純烈 スペシャル ロングインタビュー! 新作アルバム、初の武道館公演、岩永洋昭 の卒業についてもたっぷりと!「俺はなるべく避けてきた…」(酒井) 初となるオリジナル・アルバム『純烈魂 1』が9月4日発売! 初となる日本武道館ワンマンライブが11月25日に開催! 所ジョージ 書き下ろしの新曲も!
インタビューの最後に、直筆サイン色紙 の 読者プレゼントあり!
Junretsu
純 烈
1st Original Album『 純烈魂 1 』(じゅんれつだましい いち)
★ 紅白 6年連続出場中! 2010年デビュー、人気の「スーパー銭湯アイドル」4人組!
★ 初となる オリジナル・アルバム『純烈魂 1』が 2024年9月4日に発売!
★ 2024年の既発シングル4曲に、書き下ろしの新曲6曲の全10曲収録!
★ 純烈らしい楽しいアルバム!
★ 収録曲『君が涙をくれる時』が NHK「ラジオ深夜便」の「深夜便のうた」に!
★ 初となる 日本武道館ワンマンライブが 2024年11月25日に開催!
★ 昨年、新加入した岩永洋昭が、2025年3月末での卒業を発表!
★ 所ジョージ が勝手に書き下ろした新曲も進行中!
★ 新作アルバム、初の武道館公演、岩永洋昭の卒業についてたっぷりと!
★「俺はなるべく避けてきた…」(酒井)
■ オリジナル・アルバム リリース情報


■ シングル リリース情報




■ コンサート 情報
第一興商 presents 純烈 in 日本武道館 純烈魂
公演日時: 2024年 11月25日 (月) 開場 13:30 / 開演 15:00
公演会場: 東京・日本武道館
チケット: 限定グッズ付きアリーナ席 33,000円 (税込)
アリーナ席 13,200円 (税込)
スタンド席 8,800円 (税込)
一般発売: 2024年8月2日(金)10:00~
純烈 コンサート 2024
7月31日(水)リンクステーションホール青森(青森)
8月 1日(木)トーサイクラシックホール岩手(岩手)
8月24日(土)けんしん郡山文化センター (福島)
9月 5日(木)市川市文化会館(千葉)
9月 9日(月)宇都宮市文化会館(栃木)
9月13日(金)茅ヶ崎市民文化会館(神奈川)
9月27日(金)関内ホール(神奈川)
10月 2日 (水) 愛知芸術劇場(愛知)
10月 3日 (木) 愛知芸術劇場(愛知)
10月23日 (水) 京都劇場(京都)
10月24日 (木) 京都劇場(京都)
10月30日 (水) 高崎芸術劇場(群馬)
11月13日 (水) サンケイホールブリーゼ (大阪)
11月14日 (木) サンケイホールブリーゼ (大阪)
明治座 新春 純烈公演
公演日時: 2025年1月7日(火)~ 1月28日(火) 12時 / 17時
公演会場: 東京・明治座
新歌舞伎座 純烈公演
公演日時: 2025年2月6日(木)~ 2月17日(月) 12時 / 17時
公演会場: 大阪・新歌舞伎座
■ 純烈 スペシャル ロング インタビュー!
左から、後上翔太、白川裕二郎、酒井一圭、岩永洋昭
酒井 一圭(さかい かずよし)49歳 身長 186cm リーダー
白川 裕二郎(しらかわ ゆうじろう)47歳 身長 185cm
後上 翔太(ごがみ しょうた)37歳 身長 179cm
岩永 洋昭(いわなが ひろあき)44歳 身長 187cm
純烈 は、不思議なグループだ。現在のメンバーの誰一人として、歌手を目指していたわけではない。誰も歌手になりたいと思っていなかったのに、「NHK 紅白歌合戦」には 2018年の初出場以来 6年連続出場中。ボーカルグループであることに間違いはないが、「歌手なのか?」と問われると、ちょっと違う気もする。メンバー 4人中 3人が 40代後半というオジサン 4人組 なのに「スーパー銭湯アイドル」という肩書きがあり、「アイドル」と呼ばれる。
先日、2024年6月23日、15年目のデビュー記念日には、初の日本武道館ライブの開催が発表された。リーダーの 酒井一圭 も「キャリアハイを叩き出している平均年齢がアラフィフのグループって日本に存在していない」と言うように、純烈 は、年々、勢いを増している。
つまり、純烈 は、不思議な魅力を持った、これまでにはなかった全く新しいタイプのグループということで、まさに唯一無二の存在だ。ファンだけでなく、業界関係者からも好かれる 4人で、その姿に、みんな思わず応援したくなってしまう。
「夢は紅白!親孝行!」をキャッチフレーズに、2010年に『涙の銀座線』でユニバーサルミュージックからメジャーデビューした 純烈(デビュー当時は 6人組)。しかし、最初は全く売れなかった。その後、ユニバーサルミュージックとの契約が切れ、2013年からは、日本クラウンに移籍したが、それでも最初は全く売れなかった。
ところが、2012年、ある幸運な出会いがきっかけで始まったスーパー銭湯での活動が、2015年ころからワイドショーなどで取り上げられたことが転機となり、徐々に脚光を浴び、その後、「スーパー銭湯アイドル」として一気に認知度が上がった(結成までと売れるまでのヒストリーを知りたい方は、2021年のインタビュー記事をご覧ください。最下部にリンクを付けておきます)。
その後、2016年に発売された通算 7枚目のシングル『幸福(しあわせ)あそび』、翌 2017年の『愛でしばりたい』がヒットし、2018年には『プロポーズ』で「NHK 紅白歌合戦」に初出場。以来、6年連続出場中で、今や、テレビやラジオ、CM、イベントなどでも引っ張りだこだ。
しかし、純烈 は、幸運や、単なるもの珍しさで売れているわけではない。ただそれだけなのであれば、「NHK 紅白歌合戦」に 6年連続出場することもないだろう。
おごらず、ウソがなく素直で、飾らず、フレンドリー。サービス精神が旺盛で、お客さんに対しては「そんなことまでやるのか!」というくらい徹底的にやる。そうは見えないかもしれないが、常に全力で必死。メンバー全員、楽しませることが大好きで、そこに、エンタテインメントの真髄がある。単純に、歌がうまければ、歌手になれるというわけでもないし、お客を楽しませることができるわけではない。
実際、2024年の全国ツアーは、「日本全国津々浦々のファンのために」ということで、3月〜11月までの 8ヶ月間に、日本全国、全61公演もコンサートが予定されており、たとえば、先月、2024年6月には、全国ツアーや地方でのコンサート、「大江戸温泉物語」などでの温泉ライブなどを含め、1ヶ月間で 23公演もこなしている。その他にも、イベントやキャンペーン、取材、テレビやラジオの生出演や収録、レコーディングや歌のレッスン、座長公演の芝居の稽古などが入ってくるから、本当に休みがほとんどないくらい忙しい。
そして、今の活躍は、純烈 の生みの親であり、リーダーであり、自身もパフォーマーでありながらプロデューサーでもあるというプレーイング・マネージャー、酒井一圭 の頭脳によるところが大きい。
結成のころ、リーダーの 酒井一圭 が「メジャーデビューも番組も決まっている、紅白も見えている」などとウソをついてメンバーを集めたというエピソードがよく知られていることもあり、「思いつきだけで行動する調子のいい人」に見えるかもしれないが、決してそんな人ではない。
たしかに、アイディアマンなだけに、天才的なヒラメキで、思いつきでの言動ということもあるが、実は、グループを俯瞰し、時代を分析して緻密に戦略的に考えている。まるで経営者のような発想で、常に先を見て、どんどん新しいアイディアで攻め続けようとする。鋭い嗅覚を持ち、当たり前ではない見方が出来る人だ。
しかし、純烈 は、リーダーだけでは成立しないし、今の活躍は、ほかの 3人のメンバーがいてこそだ。純烈は、実にバランスの良い 4人組だと思う。
2024年9月4日には、純烈 として初となるオリジナル・アルバム『純烈魂1(いち)』が発売される。今年、2024年に発売された既発のシングル 2曲『純烈魂』と『夢みた果実』とそれぞれのカップリング曲に加え、オリジナルの新曲 6曲を加えた計10曲が収録される。オリジナルの新曲 6曲は、いずれも、それぞれに違った魅力を持ったいい曲ばかりで、純烈 らしい楽しいアルバムになっている。
そして、今回の取材(7月5日)の直前、6月30日には、前メンバーの 小田井涼平 と入れ替わる形で 2023年1月に加入した 岩永洋昭 が、来年、2025年3月で 純烈 を卒業することが発表されたため、インタビューでは、新作アルバムと初の武道館公演のことに加えて、岩永洋昭 の卒業のことに関しても聞いた。
<もくじ>
1 昨年、新加入した岩永洋昭が、2025年3月末での卒業を発表
〜「劇的に違ったっていうことではないんです…」(岩永)〜
