冬組の歌詞一覧リスト  11曲中 1-11曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
いつか笑えるように大丈夫 そばにいるよ だから今は おやすみ 目が覚めた時 世界が変わっていても 君は君だから 大丈夫 そばにいるよ 全てを受け止めるから だから今は おやすみ  ガイさん。 大丈夫? 心配をかけてすまない。 ガイ、記憶は? ああ……全て思い出した……。  幼い頃、俺は日本に住んでいた 売れない役者だった日本人の父とザフラ人の母…… 三人家族の慎ましい暮らし 俺は昔からあまり感情を表に出さなかった 母が普通の子供と違うと心配するたび 父はそれを笑い飛ばした 無理して普通にすることはない 自分を偽る必要なんてない 父はいつも俺を安心させてくれた そんな父が……大好きだった……  父はある日、MANKAIカンパニーの公演に連れて行ってくれた。 生まれて初めて見る芝居は楽しくて、すごく感動したことを覚えている。  それからしばらくして 両親は離婚することになった…… 一方的に離婚届を突きつけると 母は俺を連れてザフラ王国へと帰ろうとした 別れ際、父は俺に あのお守りを握らせた いつか、きっと迎えに行くと……  じゃあ、あのお守りはお父さんが……。 だからあんなにボロボロだったのだね……。  帰国してまもなく、母は再婚した 新しく出来た義理の父は 感情を見せない俺を 気味悪がって敬遠した  お前はただのアンドロイド! 感情のないアンドロイド! 繰り返し非難され威圧され 俺はいつしか心を閉ざした…… 父さんとの思い出も いつしか……思い出せなくなった……  この年まで自分をアンドロイドだと思い込んでいたなんて、 愚かにもほどがある。 ガイさん自身の心を守るために、 そう思い込むことが必要だったんだと思います。 ……シトロニアも俺を憐れに思っていたんだろう。 わざわざそのお守りに記録を残し ていたのも、そのために違いない。 違いますよ。シトロンくんは、この写真と同じように ガイさんが笑顔になれる日が来ることを願っていたんだと思います。 いつか、心の底から笑えるように、って……。 ……お守りの中にこれも入ってた。 『涯がたくさん笑えますように』 ……父さんだ。  涯がたくさん笑えますように 涯がたくさん笑えますように ずっと祈っててくれたんだね 思いだす 大好きだった父さんの温もり 凍り付いた心が溶け出して 音を立てて動き出す  オイル漏れか……? それは涙です。 ……そうだな。俺は人間だ。  思いだした家族の思い出 大丈夫 君は君だよ 思いだしたあたたかい記憶 全てを受け止めるから 胸の奥が熱くなる 例え何が起ころうと これは俺が生きている 一人じゃない 証  ありがとう父さん 俺の幸せを祈ってくれて これからは 一緒に笑おう ありがとうシトロニア 大切な大切なことを教えてくれて これからは 一緒に涙を流そう  心が今 もう大丈夫 動き出した これからは これからは もう 止まることはない 一人じゃない冬組亀田真二郎・Yu(vague)Yu(vague)Yu(vague)大丈夫 そばにいるよ だから今は おやすみ 目が覚めた時 世界が変わっていても 君は君だから 大丈夫 そばにいるよ 全てを受け止めるから だから今は おやすみ  ガイさん。 大丈夫? 心配をかけてすまない。 ガイ、記憶は? ああ……全て思い出した……。  幼い頃、俺は日本に住んでいた 売れない役者だった日本人の父とザフラ人の母…… 三人家族の慎ましい暮らし 俺は昔からあまり感情を表に出さなかった 母が普通の子供と違うと心配するたび 父はそれを笑い飛ばした 無理して普通にすることはない 自分を偽る必要なんてない 父はいつも俺を安心させてくれた そんな父が……大好きだった……  父はある日、MANKAIカンパニーの公演に連れて行ってくれた。 生まれて初めて見る芝居は楽しくて、すごく感動したことを覚えている。  それからしばらくして 両親は離婚することになった…… 一方的に離婚届を突きつけると 母は俺を連れてザフラ王国へと帰ろうとした 別れ際、父は俺に あのお守りを握らせた いつか、きっと迎えに行くと……  じゃあ、あのお守りはお父さんが……。 