歌詞に“虫”が登場する楽曲ってどんなイメージが浮かびますか?

 10月11日は、昆虫学の父と呼ばれていた“アンリ・ファーブル”の忌日です。彼は、子どもの頃から虫が好きで好きで、何十年も観察し続け、『昆虫記』という本を全10巻も残した人物です。しかし、世の中には虫が嫌いという方も多いですよね。昆虫の写真が表紙に使われているのが印象的な“ジャポニカ学習帳”は、消費者からの「気持ち悪くてノートを持てない」という意見により2012年から3年間ほど昆虫の写真をやめていた時期もあるそうなんです。ちなみに、現在では「このままでは生態系が崩れてしまう」という懸念から再び写真を使うようになっているんだとか…。

害虫と決めたのは人間。
益虫と決めたのも人間。
勝手なんだから。
(コピーライター:仲畑貴志)

 1999年には「名和昆虫博物館」に、このようなキャッチコピーもつけられましたが、“ジャポニカ学習帳”の件といい、ただただ懸命に生きている虫たちからしたら本当に「勝手なんだから。」という気分ですよねぇ。ところで、J-POPでは歌詞の中に“虫”が登場する歌詞って意外と多いような気がします。人間の姿や感情がときに、害虫のように、ときに、益虫のように描かれているんです。今日のうたコラムではそんな楽曲を何曲かピックアップしてみました!

少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ
甘い匂いに誘われたあたしはかぶとむし
流れ星ながれる 苦しうれし胸の痛み
生涯忘れることはないでしょう
生涯忘れることはないでしょう
「カブトムシ」/aiko

羽の折れた蝶が 水面を揺らすよに
僕等は泳いでる 時代の海を

沈めた夢の城 砂に溶ける太陽
出口の無い空が 僕を睨む

繋ぎ留めるものなど何も無い 裸の自分でいたい
人を愛し抜く為 生きてるのさ ただ一つの命で
「水面の蝶」/コブクロ

ビキニで焼けてるしましまの背中
あなたが撫でながら
“みつばちみたいだ 刺すなよ”って笑う 
あなたの方が刺してるくせに
胸が痛いよ 不安で怖いよ 
あなたはたった“ひとキス”で
まるで羽を もぎ取るように 心を全部持っていく
「みつばち」/DREAMS COME TRUE

大人になった
思い出なのに
何も覚えていない
大人になった
経験なのに
ロマンスは行き止まり
そう 男なんて
毒蜘蛛

誰か刺さなければ
生きて行けない
それが男なんだって
学んだわ
「毒蜘蛛」/AKB48

 愛しい人にどうしようもなく惹かれる女性の恋心を、蜜に吸い寄せられる“カブトムシ”になぞらえた曲。あがきもがきながら今を生きてゆく姿を、ボロボロで儚くも美しい“蝶”になぞらえた曲。また、危険な恋は“みつばち”や“毒蜘蛛”といった<害虫>のイメージで描かれることが多いようです。いずれにせよ、虫にたとえられた人間の言動や感情は、非常に本能的で、生々しい印象を受けますね…!

 そして、来たる2016年11月16日、ニューアルバム『来し方行く末』をリリースする“高橋優”は、なんと「Cockroach」=ゴキブリというタイトルの新曲を収録…。これは一体どんな歌詞なのでしょうか。彼は、11月の歌ネットインタビューにも登場予定なので、そんなところも含めて、記事&歌詞の公開を楽しみにしていてください!

◆高橋優 5thアルバム『来し方行く末』
2016年11月16日発売
通常盤 WPCL-12461 ¥3,000+税
期間生産限定盤 WPZL-31246/7 3,900円+税

【収録曲】
1. Mr.Complex Man
2. 君の背景
3. さくらのうた
4. 明日はきっといい日になる
5. 拒む君の手を握る
6. 象
7. 悲しみのない場所
8. 産まれた理由
9. アイアンハート
10. Cockroach
11. 光の破片
12. BEAUTIFUL