2 白川裕二郎、後上翔太 の 岩永洋昭 への想い
〜「自分と置き換えたら正しいものなのかなって…」(白川)〜
3 初となる オリジナル・アルバム
〜「俺はなるべく避けてきた…」(酒井)〜
4 酒井一圭 が作詞した新曲 ①『サヴァイヴァルダンサー』
〜「ユージュアル・サスペクツ状態なんですよ…」(酒井)〜
5 酒井一圭 が作詞した新曲 ② 『キミとボク』『ミラクル太陽』
〜「前日の夜は "嵐" を聴きましたね…」(後上)〜
6 純烈 のヒストリーを落とし込んだ応援歌『デジャビュー』
〜「ありがたいことなのかなって思いますね…」(後上)〜
7 NHK「深夜便のうた」になったバラード『君が涙をくれる時』
〜「コレ聴いたら安心してくれるって言うかね…」(酒井)〜
8 初の日本武道館公演に向けて
〜「いろんな方たちに支えてもらってね…」(白川)〜
〜「本当に正直な気持ちですね…」(岩永)
〜「大学の入学式が武道館だったので…(笑)」(後上)
〜「また自分で自分の首絞めてるような…」(酒井)〜
9 所ジョージ が勝手に書き下ろした新曲も進行中
〜「会ってないんだよ…」(酒井)〜
1 昨年、新加入した岩永洋昭が、2025年3月末での卒業を発表 〜「劇的に違ったっていうことではないんです…」(岩永)〜
ーー 2010年 6月23日に、シングル『涙の銀座線』で ユニバーサルミュージック から メジャーデビューした 純烈 は、最初、6人組だった。ブレイク前の 2016年に 林田達也 が脱退し、「NHK 紅白歌合戦」に初出場した翌年、2019年1月に 友井雄亮 が引退した(結成までと売れるまでのヒストリーを知りたい方は、2021年のインタビュー記事をご覧ください。最下部にリンクを付けておきます)。
ーー その後は、4人で活動を続けていたが、オリジナルメンバーの 小田井涼平 が、2022年12月に 純烈 を卒業し、入れ替わる形で、2023年1月から新メンバーとして 岩永洋昭 が加入した。純烈 に新メンバーが加わるのは、これが初めてのことだった。
ーー 酒井一圭 や 白川裕二郎、卒業した 小田井涼平 らと同じく、岩永洋昭 は特撮ヒーロー作品出身で、2010年の『仮面ライダーオーズ/OOO』などに出演している。もともと 純烈 と同じ事務所「ジースター・プロ」の俳優部に所属しており、純烈 加入前の 2021年に公開された 純烈 初の主演映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』にも出演している。
ーー そういう以前からも交流があった 純烈 から、2022年、オリジナルメンバー 小田井涼平 の卒業が発表されたタイミングで、新メンバーとして誘われた。
岩永: 実は、その(加入の話がある)前から、ウチの奥さんと娘と義理の母が、純烈 を見に行きたいっていうので、まだ俳優部にいたときに、「相模健康センター」とか「大江戸温泉物語」とか見に行かせてもらってて、すごいやっぱ喜んでて……、っていう流れがあったんですね。
岩永: それで、実際、(純烈 のメンバーとして)誘われたときに、「自分にはもう母親はいなくて」ってなったときに、「夢は紅白!親孝行!」っていうキャッチフレーズでやってる中で、実の親ではないけど、義理の母とか家族を喜ばせられるというそういう状況があるんであれば、やってみようかなっていう……、それがそのときの気持ちということでしたね。
ーー 岩永洋昭 が 純烈 に加入する前年、2022年の9月に、新メンバーとして発表され、「純烈 デビュー」となった 2023年1月までの約 3ヶ月間、歌と振り付けの猛特訓をした。得意でもなく、やったことすらなかった歌やダンスを、しかも、他のメンバーが 10年以上かけてやってきたことをたった数ヶ月で覚えるというのは、並大抵のことではなかったと思う。
ーー 純烈 デビューのあと、最初のころは、あぶなっかしい感じもあったが、最近は、ごく自然に見える。たしかに、ほぼ毎日のように大小のコンサートやイベント、テレビなどで歌っている 純烈 のあのハードスケジュールをこなしていれば、「習うより慣れろ」で、そうやって自然と出来るようになっていくものだ。
ーー そんな中、先日、2024年6月30日に、岩永洋昭 が 2025年 3月末をもってグループを卒業することが発表された。卒業後も、これまで通り「ジースター・プロ」に所属し、俳優としての活動を続ける。
ーー 卒業の理由として、「充実した日々の中で、家族と過ごす時間がなくなっていたことを自分なりに考えた結果」とコメントされていた。岩永洋昭 には、妻と 8歳になる娘がいる。純烈 に入って活動してみると、現実は、想像以上に過酷なスケジュールだったのだろう。
岩永: あっ、でも、それは想定の範疇って言うか……、そこがもう劇的に違ったっていうことではないんです。「忙しさ」っていう部分では、ある程度、覚悟していた部分もあったんですけど、でも、その裏側で言えば、「その(家族との)時間がこれだけ取れないのか」っていうのを、入ってみてから 1年半かけて、なんとなく実感したっていうことがあったなっていうのが……、そうですね。
ーー 発表の時、岩永洋昭 のコメントともに、ほかのメンバーのコメントもあった。とくに、リーダー 酒井一圭 のコメント が良かった。
酒井: いや、あれが刺さる人って言うのは、なんか昔気質って言うかな……(笑)、わかんないけど……(笑)。まあ、家族を優先する人っていうか、優先の仕方は人それぞれだと思うから。自分の場合は、家族を優先にしたが故、激しく働いてね、お金を渡そうという考え方だったし、それぞれなんだよな〜っていうかね。
ーー 岩永洋昭 が、リーダーの 酒井一圭 に話したのは、いつ頃だったのだろう?
岩永: 4月くらいですかね。今年(2024年)一発目、「大阪 新歌舞伎座」の公演をやって、そこからいろいろワーッとある中で、ちょっと何となく思ってたことを相談したっていうのがきっかけですかね。
ーー まずは、「純烈をやめる」ということではなく、相談だった。
酒井: いや、それは、もう、やめる手続きに入りますよ……(笑)。無理にね、そういう感じで働くことではないし……。要は、ニュートラルなところでやりながら感じていくわけじゃないですか。で、自分のとこに相談に来るっていうのは、もうそれなりのことだから。なので、もうそっからは、「しゃ〜ないな」っていうことだし、それぞれの思いの中のことだから。じゃあ、それを聞いて、「どう 岩永(洋昭)を後押ししていこうか」っていうかね、「どう応援していくか」っていうことだけなので。
酒井: まあ、でも、とはいえ、いろんな関係各所へのお知らせの仕方も含めたり、いろんなことがやっぱりあったので、それで、もう 4月に相談を受けて、6月30日には発表したっていうね。
ーー 発表が早いのも 純烈 らしい。11月に予定されている初の武道館公演のときでも良かった。
酒井: いやいや……、いや全然……。やっぱり、そこはもう全然で、小田井(涼平)さんのときと一緒で、早く発表して、ひとつひとつご挨拶しながら去っていく……。小田井(涼平)さんも、4月発表で 12月卒業だから、そういう感じだったので。
酒井: まあ、ただ、「武道館の前に、岩永(洋昭)の卒業発表っていうのは、ちょっとハッピーじゃないよな」っていう印象が強いとは思うけどね。でも、やっぱり、6月23日は自分たちのデビュー日なので、そこの武道館発表ってのは、もうフィックスだったんですよ。なので、(岩永卒業の発表は)「それの前というよりは、その後やな」っていうのがあったんですよ。
酒井: でも、来年の 3月まで猶予があるので……、武道館も、アルバムも、明治座も、新歌舞伎座も、まだまだ 純烈 で頑張ってもらわなあかんし、会えるし、そこで、徐々に徐々に……、小田井(涼平)さんのときと一緒で、「別れに慣れていく」っていうこと……。
酒井: だから、この間も、旭川と札幌でコンサートだったんですけど、旭川、札幌のお客さんとか、地元のおばあちゃんたちは、初対面の 岩永(洋昭)やけど、ハイタッチ会では、「達者でな、長生きしてね、さようなら」っていうお別れの仕方になるわけよ……(笑)。
岩永: そうなんですよ〜……(笑)。その「長生き」って言うのは、ボクの家系がみんな短命だからで、だから、ボクも、やっぱ短命なんじゃないかと、なんかどっかで思いながら……。で、それを話したら、そうなったんです……(笑)。
酒井: だから、今日から毎日、「長生きしてね」と言われ続け、いつの間にか、来年 3月になっていくっていうことですよね……(笑)。
2 白川裕二郎、後上翔太 の 岩永洋昭 への想い 〜「自分と置き換えたら正しいものなのかなって…」(白川)〜
ーー 後上翔太 は、岩永洋昭 の卒業という話を聞いて、どう思ったのだろう?
