LIVE REPORT

THE YELLOW MONKEY ライヴレポート

THE YELLOW MONKEY ライヴレポート

【THE YELLOW MONKEY ライヴレポート】 『THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2017』 2017年12月10日 at 東京ドーム

2017年12月10日@東京ドーム

撮影:KEIKO TANABE、森島興一、有賀幹夫、山本倫子/取材:田山雄士

2017.12.22

吉井和哉(LOVIN/Vo&Gu)、菊地英昭(EMMA/Gu)、廣瀬洋一(HEESEY/Ba)、菊地英二(ANNIE/Dr)...THE YELLOW MONKEYの4人がついに東京ドームに帰ってきた。その2デイズ公演(両日ソールドアウトで計10万人を動員!)の2日目の模様をレポートする。

活動休止前最後のライヴは約17年前に、同じく東京ドームで実施。当時ギリギリの状態だったメンバーにとって半ばトラウマのようになってしまったのは有名な話だけれど、念願叶ってその印象をきれいさっぱり完全払拭してのけた。そこには気負いもない、メガヒットからコアファン向けナンバーまでを押さえた、そしてロックの美学とエンターテイメント精神にあふれた、圧倒的でドラマチックすぎる一夜! それはビジョンのタイマーがカウント0になるとともに花道中央のビッグエッグの中から、いきなり4人が登場してから2時間半ずっと、まるで夢みたいに続いた。

モンスターバンドの真価を見せつけられたステージだった。「パール」で《自由がここにありました!》と歌い替える吉井和哉のお茶目さ、円形花道でのメンバーの凱旋闊歩、「嘆くなり我が夜のFantasy」で黄色い歓声を呼んだEMMAのリフ、時に豪華な管弦楽隊を従えたアレンジ。何から何までスケールがでかい。「太陽が燃えている」の炎ライティング、「MY WINDING ROAD」でビカビカ光るギターに巨大ミラーエッグ、「LOVE LOVE SHOW」で場を彩る世界のおねえさんたち、「悲しきASIAN BOY」での花吹雪乱舞など、ベタ盛り悪ノリ演出もらしくて最高! 「SPARK」のギターソロでさえ止まらない観客の手拍子は国民的バンドの証です。それでいて、HEESEYとANNIEを筆頭に4人が繰り出すズオッとくる音の塊、グラマラスな歌唱は鋭く、妖しさもエロスも容赦なくない交ぜにする。

シニカルで反骨心むき出しの「TVのシンガー」、砂嵐ビジョンをバックに鳴らす大曲「天国旅行」、笑顔の「SO YOUNG」...絡まっていたものが自分たちの曲によって救われ、解脱していくさまが美しい。過ちを赦し合い、燃え尽きるまでやりたい。そんな穏やかさと熱さがあった。「Stars」「ALRIGHT」といった再集結後のナンバーも時代に呼応した名曲で、ロックスターの風格しかない。吉井は“気合入れ直して、日本に今までなかったバンドになっていこうと思います!”と誓う。来年からニューアルバムの制作に入る予定とのこと。THE YELLOW MONKEYはまだまだ続く。

撮影:KEIKO TANABE、森島興一、有賀幹夫、山本倫子/取材:田山雄士

THE YELLOW MONKEY

89年、吉井和哉(vo)、廣瀬洋一(b)、菊地英昭(g)、菊地英二(dr)という最強のラインナップが揃う。デヴィッド・ボウイ、マーク・ボランをあからさまに意識した吉井のグラマラスなイデタチ、70'sロック・サウンドを基調としながらも歌謡曲的な湿り具合をもち合わせた楽曲、圧倒的な演奏力(過去メジャー・デビュー経験者有り)で、アッという間に人気を獲得、都内ライヴハウスを熱狂の渦へ。注目すべきは、このころすでに彼らの音楽性は大筋確立されていたという点だろう。
一介のロック・バンドであった彼らが、現在のようなビッグ・アーティストへ飛躍する足掛かりとなったのは、95年発表の4thアルバム『スマイル』である。以前に比べ、コンセプチュアルでシリアスな作家性は一歩後退し、大衆的なポップ性が格段にアップ、初のヒット作となった。また、偏執的なまで性にこだわった吉井の詞世界がいっそうの輝きを帯びてきたのもこの頃である。その後は、「太陽が燃えている」「JAM」とヒットを連発。5thアルバム『フォー・シーズンズ』はチャート第1位を記録した。名実ともにスーパー・バンドとなった彼ら、97年には6thアルバム『SICKS』を憧れの地・イギリスでリリース、世界進出への一歩を踏み出した。そして99年、UA関連のワークでお馴染みの朝本浩文をプロデューサーとして迎え、シングル「バラ色の日々」をリリース。まったく異質で新しい血(=朝本)を取り込んだ本作は、今までになくリアルで生々しいサウンド(特にスネアの音)が印象的であり、あたらしいステージへ飛び立とうとする彼らの意思表明にも受け取れるナンバーであった。00年には試行錯誤の末、快心作『8』を生み落とし、新章へと突入していく。
がしかし00年11月、彼らは01年1月8日の東京ドーム公演をもって活動の一旦休止を宣言。そして04年7月をもって、正式に解散したことが発表された。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 9

    9.真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~

  2. 19

    19.JAM

  3. 22

    22.BURN