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スキマスイッチ ライヴレポート

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【スキマスイッチ ライヴレポート】『SUKIMASWITCH 15th Anniversary Special at YOKOHAMA ARENA ~Reversible~』 2018年11月11日 at 横浜アリーナ

2018年11月11日@横浜アリーナ

撮影:岩佐篤樹、古賀恒雄/取材:宮本英夫

2018.11.26

スキマスイッチのデビュー15周年を祝う横浜アリーナ2デイズ、その2日目。いきなりの「全力少年」「view」というスタートダッシュに驚き、後半の盛り上げ定番曲をこんなに早くやっちゃっていいの?と思ったのだが、その謎はあとで解ける。ホーンセクションを加えたバンドは音圧もグルーブも申し分なく豊かで力強く、「ボクノート」「未来花(ミライカ)for Anniversary」ではさらに12人編成のストリングスが加わる。大橋卓弥(Vo&Gu)は赤で常田真太郎(Piano&Cho)は白、紅白の衣装が実にめでたい。14,000人の超満員、ムードはコンサートというより祝賀パーティーだ。

センター席をぐるりと取り巻く周回通路を歩きながら、15年間の四方山話に花を咲かせるふたりは、まるで近所の居酒屋にいるようなリラックスモード。あぁ、それで次の曲が「飲みに来ないか」なのか...というのはただの偶然だが、弦カルテットを加えた「僕と傘と日曜日」「life×life×life」と、アコースティックセットでのふくよかな演奏、力の抜けた大橋の歌の心地良い軽みに、15年の年輪がのぞく。簡単に言えば大人のグルーブだ。

映像によるインターミッションを挟み、今度は大橋が白、常田が青へと衣装替え。ドラマチックなミドルバラード「奏(かなで)」「藍」の二連発は、間違いなくこの日のハイライトのひとつだ。アニメ映像と幻想的なレーザーを駆使した演出と、大橋の心のこもった歌が素晴らしくエモい。一転して“後半戦行きますよ!”と叫び、しなやかなグルーブを刻む「Revival」からファンキーに突っ走る「螺旋(らせん)」、ホーンが大活躍する「トラベラーズ・ハイ」と、まるでソウルミュージックのレビューのような華やかさ。これもまたスキマスイッチ15年間の年輪のたまものだ。

“行くぞ横浜!”と大橋が叫んだと思ったら走り出し、周回通路で「ユリーカ」を歌う姿を大歓声と手拍子が包み込む。「Ah Yeah!!」ではついにセンター席にまで飛び込み、なかなか帰って来ない。常田が笑ってる。みんな笑ってる。一体感とよく言うが、それは手振りが揃うことではない。音楽で心がひとつになる、それがスキマスイッチの一体感だ。

アンコール。デビューから今日までの15年間、“5604日”を歌詞に織り込んだ「Hello Especially」は、トランペット田中充のコミカルな演技付きで。「ガラナ」を経て最後のMCで、大橋は“15年間、その時の正直な気持ちをかたちにしてきました。正直にやってきて今ここでできることを心から嬉しく思います”と、音楽家としての矜持を語った。常田は、“みんなの気持ちが同じ方向を向かないと、15年間続かないと思います”と、ファンへの感謝の思いを伝えた。ラスト曲「リアライズ」のいつまでも続く14,000人のコーラスは、スキマスイッチを愛するファンからの返答だった。鳴りやまない拍手の中、“続けて良かった”と常田がつぶやく。

この日のセットリスト本編は、前日の曲順を真逆にひっくり返したものだとあとで知った。なるほど、だから“Reversible”か。常に面白いこと、楽しいことに挑戦し続ける思いがある限り、スキマスイッチは続く。15年ありがとう。そしてこれからもよろしく。

撮影:岩佐篤樹、古賀恒雄/取材:宮本英夫

スキマスイッチ

スキマスイッチ:大橋卓弥、常田真太郎のソングライターふたりからなるユニット。1999年結成。2003年にシングル「view」でメジャーデビュー。大橋の温かく包み込むような独特の歌声、それを支える常田の卓越したサウンドクリエイトで「奏(かなで)」「全力少年」など、ヒット曲を次々と生み出している。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 7

    7. 未来花(ミライカ)for Anniversary

  2. 14

    14. 螺旋(らせん)

  3. 19

    <ENCORE>

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