後上: いや、ホントに、小田井(涼平)さんのときとおんなじじゃないですけど、やっぱ、とくに 岩永(洋昭)さんの場合は、(純烈に)入る決断も結構近いタイミングでしてるんですよね。で、入る決断をすることの重みとかもわかるし。あとは、同じ生活してる中で、やっぱそういう生活しながらちょっと身を引こうっていう卒業っていう決断を下すっていうことも、どれだけ考えて葛藤があってというのは、なんとなくわかるし、もしかしたらそれ以上かもしれないって考えたら、もう卒業っていうことに関しては、尊重の一手しかないと思いますね。
後上: あとは、もう、同じメンバーとしてやることって言ったら、卒業までの道が、願わくは花道になるようにってことだけですね。小田井(涼平)さんのときじゃないけど、「ありがとうね、バイバイ」っていう俺らメンバーとかスタッフもそうだけど、ファンのみんなに、なるべく多くの方に見に来てもらって、心の底から手を振るっていう残された時間になるようにすることしか、やっぱできないしね。なので、そこを一生懸命やるっていうことが、自分にできることで、思いもそこに込められることかなっていうのは思います。
ーー 「岩永… 早いよ。」というコメントを出した 白川裕二郎 は、どう思ったのだろう?
白川: いやもう、本当にその通りで……。(岩永が)純烈 に入る前にも、岩永(洋昭)とは同じ事務所っていうこともあって、ちょこちょこ話してたんですけど、「本当に 純烈 って大変だし、旅も多いし、大丈夫なの?」って話をしたら、「大丈夫です。ちゃんとその辺は覚悟を決めて入ります」っていう話だったんですよ。だけど、2年経って、これでしょう……(笑)、「めちゃ早いな!」って思いましたよ、やっぱり。「だから言ったじゃん! 大変でしょう? ホントに!」って……(笑)。でも、やっぱり、入ってみないとわかんないことってたくさんあるしね。
ーー 純烈 のスケジュールは、本当に過酷だ。たとえば、今年の全国ツアーは、3月〜11月までの 8ヶ月間に、日本全国で 全61公演も予定されており、たとえば、先月、2024年6月には、全国ツアーや地方でのコンサート、「大江戸温泉物語」などでの温泉ライブなどを含め、1ヶ月間で 23公演もこなしている。その他にも、イベントやキャンペーン、取材、テレビやラジオの生出演や収録、レコーディングや歌のレッスン、座長公演の芝居の稽古などが入ってくるから、本当に、ほとんど休みがないくらい忙しい。
ーー たとえば、今回、取材時間をもらったのは 2024年7月5日の 17:30〜 だったが、その当日は、朝からレギュラーのラジオ番組『純烈・スーパー銭湯!!』(全国AMラジオ18局ネット)の収録(30分番組を 4本)、そのあと午後は、『大竹まことゴールデンラジオ!』(文化放送)に生出演し、レコード会社に移動して取材を 1本受けたあと、今度は事務所に移動してのこのインタビューだった。そして、この取材のあとにも、打ち合わせがあると言う。
ーー しかも、この取材の前日までは、7月3日〜4日に北海道の旭川と札幌での全国ツアー『純烈コンサート2024』があり、7月4日、札幌での 18時〜 の夜公演が終わってから、その日の深夜に帰京している。さらに、この取材の翌日は、大阪箕面市の「大江戸温泉物語 箕面温泉スパーガーデン」で『純烈 天空LIVE51』が行われる。
ーー 頭では理解できても、そういうスケジュールがどれほど大変なのかは、実際にやってみた本人たちでないとわからないだろう。
白川: だから、やっぱその 純烈 のその過酷さっていうのは、本当に大変なことだし、ましてや、彼っていうのはね、僕たちが 10年以上をかけて作り上げたものの中に途中で入ってきたりしたわけじゃないですか。やっぱ、本人も、その孤独と戦いながら頑張ってきたっていうのもあるし、その家族への想いであったりとか……。僕は子供いないけれども、たしかに自分にもしも子供がいて、ましてや 1人娘がいたら、多分、その時間っていうのは大切にしたいなと思ったし、その彼の選択っていうのは、自分と置き換えたら正しいものなのかなっていうふうには思いました。
ーー 岩永洋昭 の卒業は、純烈 の他のメンバーにとっても、ファンにとっても寂しいことではあるが、人気商売というビジネスの面から考えると、純烈 というグループにとっては必ずしも悪いことではない。2023年1月には、岩永洋昭 が新加入したことで話題になり、来年、2025年3月末で卒業することで、また話題になる。それだけでも、純烈 での仕事は十分に果たしていると言えるし、純烈 に貢献したことにもなる。一方、岩永洋昭 も、純烈 にいたことで、今後、仕事が広がるだろうし、お互いにとっていいことでもある。
酒井: そうそう。もう(岩永洋昭が)入った段階で「勝ち確」だったと思うのね。いや、もう、ドライな見方すれば、最高よ。ある種、なんて言うのかな……、すごく大きな話題になるって、やっぱり芸能界においては、めちゃくちゃ大事なことですよね、テレビとかね。
ーー そういう、メンバー個々の意思を尊重し、仮に逆境のときでも、それを好転させるような発想で、常に前向きにグループを進めていくことができるのが 純烈 であり、そこが魅力でもある。
酒井: 小田井(涼平)さんが出ていった後に 岩永(洋昭)が入るっていうのと、クロスするっていうのは、全然違うし、だから、今の 小田井(涼平)さんの大活躍の最大の功労者は、多分、岩永(洋昭)だと思う。だから、やっぱり、小田井(涼平)さんが、すごい恩恵を受けたと思う……(笑)。
酒井: だから、やっぱり、小田井(涼平)さんと 岩永(洋昭)っていうのは、なんか同じポジションで……、うん、「小田井(涼平)さんじゃない全く違うキャラクター入ってきた」っていう驚きだったり、新鮮さだったりね。だからこそ、今、こうやって、逆に、いろんなネットの書き込みとかもあるけども、「はなから違うと思ってた〜」みたいな書き込み……、あれはあれで、やっぱり 小田井(涼平)さんのイメージっていうかね、そういうのもあるやろうし、それも含めて、逆に 小田井(涼平)さんだったりするっていうか……。
酒井: だから、なんか、こう……、何て言うのかな……、(岩永洋昭を)応援させてもらうっていうか……、うまく生きてくって難しい……、だから、これからも頑張るしかないしね。だから、「10年後、カネに困ったら、また戻ればいいんじゃないか?」っていう感じよね……(笑)。
酒井: だけど、そこまで俺らがもってるかどうかは、もうアレやし、お互い、結局、頑張り続けなあかんっていうのは、もうゴールないマラソンですわね。「死ぬまで勝負」みたいになってるから、やるしかないよね。
ーー 現在のところ、岩永洋昭 卒業後、新メンバー加入の予定はない。
酒井: うん。でも、3人で最初やりますけど、お客さんを見ながら「やっぱ寂しいな」とか、「お前ら 3人でステージ埋められてないよ」みたいなそういうノリを感じたら考える……(笑)。ただ、今は……、今回、やっぱり 岩永(洋昭)が、初めて入る人だったわけで、その人の大変さっていうのは、見て思ったし。やっぱり、俺らも、なんだかんだ 純烈 に関してはベテランになってしまうというか……。
3 初となる オリジナル・アルバム 〜「俺はなるべく避けてきた…」(酒井)〜
ーー 純烈 として初となるオリジナル・アルバム『純烈魂1(いち)』が、2024年9月4日に発売される。今年、2024年に発売された既発のシングル 2曲『純烈魂』と『夢みた果実』とそれぞれのカップリング曲に加え、オリジナルの新曲6曲を加えた計10曲が収録される。
ーー 2024年2月7日に発売された通算15作目のシングル『純烈魂』は、メジャー調のゆったり、ほのぼのとした曲調。カップリング曲のひとつ『馬…夢ひとつ』と同じく、リーダーの 酒井一圭 が作詞し、同じレコード会社「日本クラウン」の重鎮であり、馬主としても大先輩の 北島三郎 (原譲二 名義)が作曲した曲だ。
