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Kitri ライヴレポート ライブレポート

Kitri ライヴレポート

【Kitri ライヴレポート】 『Kitri Debut Live Tour 2019 「キトリの音楽会#1」』 2019年2月1日 at JZ Brat SOUND OF TOKYO

2019年02月01日@

撮影:藤井 拓/取材:千々和香苗

2019.02.06

姉のモナと妹のヒナによるピアノ連弾ユニットのKitriが憧れの存在である大橋トリオに見出され、1月23日にEP『Primo』でメジャーデビューを果たした。大阪、東京、福岡で開催したデビューライヴツアー『キトリの音楽会#1』は全公演がソールドアウト。2月1日にJZ Brat SOUND OF TOKYOで行なった東京公演は、タイトルの“音楽会”に相応しいシックな会場にピアノとパーカッションがセットされ、開演前からどんな一夜になるのかと期待が膨らんだ。

アーティスト写真と同じ真赤なワンピースで登場したふたりは、颯爽とピアノに向かってまずはクラシック曲「スペイン風の踊り」で華やかな幕開け。EP『Primo』の収録曲「細胞のダンス」はリズミカルな連弾がドラマチックで、一定の高さを保つモナの歌声にヒナの透き通るコーラスが合わさると、幸福感とともに何か切ない想いも押し寄せる。美しいメロディーには不安感も入り混じっていて、たまらなく胸が締め付けられる感覚もKitriが持つ特徴のひとつなのだと実感。また、気持ちが高揚したあとに聴く「一新」のハーモニーはより一層心に染みわたり、最後の《ここからでしょう》のワンフレーズにはこれからの希望も感じた。

堂々とした演奏とは別に、MCでは“姉妹”としての姿を垣間見られるのも嬉しいところ。“双子ではなく姉妹であることを一番に覚えて帰ってもらいたい”という切実な想いを明かしたり、モナが“普段は流暢に話せるタイプ”と自称しながら用意したカンペをヒナに呼んでもらったりと、場が和むやりとりに会場の緊張感もほどけていく。かと思えば、ジャジーにアレンジされた「硝子の少年」のカバーで大人っぽいムードに変え、次へ次へと潔く空気を変えていくメリハリの良さにも拍手をしたい。カバー曲は他にも「ペチカ」や「林檎殺人事件」などを披露。“Kitriなりの”と恐縮しながら、複雑なメロディーもメロウに歌いこなし、ユニットの個性をしっかりと魅せつけた付けた。

“空想の旅に出られる一曲”と紹介した新曲「矛盾律」には彼女たちのチャレンジも込められていて、この日一番の驚きがあった曲。モナがピアノで目眩くフレーズを奏で、ヒナはギターや鉄琴で楽曲を彩るが、途中モナが立ち上がってピアノから離れると、ふたりでカホン、カスタネット、鈴、ギロと音を重ねてループマシンで再生。まるでふたりだけの楽団が出来上がり、賑やかにラテンリズムを刻むと、歌詞にも出てくる“ジャングル”でワルツが鳴っているような空間に。“上手くいって良かった(笑)”と安堵する表情も見せたが、会場は“こんな楽曲も用意されていたなんて!?”とサプライズを受けたような感動に包まれる。でも、絵本の世界のように楽しい楽曲なのになぜ“矛盾律”なのかと、また探究心でいっぱいになった。

EP『Primo』のCDの帯に書かれた大橋トリオの“彼女たちの世界観の中の住人になりたい”という言葉をふと思い出して共感したり、譜面をめくる時の深呼吸、音が止まる瞬間に頷いたりと、いつの間にか自分もふたりのタイミングに入っていく感覚も心地良かったこの日の音楽会。“全国に羽ばたいてくれた曲”と話した『Primo』のリード曲「羅針鳥」を聴いた時、これからはこの曲に導かれたたくさんの人々が彼女たちのもとへと集まっていくのだと確信した。ふたりは終始“こんなにたくさんの方に来ていただいて”と嬉しさを言葉にしていたが、この日からもっと大勢の人とKitriを観る日を待ち遠しく思う。

撮影:藤井 拓/取材:千々和香苗

Kitri

キトリ:幼い頃よりクラシックピアノを学んでいた姉妹によるピアノ連弾ユニット。ふたりが大ファンだと公言する大橋トリオの手に自主制作音源が渡ったことをきっかけに、大橋が手掛ける2016年公開映画『PとJK』の劇伴音楽に参加。2019年1月には同じく大橋がプロデュースしたEP『Primo』でメジャーデビューが決定した。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    1. スペイン風の踊り(フォーレ:組曲「ドリー」より)

  2. 5

    5.ペチカ(カバー)

  3. 6

    6.硝子の少年(カバー)

  4. 7

    7.林檎殺人事件(カバー)

  5. 8

    8.矛盾律

  6. 9

    9.傘

  7. 10

    10.リズム

  8. 12

    12.この道(カバー)

  9. 13

    <ENCORE>

  10. 14

    1.LIFE

  11. 15

    2.名残