアルバムの話してて、もう本当、夜中ぐらいまでずっとファミレスみたいなところで 幡宮(航太)さんといろいろ喋ってて、そしたら、その翌日の朝、このメロディーが送られてきたんすよ。ワンコーラスだけだったんですけど、めちゃめちゃいいメロディーで、もう自分のイメージ通りだったんで、「これはいい!」ってなって、その日のうちに僕もこの詞をバーッって全部書いて、1コーラス目がもうその日のうちにできて、2コーラス目ができて……っていう感じだったんで、本当、これはもう一番安産でしたね。なんか一番複雑そうな曲っていうか、転調したりとかあったりするんですけど、でもこの曲は、一番すんなりできたんです。
 
ーー 『Umbrella』(作詞:中澤卓也、作曲:菊池真義、幡宮航太、編曲:菊池真義、幡宮航太)は、ミディアムテンポで、ドリカムが歌っていそうな感じの おしゃれな AOR 風の曲だ。
 
中澤: これは、(作曲の)幡宮(航太)さんと 菊池(真義)さんと 3人で集まって、だいぶ『HANDS MADE』の中の曲も出来上がってきてたころで、「あと数曲、作らなきゃいけない」っていうときに、あえて自分の意見とか言わずに、2人が「(中澤卓也が)こんな曲を歌ってみたらどんな感じになるのかな?」っていう感じの曲を提案してくださいってお願いしたんです。
 
中澤: で、この曲も 3人で 菊池(真義)さんのスタジオに集まろうってなって、僕が、幡宮(航太)さんよりも先に着いて、そのときに、もう菊池(真義)さんがコレを弾いてたんすよ。で、「そのコード進行、めっちゃいいです!」って言って……。自分の今までの世界観にもなかったし、これはいいなと思って、で、「そのコード進行で作りましょう」って言って、で、幡宮(航太)さん来る前に 2人でもう大枠ができてたんです。で、それを、幡宮(航太)さんがその場で何となくピアノのコードとかアレンジつけて、曲は速攻でできたんです。
 
ーー 『Umbrella』は、音数が少ないから、歌詞を乗せるのが難しい曲だ。
 
中澤: 『Umbrella』は、難しかったですね……。詞をどうしようかなってすごい悩んだんですよね。メロディーも難しいし、音数が少ないし。でも、なんか……、雨上がりの雰囲気みたいなのは、メロディーを作ってる中ですごい感じてて、だから「雨がテーマなんだろうな」と思ってて、その雨をどういうふうに表現しようかなみたいな……、うん。
 
中澤: でも、もう、どうにも出てこなくて、当てはめても 当てはめても「ちょっと違うな……」って感じで……。で、どっかからの仕事の帰りの飛行機の中で、Wi-Fi も 繋がらない飛行機だったんで、「もうしょうがないから詞でも書かなきゃな〜」と思っていたら、意外と出てきたんすよ(笑)。で、もいうこれでいいかなと思って。
 
ーー 『君の未来を願う詩』(作詞:中澤卓也、作曲:幡宮航太、編曲:幡宮航太)は、言葉が静かに沁みてくる王道のピアノバラード。「♪憎しみや“悪”じゃなく “愛” でありたい」「♪すべてが 優しくあれるように」というように「祈りの歌」のようだ、サビが、沖縄音階(レラ抜き)ぽく聴こえるのも印象的だ。
 
中澤: このメロディーは、幡宮(航太)さんが、10年ぐらい前に作ってて、別の詞が付いてたらしいんですよ。それがそのまま残ってて……。で、自分のサポートとかをやるようになったときに、いろんなバラードとか自分が歌ってるのを聴いたときに、「これが合いそうだな」ってひっぱり出してきてくれたんです。で、そのもともと付いてた詞は、僕、一切、見てないんですよね……、「あえて見ないで書いて」って言われて。
 