ーー そして、2024年4月3日に発売された通算16作目のシングル『夢みた果実』は、ジュリー(沢田研二)をイメージした、マイナー調アップテンポの曲。2018年の紅白初出場曲『プロポーズ』以降、『純烈のハッピーバースデー』(2018年)、『愛をください 〜Don't you cry〜』(2020年)、『君がそばにいるから』(2021年)、『君を奪い去りたい』(2022年)、『だってめぐり逢えたんだ』(2023年)と 7作連続で、毎年、純烈 のシングル曲の作曲を担当している 幸 耕平(みゆき こうへい)が作詞・作曲を担当している。
ーー 今回のオリジナル・アルバムに収録される新曲6曲は、いずれも、それぞれに違った魅力を持ったいい曲ばかりで、シングル曲も含め、実に楽しいアルバムになっている。
酒井: ああ……、ありがとうございます。
ーー 取材時(2024年7月5日)は、まだ、曲順やタイトルも確定しておらず、聴かせてもらった音資料には、ラフミックスのものもあった。
酒井: あっ、曲順はね……、今夜です……(笑)。
ーー そもそも、このタイミングで、初となるオリジナル・アルバムを作ろうと思った理由を聞いた。
酒井: うん、えっと……、ず〜っと作りたいっていう気持ちっていうのは、純烈 になる前からあってね。なんて言うのかな……、僕は音楽好きやったし、たとえばバンド組んでた 20代前半とかいろんな部分があってね。で、白川(裕二郎)、後上(翔太)っていうオリジナルメンバーを誘う以前に、(今回のアルバムでの)作曲者の 岩崎(貴文)くん、NARASAKI くん、高取(ヒデアキ)さん、このお三方に、(デビュー前に)まずアタックかけてるわけです。「こういうコンセプトで、ムード歌謡で、紅白目指すぞ」と。で、「何かあったら力貸してくれ」と、その確約をそれぞれとメシ食ってね。
酒井: とはいえ、カードを切るのはだいぶ後で、やっぱり、自分も「海のもの」とも「山のもの」ともという、「なんやねん?」っていう 純烈 から始まるので、そのレコード会社だったりプロダクションだったり何の信頼関係もなかったので、いきなり、そういう「この人、優秀なんです」って、人脈傷つけるっていうかね、そういう乱暴な人の使い方はしたくなかったから、やっぱり、まずは、自分が「郷に従え」で、「"この世界で、どんだけ認めてもらえるか" っていうところまでいかなあかん」っていうのが、やっぱり自分の想いだったんで、そういうところから、なんて言うのかな、「そろそろアルバムとかどうですか?って言われるぐらいまでならな」っていうのが、自分の一番の想いっていうのと……。
酒井: それと、あと、小田井(涼平)さんの在籍時だと難しかったかなと……。小田井(涼平)さんって、やっぱクリエイティブだから、クリエイティブ同士が被ると……、50% 50% で 酒井(一圭)と 小田井(涼平)さんのアルバムを作って 純烈 としたときに、一番きついでしょ。そう、だから、やっぱり 小田井(涼平)さんがいる間に、オリジナル・アルバムとされるものは、俺はなるべく避けてきた。それは、小田井(涼平)さんもわかってただろうしね。
酒井: だから、小田井(涼平)さんは、(純烈)卒業のときに、ああいうソロ・アルバム(2022年10月5日発売のソロアルバム『息子がお世話になりました』)を作ったっていうのは必然だったし、それに対して、俺は、一切、なんの口も出さないっていうのが、やっぱり自分の仕事やったと思いますし。
ーー 今回、『純烈魂1(いち)』というタイトルが付いているということは、『純烈魂2』や『純烈魂3』も想定されているということで、気が早いが、今後、どんなものが出てくるのか今から楽しみだ。
4 酒井一圭 が作詞した新曲 ①『サヴァイヴァルダンサー』〜「ユージュアル・サスペクツ状態なんですよ…」(酒井)〜
ーー アルバム 1曲目に収録されている『サヴァイヴァルダンサー』(作詞:酒井一圭 / 作曲:影山ヒロノブ / 編曲:ケンシロー)は、マイナー調アップテンポのアニソン風の曲。サビの「♪⻑い旅の終わりに 君とめぐり逢えた」が耳に残る。
ーー 作詞は、酒井一圭 が手がけ、作曲は、1989年に歌ったアニメ『ドラゴンボールZ』のオープニング曲『CHA-LA HEAD-CHA-LA』などで知られ「アニソン界のプリンス」と呼ばれる 影山ヒロノブ。純烈 では、2021年の『君がそばにいるから』のカップリング曲『NEW(入浴)YORK』(作詞:酒井一圭 / 作曲:影山ヒロノブ / 編曲:須藤賢一)以来の楽曲提供となる。
岩永: ああ……、ボク、本当、個人的な好みとして……、好みって言うか、やっぱりムード歌謡だったりっていうのは歌ってきた経験がないので、それよりは、ボクもアニソンとかヒーローものってやっぱりちっちゃいときから聴いて歌ったりしてましたし、やっぱり、なんかすごい歌ってても気持ちいいって言うか、うわ〜って出来たので、レコーディングとかも、なんか勢いで歌えたっていうイメージがすごいありますね。
ーー 『サヴァイヴァルダンサー』は、酒井一圭 の歌詞が見事だ。難しいメロディに、メロディのリズム感を壊さないようにうまく言葉が乗せてあり、言葉選びもキャッチーで秀逸だ。メロディがあって、そこにあとから歌詞を乗せたのならば天才的だ。
酒井: そぉ? これは曲先ですね、はい。(酒井一圭 が作詞した)新しい 3曲(『サヴァイヴァルダンサー』『ミラクル太陽』『キミとボク』)は、全部、曲先ですね。(既発シングル曲で、北島三郎 が作曲した)『純烈魂』と『馬…夢ひとつ』以外は。
岩永: この『サヴァイヴァルダンサー』は、「明治座で(公演を)やってたときに考えてた」って(酒井一圭が)言ってて、そのときに、「小川菜摘 さんとくっつく」っていうお芝居だったんですけど、それのストーリーになんか似てて、それを、もう、そのままイメージして作ったっていうのは、すごいなと思います。
ーー 去年、2023年9月8日 ~ 10月1日まで、東京の「明治座」で行われた 純烈 の座長公演『明治座 9月 純烈公演』のときに、この歌詞を思いついたということだ。
酒井: 「♪⻑い旅の終わりに 君とめぐり逢えた」っていうサビだけはね、それは「明治座」。要は、もうサビまでは、もう、なんて言うのかな、変な話、「なに言ってんのこれ?」って、おばちゃんは思うはず。言葉がこう断片的にね、なってるから、ほとんどのリスナーがね「これ何のこと言うてんの?」って思うはず。
酒井: だけど、そこまでのストレスが、サビでは急にわかりだす歌じゃないですか。そういう効果を狙ってて、だから、(サビまでの)ワケのわからん言葉っていうのは、自分がず〜っとパズルみたいに「これ 2番の方にしとこ」とか、「1番にしとこう」とかっていう感じでやっていくんですけど、サビに関しては、「いよいよ、どうなるんかな?」ってなったときに、(明治座での芝居は)「小川菜摘 さんを抱きしめる」っていう最後そういうストーリーなんですよ。それが、結果的には、いろんなことがあって、最後、「嘘やん! お前やったんか!」っていう再会を果たすっていうような「明治座」と「新歌舞伎座」だったんですね。
酒井: そんときに、「長い旅の終わり」みたいな、なんかそういうセリフのやりとりとかがあったんですよ。それで「いただこう」っていうことだったり……(笑)。
酒井: で、僕、(公演期間中)アパホテルにず〜っと泊まってたんですけど、アパホテルって、部屋に APA 社長と会長の本が置いてあるじゃないですか。あれを見ながら、「なんかパクられへんかな〜」みたいな……(笑)。でも、丸パクリもアレやから、見てインスピレーションもらわれへんかな〜とか……(笑)。だから、やっぱり、電車のつり革(の広告)とか、なんて言うのかな……、ユージュアル・サスペクツ状態なんですよ……(笑)。
