疑うことを恐れずに、想像力を絶やさずに、思考せよ。

 2020年9月2日、大人なギターレス四重奏(カルテット)を奏でる4人組“ペンギンラッシュ”がメジャーデビューアルバム『皆空色』をリリースします。尚、4月からの3曲の先行配信に加え、8月5日には「本音」の先行配信をスタートさせるなど意欲的に活動中。圧倒的なスキルと予測できない曲展開が耳をとらえて離さない楽曲をリリースし続ける彼女たち。1曲1曲が濃密な仕上がりとなっているという最新作にご期待を!

 さて、今日のうたコラムでは、そんなニューアルバムリリースに向けて、ペンギンラッシュ・望世(Vo.)による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け!今回は第1弾第2弾に続く最終回。綴っていただいたのは、今作の収録曲「二〇二〇」に通ずる想い。人類は半ロボット化、人体にAIが埋め込まれる…そんな日がやってくる可能性が近いとしたら…。この曲の真の想いに、エッセイで触れてみてください…!

~歌詞エッセイ最終回:「二〇二〇」~

夢を見ているだけと 思い込んでいたい
“解放”を掲げた悪に 擦り込まれていく
用意されたものとも知らずに

思考を整えられる 記録されていくの
昨日を疑いもせず 飲み込まれていく
用意されたものとも知らずに
二〇二〇」/ペンギンラッシュ


時は20XX年
サイバネティック・アバター生活が
構築された都市では
人類は半ロボット化、人体にAIが埋め込まれ
超管理社会が完成された
記憶は記録され、思考は統一されていく
事実は闇に葬られ、シナリオ通りに事は進んでいく
娯楽は全て用意されたもの
捨て駒とも気づかずに人々は踊らされている
思考力を失い、感情が感情なのか
わからなくなっているほどである
この都市では人間はもはや人間ではない
支配するものと支配されるものが分断された都市である

これらを望まなかったものは許されない
人間として認められない
居ないものとして時が進む
だから皆、自ら望んで人間を辞めていく



こうなる日は
案外近いのかもしれない

豊かとは
人間とは
生きるとは何か
死は恐れるものなのか

今見せられているものは
本当に真実なのか

私たちは生きている
溢れた情報を選択できる
疑うことを恐れずに
想像力を絶やさずに
思考せよ

<望世>

◆紹介曲「二〇二〇
作詞:望世
作曲:ペンギンラッシュ

◆3rd Album 『皆空色』
2020年9月2日発売
VICL-65398 ¥3,000+税

<収録曲>
01 本音
02 二〇二〇(読み:ニセンニジュウ)
03 あいだ
04 冴えない夜に
05 月草
06 turntable
07 eyes
08 woke
09 淵
10 高鳴り
11 喫水(読み:キッスイ)
12 色彩