さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースしたリーガルリリーのボーカル&ギターであり、全曲の作詞作曲を手掛けている“たかはしほのか”による歌詞エッセイを【前編】【後編】に分けてお届けいたします!今回は【前編】に続く【後編】。綴っていただいたのは、アルバムリード曲「GOLD TRAIN」にまつわる散文と、アルバムに関してのお話。是非、歌詞と併せてご堪能ください。
~スペシャルエッセイ【後編】:「GOLD TRAIN」~
このアルバムの制作をしている時、川沿いに住んでいました。トラス橋の上を通る電車が水面に映ると、わたしも何処かへ行けるようです。満員電車の窓から顔を覗かせたサラリーマンも、水面に映り美しく揺れています。「GOLD TRAIN」は、電車の光に包まれた人々の帰る場所を曲にしました。私はどこへ向かうのだろうか。最終地点はきっと誰にも訪れる死です。
誰の元で死にたいんだろう、一生の無意識の中。
わたしは、そこへ向かいます。
宝石を覗き込んだ君の目は宝石だった
僕を覗き込んだ君の目は僕だった!
このアルバムで1番大切にしたのは、五感です。もし、その一つ一つが考える力を持っていたのなら、それぞれの目先の風景もまた違います。
初めて空の大きさに気づいた足。
月の小ささに泣いた目。
誰かを喜ばせた手。
ノイズに手を伸ばす耳。
私はいつでも、言葉を音に乗せてファイリングして部屋に飾ります。音楽を使って写真を撮るように、またその雰囲気に帰ることができるように。いつまでもこのアルバムが私の隣で元気付けてくれますように。
<たかはしほのか>
◆紹介曲「GOLD TRAIN」
作詞:たかはしほのか
作曲:たかはしほのか
◆1st Full Album『bedtime story』
2020年2月5日発売
KSCL-3205 ¥2,727+tax
<収録楽曲>
1. ベッドタウン
2. GOLD TRAIN
3. 1997
4. 林檎の花束
5. キツネの嫁入り
6. そらめカナ
7. ハナヒカリ
8. 猫のギター
9. まわるよ
10. 子守唄のセットリスト
11. ハンシー
12. bedtime story