皆さん、雨は好きですか?

 2024年9月18日に“SARD UNDERGROUND”がデビュー5周年を迎えます。彼女たちは、令和の時代に“ZARD 永遠のスタンダード・ナンバー”を継なぐトリビュートバンド。2019年にZARDの数々の名曲が詰め込まれたトリビュートカバーアルバムでデビュー。そして現在に至るまで、数々のZARDのカバー曲と、坂井泉水の未公開詞によるオリジナル曲の他、ボーカル神野友亜によるオリジナル曲を発表し続けております。
 
 さて、今日のうたではそんなアニバーサリーに向けて“SARD UNDERGROUND”の神野友亜による歌詞エッセイを1年を通じ、12ヶ月連続でお届け!今回は第10弾です。綴っていただいたのは、神野友亜が雨音を聴きながら書いた詞。梅雨の時期ならではの言葉をお楽しみください。



六月
 
梅雨の時期ですね。
皆さん、雨は好きですか? 私は好きです。
傘の下で聞こえる、すべての音が好きです。
雨の日に音楽を聴いたり、本を読んだり、そんな時間も大好きです。
 
今月は、雨音を聴きながら書いた詞をお届けします。
 
 
ぽつぽつと雨が降りだす
広げた傘に小さな穴があいている
 
雨に濡れた街は光り輝き、
こんな日は誰かを想っていたい
 
花は麗しく、潤いに揺れる
それを見つめて、今よりも少し、大人になりたいと思った
 
モノクロの空から溢れ出す
雫の音は唱いかけるように
わたしの不甲斐ない部分を、そっと柔らかく溶かしてくれる
少し頼りないところもあるけれど
君をずっとずっと想っているから
今感じたぬくもりは どうか、このままで
 
雲がやけにスピードをあげた
私の心も、急いでいる
気持ちの速度を落として、詰まりかけた言葉を解いていく
 
いつもより街が淋しくみえるけれど
そんな日も変わらず、誰かの笑顔があることに、ホッとする
 
グレーの空から溢れ出す
雫の音は語りかけるように
誰かの震える声を、そっとやさしく包み込んでいる
今日も風が噂を運ぶけれど
君をずっとずっと信じているから
今感じたぬくもりは どうか、このままで
 
顰めっ面でとぼとぼ歩く人をみて
“あの人の今日はめちゃくちゃだったのだろう”と、ぼんやり思った
 
なのに、どうして?
身近な人の気持ちに気づけない時がある
 
泣いている人と、一緒に泣いたり
笑っている人の、笑顔を守り抜いたり
そんなやさしい人になれたなら…
 
モノクロの空から溢れ出した
雫の音は唄っている
“当たり前”に染まらぬよう
私の日々を飾ってくれる
訪れる瞬間を忘れてしまわないように
君をずっとずっと想っているから
このぬくもりは どうか、このままで
 
 
<SARD UNDERGROUND・神野友亜>



◆ZARDの名曲カバーを厳選収録した
究極のトリビュート・ベストセレクション
『ZARD tribute Best Selection』
2024年3月20日発売
 
<収録曲>
1. あの微笑みを忘れないで [tribute 2024]
2. DAN DAN 心魅かれてく [tribute 2024]
3. Don't you see! [tribute 2024]
4. 負けないで [tribute 2024]
5. 心を開いて [tribute 2024]
6. 眠れない夜を抱いて
7. この愛に泳ぎ疲れても
8. 永遠 [tribute 2024] 
9. 運命のルーレット廻して
10. マイ フレンド [tribute 2024]
11. 揺れる想い [tribute 2023]
12. きっと忘れない [tribute 2024]
13. Just believe in love
14. GOOD DAY