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SPYAIR ライヴレポート

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【SPYAIR ライヴレポート】 『SPYAIR TOUR 2018 -KINGDOM-』 2018年4月18日 at 日本武道館

2018年04月18日@日本武道館

撮影:鳥居洋介・中島未来/取材:榑林史章

2018.04.26

SPYAIRの全国ホールツアー『SPYAIR TOUR 2018 -KINGDOM-』の追加公演が4月18日に東京・日本武道館で開催された。まるでハリウッド映画のような、スケールの大きなOPムービーで幕を開けたライヴ。城壁のようなセットには、これまで幾度とない戦火を潜り抜けてきたであろう戦いの痕跡が。それはそのまま、SPYAIRのこれまでの道のりの険しさを物語っているようだった。

「RAGE OF DUST」「イマジネーション」「アイム・ア・ビリーバー」と、冒頭からヒット曲を連発したライヴ。“ようこそSPYAIRのライヴへ!”と、いつものIKE(Vo)の雄叫びが特別な夜へと誘えば、ヘヴィなロックサウンドに合わせてファンは手を挙げ声を出し、早くも武道館がひとつになった。MOMIKENのベースとKENTAのドラムが、唸りを上げるようにロックを奏でるインストコーナー。IKEとUZ(Gu&Programming)がラップで戦う、ハイスピードのミクスチャーナンバー「BRING IT ON 〜Battle of Rap〜」。アンコールではIKEとUZが「My World」をアコースティックで聴かせたほか、このツアーでお馴染みのリクエストコーナーでは、久しぶりに演奏する「OVER」が選ばれてファンを喜ばせた。

何があっても信じてついてきてくれた、ファンに向けた手紙のような「Be with」。目を潤ませながら真心を込めて歌うIKEの歌声が、ファンの涙を誘う。アンコールのMCで“歳食うと涙腺が弱くなって”とIKE。“わかる!”とUZ。ステージ上で笑い合うふたりの姿に、会場には温かい空気が広がった。

6年ぶりの武道館に“6年前はみんなの声援が上から降ってくるようなものすごい声だったんだけど...、今日はそれすらを越える声援が後頭部から頭上まで降ってきてびっくりした”と、終始テンションが高かったKENTA。UZは“4年前、絶対に諦めないとつぶやいてから、本当に諦めなくて良かった”と、感無量の様子だった。実はこの日、IKEをはじめメンバーが個人Twitterを再開したことがファンの間で話題になっていた。それに寄せてKENTAから“今日はごめんじゃなくて、ありがとうと言うべきだよ”と促され、“みんな本当にありがとう。僕らが返せるのはきっと言葉とかじゃないから。今日はこの素敵な会場を使って、みんなに歌を曲を、SPYAIRの曲をしっかり届けていきたいと思います”と、ファンへの感謝の言葉を口にしたIKE。それを静かにやさしい笑顔で見守ったMOMIKEN。

最後に演奏した「Goldship」は、何があっても揺るがない絆と大切な仲間への賛歌。《あの頃、俺たちバカだったと...笑える今日はいいね》という歌詞が胸に響く。ライヴ中、何度か噛みしめるように“SPYAIRっていいな〜”と言ったIKEの言葉が思い出される。この時、止まっていたもうひとつの時計の針が、カチカチと音を立てて動き始めた。

撮影:鳥居洋介・中島未来/取材:榑林史章

SPYAIR

スパイエアー:2005年結成。10年8月にシングル「LIAR」でメジャーデビュー。東京ドームでのステージをバンドの次なる目標に掲げ、新たなるフィールドに挑んでいく、いわば“戦への狼煙上げ”となる第一弾シングル「THIS IS HOW WE ROCK」を16年7月にリリース。同年11月に発表した“戦い”をテーマにした「RAGE OF DUST」はTVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期OPテーマとして大きな話題を呼び、ロングセールスを記録。17年8月にはオトナの土ドラ『ウツボカズラの夢』主題歌でもある「MIDNIGHT」をリリースした。

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