必ずしも<嘘>イコール“悪”ではない…?

「一つの大きな嘘をついたら
約三十個の小さな嘘が必要となる」

 4月1日はエイプリルフールということで、“嘘”をテーマにした映画『約三十の嘘』のセリフをご紹介してみました。ちなみにこの作品は、椎名桔平や中谷美紀、妻夫木聡らが出演している犯罪コメディ。タイトルにもなっている“約三十の嘘”を用意しろという旨の文句は、サルバトーレ・ワコンという人物の言葉がもとになっているそうな。たとえば<浮気>を隠すためにも、いつ、どこで、誰と、何をしていたか、など、たしかに嘘を隠すための小さな嘘がたくさん必要になりそうですよね。
 
 また、言葉を口にしたその瞬間は“本当”であっても、時が経つとそれが“嘘”に変わってしまうなんてことは恋愛ではよくあります。「ずっと一緒だからね」「もう二度と離さない」「君だけを愛している」…歌詞の紋切り型にもなっているそんなフレーズが現実で裏切られることはザラですね(泣)。やはり、タイトルに“嘘”がつく楽曲は非常に多く、検索してみると200件以上もヒットしました。本日のニュースでは、フレーズに“嘘”を含むちょっと特別な3曲をご紹介いたします。

“いつか僕は君の顔も
わからなくなってしまうかな。
その時はどうか 
やさしい嘘が僕を君をつつんでおくれよ。”
「やさしい嘘」/小南泰葉

“たとえば、
僕のためといって
君がついた嘘なら
僕にとってそれは 本当で
会えないこの間に少しずつ君が変わっても
想い続けられたら”
「恋文」/Every Little Thing

“君がついた嘘なら信じるよ
騙されても 愛していたいから
愛してる
信じるってなんだろな
疑って証明する事かな
それとも願うことかな”
「君がついた嘘なら」/JUJU

 “嘘”というとイコール“悪”のようなイメージに繋がりがちですが、上記の3曲の主人公の心情はそうではないんです。一言で嘘と言っても、いろんな種類のものがありますよね。自分のためのもの、相手のためのもの、誰かを攻撃するためのもの、誰かを守るためのもの…。小南泰葉の楽曲に登場する嘘は、きっと人の心を守る“やさしい嘘”です。そしてELTの楽曲に登場する嘘は、自分のために大切な人がついた嘘。JUJUの楽曲に登場する嘘はもしかしたら“裏切り”なのかもしれませんが、この主人公はそれも含めて愛そうという覚悟を持っています。
 
 それが正しいか間違いかは別にして、この3曲に登場する“嘘”は“愛”と言い換えることができるものなのではないでしょうか。もちろん、いつだって正直に生きたいですし、相手にもそうであってほしいですが、世の中はそう綺麗ごとだけでは済みません。真実が誰かを傷つけることだってあります。そんなときあなたなら“嘘”をどう受け止めますか…?“嘘”をどう扱いますか…? 罪のない嘘をついて良いとされる日<エイプリルフール>はそんなことを想像してみる良い機会かもしれません。