中澤: スケール感がすごい壮大なんだけど、でも「なんか、ほっとする感じもするな……」って思って、多分、そのほっとする感じが、そのサビのちょっと沖縄っぽいところで、落ちつきを感じるのかなと思って……。最初、何も考えずに聴いたときに、なんか町並みじゃないけど、そういうものがすごく見えたんです……。ちょうど戦争の話題とかもニュースで見てた時期だったんで、なにかちょっとそういうのをテーマに書いてみようかなと思って……。

5 こだわりのレコーディング 〜「その瞬間に感じたものを、そのまま歌に込めて…」〜
 
ーー アルバムの最後に収録されている、ギター弾き語りのバラード『またね (Home Recording Ver.)』(作詞:中澤卓也、作曲:中澤卓也、編曲:幡宮航太)は、そのサブタイトル通り、自宅で録音されたものだ。一発録りの心地よさを感じるし、「♪どんなに遠く離れても 思い出は消えなくて」が耳に残る。
 
中澤: そうですね。家で、マイク1本だけで録りました。一発録りなんで、1ヶ所、ギター間違ってたりするんですけど、それも、あえて、そのまんま……。バランス見るのに 1回やって、あとは本番一発です。
 
ーー その潔さがすごい。多くの場合「もっと良いものを……」と思って、何度も何度も録り直したくなるのが心理だ。しかし、人間の集中力は、そう長続きするものではないし、何度も録り直すうちに綺麗に整ってはいくが、一番最初の「熱」や「情感」みたいなものはなくなっていってしまう。結局、一番最初のものが良かったりする。
 
ーー 中澤卓也は、小さなミスよりも、その一番最初の「熱」や「情感」「エネルギー」を大事だと考えていて、それがまさに音楽の本質に違いない。たとえば、洋楽の往年の名曲でも、「音程がズレている」「リズムが走っている」「歪んでいる」「ノイズが入っている」などということはたくさんあるが、誰もそんなことは気にしていない。
 
中澤: そうですね……、生々しさはありますよね。録り直しをしようかなっても思ったんですけど、でもなんか……、あえて、やっぱ、そういうふうに録ってるから、間違えていても、それは残しといた方がいいかな〜って。
 
ーー レコーディングスタジオでも、その考え方は変わらない。歌録りは、ほぼ一発録りに近いもので、多くても 3〜4回しか歌わない。
 
中澤: そうですね。この『HANDS MADE』以外にも、『陽はまた昇る』もそうだし、『北のたずね人』(2020年 5th シングル)くらいから、その感じでやってますね。その時、その瞬間に感じたものを、そのまま歌に込めて歌いたいと考えていて、何度も何度も歌うと、やっぱり、エネルギー感が薄まっていくんで……。で、結局、やっぱり、バンドと「せーの」で歌ったときが一番いいんですよね。
 
ーー 当然のことだが、モーターレースは一発勝負で、やり直しがきかない。コンサートも同じく一発勝負だが、どうやら、中澤卓也は、レコーディングも同じように捉えていて、レースでも音楽でも、その一瞬に集中して最高のパフォーマンスを出すという「一瞬の勝負」に挑戦して、それを楽しんでいるようにも感じる。
 
中澤: あ〜……(笑)、そうですかね〜……。なんか、本当こだわる人は、とくにポップス系は、とことんやる人は、本当にボーカル録りだけで何十時間ってやったりするのもわかるんですけど、なんか、それだと、もうなんかそこで完成を迎えてしまう感じがして……、うん。
 
中澤: やっぱり、作品は作品で、それはもちろんいいんですけど、ライブとか人前で歌っていくことで、やっぱどんどんどんどんそれが良くなっていくパターンもあるし、なんかそっちを楽しんでもらいたいなっていう気持ちもあるんです。だから、CDを作りましたけど、これ通りに歌おうっていうのも全然ないし……。
 
中澤: なんか、多分、自分の性格的にも、考えすぎちゃうと、もう本当に終わらなくなっちゃう気もしてて……、ははは……(笑)、なんで、それをあえてしてないっていうのもあります。
 
