LIVE REPORT

チャットモンチー、GLAY ライブレポート

チャットモンチー、GLAY

『チャットモンチーの求愛ツアー?2015』

2015年07月01日@Zepp Tokyo

撮影:古渓一道/取材:清水素子

2015.07.12

チャットモンチーが敬愛するアーティストに求愛し、ともにライヴを行なう『求愛ツアー』のファイナルに彼女らが迎えたのは、なんとGLAY! 自身もMCで何度も“信じられない”と語ったように、まさしく“夢のひと時”がチャットモンチーのメジャーデビュー10周年を華やかに祝した。先攻のGLAYは「口唇」「誘惑」等のヒット曲を次々に投下。さすが5月末に結成20周年ライヴを東京ドームで大成功させた彼ら、最大規模のライヴハウスであるZepp Tokyoが恐ろしく小さく見えるような貫禄たっぷりのステージングと、そこから生まれる強大なパワーで、一瞬にして会場をGLAY色に染めてしまう。もちろん、この日ならではのパフォーマンスも随所に見られ、「星に願いを」を1フレーズ弾いたTAKURO(Gu)がTERU(Vo)と向き合い、互いに語り掛けるような歌とギターで始まった名曲「HOWEVER」は、バンドサウンド重視のストレートなアレンジがライヴハウス空間と絶妙にマッチ。さらに、チャットモンチーの「真夜中遊園地」を躍動感たっぷりにカバーして、スペシャルな時間をプレゼントしてくれた。最後は“これからのみんなの未来のために。頑張ってほしいという想いを込めて”と、「HEROES」をプレイ。曲中で訴えられる《自分を信じて行けよ!》の言葉に胸が熱くなり、これが彼らの愛される理由と知る。

主催のチャットモンチーは1曲目「変身」の曲中で“求愛してるよ!”と、橋本絵莉子(Vo&Gu)と福岡晃子(Ba)がフロアーとコール&レスポンスを交わしながら入場して、ファンタジックな空気を創出。そこから手拍子沸く「きみがその気なら」を皮切りに、5月に発表した最新アルバム『共鳴』の楽曲が続々披露されていくと、ロックのパッションが多彩にあふれ出す。特に橋本がワンピースで80年代のアイドル風に歌った「最後の果実」から、恋の狂気を滲ませた「ときめき」へのエモーショナルな展開は驚異的。可愛らしいパブリックイメージを裏切る一種どギツいリリックと、キュートな歌声とのギャップには、一度聴いたら忘れられない魔力があるのだ。その狭間にはメンバーふたりがヴォーカルに専念し、コミカルに楽しませる初のラップ曲「ぜんぶカン」も。ツインドラムが力強いリズムを刻む中、アコースティックギターをかき鳴らす橋本と福岡の歌声が重なり合う「例えば、」での締め括りも、静かな感動を呼ぶ。

さらにアンコールではTERUを呼び込んで、なんと「グロリアス」をセッション! チャットモンチーの求愛ツアーTシャツを着たTERUを挟んで3人で合唱する情景は、レアという言葉では収まり切らない、あまりにも貴重な1シーンだった。ここで10周年企画の一環として、来年2月27&28日に地元のアスティとくしまでフェスを行なうことが発表されると、満員の場内からはドッと歓声が。最後は“この曲がこれから何年も生き続けてくれたらなと思います”と披露した「ドライブ」に、チャットモンチーの夜明けが見えた。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 【GLAY】

  2. 6

    6.真夜中遊園地(チャットモンチー カバー)

  3. 9

    9.彼女の“Modern...”

  4. 12

    【チャットモンチー】

  5. 26

    <ENCORE>

  6. 27

    1.グロリアス(GLAY カバー)

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