2021年7月7日に“瀬川あやか”がニューアルバム『Sprinkler』をリリースしました。今作には、“メガネのプリンス”CM曲の「DIAMOND」「アイシテル~心を込めて~」、UHB“サツコレチャンネル”テーマソング「アイデンティティ」等を含む全10曲を収録。約2年半ぶりとなるアルバム、歌詞を味わいながらじっくりご堪能あれ…!
さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“瀬川あやか”による歌詞エッセイをお届け!今回はその第1弾。綴っていただいたのは、収録曲「DIAMOND」に通ずるお話です。彼女が改めて“人によって異なる歌詞の受け取り方”を実感したというこの曲。まずは「DIAMOND」の歌詞を読んでみてください。そして、エッセイを読んでいただいた上で、もう一度、考察を楽しんでみてください!
~歌詞エッセイ第1弾:「DIAMOND」~
初めましての人も、そうでない人も、今日から熱狂的ファンになってくださる方も笑、読んでいただきありがとうございます。瀬川あやかと申します。
このたび4枚目となるアルバム『Sprinkler』が発売となりますタイミングで、執筆のお話をいただきまして、、拙い文章ではありますが、すでに出来上がっている自分の楽曲と改めて向き合うことって実はなかなかないことなので、この機会に自分も楽しく楽曲の深掘りをさせていただきたいなと思っています。
ということで、ここでのお話は『Sprinkler』収録曲の中からお届け。楽しんでいただけますように^^ そして、もしよかったら聴いてやってください。
まず皆さんにお聞きしたいのは「楽曲の何を聴いてるの?」ということ。
この質問かなりざっくりしているのですが、要は音、声、歌詞、強いて言うならどれをメインに聴いてますか?ってことです。
もちろん全部大切ですが。
でも強いて言うなら、私は歌詞ですかね。
昔から歌詞カードを見ながらCDを聴くのが大好きで、好きな楽曲の歌詞はノートに書き写したりもしていました。実体験なのかな?どんなときに書いたのかな?とか、そのアーティストさんの心の中を覗かせてもらってるようでかなり贅沢です。
でも中には「これどういう意味だろう?」と、なかなかすっきりと納得のいかないときもあります。ただ言葉遊びを楽しむ楽曲もありますが、そういったときはその人のインタビュー記事を読んだり、周りと話したり、ネットで楽曲の考察を読んだりもします。
そうすると、やっぱり聴く人によって受け取り方って違うんです。面白いですよね。あー!って気付かされる時もあれば、いやぁ私は…って反論したくなる時もある。10人聴けば10人分の曲の広がりがあるんだなあと感じる瞬間です。
『Sprinkler』に収録されている「DIAMOND」という楽曲をリリースした後で感じたのは、その受け取り方の違いでした。
曲頭。
あなたはダイヤモンドを差し出して言う
「その心、僕の物」
ここから物語が始まっていくわけですが、この曲はかつて愛し合った男女が何らかの理由でお別れすることになり、それも別れからはまだそんなに経っていないという設定です。
男女間で渡される「ダイヤモンド」というアイテムで連想されるもの。この楽曲をリリースした後よく聞かれたのは「これはプロポーズの歌ですか?」「婚約破棄の歌ですか?」驚いたのは「不倫の歌ですか?」
先述した通り歌詞の受け取り方って人それぞれで、私の頭や喉から出たストーリーはその先、聴いてくれた皆さんの中で好きに広がっていって欲しいのものなので、あまり「こうゆう歌なのでそれは違う」とは言いたくはないのですが、さっきあげた質問の答えは一応、NOでした。
私がここで「ダイヤモンド」と名付けた「もの」は、サビの中で説明すると伝わりやすいのかなと思います。
たった一つの宝物
それはあの日くれた七色のキス
今もダイヤモンド
彼からもらったのは、2人が始まるきっかけとなったあの日のキス。指輪や宝石ではなかったんですね。この曲に登場する彼っていうのはこの女の子が身に余ると感じるほど素敵な人だったのでしょう。なんなら自分に向けられる言葉や行動のひとつひとつが、煌びやかなダイヤモンドのように眩しくて大切だったんだと思います。
もっと言うと、曲頭と曲終わりに出てくる
「その心、僕の物」
これは彼が実際に発した言葉ではなく、そうゆう呪文をかけられたのでは、と思うほど彼に魅了され、心が奪われてしまったよってことでした。
こんなふうに歌詞を書いていると、リリースした後に「なるほど、こういう解釈もあるのか」と逆に気づかされる事がしばしばあります。もっと文学的に誰が聞いても伝わりやすい表現ができれば…と思ったりする時もありますが、成長していきたいという気持ちと同じくらい、なんかそこが自分だけで完結しない自分の楽曲の広がりに思えて楽しかったりします(ポジティブ)。
なので、音楽はメロディーしか聴かないという方も、ぜひ歌詞の方にも注目してみていただけると嬉しいです。そしてぜひ皆さんの考察を聞いてみたい。この二人がどんな二人で、どんな別れ方をしたのか、とかまで聞きたい。
そうゆう発想とか想像とかって、その人が見たり聴いたり経験したことに重ね合わせて生まれていく物だと思うので、ストーリーの先のストーリーを聞いてみたいなと思うのです。
自分の弱点を上手く?言い換えたみたいな内容になったかしら笑。次に「DIAMOND」を聴いていただいた時に、少しでも面白く感じていただけたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。長くなりました。文章って書き始めるとあっという間ですね。また次回もよろしくお願いいたします。したっけね!
<瀬川あやか>
◆紹介曲「DIAMOND」
作詞:瀬川あやか
作曲:瀬川あやか
◆4thアルバム『Sprinkler』
2021年7月7日発売
PNR-002 \3,000
<収録曲>
1.FILTER MAGIC
2.真っ白なジグソーパズル
3.Laugh to Laugh
4.アイデンティティ
5.プリザーブド・メモリー
6.もう一回
7.アイシテル~心を込めて~
8.DIAMOND
9.アンコール
10.Someday, Someone