中澤: 何て言うんすかね……、それを「やっていいよ」って言われたら、多分、本当にやっちゃうんですけど、それをやっちゃうと、自分の中でもう終わりがなくなっちゃうから、あえて自分はもうそれをせずに、そんときのテンションでパッってやったもの……。だけど、適当にやるんじゃなくて、「そのとき一番集中したものがこれだよ」っていうのを、自分で結果として残す……。本当、レースっていうのは、近いかもしれないすね。
 
ーー 多くの場合、「もっと良くなるんじゃないか?」と欲が出るのが人間だ。しかし、それをやらない。その時の「一瞬の良さ」を出すために、その瞬間にパワーを集中させる能力、そこにもピークをもっていける集中力には非凡なものがあると思う。何度も歌い直すことで綺麗に整ってはいくが、結局「なんか最初のがいいよね」となることが多い。美空ひばり や ホイットニー・ヒューストン らも、ほぼ一発録りだったと聞く。
 
中澤: うん、うん……、結局、そっちに戻っちゃうんですよね。あと、やっぱ、YouTube で『歌ごころ』(名曲の一発録りカバーシリーズ、これまで160曲を超える)とか、あと、昔からレースもやってて、一発勝負っていう流れから来てて、YouTube の『歌ごころ』も、基本、一発で撮ってて、それがもう配信で出てしまうっていう中でやってるから、そっちの方が楽しさもあるし……。
 
ーー やっぱり、その一瞬の勝負を楽しんでるのだと思う。
 
中澤: はははは……(笑)、そうですね〜。
 
ーー 歌録りのレコーディングでは、他にもこだわっていることがある。レコーディングでも、コンサート同じようにハンドマイクで歌い、しかも、そのマイクは、自分で買った「マイ・マイク」だ。
 
中澤: あ〜、はいはいはい、ノイマン(NEUMANN)の 105 っていうコンデンサーマイクで、ライブでも使えるヤツなんですけどね。よくレコーディングで使われる、あの吊ってあるマイクだと、そこに向かって歌わないといけないんで、なんか、体が固定される感じがしてイヤなんですよね。で、なおさら、一発録りでやるってなったときに、その「ライブっぽさみたいなものをそのまま収録しちゃった方がいいな」ってなっちゃうと、結局、ハンドマイクの方がいいんですよね。その方がやりやすいです。

ーー 自由に体が動かせるハンドマイクとは違い、通常、レコーディングスタジオで歌録りの時に使われる吊ってあるマイクだと、マイクを意識するがために、首にチカラが入ったりして声が鳴りにくかったりすることもある。
 
中澤: そうなんですよ。だけど、エンジニアさんは大変ですけどね……ははは……(笑)。でも、エンジニアさんもやっぱそれをすごい理解してくれてて……、うん。ハンドマイクで録るようになったのは、多分、『北のたずね人』のカップリングの『江の島セニョリータ』とかからですね……。だから、(そのあとの)『約束』もハンドで録ってたと思います。もう、そっから「ハンドマイクの方がいいな」ってなってたんで。

6 3種類の異なるコンサート 〜「もっと濃くその色を出せるんじゃないかな…」〜
 
ーー 2023年 5月30日から、『中澤卓也 コンサートツアー 2023』全17本がスタートする。このツアーが変わっていて、「バンドツアー」「演歌・歌謡曲ツアー」「弾き語りツアー」と、会場ごとに、異なる 3つのスタイルで行われる。
 
中澤: あの〜……、ただのオレのワガママです、ははは……(笑)。あの〜、今まで、ありがたいことに、「中澤卓也は、ポップスも歌えるし、演歌歌謡曲も表現できるし、いろんな曲を歌えるよね」っていろんな人たちに言ってもらえるのは、すごくありがたいんですけど、なんかそれを、今までは一つのステージで全部出してたんですよね。
 
中澤: それも、もちろん良かったんですけど、なんか自分の中では、「これを全く別物で分けて、それだけに特化したときに、もっと濃くその色を出せるんじゃないかな」ってのは、ずっと思ってて、それで、もうワガママで、別個にさせてもらったっていう……。
 