だからあんなにボロボロだったのだね……。  帰国してまもなく、母は再婚した 新しく出来た義理の父は 感情を見せない俺を 気味悪がって敬遠した  お前はただのアンドロイド! 感情のないアンドロイド! 繰り返し非難され威圧され 俺はいつしか心を閉ざした…… 父さんとの思い出も いつしか……思い出せなくなった……  この年まで自分をアンドロイドだと思い込んでいたなんて、 愚かにもほどがある。 ガイさん自身の心を守るために、 そう思い込むことが必要だったんだと思います。 ……シトロニアも俺を憐れに思っていたんだろう。 わざわざそのお守りに記録を残し ていたのも、そのために違いない。 違いますよ。シトロンくんは、この写真と同じように ガイさんが笑顔になれる日が来ることを願っていたんだと思います。 いつか、心の底から笑えるように、って……。 ……お守りの中にこれも入ってた。 『涯がたくさん笑えますように』 ……父さんだ。  涯がたくさん笑えますように 涯がたくさん笑えますように ずっと祈っててくれたんだね 思いだす 大好きだった父さんの温もり 凍り付いた心が溶け出して 音を立てて動き出す  オイル漏れか……? それは涙です。 ……そうだな。俺は人間だ。  思いだした家族の思い出 大丈夫 君は君だよ 思いだしたあたたかい記憶 全てを受け止めるから 胸の奥が熱くなる 例え何が起ころうと これは俺が生きている 一人じゃない 証  ありがとう父さん 俺の幸せを祈ってくれて これからは 一緒に笑おう ありがとうシトロニア 大切な大切なことを教えてくれて これからは 一緒に涙を流そう  心が今 もう大丈夫 動き出した これからは これからは もう 止まることはない 一人じゃない
エンジェルスノー冷たい風が僕を いつの間にか大人にしてた 孤独だけが降り積もる 泥だらけの雪だるま  怖くて見せられなかった 隠してた心の弱さを 笑わずにぶつけあえた場所 そっと手を伸ばせば 届く距離にみんながいて 嬉しくなったんだ  冬が寒さを増すのは 寄り添える為のプレゼント 今夜は少し飲もう ほろ酔いで語り合う 頬が赤く染まる 素敵な帰り道  夜空に舞い上がる雪 そんな奇跡を見せてあげる 孤独だった心に今は 優しさが咲いているよ  みんなで描き足していく 心を繋ぐ冬の星座 手を伸ばせば届く距離で 輝いていけるように  エンジェルスノー ゆらゆら 僕らを白く染めてく エンジェルスノー 大切な冬の贈り物  嫌いだった過去さえも 転がして白く染めていこう 間違った歩みも 後悔や苦しんだ事も 包み込むように  かじかんだ手は温もりを 思い出す為に待っている 今夜はもう少し飲もう ほろ酔いで笑い合う 心があつくなる 素敵なカンパニー  夜空に舞い上がる雪 そんな奇跡を見せてあげる 孤独だった心を照らす 空に咲くイルミネーション  泥だらけになった心も 溶けてって消えた表情も 新しい雪が 包んでくれるから もう一度転がしていこう その先で描いていこう 天使の様な笑顔を  夜空に舞い上がる雪 そんな奇跡を見せてあげる 孤独だった心に今は 優しさが咲いているよ  みんなで描き足していく 心を繋ぐ冬の星座 手を伸ばせば届く距離で 輝いていけるように  エンジェルスノー ゆらゆら 僕らを強く変えてく エンジェルスノー 大切な冬の贈り物 エンジェルスノー いつかは雪解けの中 みんなと共に 新しい季節へ冬組Yu(vague)Yu(vague)Yu冷たい風が僕を いつの間にか大人にしてた 孤独だけが降り積もる 泥だらけの雪だるま  怖くて見せられなかった 隠してた心の弱さを 笑わずにぶつけあえた場所 そっと手を伸ばせば 届く距離にみんながいて 嬉しくなったんだ  冬が寒さを増すのは 寄り添える為のプレゼント 今夜は少し飲もう ほろ酔いで語り合う 頬が赤く染まる 素敵な帰り道  夜空に舞い上がる雪 そんな奇跡を見せてあげる 孤独だった心に今は 優しさが咲いているよ  みんなで描き足していく 心を繋ぐ冬の星座 手を伸ばせば届く距離で 輝いていけるように  エンジェルスノー ゆらゆら 僕らを白く染めてく エンジェルスノー 大切な冬の贈り物  嫌いだった過去さえも 転がして白く染めていこう 間違った歩みも 