大事な君に似合うような私になれるように。

 2018年8月17日に“瀬川あやか”が新曲「リュネット」を配信限定リリースしました。この歌は、北海道のメガネチェーン『メガネのプリンス』への書き下ろしCMソング。タイトルの「リュネット」とは、フランス語で【メガネ】を表す言葉です。今日のうたコラムでは、改めて【メガネ】の役割にも注目しつつ、新曲をご紹介いたします。

君の耳からこぼれ落ちていく
言葉を繰り返せどはらはらと
週末の街はうるさい そのせいだ
うん、そうだ

通じ合うように出来てないのかな?
「無理だ」と言って片付けた代わりに
見えなくなったその瞳の奥
失くしたりした
「リュネット」/瀬川あやか


 冒頭からは、心がすれ違っている<私>と<君>の様子が見えてきますね。言わば、倦怠期。どんなに思っていることを伝えたくても、その言葉はただはらはらと<君の耳からこぼれ落ちて>届かない。一方、自分も<週末の街はうるさい そのせいだ うん、そうだ>と本当の原因からわざと目をそらして、大丈夫大丈夫と思い込もうとしております。

 しかし今、二人が通じ合えてない理由は、お互いを見つめるための“心の瞳”の視力が低下しているから。だから<私>は<君>に届く言葉が見えないし、対する<君>も<私>の切実な想いが見えないのでしょう。しかも、視力は放っておけばどんどん低下してゆくもの。それなのに<「無理だ」と言って片付けた>から、結果<見えなくなったその瞳の奥 失くしたりした>のです。

ゆらゆら揺れる鏡の私 変わらなくちゃ

心がちぎれてく音気づいてた
始まりは day-to-dayここから
ピント合わせた明日に残る昨日も
something new 感じてる
大事な君に似合うような私になれるように
「リュネット」/瀬川あやか


 それでも“心の耳”のほうは“心の瞳”よりずっと敏感に<心がちぎれてく音気づいてた>模様。だからこそ<私>にはやっと<変わらなくちゃ>という意志が生まれました。そんなとき、必要となるのが「リュネット」=【メガネ】です。心の視力を補正する役割をもつもの。それは、新しい価値観だったり、習慣だったり、行動だったり、人それぞれのちょっとした【変化】だと言い換えられるでしょう。

 もちろん実際にメガネをかける、という外見の変化も然り。ちなみにメガネには、顔の形や肌の色、着ている洋服やシーンによって、似合うものがあるんだとか。では<大事な君に似合うような私>になるための【メガネ】とは何なのか…。自分がその“何か”に気づき<ピント合わせた明日>を見つめることができたとき、二人はまた“今日ここから始まる”のだと思います。

しかめっ面が泣き真似が嘘が
なんか君の迷惑になりたくて
憧れを愛した時にズレた感情ね
「リュネット」/瀬川あやか


 ただし【メガネ】をかけても、位置がズレていたり、度数がズレていたりすれば逆効果です。つまり<ズレた感情>のまま、しかめっ面や泣き真似をしたり、嘘をついてしまったり<君の迷惑>になろうとすれば、きっと<大事な君に似合うような私>からは遠ざかってしまうはず。ちゃんと自分の“心の瞳”に適切な【メガネ】をかけることが大切です。

赤か?青か?黒か? フレームに願い込めて
腕の中で見てた夢が君にも見えていたならいいのにな

心がちぎれてく音 切なさに響いて離れないの 何故?
「君ならこうするかな」って終わる私に未練はないのに
ふと見つめた唇に戸惑ってるの
変われ 変われって 何度も唱えていた
something new 動きだす
大事な君に似合うような私になれるように
君色に染まる
「リュネット」/瀬川あやか

 また【メガネ】には純粋に“オシャレ”としての役割もありますよね。歌の終盤の<赤か?青か?黒か? フレームに願い込めて>というフレーズからは、この【メガネ】によって、もっと相手にときめいてほしいという気持ちが伝わってきます。さらに【メガネ】をかけて<君色に>染まれば、自分のテンションも高まることでしょう。その気持ちがあるから<心がちぎれてく音>に負けずに、何度でも<変われ 変われ>と願い、明日へと動き出せるのです。

 今、あなたの“心の瞳”にはくっきり景色が見えていますか? 大切な人の心がボンヤリしか見えないまま過ごしてはいませんか? ちょっと変化をしてみませんか? 瀬川あやかの新曲「リュネット」を聴いて、ほんの少しでもその世界が動き出しますように…!

◆紹介曲「リュネット
作詞:瀬川あやか
作曲:瀬川あやか