中澤: バンドはバンドで、エネルギッシュなパワフルなステージをみんなに届けたいし、演歌・歌謡曲は 演歌・歌謡曲で、「中澤卓也の演歌を聴きたい」という人もいるので、であれば、そういう人たちに向けたコンサートっていうものをやったら「どんな感じになるんだろうな」っていうのを、ちょっと自分としても見てみたいなっていうのがあって……。で、弾き語りは 弾き語りで、もう自分への挑戦ですよね。サポートとかもなく、本当に1人で、あとはドラムの叩き語りと、キーボードの弾き語りもやろうかなと思ってます。
 
ーー ドラムの叩き語りは、中澤卓也の過去の曲のマルチトラック音源から、ボーカルとドラムを抜いたものと合わせてやると言う。
 
中澤: そうです。で、この「弾き語りツアー」っていうは、実は、最近、斉藤和義さんにはまってて、DVDとか買い漁ってみたときに、和義さんが何年かに1回か弾き語りツアーをやってるんですよね。それを見たときに、「とんでもねな、これ!」と思って。で、やってみたいってなって、ドラムとキーボードも習い始めて……。

ーー 一方、「演歌・歌謡曲ツアー」は、「バンドツアー」ともまた違った感じになると言う。
 
中澤: これは、バンドではなくて……。去年「2 days コンサート」っていうのやったんすよ(2022年1月「中澤卓也 2days コンサート ~5年分の引き出し 歌の和洋折衷~」)。「洋の世界」「和の世界」って 2日間に分けてやったときに、その「和コース」でお世話になったギタリストの 千代(正行)さんっていう方がいらっしゃって、その方と、その千代さんの紹介のキーボードの方の 3人でやります。
 
ーー ギタリストの 千代正行 は、石川さゆり のステージなどでもよく弾いている有名なミュージシャンだ。
 
中澤: ああ、そうです、そうです。なので、これもまたちょっと面白い感じになるんじゃないかなっていう予想はしてます。
 
中澤: 実は、千代(正行)さんとのつながりも面白くて、千代(正行)さんの息子さんは、プロのレーシングドライバーなんですよ。日産のワークスのドライバーで「SUPER GT GT500」に出てる 千代勝正 さん っていうレーシングドライバーなんです。その方にお会いする機会があって、その方と喋ってたら、「オヤジがギタリストなんですよ」みたいな話をされて、「そうなんですか〜」みたいなことをそのときは話してたんですけど、その 1ヶ月後ぐらいに、僕がまだ『人生、歌がある』の司会をやってた時に台本を見てたら、千代正行 って名前があったんで、調べたら、「息子はプロのレーシングドライバー」って ウィキペディアに書いてあったんで、「こんなことあるんだ!」って驚いて……。
 
中澤: で、楽屋にご挨拶に行って、「実は、僕もレーシングドライバーを目指してたことがあって、息子さん、千代勝正さんのこともよく知ってたし、この前、実は会う機会があって話して、こんなことだったんですけどお会いできると思わなくて……」って話をしたら、そっからのご縁で。で、最近、サーキットに行くことも増えたんで、千代勝正さんにもよくお会いするんですけど、「また、今年もお父さんにお世話になります」って話をして……(笑)。
 
ーー 中澤卓也が歌う演歌・歌謡曲には定評があるが、しかし、デビュー前は、演歌・歌謡曲を歌っていないし、オリジナルの持ち歌にも演歌・歌謡曲はほとんどない。
 
中澤: そうですね、なので、カバー中心になりますね。でも、嫌いじゃないですね。やっぱりその良さもすごくよくわかるし、そこにしかない魅力ってのもすごくあるのがわかるので、だったら、それを「ちゃんと表現したいな」っていう思いがあって……。今までだと、1本の(コンサートの)中でやるのももちろんいいんですけど、結局、アレンジだったりとか、もうちょっとこだわってやりたいなっていうのはすごくあったんです。
 