後悔や苦しんだ事も 包み込むように  かじかんだ手は温もりを 思い出す為に待っている 今夜はもう少し飲もう ほろ酔いで笑い合う 心があつくなる 素敵なカンパニー  夜空に舞い上がる雪 そんな奇跡を見せてあげる 孤独だった心を照らす 空に咲くイルミネーション  泥だらけになった心も 溶けてって消えた表情も 新しい雪が 包んでくれるから もう一度転がしていこう その先で描いていこう 天使の様な笑顔を  夜空に舞い上がる雪 そんな奇跡を見せてあげる 孤独だった心に今は 優しさが咲いているよ  みんなで描き足していく 心を繋ぐ冬の星座 手を伸ばせば届く距離で 輝いていけるように  エンジェルスノー ゆらゆら 僕らを強く変えてく エンジェルスノー 大切な冬の贈り物 エンジェルスノー いつかは雪解けの中 みんなと共に 新しい季節へ
エンジェルスノー (WINTER 2020 Ver.)冷たい風が僕を いつの間にか大人にしてた 孤独だけが降り積もる 泥だらけの雪だるま  怖くて見せられなかった 隠してた心の弱さを 笑わずにぶつけあえた場所 そっと手を伸ばせば 届く距離にみんながいて 嬉しくなったんだ  冬が寒さを増すのは 寄り添える為のプレゼント 今夜は少し飲もう ほろ酔いで語り合う 頬が赤く染まる 素敵な帰り道  夜空に舞い上がる雪 そんな奇跡を見せてあげる 孤独だった心に今は 優しさが咲いているよ  みんなで描き足していく 心を繋ぐ冬の星座 手を伸ばせば届く距離で 輝いていけるように  エンジェルスノー ゆらゆら 僕らを白く染めてく エンジェルスノー 新しい夜が明けるまで  エンジェルスノー 大切な冬の贈り物冬組Yu(vague)Yu(vague)冷たい風が僕を いつの間にか大人にしてた 孤独だけが降り積もる 泥だらけの雪だるま  怖くて見せられなかった 隠してた心の弱さを 笑わずにぶつけあえた場所 そっと手を伸ばせば 届く距離にみんながいて 嬉しくなったんだ  冬が寒さを増すのは 寄り添える為のプレゼント 今夜は少し飲もう ほろ酔いで語り合う 頬が赤く染まる 素敵な帰り道  夜空に舞い上がる雪 そんな奇跡を見せてあげる 孤独だった心に今は 優しさが咲いているよ  みんなで描き足していく 心を繋ぐ冬の星座 手を伸ばせば届く距離で 輝いていけるように  エンジェルスノー ゆらゆら 僕らを白く染めてく エンジェルスノー 新しい夜が明けるまで  エンジェルスノー 大切な冬の贈り物
記憶の鍵鍵のかかった記憶の扉 開ける鍵はなに? わかっているんだ。 きっと眠ればすべてを思い出せる  眠ること それが記憶の扉を開ける鍵 でも、この扉を開けるのが怖い オレはどんな罪を犯したの? 怖い... 自分が自分でなくなるかもしれない 扉を開けないと。わかってる。 でも...眠るのが怖い  怖い 大丈夫 許されない罪 一緒に背負うよ オレがオレでなくなるかもしれない 大丈夫 全てを受け止めるから 一緒に歩こう  鍵のかかった記憶の扉 開けるのが怖かった だけどみんながいれば 開けられそうな気がする冬組亀田真二郎・Yu(vague)Yu(vague)Yu(vague)鍵のかかった記憶の扉 開ける鍵はなに? わかっているんだ。 きっと眠ればすべてを思い出せる  眠ること それが記憶の扉を開ける鍵 でも、この扉を開けるのが怖い オレはどんな罪を犯したの? 怖い... 自分が自分でなくなるかもしれない 扉を開けないと。わかってる。 でも...眠るのが怖い  怖い 大丈夫 許されない罪 一緒に背負うよ オレがオレでなくなるかもしれない 大丈夫 全てを受け止めるから 一緒に歩こう  鍵のかかった記憶の扉 開けるのが怖かった だけどみんながいれば 開けられそうな気がする
