LAMP IN TERREN

言葉は箱だと思う。同じ言葉でも違う想いが入っていたりする。

 2020年10月14日に“LAMP IN TERREN”がニューアルバム『FRAGILE』(読み:フラジール)をリリース。今作には、昨年リリースされた「ホワイトライクミー」や会場&通販限定e.p.収録曲「いつものこと」、今年5月に配信リリースされた「Enchante」に加え、新型コロナウイルスによる自粛期間だからこそ生まれた新曲を含む全10曲が収録されております。表現者としてのアイデンティティが今まで以上に詰まった1枚を、是非ご堪能あれ…!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“LAMP IN TERREN”の松本大(Vo.)による歌詞エッセイをお届けいたします。今回はその【前編】です。タイトルは「言葉は箱」。最近「歌詞」を書くよりも「文章」で説明するほうが難しくなったと明かす彼。それは、自身の中でどのような変化があったからなのでしょうか…。

~歌詞エッセイ【前編】:言葉は箱~

先に言っておくと、こういうのは苦手だ。苦手になった。昔はたくさん書いたし(そのほとんどは今読むとすごく凹む)、無限に書きたい気持ちがあった。それは僕の作る音楽がまだ空想の産物で、自分の世界でのみ起こった事柄で、物語で、悩みで、ひとりあそびの延長にあったからだと思う。曲を紐解いてもらいたくて、面白いと思ってもらいたくて、理解されたくて無限に書けた。おそらくは「不安」といった類の燃料で動いていた心だった。

今回は歌詞を書くよりも難しい。いや、今後ずっと文章を書く事は苦手になるだろう。なるべくその意識は持たないようにしたいが。

音には魔法があった。そこで説明していない感情がメロディであったり、情景はアレンジによって見えたりする。自分の曲の引用になるが「ベランダ」というテーマの中で、そこで書いた物語の中で、曲のアレンジが醸す情景の中で、メロディに乗せて<この雨を見下ろす星になれたら>と歌うのはとても素敵な事だと思ったのだ。ベランダからふわっと浮かんで、ぐんぐん空にのぼって、小さな街の光がキラキラしたり重なる雲を見下ろす、そんな景色が見えた。きっと同じ景色を聴いている人にも見てもらえると思えたのだ。

他に言葉にしたかった事はたくさんある。以前は「もっと切ないんだ」という感情を説明したがっていた。説明に全てを賭けていた。わかってもらいたい気持ちがとても強かった。だから、自分の小さな世界を、平凡な日常を歌にする事にとても臆病だった。生き方について考えてばかりだった。だけど今ここに記した全ての事や感情は、その小さな世界や平凡な日常に全て閉じ込められるように思う。わざわざ説明する必要がないくらい、同じ時代に生きている。小さな世界の中にある一節の可能性と強さがある。

言葉は箱だと思う。同じ言葉でも違う想いが入っていたりする。伝えたい事は以前とほとんど変わっていない。最近、箱を選ぶ事がずいぶん柔軟になったな。という話。

伝わるんだろうかこんな話。メロディがないのは不安だな。すっかり以前とは真逆の感じになってしまった。次回、何を書けばいいんだろう。

<LAMP IN TERREN・松本大>

◆New Album『FRAGILE』
2020年10月14日発売
初回盤 AZZS-111 ¥4,500(tax out)
通常盤 AZCS-1096 ¥3,000(tax out)

<収録曲>
1. 宇宙船六畳間号
2. Enchante
3. ワーカホリック
4. EYE
5. 風と船
6. チョコレート
7. ベランダ
8. いつものこと
9. ホワイトライクミー
10. Fragile
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