ーー さすがに、アンテナの張り方がすごい。
酒井: だから、目に入ったやつから「ハマるか? ハマれへんか?」とか、「あのメロディーずっと気になってんやけど、全然(歌詞が)出てきへんな」っていうのは、突然、看板見て「ボーン」って来たりとかね。それを(パソコンで)打っていくっていう感じですね。
ーー 『サヴァイヴァルダンサー』で言えば、たとえば「♪愛を疑うことも 破られた約束も」「♪愛に逆らう過去も 沈黙の真実も 恐れはしない」の部分など、その言葉の裏側を想像させ、聴き手に書かれていないことを感じさせるところがよくできている。
酒井: ああ……、ありがとうございます。まあまあまあ……(笑)。
5 酒井一圭 が作詞した新曲 ② 『キミとボク』『ミラクル太陽』〜「前日の夜は "嵐" を聴きましたね…」(後上)〜
ーー アルバム 6曲目の『ミラクル太陽』(作詞:酒井一圭 / 作曲:NARASAKI / 編曲:諸田英慈)、7曲目の『キミとボク』(作詞:酒井一圭 / 作曲:ats- / 編曲:清水武仁 (Blue Bird's Nest))も、酒井一圭 が作詞を担当している。
ーー 『キミとボク』は、メジャー調アップテンポのさわやかポップス。後上翔太 のさわやかな歌声が心地いい曲だ。
酒井: うん、うん。
後上: あの……、レコーディング方法として、「ず〜っと(フルコーラス)歌ってみようか」みたいな感じで録って、最初、それで「わかりました!」って言って歌ってから、そのあと、「自分の箇所、自分の箇所」っていってたから、結果、その後、今がどういうミックスの段階にあるかっていうことが把握できてないのと、結果、自分がどこが採用されてるかっていうのは、わかってないんですけど……。だけど、イメージとしては、もうなんか、前日の夜は「嵐」を聴きましたね……(笑)。
ーー 純烈 のレコーディングの仕方として、最初からパート分けされているのではなく、まず、最初に、4人がそれぞれ 1曲を通して歌って、その中から、それぞれのいいところを採用して、結果的に歌い分けになっているようだ。
酒井: そうそう。いちおう、録り方としては、全員、ひとりずつ 1曲通して歌って。
ーー 結果的に、『キミとボク』では、後上翔太 がメインに使われているということは、後上翔太 に合っている曲だったということだ。
酒井: うん、そうだね。やっぱ、『キミとボク』は、一番、若い人が立つだろうなっていう……。逆に、「ここで立ってくれないとな」っていうのがあったな。
後上: キー的にも歌いやすいし、メロディ的にもね。
酒井: 『馬…夢ひとつ』で、後上(翔太)が立っても困るし……(笑)。
後上: なんか、自分が、カラオケで仲間と楽しく歌ってた学生時代とか、ちょうど 2000年代中頃から 2010年代初頭ぐらいまでの時間とかに歌ってたような、なんか「なつかしいな」なっていう感覚はあって楽しかったですね。
ーー アレンジも、YUKI の『JOY』をイメージさせるような、ポップで楽しい感じになっている。
酒井: うん、うん。
後上: ああ、そうですね〜。
ーー そして、アルバム 6曲目の『ミラクル太陽』は、メジャー調、ミディアムテンポの楽しい曲だ。アルバムの中では、一番、純烈 っぽい曲の感じがした。
酒井: うん、わかる。まさに、そうしたかったです。だから「なんだこれは?」って歌にもしたかったし……、うん……、そうなんですよね。
ーー たとえば、「SMAP」などと同じような、全員でユニゾンで歌うさわやかさ、4人の歌声が混じった気持ちよさがある。シングルのタイトル曲ではないが、ファンに人気の『愛は大丈夫』(2022年、13th Single『君を奪い去りたい』カップリング曲)や『言葉足らずのメロディ』(2015年、6th Single『今夜はドラマチック』カップリング曲)と同じような魅力と説得力を感じる。
酒井: ああ〜……、ありがとうございます。
ーー これも、メロディが先にあって、あとから詞をつけた。
酒井: うん、詞は(曲の)あと。いわゆる曲先。で、(作曲した)NARASAKI くんは、「(ライブで)握手しに行くときの曲を書こう」って言って作って、コレをあげてきたんですよ……(笑)。
酒井: 「どこがやねん?」って思いながらも、でも、なんか、(純烈 のデビュー曲の)『涙の銀座線』も電車だったし、なんかやっぱり「999(スリーナイン)」的な雰囲気がもともとこの曲にあったから……、でも、スペイシーだし、「なんだこれ?」って思って……。
酒井: で、なんかもう自分たち「GODIEGO(ゴダイゴ)」曲にして、「もう英語詞、全編でいってやろう」みたいな感じで最初作ってたんですよね、かっこつけて。だけど、やっぱり、なんか、みんなでやったときに、お客さん「ポカ〜ン」になっちゃうだろうな〜と思ったし、「なんかダセ〜な」ってなってきて、で、ちょっとバカバカしさみたいなものも置いておきながら、でも、大切なこともやっぱり……。
酒井: で、(作曲が)「NARASAKI くんだし」っていうのと、この曲がアルバムの中で一番最初に上がって、一番最初に頼んでたし、っていうのがあるんだけど、それは、なぜかというと、やっぱり、NARASAKI くんって最初の仲間で、デビュー前からお願いしてた人で、いよいよいろんな曲付き合っていただいたけど、「ここでビシッと!」っていうふうになったときに、「まず NARASAKI くんの曲を聴いて決めていこう」みたいなのがあったんですよ。
ーー この曲も、歌詞が秀逸だ。たとえば、「♪There is no station」「There is no vacation」「chemical reaction」「A lovely relation」の部分は、洋楽のようにちゃんと韻を踏んでいるし、歌い出しの「♪水金地火木土天海」「♪月火水木金土日」「♪東南西北白發中」は、キャッチーで耳に残る。なかなか、この歌詞は思いつかない。
酒井: それはね……、多分、そっから始まる歌はないだろうっていう感じでね……(笑)。
酒井: あと、この詞に関しては、たまたま、娘が合唱コンクールで、家族で聴いたときに、娘たちはもう何だかわかんない歌を歌ってんだけど、「合唱コンクールって言ったら『気球に乗ってどこまでも』だよな!」とか言って嫁さんと喋ってて、「いや、『モルダウ』だよ〜」とかなんとか言ってるときに、(『ミラクル太陽』の)「♪タ〜ンタ〜タ〜タ〜ン」のところは、「ああ、もう『気球に乗ってどこまでも』でいいや」って思ったんだけど、でも、メロディーが「♪(地球に乗って)どこまで で〜も」だったんですよ。だから、「(地球に乗って)どこまで でも」になったときに、「あっ、"でも" の方が面白い」ってなって、なんかパーツがだんだんだんだん出来上がっていったって感じでしたね。
酒井: それで、最後ですよね、徳永ゆうき の登場は。「どうする? 車掌 入れる? 入れない?」になったときに、NARASAKI くんとボクが、満場一致で「入れよう」ってなって、「徳永(ゆうき)しかいねえな」ってなって。
ーー 『ミラクル太陽』のイントロと間奏には、鉄道オタクとして知られ「車掌モノマネ」を得意とする演歌歌手 徳永ゆうき による「車掌ナレーション」が入っている。
酒井: で、真ん中(間奏)の「紅白 行き〜」みたいなのは、あれはもう 徳永(ゆうき)のアドリブね。やっぱり、徳ちゃん(徳永ゆうき)とも仲良くさせてもらってきて、ましてや、(純烈が)紅白に出る前とかの方が、コラボしたりとかいろいろあったんでね。
酒井: だから、なんかもう、(アルバム制作の)最後の最後に、やっぱり 徳永(ゆうき)が飛んできてくれて、(今回のアルバムで)唯一のゲストなんで、純烈 以外の人の声になるんですけど、「やっぱり、徳ちゃん(徳永ゆうき)だったか〜」っていうのがすごいうれしかったですね。
