1人でいい、たった1人で。

 2024年2月28日に“Gacharic Spin”がNew EP『Ace』をリリースしました。彼女たちは結成15周年アニバーサリーイヤーに突入! そんな勢いが表れている今作は、ハイスピードで熱く激しく、押せ押せなサウンドを収めたEPとなっております。デジタルシングル「BakuBaku」を含む全5曲を収録!
 
 さて、今日のうたでは“Gacharic Spin”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け! 最終回はアンジェリーナ1/3が執筆。綴っていただいたのは、収録曲「BakuBaku」にまつわるお話です。自分自身、バンド、そして中村仲蔵の人生に通ずるものとは…。また、今回も音声版がございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。


アンジェリーナ1/3の朗読を聞く

「BakuBaku」は自分の人生と、バンドの人生
そして、自分の人生の分岐点を作ってくれた
中村仲蔵の人生をモチーフに歌詞を書いています。
 
私はバンドに加入して、今年で5年が経ちました。
加入当初私は、音楽未経験の女子高校生。
ステージに立った事もない高校生が
結成10年目のテクニカルバンドに加入したので
色々な言葉や視線に押し潰されそうになり
自分の中の正解や答えが見えない中
がむしゃらに前を見て走る事しか出来ませんでした。
投げかけられた毒のような言葉は
今でも昨日の事のように覚えています。
 
でも、毒づいた言葉も何もかも
歓声に変えてやろうと常にもがいて
人生なんとかなる、動けば景色が変わると信じて
自分の答えを正解に出来るようにしてきました。
 
そんなバンド人生の5年間を振り返った時や
自分の人生を振り返った時
Gacharic Spinの人生と重なる部分が沢山ありました。
 
私がこのバンドを好きになった理由は、
自分達の答えを正解にしてきたバンドだったからです。
もがいて、苦しんで、何度心が死にかけても
自分達の答えに誇りを持って突き進む姿は
私だけではなく、同じようにガチャピンを愛してくれている皆さんの日々に沢山の彩りを与えてくれました。
 
“1人でいい、たった1人で。誰かきっと見ててくれる。”
 
この言葉は、講談師の神田伯山さんが
中村仲蔵の講釈をしていた際に言っていた台詞です。
 
中村仲蔵は、江戸時代中期の歌舞伎役者。
あの時代は、役者の血が流れていない人間は芝居で出世することができないと言われていました。
 
それでも自分の目標や夢見た世界を
現実にするため、もがく姿
そして自分の実力で状況を変え、夢を掴む姿に
物凄く心を打たれ私は中村仲蔵の虜に。
そして伯山さんの講談の虜になっていました。
 
その中でも、
“1人でいい、たった1人で。誰かきっと見ててくれる。”
このセリフに心を打たれ、
自分がバンドに加入した時の事を思い出しました。
 
これはガチャピンにも言える事で、
長い間活動をしていく中で、紆余曲折があり
何度、止まってもおかしくなかった活動を
工夫して作り替えて。色々な意見で潰されそうになっても
1人でいい、たった1人でも、
自分達の出した答えを必ず見ていてくれる人がいると信じてやって来たからこそ、
その1人が2人3人と増えていき、
今でも沢山の方に支えられて活動ができています。
 
 
止まると同じだけ私達は続ける事を選択して来ました。
これからも音を止めず、
その先で出会える沢山の人たちに恩返しが出来るように
大切に音を届けていきます。
 
あなたも好きなものや好きな事、好きな人を
大切に、共に生きていきましょう!
 
<Gacharic Spin・アンジェリーナ1/3>



◆紹介曲「BakuBaku
作詞:Gacharic Spin
作曲:Gacharic Spin

◆New EP『Ace』
2024年2月28日発売
 
<収録曲>
01.Let It Beat
02.BakuBaku
03.ストロボシューター
04.オドリオドレ
05.Lin-Lin-Lan