LACCO TOWER

「命短し、気にしなさんな。」

 2019年8月21日に“LACCO TOWER”のメジャー5thフルアルバム『変現自在』がリリースされました。全10曲が収録されている今作。ボーカルの松川ケイスケは、コメント内に「現実の先にある未来、未来のように見える現実なんて、我々はいくらでも変えていける」「大人のロックバンドがひねり出した傑作を、是非ご賞味下さい」と綴っております。

 さて、今日のうたコラムではそんな想いが込められた“変現自在”な最新作をリリースしたLACCO TOWERの松川ケイスケが、ご本人歌詞エッセイを執筆してくださいました!3週連続でスペシャルな記事をお届けいたします。今回は第1弾エッセイに続く第2弾です。歌詞と併せてご堪能あれ…!

~M-2「必殺技」歌詞エッセイ~

我々は平等ではありません。生まれる時代も、生まれる場所も、家も、顔も、声も、背も、体型も、この世に全く同じ人間など存在しないように、我々は平等ではないのです。

でもその中で唯一平等なものがあります。それは時間です。今や人生90年と言われている時代。天寿をまっとう出来たと仮定すると、とどのつまり90年×365日の32,850日、もう少し計算すると、32,850×24時間で788,400時間(おおよそですよ)が、我々に残された「時間の貯金」ということになります。

今この文章を読んでくれているあなたは、人生の788,400分のいくつかを私に使ってくれているということになるのです。いや実にありがたい。感謝です。

話は戻って、「時間の貯金」から必ず天引きされるものがあります。生きる上で我々に無くてはならないもの。そう、睡眠や仕事です。

中でも睡眠は、平均人生の約3割を使用すると言われています。そしてほとんどの方はお仕事をなさっているでしょう。日本の平均的な勤務時間で考えれば、仕事は人生の約1割 を使用すると言われています。さて勘の良き方はお気づきかもしれませんが、この時点で既に人生の4割が、今この時代に生きている以上使用しなければならない「時間の貯金」ということになります。

厄介なことにこの貯金は定量的に増やすことが出来ません。定性的に且つ感覚的に時間を長く感じることはあるでしょう。しかしながらあなたの預金通帳の預け入れ欄に時間が溜まることはないのです。

あれ、これ歌ネットだよね? と思われた方もいるかもしれませんが、ここからが本題です。というか、言いたいことはもうだいぶ言わせていただきました。今回書きたかったのは我々の曲「必殺技」に関して。

前述した通り、減りゆく時間を増やすことはできません。でもその時間を長く良質なものに変えていくことは誰にだってできるはずです。あなたは誰かに悪口を言われることはないですか? ひどく傷つけられることはないですか? その度にゴールのない迷宮に迷い込んだ感覚に陥り、まるで世界に誰も味方がいないような感覚に襲われてはいませんか?

私はあります。それもよくあります。その度に、私の時間の預貯金はぐんぐんと下降を続け、下手すると目も当てられないくらいの引き落としをしていることが多々あります。所詮このような商売です。批判は華。言われてなんぼの芸の道とは思っておりますが、振り返れば一人の人間。弱い部分もほんの少しあるがゆえ、毎度毎度この厄介ごとに困らされておりました。小心者の私は、それによって出来ない事も出てくる始末。弱音を吐くのも、強がるのも上手じゃない幕下役者では、とてもとても耐えきれない時間が過ぎ去っていくのです。

少し距離をおけば見えるのに。少し目をつぶれば見なくて済むのに。そんな簡単な答えに気づかず、そんな馬鹿な第三者に操られる預金通帳なんて、ありえないじゃないですか。巡り巡ってたどり着いた答え。馬鹿を倒す方法の一つはまさにこれ。

「命短し、気にしなさんな。」

くたびれてしおれかけているあなた。どこかであなたへエールを送る歌が、人が、場所が、そして技があるんだよと、我々の「必殺技」は歌いたかったのです。私自身のエールに。あなたへのエールになれるように。

目を潰して見なきゃいい。せいぜい一度きりの人生、カウントが勿体ないでしょう? 788,400時間分の少しを使ってくれたあなたに、幸せな人生が訪れますように。

<LACCO TOWER・松川ケイスケ>

【最終回に続く!】

◆紹介曲「必殺技
作詞:松川ケイスケ
作曲:LACCO TOWER

◆メジャー5thフルアルバム『変現自在』
2019年8月21日発売
COCP-40914 ¥3,000+税

<収録曲>
1 若者
2 必殺技
3 線香花火
4 泥棒猫
5 地獄且天国
6 炭酸水
7 六等星
8 不機嫌ノ果実
9 永遠
10 夜明前
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