中澤: なんか……、「演歌・歌謡曲も歌ってほしい」って言われるから「じゃあセットリストに入れよう」だと、基本ベースは、やっぱり、こういう歌謡曲メインだったりポップス系で、バンドもやっぱりそういう機材の中でやってるし、そういうニュアンスの中で中途半端にやっても、お客さんは喜んでくれるかもしれないけど、本当にその曲の持ってる本質とか良さって絶対伝わらないなと思ってたんですよ。
 
中澤: だったら、もう分けちゃって、もうポップスの良さは「バンドツアー」でしっかり伝えたいし、こういうやっぱ聴くと元気になったりとか、コードのおしゃれな感じだったり、そこはやっぱりここにしか来ないと聴けないよっていうものを見せたいし、演歌・歌謡曲は 演歌・歌謡曲で、もう、「これを本当にトコトン突き詰めると、もうこんだけ味が出る」じゃないけど、こんだけ濃く届けられるんだよっていうのを、みんなにも知ってもらいたいなってのもあったし、だったらもう分けちゃえっていう……。今、セトリ(セットリスト=曲目)も決まってきてますけど、でも、本当、もう皆さんが知ってるような、往年の名曲が揃ってると思いますね。

7 再び、レーシングドライバーへの道も 〜「その人たちには応えたいなって思います…」〜
 
ーー 中澤卓也は、小学校のころからプロのレーシングドライバーを目指し、レーシングカートに乗り、高校も「モータースポーツ科」に進学した。しかし、高校1年生の時、活動資金の問題でレーシングドライバーへの道を諦め、その後、歌手を目指すようになったという経緯がある(歌手デビューまでの経緯は、2021年1月 掲載のインタビューの時に詳しく語ってくれているので、興味のある方は、そちらをお読みください。最下部にリンクを付けておきます)。
 
ーー そして、今年、2023年 4月には、レーシングドライバーとして、富士スピードウェイで開催された、市販車をベースにした車両で競うツーリングカーレース『富士 86 BRZ チャレンジカップ』に初参戦し、なんと、サーキットでのデビューとなる同レースにて初優勝を飾った。
  
中澤: ありがとうございます。そうですね、ワンメイク(決められた車両)のレースですね。全国のショップとかチューナーが集まって戦うレースです。でも、本当、用意してもらった車がすごく良かったっていうのもあったし……。

2023年4月2日『富士 86 BRZ チャレンジカップ』表彰台 / 中央が中澤卓也

ーー 16歳、高校1年生の時に、一度は、レーシングドライバーへの道をあきらめたが、再び、レーシングドライバーへの夢も叶えようとしている。
 
中澤: ずっと、レースも全く見ていなかったんですけど、2020年に「スーパー GT」をまたちょっとずつ見始めるようになったことがきっかけで、YouTube で「爆走!卓也くん!!!」という企画を立ち上げて、8年ぶりにレーシングカートにも乗ったんです。
 
中澤: で、本当は、去年……、今年の 5月から始まる「FCR-VITA」(フォーミュラカー『VITA』によるレース)っていうクラスにシリーズで出ようって話があったんです。それは、YouTube を始めて、またレースの色っていうものを出していったときに、もう本当、今、お世話になってますけど、武藤英紀さんっていうホンダのワークスのドライバーの方と知り合ったことがきっかけです。
 
中澤: その方に、いろいろドライビングのこともそうだし、レースの関係の方をいろいろ紹介してもらったんですけど、武藤さんは、僕が「目指してて 1回 諦めた」っていうこともあって、それで、自分の走りとかも見ててくれて、なんか「もう1回 目指せるんじゃないの?」みたいなことを言ってくれたんですよ。で、「俺も協力するし、俺の紹介とか、協力できることがあったら協力するから」って言ってくれて……、それも、言葉だけじゃなくて、もうありとあらゆる人たちを本当に紹介してくれて……。
 