Constellation大人になった日を 覚えているわけがない でも子供という武器を 使えなくなった日がある  心の準備も出来てないまま 冬の寒さも知らないまま 不安だけ重ね着して 心の壁があつくなってた  人が出逢う意味を 考えたことはない でも出逢いという奇跡に 救われた日がある  小さな一歩でもいい つかず離れずの距離でいい こんなに心が楽になれる 分かり合える 冬の魔法  星と星が手を繋ぎ 果てしない距離を心が結ぶ 長い夜はlonely  でもみんながいてhappy 夜空に咲いた 笑顔の光  夢と夢が手を繋ぎ 輝きだすConstellation 月が嫉妬するくらいに 眩く光れ 僕らだけの WINTER WINTER  星が出逢う意味を 考えた事はない でも星座になった星の 喜びが少し聞こえる  寂しくなったらグラス持って乾杯 隠した弱さを酔わせるように 好きとか大切ではおさまらない みんなの事を愛している  星と星が手を繋ぎ 輝き出すConstellation 孤独を忘れるくらいに 優しく光れ 僕らだけのWINTER  星と星が手を繋ぎ 果てしない距離を心が結ぶ 長い夜はlonely でもみんながいてhappy 夜空に咲いた 笑顔の光  夢と夢が手を繋ぎ(繋いで) 輝きだす Constellation 月が嫉妬するくらいに 眩く光れ 僕らだけの WINTER WINTER WINTER HA冬組Yu(vague)Yu(vague)Yu大人になった日を 覚えているわけがない でも子供という武器を 使えなくなった日がある  心の準備も出来てないまま 冬の寒さも知らないまま 不安だけ重ね着して 心の壁があつくなってた  人が出逢う意味を 考えたことはない でも出逢いという奇跡に 救われた日がある  小さな一歩でもいい つかず離れずの距離でいい こんなに心が楽になれる 分かり合える 冬の魔法  星と星が手を繋ぎ 果てしない距離を心が結ぶ 長い夜はlonely  でもみんながいてhappy 夜空に咲いた 笑顔の光  夢と夢が手を繋ぎ 輝きだすConstellation 月が嫉妬するくらいに 眩く光れ 僕らだけの WINTER WINTER  星が出逢う意味を 考えた事はない でも星座になった星の 喜びが少し聞こえる  寂しくなったらグラス持って乾杯 隠した弱さを酔わせるように 好きとか大切ではおさまらない みんなの事を愛している  星と星が手を繋ぎ 輝き出すConstellation 孤独を忘れるくらいに 優しく光れ 僕らだけのWINTER  星と星が手を繋ぎ 果てしない距離を心が結ぶ 長い夜はlonely でもみんながいてhappy 夜空に咲いた 笑顔の光  夢と夢が手を繋ぎ(繋いで) 輝きだす Constellation 月が嫉妬するくらいに 眩く光れ 僕らだけの WINTER WINTER WINTER HA
主人はミステリにご執心「彼女は婚約者として完璧な女性でした」 「素人が出しゃばった真似をするな!」 「妹は恨みを買うような娘ではありません」 「まさかこの僕が殺したとでも言いたいのか?」 「……犯人探しはおやめになりますか?」  「コリウスの花言葉は――」  「志岐さま」 「……」 「志岐さま」 「……」 「志岐さま、庭のシクラメンが綺麗に咲いております。 シクラメンの花言葉はご存じで?」 「鷺島。何故僕が無視をしているにもかかわらず話を続ける?」  「無視をしておいでだったんですか?」 「考え事をしていたんだ。お前に邪魔されたくなかった」 「やはり。ではシクラメンを見に散歩にでも」 「花言葉などに興味はない。僕は今重要な……」 「草薙家のご息女も散歩をしている時間なのですが」 「すぐに出かけよう。シクラメンが見たい」 「さすが志岐さま。かしこまりました」  主人と執事 主と従者 僕が主だ ええワタシは執事です こんな言うこと聞かない執事がいるか 「やれやれ志岐さまは犬よりも頭がお悪い」 主人はあの娘にご執心  「おや。この香りはコリウスの花ですね」 「このハンカチはたしか……!」  「おい、あそこに倒れているのは草薙嬢か? 鷺島、すぐに医者を呼べ!」 「志岐さまお下がりください。…もう手遅れです」 「何?」 「草薙さまはもう、亡くなられています」  被害者は草薙家のご令嬢 「なぜ彼女がこんなことに」 「なぜ彼女はこんなところで」 「なぜ彼女はこんな表情で」 死者の声は届かない ならば手がかりから見つける 真実を  「本件を担当する中津啓二です」 「中津啓二……刑事。名は体を表す」 「あなた達が第一発見者という事ですね?」 「なんだその物腰は」 「志岐さまおやめください」 「被害者とのご関係は? 面識がおありなんですよね? ただの友人ですか? それとも……」 「失礼だろう。