2024年5月29日に“NakamuraEmi”がオリジナルアルバム『KICKS』をリリース! 今作は、集英社「HAPPY PLUS」公式テーマソング「一目惚れ」、NakamuraEmiの新境地を開いた3部作「究極の休日」「白昼夢」「晴るく」、コラボレーション曲「祭(feat.Mummy-D)」、「雪模様(feat.さらさ&伊澤一葉)」、「Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY」純粋に音楽を楽しむ仲間との幸せな空気感が詰め込まれた「梅田の夜」、何気ないことが今の自分に全て繋がっていると教えてくれる「一円なり」の全10曲が収録。
さて、今日のうたではそんな“NakamuraEmi”による歌詞エッセイを全4回に渡りお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、収録曲「火をつけろ」にまつわるお話。コミュニケーションツールは増えて進化していくのに、むしろ難しくなってゆく人間関係。その生きづらさに向き合ったとき、たどり着いた思いは…。ぜひ、歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。
メール、SNS、リモート会議、コロナ禍で数々のコミュニケーションツールに私は助けられました。効率的で、明確で、便利で、やめられない。本当にありがたい。
あの子とも、あの方とも、あの先輩とも、会ったことがなくても連絡を取り合えて、自分の可能性も広がる気がする。やめられない。本当にありがたい。
なのに私の悩みは人間関係でした。
笑えるくらいおかしな状態です。
「コミュニケーション」の方法は数え切れないくらい増えても、結局悩みの根っこは人間関係。スマホの画面にどれだけ文章を打って伝えても、信頼関係が成立してないと、相手の本当の気持ちはわからない。もしくはお互い伝わるまで文章を送り合う根気が必要なんだとわかりました。
信じられないほど文明は進化してるし、医療もサプリも除菌も進化してるし、人間の体なんてチンパンジーから進化しつづけている。
なのに人間の心は2024年の今も柔らかいままです。
そして人間が放つ言葉は2024年の今もグサグサと人を刺す凶器にもなります。
だからこそ言葉を伝えることを大切にしたい。
そして直接会って伝え合えば、びっくりするくらい全てのモヤモヤが消えて問題が解決したりする。
と思ったら、今度はハラスメントや多様性を気にして、相手が傷つくことを気にして、本当のことを話せなくなっていたりする。
ぐるぐるぐるぐる
ぐるぐるぐるぐる
なんじゃこりゃというループにハマってました。
生きやすいようで
めちゃくちゃ生きづらい。
そしてたどり着いたのは
「私自身の多様性は誰が主張してくれるんじゃい」
ということでした。
私の人生は誰もやってくれない。
私の心の中は私しか知らない。
伝えることは金はかからない。
ちゃんと伝えよう。
相手の目を見てちゃんと伝えよう。
自分の応援歌にもしたかったし、見えないコミュニケーションに窒息しそうなあなたへ、心が凍ってしまいそうなあなたへ、少しでも火を灯せられたら幸せです。
曲を書きながら、なんちゅー難しいテーマの曲を書き始めてしまったのだろうと思いましたが「純粋に火をつけろ」の言葉が舞い降りてきた時、今までの全部が報われた気がしました。
柔らかい心にまで届く栄養は
昔から変わらないのかもしれないです。
あなたの話し相手になれる曲を
作れる様になりたいです。
◆オリジナルアルバム『KICKS』
2024年5月29日発売
<収録曲>
1.火をつけろ
2.梅田の夜
3.祭(feat.Mummy-D)
4.晴るく
5.白昼夢
6.雪模様(feat. さらさ&伊澤一葉)
7.一目惚れ
8.Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY
9.究極の休日
10.一円なり