3kg

 2023年6月21日に“ゆいにしお”がMajor 1st Single『ワークライフアイランド』をリリースしました。今作は新曲3曲を通して“社会人女子の夏”を描くコンセプチュアルな作品になっており、さらに「ゆいにしお presents summer 2man tour "DAILY ISLAND"」は今作のリリースをひっさげたツアーとなっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな“ゆいにしお”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「We Are Girls Forever!」にまつわるお話。<ヘソ出しの服を着て あと少しだけ痩せなきゃなって 思いこんで>いるあなたへ。この歌詞とエッセイを受け取ってください。 また今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをご堪能あれ…!


ゆいにしおの朗読を聞く
去年の夏、5kg減量した。
人によっては大したことのない数値だが、私にとっては急に年収が3億になったのと同じぐらい大きな出来事である。本当に褒められたい。
 
そこから1年、3kgリバウンドした。ざまあみろ。
人によっては大したことのない数値だが、私にとっては急に年収が5億になったのと同じくらい大きな出来事である。本当に誰にも見た目について言及しないでほしい。
 
26年生きているからわかる。
なんだか体が重たいな、温泉のガラスに映ったシルエットがなんだか太いな、そう感じた時点でたいてい3kgは太っていることが。
 
3kg太ると、明らかに顔の余白が広くなる。
かがんだときにお腹の肉がほんの少し邪魔をする。
加工しないとインスタにおいそれと写真をあげられなくなる。
そこからようやく重い腰を上げるまでに1~2kgほど太り、合計5kgほど蓄えたところでダイエットをはじめるのだ!
 
そもそも3kg太ったのは、毎日やっていた有酸素運動を辞めたうえ、食べ物に救われる生活をしていたからだ。
 
新譜リリースのタイミングでラジオ出演などのために地方へ行く機会が多くなってきて、地方の地酒や地のものをカオナシのように喰らい尽くした(特に北海道はずるい。北海道に行けば誰だって太る)。
 
深夜に帰宅して飲むビールに、生きている実感を得た。明日への気力が残ってないと、松屋のカレギュウやビッグマックを摂取した。レコーディングの合間にはチョコを食べて自分を甘やかした。毎日どんな美味しいものを食べようかと考えながら、楽しく暮らしていた。
 
そうして、増量した3kgのなかにもたくさんの思い出がある。
そう思えば、3kgの脂肪の塊も愛おしく思えてくるというものだ。
 
太ったからといって痩せる必要はどこにもないのです。ちまたではローライズのパンツも流行りつつあるけど、ぷよんとしたお腹を出すのだってきっとかわいい。スタイル神・爆美女の隣だって全然笑顔でいられる。
 
しかしツアーを控えている身としては、ライブでは身軽な姿でみんなに会いたい。
だから、ジムでこの曲を流しながらトレッドミルの上をハムスターのように駆けたいと思います。
 
聴いてください、ゆいにしおで「We Are Girls Forever!」
 
<ゆいにしお>


◆紹介曲「We Are Girls Forever!
作詞:ゆいにしお
作曲:ゆいにしお

◆Major 1st Single
『ワークライフアイランド』
2023年6月21日発売
 
<収録曲>
1.We Are Girls Forever!
2.SUMMER TUNE
3.アイスコーヒー