まさかこの僕が殺したとでも言いたいのか?」 「まあ、我々が捜査すればいずれわかることですから」  「アリスも丞も鬱陶しい」 「褒め言葉と受け取っておく」 「丞は演技でやっていて偉い」 「密くん、それではワタシが演技でなく鬱陶しいようじゃないか」 「そう言ってる」 「皆木の本はこれだから面白い。さあどう出る? 紬、東さん」  「鷺島、すぐに草薙嬢の人間関係を調べろ」 「余計なことに首を突っ込むのは志岐さまの悪い癖です」 「犯人として僕が疑われているんだ。黙ってはいられないだろう」  容疑者は草薙嬢関係者 「なぜ妹がこんなことに」 「なぜ彼女がこんな目に」 「なぜこいつらがここにいる」 犯人はこの中にいる 必ず明かしてみせる 真相を  「草薙嬢の兄君、草薙静馬さまと、草薙嬢の婚約者、相馬京一さまです」 「事件の捜査は我々警察がする。素人が出しゃばった真似をするな!」 「犯人が見つかれば君の手柄にすればいい」 「警察の令状もなしにこんな……」 「構いません。妹を殺した犯人を捕まえるのが最優先です。 京一君、君もそう思うだろ?」 「ええ……もちろんです」 「皆様ご協力ありがとうございます。では事件についていくつか 質問させてください」  「妹は恨みを買うような娘ではありません。賢く気立てもよく誰からも 愛される娘でした」 「彼女は婚約者として完璧な女性でした。私にはもったいないくらいの 相手です」 「二人には殺害の動機がない。君は彼女を失いたくないという思いがあった。 つまり――」 「よし。謎はおおよそ解けた!」 「何?」  加害者と被害者 兄や婚約者 僕はわかった 大丈夫でしょうか ミステリをたくさん読んでいてよかった 「確かに志岐さまは意外と読書家」 主人はミステリにご執心  「犯人は……中津啓二! アンタだ!」 「なっ…何故私が犯人なんだ!」 「ミステリのセオリーなのだよ。最も意外な人物が犯人というのはね」 「やってられない。とんだ名誉毀損だ。帰らせてもらう」  「ほら見ろ、後ろ暗いところがあるのだろう!」 「私も今日はこれで。彼女を亡くしてからどうも体調が優れなくて」  「志岐さま、中津啓二刑事は犯人ではありません」 「何だと? お前は犯人がわかっているというのか?」 「さて……」 「刑事さんが犯人とは……痛快でした。あの刑事さん、あまり感じのいい人 ではなかったから」 「僕を犯人扱いしたしな。おあいこさ」 「妹を亡くしてから久しぶりに笑いました。ひょんな出会いというものは、 意外なところに転がっているものですね。そう思いませんか?」 「そうだな。君とは仲良くやれそうだ」  「添い寝屋、詩人、記憶喪失。僕らが同じ演劇をやるなんて。 ひょんな出会いは、意外なところに転がっているものだね」 「ひょん? 詩興が湧いたよ東さん。氷上のぬらりひょん、 無表情でイリュージョン……」 「アリス、芝居に集中して」 「ああ、失礼」 「板の上って不思議だね。ここでなら、いくらでも呼吸ができる」  主人と主人 友人と友人 妙に馬が合う それはよかった この本、よかったら読んでみるといい 「おや、かわいい栞ですね」 主人の珍しいご友人  「志岐さま、このようなものが」 「『これ以上事件のことを調べるな』……脅迫状か。さて、 どうしてくれよう」 「志岐さまがそのお顔をなさる時は、ロクなことがありません」 「何、少し餌を撒くだけさ」  「その身のこなし……お前何者だ?」 「ただの執事、ですよ」 「相馬京一……アンタが犯人だったとはな」 「違う。オレはやってない!」 「しかし相馬さま、これは貴方の字ですね?」 「どうなんだ! 相馬!」 「ああそうだよ。だからどうした?」 「何?」 「彼女を殺したのはオレじゃない。東条志岐の襲撃にも失敗した。 オレを逮捕したところで、大した罪にはならないよなあ?」 「そんな言い逃れが効くと思ってんのか」 「警察に捕まるのは痛くなくても、真相を草薙さまに知られては 困るのでは?」 「……! お前…」 「どういうことだ、鷺島?」  「ご自分でお話しなさいませ。殺人の疑いも晴れる」 「……他にも女がいるんだよ。あの娘と婚約したのは財産目当てだ」 「何だと? 貴様……!」 「あんなつまんねえ女と結婚したいわけねえだろ。