LIVE REPORT

DIR EN GREY ライヴレポート

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【DIR EN GREY ライヴレポート】 『TOUR18 WEARING HUMAN SKIN』 2018年8月24日 at 東京国際フォーラム ホールA

2018年08月24日@ 東京国際フォーラム ホールA

撮影:尾形隆夫/取材:金澤隆志

2018.09.19

DIR EN GREYの8都市15公演ツアー『TOUR18 WEARING HUMAN SKIN』が8月2日の京都公演を皮切りにスタートした。3年9カ月振りとなる10thアルバム『The Insulated World』のリリースを約1カ月後に控えた、いわば誕生前夜とも呼べるタイミングでのツアー。その折り返し地点とも言える東京公演2デイズが8月23日と24日、東京国際フォーラムホールAにて行なわれた。彼らの“今”を確かめるべく、その2日目に足を運んだ。

「詩踏み」で幕が切って落とされたその瞬間から、空調の効いた場内の温度が一気に上昇するのを肌で感じた。白いベールを頭に被り、演壇の上に仁王立ちする京(Vo)。その殺気が場内に只ならぬ緊迫感を充満させていく。「蜷局」「腐海」「理由」といったシンプルなギターリフを基調としたミディアムテンポ曲が続いたあと、初めて耳にする音が響き、場内の空気が一変。アルバム『The Insulated World』からの新曲だ。「Devote My Life」と「軽蔑と始まり」の2曲。その後、「Ranunculus」と「Values of Madness」の合計4曲が演奏された。曲毎にベクトルの指し示す方向は異なるが、頭に浮かんだのは“凝縮”“濃密”といった言葉。演る側と観る側、お互いの腹の内を探り合うような不思議な感覚。だが、既発曲同様に楽曲の世界観を明示してくれる映像のおかげですぐに没入することができた。

アンコールではDIR EN GREYのエクストリームサイド、アクセルベタ踏みの「THE IIID EMPIRE」「羅刹国」といった楽曲群が場内にヘドバンの嵐を誘発。それまでおとなしめだった楽器隊も堰を切ったように、ステージ狭しと暴れ回る。そして、舞台上からメンバーが去ると、暗転のまま「Ranunculus」のMVが上映。ヴィヴィッドな色彩と煽情的な楽曲が観る者を引き込んでいく。その片鱗を覗かせることで、ニューアルバムへの期待をいっそう高めた公演となったことは言うまでもない。10月に予定されている欧州ツアー後の動向が気になるばかりだ。

撮影:尾形隆夫/取材:金澤隆志

DIR EN GREY

ディル・アン・グレイ:カテゴライズ不能かつ不要なロックバンド。1997年の結成当時から全米デビューを果たした現在に至るまでの間、音楽的にも視覚的にも変化を重ねてきた一方で、徹底的に自分たちのロックを追求しようとする姿勢は変わっていない。いくつものトレンドが生まれては消え、消費されるだけの音楽が存在理由を失っていく中、彼らの創造するものがジャンルや国境の壁を超えながら共鳴を集めている理由は、まさにそこにある。 http://direngrey.co.jp/

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