悲しくて虚しくて、私は小さな星の光を見つけてあげたいなと思った。

ななみ
悲しくて虚しくて、私は小さな星の光を見つけてあげたいなと思った。
2019年8月12日に“ななみ”がニューアルバム『MR.』をリリースしました。彼女は、EDMトラックにアコースティックギター、独特のリズムワークで乗っかる歌声でオリジナルの音楽スタイルを展開するシンガーソングライター。令和初の今作には、アルバムタイトル曲「MR.」をはじめ、全6曲の新曲が詰まっております。 さて、今日のうたコラムではそんな“ななみ”本人が執筆した、ご本人歌詞エッセイ最終回をお届けします! 第1弾 では、これまで彼女が歩んできた人生、今作に込められた真の気持ち、タイトル『MR.』に託した想いなど、ニューアルバムに関する内容を綴っていただきました。 第2弾 では、収録曲(1曲目~3曲目)のセルフライナーノーツ前編を。そして今回はその後編(4曲目~6曲目)をお楽しみください! ~ニューアルバム『MR.』 セルフライナーノーツ後編~ 曲は誰かに評価されて初めて自分の宝物になる。「聴いてくれる人がいて私達はシンガーソングライターでいられる」分かってはいるけど、それに気づけるチャンスを逃してしまう時がある。出口のない迷路に迷い込んだ時はずっと朝が来ない真夜中に一人で歌ってるみたい。やっと朝が来たって思えるキッカケを作ってくれるのはいつも誰かの言葉。新しく産まれた6つの曲達、前回に引き続き3つ紹介したい。 M-4.「 Deadline 」 “惚れてないのに 触れてないのに 揺れてないのに I'm so hot 欲してないのに 言ってないのに 泣いてないのに 赤いデッドライン越えてないのに どうしてこんなにも苦しいのか Deadline Deadline” どんなに仲がいい友達でも、全てを見せたはずの恋人でも、私には昔から超えてはいけないと思ってしまう線がある。大好きだけど、ここから先はあなたが来るべき場所ではないと拒絶してしまう。それはきっと、踏み込ませてしまったら荒らされると決めつけているから。でもたまに線を超えていなくても、心が揺らぐような人は現れる。気づいたら自分がその線から足を踏み出してしまっていたり…。誰かを好きになるのは時に自殺行為だ。別に惚れてないはずなのに、胸が苦しくなったら聴いてほしい曲。 M-5.「 CRY 」 “朝が来るまで夢を語った 隠し続けた傷も見せた 気づかずにはいれないくらい この想いに感動してる It's alright. 大事なのはぶつからない事じゃない Cuz I don't care. やり直すことが大事なんだって It's alright. そう教えてくれた I want to be at your side.” 「落ち着いてる」「しっかりしてる」私は子供の頃からそう褒められることが多かった。気づいたら「落ち着いていないといけないんだ」「しっかりしていないといけないんだ」と思い込むようになり、子供っぽい一面や弱い部分は人に隠すようになった。慣れていたので別に苦しくも寂しくもなかったが、そんな自分が初めて人の前で涙を流した時、その涙を見た人は「君にも弱い部分はあるんだね。嬉しい」と喜んで微笑んでくれた。自分のみっともない姿を見せて喜ぶ人がいるなんて、思ってもみなかった。なんだ、私泣いてもいいんだ。そう気づいて一気に心は楽になり、前よりも優しく強くなれた気がした。昔の私みたいに涙を堪えている誰かに聴いて欲しい曲。 M-6.「 STAR 」 “明けない夜の星達よ 必ず誰かが指を指す 身体に鞭を打ちながら 輝く輝け 明けない夜の流星 誰かが願い目を閉じた 儚い夢まといながら 瞬く瞬け You are lighting shooting star.” 東京に上京して初めて夜空を見上げた時、地上が明るいせいなのか、星が全然見えなかった。地元の大分県ではあんなに沢山の星が見えていたのに…。遠くの街で一人ぼっちな事を確信したみたいでとても寂しかった。一番星だけしか見つけられない東京の夜空は、まるで東京そのものだなと思った。みんな一人一人頑張っていても、ほんの一握りの星しか輝けない。遠くにいる誰かに見つけられることはないんだ。なんだか悲しくて虚しくて、私は小さな星の光を見つけてあげたいなと思った。「頑張れ!見てるよ!」ってそう伝えたくて、この曲が産まれた。あなたの努力を見てる人は必ずいる。そう信じて欲しい。 <ななみ> ◆ニューアルバム『MR.』 2019年8月12日発売 NANA-001 ¥2,000+税 <収録曲> 1.FIRE 2.CHAMELEON 3.MR. 4.Deadline 5.CRY 6.STAR acoustic ver. 収録曲歌詞一覧