酒井: で、こういう気の利いたなんか車掌さんの音源をね、山ほど 新宮 さん(日本クラウンの純烈の担当)の方に送ってくれて、それを作曲者たちがチョイスしたんですけど見事ですよね。うれしかったです。
6 純烈 のヒストリーを落とし込んだ応援歌『デジャビュー』〜「ありがたいことなのかなって思いますね…」(後上)〜
ーー アルバム 2曲目に収録されている『デジャビュー』(作詞・作曲:高取ヒデアキ / 編曲:籠島裕昌)は、マイナー調アップテンポで、スカのリズムが楽しい曲。過去に、『純烈一途』(2017年、シングル『愛でしばりたい』カップリング曲)を手がけた 高取ヒデアキ による曲だけあって、純烈 のこれまでのヒストリーを落とし込んだような歌詞で、聴く人への応援歌にもなっている。
後上: いや、そうですね〜。いつぐらいだったかな、レコーディングしたタイミングぐらいの 純烈 の近況を、(作詞作曲の)高取(ヒデアキ)さんがリーダーからヒアリングする中で、歌詞も 高取(ヒデアキ)さんがドーンともうそのままガッツリ作ったっていうアレなんですけど、なんか、一番、感情移入できるというか……。
後上: そういう「自分らの近況」っていうところもそうだし、たとえば、レコーディングに行くタイミングか、その前後の期間に、なんか、朝、満員電車に乗ってたとき、高取(ヒデアキ)さんの(『デジャビュー』の)デモを聴いてたんすよ。そのときに、電車の中を見て「あっ、こういう人たちに向けて歌うんだな」って思ったというか……。わりと、普段は、新幹線とか飛行機で移動してると、旅行に行く楽しみでルンルンした人多いじゃないすか。でも、正直、朝、満員電車で見てると、ルンルンした顔の人なんてほとんどいないっていうか、死んだ目をして「行きたくねえな」っていう鬱々とした雰囲気が漂ってる中で、(『デジャビュー』の歌詞にある)「♪ナイトメア」だし、でも、「やるしかないから行くぞ」みたいな……。
後上: 会社に着いて、たとえば接客やってる人だったら、お店に着いたら満面の笑顔で「いらっしゃいませ」って言うけど、そこに向かう満員電車では「あ〜キツイ」って感じのとこが、やっぱ、なんて言うんだろうな……、「多かれ少なかれ、人って無理してるよね」みたいなもののところに対して、何か叫ぶように歌っていける……。で、楽曲の疾走感だったりとか、グループ感みたいなものを借りながら、「♪ガンバレ!」って。
後上: 最初は、自分らが「そうそう、本当に昨日どこ行ったか覚えてないよな」みたいなところから、自分らのこととして感情が出てるんだけど、気づいたら、「大丈夫! 明日も頑張って!」っていうね……。それは、多分、自分の親父とかも含めてなのかもしれないですけど、必ずしも、そんなに、「よし、今日も 1日、今から始まるお仕事が楽しみで仕方ないです。ウキウキ」なんていう感じじゃない人の方が多いよねっていうことを電車の中で感じたときに、「ああ、じゃあ、そこに向けて、ちょっと力を入れて歌おうかな」って思いました。
ーー 「♪はたらけおじさん はたらけおじさん」は、純烈 のメンバーそれぞれのことでもあり、満員電車の人たちに対してでもある。純烈 のヒストリーを通しての世の中に対するメッセージになっている。
後上: そうですね〜。自分らは「行く場所とか覚えてない」とか「忙しい」とか言ってるけど、どちらかと言ったら、「ウキウキ感を持って仕事ができてる」なんていうことは、実は、結構、珍しくて、ありがたいことなのかなって思いますね。
ーー 「♪脱退謝罪」「♪厄介難題」「♪足がつっても 踊れ」などは、まさに、これまでの 純烈 のことを歌っていて、純烈 ファンであれば、どれもニヤリとする歌詞だ。
4人: ははははは……。
後上: サビまでは、超等身大です……(笑)。
ーー そして、9曲目に収録されている『不条理シャングリラ』(作詞:松井五郎 / 作曲・編曲:日比野裕史 (Blue Bird's Nest))は、マイナー調で 16ビートのアップテンポのポップな曲。シングル候補だったような、よくできた曲だ。
酒井: その通り! シングル候補でした。
ーー サビのメロディがキャッチーで、松井五郎 の歌詞もいいが、歌うのは難しい曲だ。
白川: そう、「えらい歌が来たな〜」と思いましたよ〜……(笑)。難しいんですよ〜、しかも、これね、途中で「♪シャララン シャララン」って入るでしょ、あれね、もとのヤツから言葉数が少なくなってるんですよ。最初、「♪シャラララ シャングリラ」だったんですよ。だけど、みんな言えないから……、ははははは……(笑)。
酒井: 誰ひとり歌えなかった……(笑)。そしたら、(作詞の)松井(五郎)さんが、「ラ」を 1コ減らしてみようって言って、「"♪シャララ シャングリラ" にしよう」ってなったんですけど、それでも、こんなカニみたいなクチになって……(笑)。
4人: はははは……(笑)。
白川: そう、だからね、やっぱりね、いかに 純烈 が、こういう言葉数の多い曲を歌っていなかったのかと。やっぱ、ムード歌謡でデビューしてるじゃないすか。だから、こういうリズム感とかも、やっぱ、どうしても「あとノリ」になるんですよね。
ーー 16ビートで速いから、どちらかと言えば、つっこみ気味に歌わないとリズム感が出ず、遅れて聴こえてしまう。
白川: そう、速いんですよ〜。だから、これ、多分、今年、どっかで絶対歌うようになるじゃないですか。そうなったときに、もう「ちょっとゾッとする曲だな」っていうことですよね……(笑)。
ーー しかし、本当に、シングル曲になってもいいくらい、よくできた曲だ。
白川: いや〜、それは思いますね。本当に、もう素晴らしい曲を書いていただいたなって思いました。
7 NHK「深夜便のうた」になったバラード『君が涙をくれる時』〜「コレ聴いたら安心してもらえるっていうかね…」(酒井)〜
ーー アルバム 5曲目に収録されている『君が涙をくれる時』(作詞:かず翼 / 作曲:幸耕平 / 編曲:坂本昌之)は、メジャー調の 3連バラードで、さわやかな、言葉が沁みるいい歌だ。『NHKラジオ深夜便』の「深夜便のうた」として、2024年8月 〜 9月に放送されることが決定している。ストリングスアレンジも心地よく、これもシングル曲っぽいよくできた曲だ。
ーー 4人の歌唱も素晴らしく、とくに、岩永洋昭 のソロパートの歌声が魅力的で、2コーラス目の同じ箇所、酒井一圭 のソロの歌声も、やさしくさわやかで新鮮だ。
岩永: え〜、ホントですか〜。ありがとうございます。コレ、まだ、ライブではやってないですよね?
酒井: うん、歌ってないよ。だからメロディですら(覚えてるかどうか)ギリだよね……(笑)。コレはね、だいぶ前に、『夢みた果実』(2024年4月3日 発売)と同じくらいに録ってるから。
岩永: そんな前だっけ? もうワ〜ッって録ってるから、わかんなくなるんですよね……(笑)。もう何ヶ月も前にやってるからわかんないっすよ、「どんなやつだったっけ?」みたいな……(笑)。
酒井: 多分、従来のマダムたちもね、コレ聴いたら安心してもらえるっていうかね……(笑)、(アルバムの他の曲を聴いて)「なんかもう、いろんな曲〜、なにこれ〜」ってなってるからね……(笑)。
ーー これまで、純烈 は、複数形態での発売はあっても、基本的に、1年に 1作のシングル曲を発売してきたが、今年、2024年は、すでに『純烈魂』と『夢みた果実』という 2作のシングルを発売している。2作目のシングル『夢みた果実』の発売時に、リーダーの 酒井一圭 が「2024年の純烈シングル祭!第2弾!」と言っていたので、この『君が涙をくれる時』が「第3弾」として発売されるのだろうか?