けど一生金には 困んねえからな」 「相馬さまが金を手に入れず彼女を殺すはずがない」 「では何故東条さんを襲ったんだ」 「他の女達がいることを草薙の主に知られたら、今もらってる援助も 無くなっちまう。ったく、とんだ貧乏くじだぜ。死ぬんなら結婚した後に してくれりゃよかったのによ」  「ああ? 刑事の前で何してくれてんだよ」 「刑事、僕が何か?」 「目にゴミが入っててな。何かあったか?」 「いえ何も」 「お前が殺してないのはわかった。が、脅迫罪に家宅侵入罪。他にも余罪が ありそうだ。署までご同行願おう」  「紬の芝居、憎たらしすぎ」 「ワタシも危うく手をあげるところだったよ」 「……」 「ダメだ、集中し切ってる」 「舞台上でも感情をもらって次の芝居に繋ぐ……」 「演技とは実に豊かなものだな、密くん」 「それがわかるお前らも大したもんだよ」 「あとは頼んだよ、二人とも……」  犯人は京一じゃない 犯人は一体誰なんだ ハンカチについていた香り 真実は優しいとは限らない 真実を知りたい 「やれやれ志岐様は」 「……」  「おや、珍しい本をお読みですね」 「草薙くんに借りたんだ」 「気の合うご友人を見つけられて何よりです。では犯人捜しは おやめになりますか?」 「何故そうなる。もちろんやめない」 「そうですか。……その本から漂う香り、コリウスの花の香りですね」 「コリウス…? どこかで……」  「馬鹿な。草薙嬢を殺したのは……」 「だから犯人捜しはおやめになりますかと申したでしょう。志岐さまは 犬よりも頭がお悪い」 「だがどうして……どうして彼が?」 「志岐さま、コリウスの花言葉はご存じですか?」 「花言葉などに興味ないと言ってるだろ」 「かなわぬ恋」 「……それがコリウスの花言葉でございます」 「君だったんだな……草薙嬢を殺したのは」 「愛する妹をあの男に嫁がせるのが我慢ならなかった。私が奴の本性に 気づいていれば」 「……静馬くん」 「にしても、花言葉に興味がある男が私以外にいたとは」 「それはこいつが」 「うちの主人は博識なのです」 「唯一の誤算はあなたが関わったことです。志岐さん」 「残念だ。君とはいい友人になれると思ったのに」 「表に中津刑事を呼んであります」  「草薙さま」 「……?」 「ナイフは正面から静かに突き立てられていた。もみ合った形跡もなく」 「それが何か?」 「草薙嬢は望まぬ相手に嫁ぐより、愛する兄に殺されることを選んだのかも しれませんね」 「……ありがとう。執事さん」  「正面から? もみ合った? 何のことだか意味がわからん。だから、 何だ?」 「さすが志岐さま。犬よりも……失礼。何でもございません」  「あの日も風の強い日だったな……」 「大丈夫ですか?」 「何がだ」 「珍しくご傷心なのでは……いえ、差し出がましいことを申し上げる ところでした」 「お前が僕を気遣うなんて気味が悪い。一体何を考えている?」 「ワタシは思っていたよりも志岐さまのことが好きなようです」 「……変な奴だ」  「最後のアドリブいらない」 「少しばかり本音を混ぜてもいいかと思ってね」 「無駄にセリフが増えた」 「よくわかったのだよ。ワタシは自分で思っていたよりも密くんのことが 好きなのだと!」 「俺は別に好きじゃない」冬組松崎史也・Yu(vague)Yu(vague)Yu「彼女は婚約者として完璧な女性でした」 「素人が出しゃばった真似をするな!」 「妹は恨みを買うような娘ではありません」 「まさかこの僕が殺したとでも言いたいのか?」 「……犯人探しはおやめになりますか?」  「コリウスの花言葉は――」  「志岐さま」 「……」 「志岐さま」 「……」 「志岐さま、庭のシクラメンが綺麗に咲いております。 シクラメンの花言葉はご存じで?」 「鷺島。何故僕が無視をしているにもかかわらず話を続ける?」  「無視をしておいでだったんですか?」 「考え事をしていたんだ。お前に邪魔されたくなかった」 「やはり。ではシクラメンを見に散歩にでも」 「花言葉などに興味はない。僕は今重要な……」 「草薙家のご息女も散歩をしている時間なのですが」 「すぐに出かけよう。シクラメンが見たい」 「さすが志岐さま。