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LM.C ライヴレポート

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【LM.C ライヴレポート】 『LM.C TOUR 2017 「The Never-ending Veda」TOUR FINAL 「The VEDA -GRAND FINALE-」』 2017年10月24日 at 赤坂BLITZ

2017年10月24日@赤坂BLITZ

撮影:加藤ゆき/取材:土屋京輔

2017.11.10

デビュー10周年に伴って行なわれたツアーを締め括った千葉・舞浜アンフィシアター公演から約1年。その際に片鱗が明らかにされたアルバム『VEDA』は2016年12月にリリースとなったが、そこに刻み込まれていたのは“POP”であり“ROCK”である、maya(Vo)とAiji (Gu)が生み出すLM.C固有のスタイルの新たなる進化だった。

アルバム『VEDA』を引っ提げた今回の国内ツアーは春に続いて2度目。しかも、タイトルには“The Never-ending Veda”と冠されている。メンバー自身が同作をいかに重要なものとして捉えているのか、そういった事実からも窺い知れるだろう。全国転戦のファイナルとなったこの日も、観応えのあるパフォーマンスで魅せた。

mayaが右手を高く掲げて“始めよう”とスタートしたオープニングの「LET ME’ CRAZY!!」から、彼らが繰り出す音には確かな主張があった。長らく愛聴されてきたマテリアルにしても聴こえ方が従来とは違う。その様相を導いているのは「レインメーカー」「CHAKRA」「Fight Club」「阿修羅」「GaMuShaRa」「Phobia」「Kiss me?」といった『VEDA』からの楽曲群である。“(ツアーを通して)曲が成長した”(maya)とのMCもあったが、何よりも象徴的に感じたのは「MONROEwalk」が披露された場面だ。彼ら自身を鼓舞するようにも映る歌詞、偉大なる先人たちのアートへのオマージュ。ロックンロールの本来的な匂いが、LM.Cの音楽として昇華されていることが改めて分かる。

これまでのさまざまな実験があるからこそとも言えるが、多彩な色合いで楽しませる『VEDA』の説得力を高めているのは、根源にあるバンドサウンドの存在だろう。これは言い換えれば、Aijiとmayaにとって初期衝動と同義の原点である。その核心がステージにおいても力強く体現されていく。

“やべぇ、終わりを始めようぜ!”と『VEDA』の幕開けたる「The BUDDA」を最後の1曲として配したのも意味深い。Aijiは“来年につながるような、いいライヴになりました”と口にしたが、それも納得だった。すでに開始されているという新作に向けての創作も、より充実したものになるに違いない。

撮影:加藤ゆき/取材:土屋京輔

LM.C

エルエムシー: 2006年10月に1stシングル「Trailers【Gold】」「Trailers【Silver】」でデビューした、Aijiとmayaのふたりからなるロックユニット。ビジュアル系バンドが出自である彼らだが、その音楽性はビジュアル系ロックパブリックイメージから解き放たれた、あくまでもポップで自由なもの。へヴィなギターリフやラップ、EDMなど、ビジュアル系という枠にとらわれないさまざまな音楽要素が混在した音楽性が彼らの持ち味である。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 13

    13.We are LM.C!!∼The Anthem of Strong Pop∼

  2. 17

    17.CRAZY A GO GO

  3. 20

    20.PUNKY ❤ HEART

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