酒井: いや……、出ない……。もう言っちゃおうかな〜。本当は、3枚いこうと思ったんです。でも、その 3枚目を来年のシングルに持っていきました。だから「シングル祭り」にしようと思ったんだけど、「いや、ちょっともったいね〜な」って思って。
ーー それほどのいい曲が、もうすでにあるということだ。
酒井: あるのよ〜。だから、来年の 1月発売なんで、年末とかになると(劇場公演の)稽古とかが入って慌ただしいじゃないですか。なので、結果的に、今年出そうと思ってレコーディングはしたけど、温存して、来年の頭に持っていこうってことになりました。
ーー 最近のシングルや、テレビで歌っているときもそうだが、今回のアルバムを聴くと、4人の歌が、より魅力的になってきていると感じる。
ーー リードボーカルの 白川裕二郎 は、以前よりもチカラが抜けた感じで、響きがよりよくなり、トーンが明るくなったことで、言葉もクリアになっているし、より、声の良さが際立ってきている。
ーー 後上翔太 も、以前よりも歌声の響きがよくなってきたことで、声が前に出てくるようになり、さわやかで、やさしい感じになっている。
ーー 岩永洋昭 も、歌声の響きが豊かになったことで、安定してきたこともあり、もともと、ほかの 3人とは全く違うかっこいい歌声が、『デジャビュー』『君が涙をくれる時』などで、より魅力を増してきていると感じる。
ーー そして、もともと、魅力的な歌声で、安定した歌唱の 酒井一圭 だが、今回、たとえば、『君が涙をくれる時』などでは、さわやかな新鮮な歌声を聴かせてくれている。
酒井: へえ〜、そうですか……、ありがとうございます!
8 初の日本武道館公演に向けて 〜
「いろんな方たちに支えてもらってね…」(白川)
「本当に正直な気持ちですね…」(岩永)
「大学の入学式が武道館だったので…(笑)」(後上)
「また自分で自分の首絞めてるような…」(酒井)
ーー 今年、2024年11月25日に、純烈、初となる日本武道館でのワンマンライブ『第一興商 presents 純烈in日本武道館 純烈魂』が開催されることが、15年目となるデビュー記念日、2024年6月23日に発表された。約3年前の 2021年に「2024年 純烈・日本武道館公演」と言い出したことが、その通り実現することとなる。
白川: いや〜、武道館って、まあ、その歴代、やっぱりいろんなアーティストの方たちが出られてるじゃないですか。でも、まさか、温泉施設から出てきた 純烈 が、ああいったね、日本でも本当にもう皆さんも知ってるような会場じゃないですか。そこに立たせてもらうっていうのは、自分たちにとっても「ここまで来たか」っていうふうに思いましたし、それは、やっぱり、いろんな方たちに支えてもらってね、ここまで来たっていう……。
白川: で、やっぱり、ファンの皆さんっていうのが、もちろんね、一番大きかったし、「よくぞここまで 純烈 を支えて応援してくれたな」っていうふうに思ったのでね。だから、11月25日、 結成して 10数年経ちましたけれども、純烈 のひとつの節目として、大きな花火を打ち上げられるように、がんばっていければなと思います。
岩永: 入って 1年目で、いきなり「紅白」に出させてもらって……(笑)。で、2年目で、(純烈を)「やめる」って言ってるのに武道館って……(笑)。
岩永: ボク、武道館って行ったことないんですよ。そう、他のアーティストさんのコンサートでも行ったことなくて、中に入ったこともないんですよ。そういう人生初で、いきなりワンマンで、いきなりステージに立つ側で、だから、もう「こんなにありがたいことはないな」っていうのが、本当に正直な気持ちですね。
岩永: 本当、ボク個人としても一生の思い出ですし、来てくださるお客さんにも、やっぱり「もう、一生の思い出!」って言ってもらえるようなライブにしなきゃいけないなって……。スタッフさんも絶対大変だろうけど、もう力を合わせてやりたいなっていう気持ちですね。
後上: あの……、武道館といえば、大学の入学式が武道館だったので、立ったことがあるっていう……(笑)、「それ以来だな」っていう……(笑)。お客さんじゃなく、自分が立つっていう意味ではね。入学式も、いちおう入学生なんで、お客さんとは違う方だったんで……(笑)。
後上: って、「そうだったよな〜」ぐらいにしておかないと、最初の「紅白」……、『プロポーズ』歌った最初の「紅白」のときは、相当、エモく臨んだんですよ、初だったし。力が入って「ぐっ〜」てなってたら、結果、何が起こったかって言うと、(ステージで)後ろにお客さんがいて、そこにラウンドしながら歌って自分自身だって初めての「紅白」なんですけど、あの 2分ぐらいがほぼ記憶ないんですよ。
後上: で、2年目もいろいろあって、その年の年末も「レコ大」「紅白」にたどり着けたんですけど、2年目の「レコ大」も、相当そういう思い入れを持って臨んだんですよ。そしたら、思いっきり動き間違えるっていう……(笑)。
後上: で、その翌日の「紅白」からは、もうとくにエモくならずにいって、その目の前に広がる光景だったりとか、「多分、そんな何回も見れるものじゃないし」っていうので、しっかり目に焼き付けるっていう方を重視しだしたんですよね。そしたら、結果的に、見てくれも良くなったし、自分としても楽しめるっていう。
後上: だから、いつものコンサートよりもだいぶ長い時間やると思うんですけど、今回も、多分、万感の思いを込めすぎると、何の記憶も残らないっていうのがあると思うんで……。今日が、まだ 7月なんで 4ヶ月前ですよね。4ヶ月前の段階では、もう、非常にライトに、ふわっといた方が、当日、楽しめるだろうし、自分も当日楽しみたいし、来た人にも楽しんでもらいたいっていう、その二つを楽しみにっていうのを最大限満喫するためにはどうしたらいいかなっていうところは大きいですね。
酒井: なんか……、あの 2021年に、ブログに(「2024年 純烈・日本武道館公演」と)書いてるじゃないですか……。そういうつもりだったんだけど、古いファンの人、ガオレンジャー(『百獣戦隊ガオレンジャー』)とかから応援してくれてるヤツとかって、やっぱ長いから、要は、「新宿ロフトプラスワン」時代に、「俺、ちょっと紅白出ようと思ってるよ。だから、もう俳優とかやめちゃって、グループ組んでで紅白行くから」みたいな……(笑)。
酒井: で、トークライブに来てても「はぁ?」って言って、ほとんどの人間がいなくなるんだけど、数名、そのまま 純烈 を応援するヤツがいて、そいつらには、たとえば、「後上くん、大丈夫?」とかって話になったときに、「いや、わからんけど、なんかまだ見込みがあると思ってるよ」みたいなこと言いながらサインしてたりの時代があって、で、そいつらに、「見て」って差し出されたのが、2018年にも関わらず、「紅白」決まる前、「紅白」出場してないその前ですよ、だから、多分、11月から 12月にかけてやってるんだと思うけど、「次は日本武道館」って書いてあるんですよ。
酒井: で、それ見たときに、もう我ながらぞっとして……(笑)、もう自分の中の記憶は、コロナ禍で離れたマダムを元気づけるために(2021年に)言ったまでのことで、自分の中でもそうなってるのに、ブログタイトル変えただけって思ってんのに、全然、違うんですよ。すでに、紅白に出る前の 2018年に「次は日本武道館」って言ってる……、その辺は、自分でももうワケわからないから……(笑)。
ーー 純烈 結成時からのキャッチフレーズ「夢は紅白!親孝行!」同様に、これも、言っておいて良かったと思うし、純烈 らしい。
酒井: まあ、喜んでくれる人が多いから……。だし、自分自身も立ちたかったのかな〜って。
酒井: やっぱり、自分の中でイメージって……、今回、初めてやるじゃないですか……、でも、2回目は楽しみたいって思ってる。つまり、すでに 2回やろうと思ってるんだよね、もう……(笑)。で、(2回目には)何やるかって言うと、(コンサート本番で)出し切って、(音響担当の)木島かなんかに肩かかえられて、矢沢(永吉)と一緒、「衣装のまま車に乗って家に帰る」みたいなことをやりたいわけよね……(笑)。
酒井: それは、ひょっとしたらポーズかも知れない……。「映像と撮り終わったか〜?」みたいな、「あんまり使えなかったな〜」とか言いながら、「帰り、ラーメン大勝軒に寄って!」とかっていうパターンかもしんないし、本当に、もう サブちゃん(北島三郎)とのレコーディングの後みたいな、「なんで、これ救急車じゃねんだ、この車!」とか言ってるかもしれないんだけど、でも、今回は、なんだかんだ「お釣り残してやるんだな」とわかってる。
酒井: だから、そういうなんか「始まりの起爆剤」っていうか、「キックオフな感覚」が自分の中であって、それで、目の前広がって、「うわ〜、やっちまったな、どうすんだろ武道館やったあと……」って。武道館で、これ見ちゃった人が、健康センターの俺ら見たときに、「めちゃくちゃしょぼく見えんじゃねえかな」ってことだったりすると思うんですよね、こういう音楽性も含めて。『サヴァイヴァルダンサー』でバーンって出てきたのに、「どうなるの?」みたいな。だから、まあ、また自分で自分の首絞めてるような、そういう……(笑)。
ーー 武道館は、ひとつのゴールではなく、次のステップの始まりということだ。
酒井: いや、もう、全然、始まりですよ……、全然、始まり。
ーー どんな特別な演出を考えているのだろう?