中澤: 武藤さんは、ワークスのドライバーをずっとやられてる方なんで、もうレースの業界で言うと、上の方(かた)なんですよね。そういう方に、いろんな方を紹介してもらうと、やっぱ「武藤英紀の紹介だから」っていうので、すごいよくしてくれて、「あっ、これは……、もしかしたら、もう一度、目指せるかも……」って思って。だから、本当、ぶっちゃけ、自分が真剣に目指してたときよりも、全然、今の方がもう環境がめちゃめちゃ整ってて。
 
中澤: ホント、不思議なんですけど、自分もやっぱりそのレーサーを目指してたときに、武藤さんも知ってたし、もうずっと見てた方なんで、そういう方と今一緒にそばでやらせてもらって、その方の紹介で、いろんなドライバーさんも紹介してくれたりとか、本当に武藤さんと出会ったことがきっかけですね、また目指してみようかなって思ったのは。
 
ーー 5月からは、フォーミュラカーでの「FCR-VITA」に参戦する。
 
中澤: そうですね。とりあえず、富士のシリーズに出て、で、多分、7月あたりにも、鈴鹿の耐久レースにスポットで出たりとかっていうのも今ポツポツと決まってきてます。最終目標は、その「GT300」(SUPER GT GT300)に乗りたいなっていうのを、最初、武藤さんと出会ったときにもそんな話をしたんですけど、そしたら、もう武藤さんが「そうなんだ〜。じゃあ、最初これに出て、次にこれに出て……」って言ってくれて、そうなるように、すぐ、いろんな方を紹介してくれて……、本当にありがたいです。

8 歌手とレーシングドライバーの二刀流 〜「自分がこんなになってちゃいけないなって思って…」〜
 
ーー 最近、よく聴く音楽を聞いてみた。
 
中澤: そうですね……、斉藤和義さんにハマってますけど、あと、洋楽、AOR とかもすごい聴くようになりましたね。
 
中澤: あと、作詞をするようになってから、ASKA さんの曲をすんごい聴くようになって……、あの人の詞はとんでもないじゃないですか、比喩がすごくて……。自分の詞は、まだ割とシンプルというか、ストレートに伝える詞はある程度書けるけど、「そことそこを繋げるか!」みたいな、そういうのはすごい勉強したいなってのがあって、すごい聴いてますね。
 
ーー これからは、歌手とレーシングドライバーの二刀流になる。
 
中澤: でも、なんか本当に……、歌い手もやらせてもらいながら、レースもやらせてもらってて、そのコンサートツアーもそうですけど、自分のワガママに付き合ってくれる人たちが、本当にありがたいことにいてくださるので……。
 
中澤: でも、それを本当に、中途半端でやりたくないなってのもすごく思うし、そういう環境を僕に与えてくれるっていう人たちがいるんであれば、その人たちには応えたいなって思います。
 
中澤: 武藤さんにも、やっぱり自分がステップアップして、結果で返したいなっていうのもあるし、音楽も、やっぱり自分が 1回は 崩れかかった中でも、事務所のスタッフを初め、自分のバンドメンバーもそうだし、いろんな支えてくれる人たちがやっぱこういう形にしてくれてるので、それはやっぱり、ずっと続けていって、なんかしらの形で……、またコンサートとかも「大きいホールが満員になりました」とか、「レギュラーの番組とかも戻ってきました」っていう形にできたらいいなってのはすごくあります。
 
ーー 「自分が 1回は 崩れかかった」というのは、2021年にプライベートな問題がニュースになった時のことだ。そのくじけそうになった時期は、相当つらかったのだろうと思うが、どうやって乗り越えたのだろう?
 