かしこまりました」  主人と執事 主と従者 僕が主だ ええワタシは執事です こんな言うこと聞かない執事がいるか 「やれやれ志岐さまは犬よりも頭がお悪い」 主人はあの娘にご執心  「おや。この香りはコリウスの花ですね」 「このハンカチはたしか……!」  「おい、あそこに倒れているのは草薙嬢か? 鷺島、すぐに医者を呼べ!」 「志岐さまお下がりください。…もう手遅れです」 「何?」 「草薙さまはもう、亡くなられています」  被害者は草薙家のご令嬢 「なぜ彼女がこんなことに」 「なぜ彼女はこんなところで」 「なぜ彼女はこんな表情で」 死者の声は届かない ならば手がかりから見つける 真実を  「本件を担当する中津啓二です」 「中津啓二……刑事。名は体を表す」 「あなた達が第一発見者という事ですね?」 「なんだその物腰は」 「志岐さまおやめください」 「被害者とのご関係は? 面識がおありなんですよね? ただの友人ですか? それとも……」 「失礼だろう。まさかこの僕が殺したとでも言いたいのか?」 「まあ、我々が捜査すればいずれわかることですから」  「アリスも丞も鬱陶しい」 「褒め言葉と受け取っておく」 「丞は演技でやっていて偉い」 「密くん、それではワタシが演技でなく鬱陶しいようじゃないか」 「そう言ってる」 「皆木の本はこれだから面白い。さあどう出る? 紬、東さん」  「鷺島、すぐに草薙嬢の人間関係を調べろ」 「余計なことに首を突っ込むのは志岐さまの悪い癖です」 「犯人として僕が疑われているんだ。黙ってはいられないだろう」  容疑者は草薙嬢関係者 「なぜ妹がこんなことに」 「なぜ彼女がこんな目に」 「なぜこいつらがここにいる」 犯人はこの中にいる 必ず明かしてみせる 真相を  「草薙嬢の兄君、草薙静馬さまと、草薙嬢の婚約者、相馬京一さまです」 「事件の捜査は我々警察がする。素人が出しゃばった真似をするな!」 「犯人が見つかれば君の手柄にすればいい」 「警察の令状もなしにこんな……」 「構いません。妹を殺した犯人を捕まえるのが最優先です。 京一君、君もそう思うだろ?」 「ええ……もちろんです」 「皆様ご協力ありがとうございます。では事件についていくつか 質問させてください」  「妹は恨みを買うような娘ではありません。賢く気立てもよく誰からも 愛される娘でした」 「彼女は婚約者として完璧な女性でした。私にはもったいないくらいの 相手です」 「二人には殺害の動機がない。君は彼女を失いたくないという思いがあった。 つまり――」 「よし。謎はおおよそ解けた!」 「何?」  加害者と被害者 兄や婚約者 僕はわかった 大丈夫でしょうか ミステリをたくさん読んでいてよかった 「確かに志岐さまは意外と読書家」 主人はミステリにご執心  「犯人は……中津啓二! アンタだ!」 「なっ…何故私が犯人なんだ!」 「ミステリのセオリーなのだよ。最も意外な人物が犯人というのはね」 「やってられない。とんだ名誉毀損だ。帰らせてもらう」  「ほら見ろ、後ろ暗いところがあるのだろう!」 「私も今日はこれで。彼女を亡くしてからどうも体調が優れなくて」  「志岐さま、中津啓二刑事は犯人ではありません」 「何だと? お前は犯人がわかっているというのか?」 「さて……」 「刑事さんが犯人とは……痛快でした。あの刑事さん、あまり感じのいい人 ではなかったから」 「僕を犯人扱いしたしな。おあいこさ」 「妹を亡くしてから久しぶりに笑いました。ひょんな出会いというものは、 意外なところに転がっているものですね。そう思いませんか?」 「そうだな。君とは仲良くやれそうだ」  「添い寝屋、詩人、記憶喪失。僕らが同じ演劇をやるなんて。 ひょんな出会いは、意外なところに転がっているものだね」 「ひょん? 詩興が湧いたよ東さん。氷上のぬらりひょん、 無表情でイリュージョン……」 「アリス、芝居に集中して」 「ああ、失礼」 「板の上って不思議だね。ここでなら、いくらでも呼吸ができる」  主人と主人 友人と友人 妙に馬が合う それはよかった この本、よかったら読んでみるといい 「おや、かわいい栞ですね」 主人の珍しいご友人  「志岐さま、このようなものが」 「『これ以上事件のことを調べるな』……脅迫状か。さて、 どうしてくれよう」 「志岐さまがそのお顔をなさる時は、ロクなことがありません」 「何、少し餌を撒くだけさ」  「その身のこなし……お前何者だ?」 