酒井: いや、でも、これはまたね……、今までで言うと「LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)」が最大だったり、「NHKホール」が最大だったり、(今回)純烈 史上最大の規模というときに、自分はなるべく関わらないようにすると……。なぜなら、たとえば、自分が演出で、自分が武道館で自分で立ち位置決めて、自分でピースを決めて、自分で「はい、イントロ」みたいなのって、めちゃくちゃ寒いですよ。だから、演出家とかちゃんと立ててやるんでね。
ーー このへんも、自分自身をも客観的に見ることができている 酒井一圭 らしい。もう「好きに料理してください」ということだ。
酒井: そう。「1曲目は『サヴァイヴァルダンサー』で行こうよ」とか、そういうのはあるけど、でも、演出に関しては、もうその辺は、もうみんなに任せてっていう感じですね。いや、もう無理よ〜。
9 所ジョージ が勝手に書き下ろした新曲も進行中 〜「会ってないんだよ…(笑)」(酒井)〜
ーー 昨年、2023年11月1日から、今年、2024年2月11日まで、「純烈・酒井一圭プロデュース『セカンドチャンス オーディション』」として、「純烈ジュニア」のようなグループを結成すべく、募集が行われていた。純烈 よりも若いグループで、純烈 ではやれないことを、酒井一圭 はやろうとしているようだ。
酒井: はい。まだちょっと言えないんだけど……、もうちょっと……。でも、進行中です。
ーー これまで、様々なアイディアを次から次へと出し、実現させてきている リーダーの 酒井一圭 だけに、ほかにも、まだ何かたくらんでいることがきっとあるはずだ。
酒井: いや、ないよ。もう勝手に向こうからタマ飛んでくるからね……(笑)。岩永(洋昭)がやめるとかさ……(笑)。勝手に飛んでくるのよ、それを、もうバンバン バンバン……。
後上: 9日も飛んできてるしね。
酒井: そうそう、9日に、所(ジョージ)さんの歌をレコーディングするんですよ。
酒井: それは、白川(裕二郎)と 俺が、『所さんお届けモノです!』(MBS/TBS系テレビ)って番組に出たの(2024年7月14日放送)。で、その番組は、所(ジョージ)さんがスタジオにいて、ゲストがロケをして、所(ジョージ)さんにプレゼントをするっていうのが番組のコンセプトなんですよ。
酒井: で、今回、ボクらは、淡路島のロケで、作業着を着て軽トラ運転して、玉ねぎが美味しいとか、お魚があるとかで、所(ジョージ)さんに一品食べ物をこしらえて「淡路島の食べ物」みたいな感じでやると。
酒井: で、番組が、カメラだけ軽トラに付けてね、運転してる俺と 白川(裕二郎)2人きりにして、後ろから車で追っかけながら、トランシーバーで指示してくる。
酒井: で、「所(ジョージ)さんの印象は?」って話になったときに、(これまでは)意外と絡んでないのよ。昔からテレビで見てるし、だから、「絡めたらいいんだよな〜」っていう話をしつつ、「そういえば、後輩の 新浜レオン に(所ジョージ が)曲を提供して、だんだん、演歌・歌謡曲にもチカラ貸してくださって、ありがたい」って言ってて、で、最後に、「所(ジョージ)さんに書いてもらえるようになったら、うれしいよな〜」って言ったわけ。
酒井: そしたら、所(ジョージ)さんがスタジオ収録のときに、その VTR を見て、「OK! わかりました〜。来週までに書いておきましょう」ってなって、ほんで、帰りにプロデューサーに、「俺、もうイメージ湧いたから、帰って 純烈 さんの曲書くわ」って言って帰ったっていうのが、(純烈 マネージャーの)山本さんに連絡があって、「おい! お前ら、なんか余計なこと言うたんか?」「いやいやいや、そりゃ言うやろ。そんなん真に受ける?」みたいな。
酒井: で、(純烈 マネージャーの)山本さんが、「所(ジョージ)さんが曲書き始めてるぞ」って言ったときに、「あんた(山本)、スタッフの車に乗ってたやん。俺ら言うたやん。それを、スタジオで見た VTR を真に受けて曲作る人なんて聞いたことない」って……。でも、それを、所(ジョージ)さんは、本当にやっちゃったんですよ。(所ジョージ とは)会ってないんだよ……(笑)。
酒井: ほんで、ノリさん(木梨憲武)のラジオ(TBSラジオ『土曜朝6時 木梨の会。』で、所(ジョージ)さんがもうそのことを喋っちゃってる。「この間さあ、純烈 さんが出てくれてさあ。で、曲をお願いしますって言うから、俺、書いたんだよ」って言って、で、所(ジョージ)さんの YouTube(所さんの97チャンネル)にも、「純烈さん用」ってもう曲が上がってるわけ、すでに。
酒井: ほんで、それを見たときに、「挑戦状」みたいな感覚になるわけですよ、所(ジョージ)さんからの。で、所(ジョージ)さんの事務所を調べて、こっちから電話かけたの、八王子のこの間の東京公演(2024年6月27日「J:COM ホール 八王子」)の楽屋から。
酒井: そしたら、所(ジョージ)さん、本当に電話に出るのよ。ほんで、「うれしい〜!」とか言ってくれて、「乗ってくれちゃった〜 純烈が〜!」とか言って、「所さん、あんなんで曲書くとかってマジ?」っつって、「普通、レコード会社とか事務所からお願いするやん」「いや、そうじゃなくてさ〜。なんか遊びたくてさ〜。え〜! これに乗ってくれるの〜? 純烈?」っていうのがトントン拍子で進んで、今度、7月9日に所さんのところに行ってレコーディング……、「はぁ?」って……(笑)。
ーー 純烈 にとっては、また話題となるいい話だ。純烈 には、そういうふうに、業界内からも自然と人が集まってくる。そういう魅力を持ったグループということだ。
ーー 最近、所ジョージ は、木梨憲武 とのコンビで、新浜レオン の最新のシングル『全てあげよう』(2024年3月27日 発売)や、荻野目洋子 の新曲『Let's shake』(2024年4月3日 配信)を制作している。所ジョージ が曲を書き下ろし、木梨憲武 がプロデュースし、歌手より先に 木梨憲武 が歌ってしまうということをやっている。
酒井: そうそう。で、それ、7月に入ってからくらいの話だからね。まだ、1週間くらいの間に、そんな出来事がもう……。で、そこに ノリさん(木梨憲武)が絡んでくるとか……、もうワケわからん……(笑)。
ーー 所ジョージ によって書き下ろされた 純烈 用の新曲『たった2秒の恋』は、きっかけとなった番組『所さんお届けモノです!』でも紹介され、後日、レコーディングの模様なども紹介されるとのことだ。この曲が、いつ、どのように発表されるのか気になる。
酒井: うん、出したいなと思ってます。だから、ヘンな話、武道館で歌ってるかもしんないしね。もう、とにかく……、今、だから、所(ジョージ)さんと 岩永(洋昭)のことで、てんやわんやで……(笑)、ほんまに……(笑)。「何、このグループ?」つって……(笑)。
4人: ははははは……(笑)。
酒井: だから、相変わらずですよ、純烈って。
(取材日:2024年 7月5日 / 取材・文:西山 寧)
純烈 の デビューまでのヒストリーが知りたい方はコチラ↓
いろいろわかる… 純烈 ロングインタビュー!歌ネット版「純烈物語」!(2021年)
「オバちゃんに背中押されてしまって……」

締め切りは、2024年 8月14日 (水) まで!
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