中澤: う〜ん……、「くじけそうになった」と言うか、もう折れて倒れてたんですけど……。歌手をやめて新潟に帰るか……、でも、今回のことで両親にも迷惑をかけたし、新潟に帰ってもどうしようもないか……、とか、いろいろ考えました。
 
中澤: でも、やっぱり、ファンの人たちが支えになったってのは、本当、大きいですね。なんだろう……、本当、やっぱり、ああいうことになっても、「中澤卓也の歌を聴きたい」っていう人が集まってくれるっていう状況を自分で見たときに、もうなんか「自分がこんなになってちゃいけないな」って思って……。
 
中澤: 逆に、こんな沈んだテンションでステージに立ったら失礼だなというか……。ファンの人たちも、いろんな思いがあるんだろうけど、でも、それを見せずに、自分のところに集まってくれてるっていうのを感じたときに、「自分がこんなんじゃいけないな」っていうのはすごく思ったんですよね。
 
ーー 歌手とレーシングドライバーの二刀流ということを含め、今後、目指すところを聞いた。
 
中澤: やっぱり、昔から……、昔からと言うか、自分の性格的にもそうですけど、なんか人と同じじゃないとか、奇を衒ったりすることが好きだったりするので……、それをよく言わない人たちもいますけど、「でも、中澤卓也って、そういう人だよね」っていうふうに思わせたいなっていうのがすごいあるんです。
 
中澤: やっぱり、歌……、でも、それも中途半端じゃ意味ないと思うんですよ。コンサートに行けば、やっぱり楽しくて、「あの歌よかったね」って思われるアーティストでいたいし、でも、片や、サーキットとかに行くと「もう全然違う一面も見れるし」っていう、なんかそんな存在でいたいなっていうのはすごいあります。
 
中澤: まあ、実際、「歌 1本でやった方が……」って言う人もいるし、そりゃそうだし、正論を言えばそうなのかもしんないけど、でも、なんか、1回 自分がああいうふうになったってのもすごく大きくて、1回しかない人生だし、何か自分の本当にやりたいことを突き詰めて、それをワガママって捉えられるかもしんないけど、でも、それで、やっぱりひとつ、たとえば曲作りもそうだし、作詞もそうだし、1個 ヒット曲っていうのを作りたいなって目標の中でやってて……。
 
中澤: で、やっぱりレースでも、たとえば、メーカーのワークス系のものを取って、レースとしてもお金をもらいながらできるっていうレベルにまで行きたいっていう自分の中で明確な目標を定めながらやってるので、それに共感してくれる人たちに、どんどん響いていってくれたらいいなっていう思いがすごくあります。
 
ーー 歌手やアーティスト、いわゆる芸能人という人たちもそうだと思うが、そういう人たちは「普通の人でない」から、やっていけるのだと思う。ある種、ワガママなところもないと、成功しないという面もある。そして、例外なく全ての人間は不完全であるゆえ、必ず失敗もある。いろんなことを言う人もいるし、逆風もあるとは思うが、前を向く限り、可能性は無限にあると思う。
 
中澤: そうですね……、がんばりたいですね。


(取材日:2023年 4月29日 / 取材・文:西山 寧)



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中澤卓也 ロングインタビュー(2021年)MUSIC GUIDE




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中澤卓也 レース参戦スケジュール

【富士86BRZチャレンジカップ】
スポット参戦 2023年 4月2日(日) 富士スピードウェイ
スポット参戦 2023年 10月7日(土) 富士スピードウェイ

【FCR VITA】シリーズ全4戦
開幕戦 2023年 5月13日(土)富士スピードウェイ
第二戦 2023年 7月22日(土) 富士スピードウェイ
第三戦 2023年 9月23日(土) 富士スピードウェイ
最終戦 2023年 11月25日(土) 富士スピードウェイ

レース参戦スケジュール




中澤卓也 シングル ディスコグラフィー


Debut Single 「青いダイヤモンド」(2017年01月18日 発売)

2nd Single 「彼岸花の咲く頃」(2017年11月29日 発売)

3rd Single 「冬の蝶」(2018年07月25日 発売)

4th Single 「茜色の恋」(2019年02月27日 発売)

5th Single 「北のたずね人」(2020年01月15日 発売)

6th Single 「約束」(2021年1月6日 発売)

7th Single 「陽はまた昇る」(2022年9月28日 発売)