2025年9月3日に“松室政哉”が4th Album『Singin’in the Yellow』をリリースしました。今作は松室が2025年の音楽活動の指針としている「ハッピー・多幸感」をテーマに、編曲から演奏・歌唱に至るまでのほとんどの作業を自身で行う“DIYスタイル”で制作。荒々しさもありながら、松室のポップネスがこれまで以上に前面に押し出されたカラフルなアルバムとなっております。
さて、今日のうたではそんな“松室政哉”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、収録曲「未来ある馬鹿者からのセイハロー」にまつわるお話です。理屈じゃなく、直感的に、アルバムの入口へと導かれていったこの歌が教えてくれたことは…。ぜひ楽曲とあわせて、エッセイをお楽しみください。
歌詞を入れる前の段階から、「これは、一曲目っぽいな」となんとなく思っていた。
理屈じゃなく、直感的に。どこに向かうアルバムなのか、なんとなくこの曲が教えてくれていたような気もする。
スティーヴィー・ワンダーへのオマージュとして、シンセベースとクラビを軸にしたアレンジに。サビはあえて歌い上げず、乾いた地面を転がるようなメロディをイメージしていた。完成してみて、こういう曲あんまりやってこなかったなと新鮮な気持ちになった。
アコースティックギターとエレキギターは、いつもお世話になっている外園一馬さんにお願いした。すると、最後のサビにはマンドリンまで重ねてくれた。そういう選択肢があることにも驚いたし、軽々と弾いてくるのがまたすごい。本当に何でもできる人。もはやちょっと怖い。
歌詞は毎度お馴染み、金木和也。タイトルのフレーズを彼から送ってもらったとき、読んだ瞬間にワクワクで身体が震えたのを覚えている。先の見えない世の中で、ある意味無責任にも聞こえる“馬鹿者からのポジティブな言葉”が、どうしてこんなにも安心させてくれるんだろう、と。自分が今、歌いたかったのはまさにこういう感情だった。
最初はなんとなく置いてみた“一曲目”という位置に、今はすごく納得している。
アルバム全体の方向性も、今の自分が歌いたい心の方向性も、この一曲でちゃんと提示できている気がしている。
<松室政哉>
◆紹介曲「未来ある馬鹿者からのセイハロー」
作詞:金木和也
作曲:松室政哉
◆4th Album『Singin’in the Yellow』
2025年9月3日発売
<収録曲>
1.未来ある馬鹿者からのセイハロー
2.渚のメイキャップ
3.ふたりよがり feat.金木和也
4.コンバート
5.うるう
6.人生はロマネスクさ
7.ゆとりましょう
8.Singin’ in the Yellow
9.世界中を敵に回しちゃうな
10.夢の跡