いつの日にか、アナタも私に恋をする。

「マシ」がいくつあっても
たった一つのアレには敵わないんだって。
私が欲しいもの
それは口に出せば陳腐な
当たり前で簡単な言葉
残念ながら多分それは、愛なんです。
(ドラマ『東京タラレバ娘』より)


 こちらはドラマ『東京タラレバ娘』第3話のセリフです。イケメンと出逢えただけマシ。付き合えなくても相手にされないよりマシ。何かあっただけマシ。そうやって【愛】をはぐらかして生きてきたヒロインが「お前が欲しいものは何なんだ?」と問われ、正直にたどり着いた答えです。

 では、みなさんの欲しいものは何ですか? もしかして、仕事があるだけマシ、傷付くことがないだけマシ、と【愛】と向き合うことを【マシ】の盾で避けてはいませんか…? 今日のうたコラムでは、そんなあなたに是非オススメしたい新曲をご紹介いたします。2018年2月14日に“Mrs. GREEN APPLE”がリリースしたニューシングルのタイトル曲「Love me, Love you」です!

あっちにもLOVEで
こっちにもLOVEで
世界は眩しく美しい
そんなこの地球(ほし)で
映画のような恋をする

気づかぬうちに
誰かときっと
繋がり合うの そうやって
いつの日にか
私も誰かに恋をする
「Love me, Love you」/Mrs. GREEN APPLE

 見渡せば<あっちにもLOVEで こっちにもLOVEで>口に出せば陳腐な当たり前で簡単な存在。だけどそれゆえに、意外とみんな現実味を失いがちなのが【愛】というものなのかもしれません。だからこそこの歌詞では【愛】をあえて<眩しく美しい>ブロードウェイのミュージカルのように華やかに描いているんです。

晴れた日は
気取ってウォーキングするの
見上げてみたらさ
小鳥たちも陽気に歌っているの

「幸せ」って何をもって人は言うの?
多分だけどさ 心(ここ)の温かさだろう

気づかぬうちに
誰かときっと
繋がり合うの そうやって
いつの間にか
私はアナタに恋をする
「Love me, Love you」/Mrs. GREEN APPLE

 たとえば<気取ってウォーキングする>様子からも、ショーのような情景が見えてきそう。でもこの感覚、実は恋をしているときの私たちの日常にも当てはまるのではないでしょうか。晴れた日には、散歩したくなってしまう高揚感。かつては空を見上げることすら忘れていたけど、ふと仰いで<小鳥たち>に気づけるゆとり。その<小鳥たち>の鳴き声さえ<陽気に歌っている>と感じられる至福感。尚、歌詞の続きには<雨の日>の素敵な描写もございます。

 そうやって心身で丁寧に日常を味わうことができるのは、きっと<心(ここ)の温かさ>があるからこそ。その味わうあらゆることを人は「幸せ」と呼ぶ。そんな大切なことに改めて気づかされるのです。また、冒頭で<いつの日にか 私も誰かに恋をする>というフレーズがありましたが、中盤では<いつの間にか 私はアナタに恋をする>と、より【愛】が具体性・現実味をおびてきているのがわかりますね。

「僕には無理だ」
「私じゃ無理よ」
世界で流行る言葉たちよ
どうかこの地球(ほし)で
自由になって夢をみよう

気づかぬうちに
誰かときっと
繋がり合うの そうやって
いつの日にか
アナタも私に恋をする
「Love me, Love you」/Mrs. GREEN APPLE


 そしてこの歌は、ドラマ『東京タラレバ娘』のヒロインのように【マシ】を盾にしながら<「僕には無理だ」「私じゃ無理よ」>と【愛】を夢みなくなってしまった全ての人に<どうかこの地球(ほし)で 自由になって夢をみよう>とメッセージを贈ります。さらに<いつの日にか アナタも私に恋をする>というフレーズも登場しますね!愛するだけでなく、愛されることも描かれていることで、ますます【愛】がリアリティーを持って胸に迫ってきます…!

気づかぬうちに
誰かときっと
繋がり合うの そうやって
いつの間にか
世界は輝きで満ちている
「Love me, Love you」/Mrs. GREEN APPLE

 こうして幕を閉じてゆく歌。冒頭の<いつの日にか 私も誰かに恋をする>という夢が<いつの間にか 私はアナタに恋をする>という想いに繋がり、それがまた<いつの日にか アナタも私に恋をする>という想いに繋がり、最後の最後は<いつの間にか 世界は輝きで満ちている>という現実に結びつく…。そんな【愛】のサイクルの美しさが描かれているのが、この「Love me, Love you」という楽曲の魅力なんです。

 「僕には無理だ」「私じゃ無理よ」と<世界で流行る言葉>をついつい使ってしまっているあなた。Mrs. GREEN APPLE「Love me, Love you」を聴いて、素敵な【愛】のサイクルに一歩、足を踏み入れてはみませんか…?

◆紹介曲「Love me, Love you
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