この人たちのために私ができることがあるなら何だってしてみせよう。

 2020年10月14日にロックバンド“ひかりのなかに”が新曲「タイムマシン」をリリースしました。さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ひかりのなかに”のヤマシタカホによる歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届けしております。今回は第1弾第2弾に続く、最終回です。突如、新体制となったバンド。今の気持ちとこれからの意志を明かしていただきました。

~歌詞エッセイ最終回~

みなさんこんにちは、ひかりのなかにのヤマシタカホです。前回のコラムから随分とバンド内が揺れ動いて、気づけばひとりになってしまったこと、衝撃だった方も多いのではと思います。

配信リリースをする予定だったものも、残り2曲、というところで止まってしまって、なにを話せばいいのかと思ったんですが、ひかりのなかに、の最近と、これからについてお話をしようかなと思います。

最近は、音楽をやって、休んで、バンドと向き合って、休んで、を繰り返してばかりで、一体今が何日の何曜日かさえ危うくなりつつあるような毎日を送ってます。バンドのことで外出してばかりだった今までとは真逆のような生活で、飼い猫も今までよりずっと懐くようになったし、買ったばかりのレコードプレイヤーでじっと三角座りをしながら、音楽を聴いてばかりで体重も少し増えました。

そんな中で、何週間も時間をかけて作った曲が形になったり、新しくひかりのなかにを支えてくれる方がだんだん増えてきたりと、音楽をすること、自分がひかりのなかにであること、にもっと愛着が湧いています。

だんだんとひとりになるということを実感して、やっぱり寂しさとか不安とかがやってくる時もあります。

それでも続けたいと強く思うその理由は単純で、最近になってやっとライブを皆さんの前でやる機会も増えて、直接お会いした時、変な言い方かもしれませんが、ひかりのなかにの音楽を聴いてる人はきちんとそこにいるんだ、という実感を得て、より強く「この人たちのために私ができることがあるなら何だってしてみせよう」と思えたから、それだけです。

人にはそれぞれ、自分にしか見えない自分がいたり、隠した気持ちがドロドロと渦を巻いていたり、過去を思い出して辛くなる瞬間があったりするものです。

たとえ、たくさんの人が周りにいたとしても、この世界に一人ぼっちにされたような気持ちになる日だってきっとあると思います。

そんな時、私なら「もっと頑張れよ」「弱音を吐くな」じゃなくて、何も言わずにそっと寄り添っていてあげれるような、そんな存在になりたいと思ってます。

新体制になるまであと少し。次お会いできるのはまだいつかはわからないけれど、必ずどこかで会えます。それまでには少し時間がかかるけど、気長に待っていてください。

ひかりのなかに は続きます。

それでは。

<ひかりのなかに・ヤマシタカホ>