「ただの執事、ですよ」 「相馬京一……アンタが犯人だったとはな」 「違う。オレはやってない!」 「しかし相馬さま、これは貴方の字ですね?」 「どうなんだ! 相馬!」 「ああそうだよ。だからどうした?」 「何?」 「彼女を殺したのはオレじゃない。東条志岐の襲撃にも失敗した。 オレを逮捕したところで、大した罪にはならないよなあ?」 「そんな言い逃れが効くと思ってんのか」 「警察に捕まるのは痛くなくても、真相を草薙さまに知られては 困るのでは?」 「……! お前…」 「どういうことだ、鷺島?」  「ご自分でお話しなさいませ。殺人の疑いも晴れる」 「……他にも女がいるんだよ。あの娘と婚約したのは財産目当てだ」 「何だと? 貴様……!」 「あんなつまんねえ女と結婚したいわけねえだろ。けど一生金には 困んねえからな」 「相馬さまが金を手に入れず彼女を殺すはずがない」 「では何故東条さんを襲ったんだ」 「他の女達がいることを草薙の主に知られたら、今もらってる援助も 無くなっちまう。ったく、とんだ貧乏くじだぜ。死ぬんなら結婚した後に してくれりゃよかったのによ」  「ああ? 刑事の前で何してくれてんだよ」 「刑事、僕が何か?」 「目にゴミが入っててな。何かあったか?」 「いえ何も」 「お前が殺してないのはわかった。が、脅迫罪に家宅侵入罪。他にも余罪が ありそうだ。署までご同行願おう」  「紬の芝居、憎たらしすぎ」 「ワタシも危うく手をあげるところだったよ」 「……」 「ダメだ、集中し切ってる」 「舞台上でも感情をもらって次の芝居に繋ぐ……」 「演技とは実に豊かなものだな、密くん」 「それがわかるお前らも大したもんだよ」 「あとは頼んだよ、二人とも……」  犯人は京一じゃない 犯人は一体誰なんだ ハンカチについていた香り 真実は優しいとは限らない 真実を知りたい 「やれやれ志岐様は」 「……」  「おや、珍しい本をお読みですね」 「草薙くんに借りたんだ」 「気の合うご友人を見つけられて何よりです。では犯人捜しは おやめになりますか?」 「何故そうなる。もちろんやめない」 「そうですか。……その本から漂う香り、コリウスの花の香りですね」 「コリウス…? どこかで……」  「馬鹿な。草薙嬢を殺したのは……」 「だから犯人捜しはおやめになりますかと申したでしょう。志岐さまは 犬よりも頭がお悪い」 「だがどうして……どうして彼が?」 「志岐さま、コリウスの花言葉はご存じですか?」 「花言葉などに興味ないと言ってるだろ」 「かなわぬ恋」 「……それがコリウスの花言葉でございます」 「君だったんだな……草薙嬢を殺したのは」 「愛する妹をあの男に嫁がせるのが我慢ならなかった。私が奴の本性に 気づいていれば」 「……静馬くん」 「にしても、花言葉に興味がある男が私以外にいたとは」 「それはこいつが」 「うちの主人は博識なのです」 「唯一の誤算はあなたが関わったことです。志岐さん」 「残念だ。君とはいい友人になれると思ったのに」 「表に中津刑事を呼んであります」  「草薙さま」 「……?」 「ナイフは正面から静かに突き立てられていた。もみ合った形跡もなく」 「それが何か?」 「草薙嬢は望まぬ相手に嫁ぐより、愛する兄に殺されることを選んだのかも しれませんね」 「……ありがとう。執事さん」  「正面から? もみ合った? 何のことだか意味がわからん。だから、 何だ?」 「さすが志岐さま。犬よりも……失礼。何でもございません」  「あの日も風の強い日だったな……」 「大丈夫ですか?」 「何がだ」 「珍しくご傷心なのでは……いえ、差し出がましいことを申し上げる ところでした」 「お前が僕を気遣うなんて気味が悪い。一体何を考えている?」 「ワタシは思っていたよりも志岐さまのことが好きなようです」 「……変な奴だ」  「最後のアドリブいらない」 「少しばかり本音を混ぜてもいいかと思ってね」 「無駄にセリフが増えた」 「よくわかったのだよ。ワタシは自分で思っていたよりも密くんのことが 好きなのだと!」 「俺は別に好きじゃない」
天使を憐れむ歌叶わない想いよ 悲しき運命よ 人間に恋した天使を 憐れむ歌  ここは、天使住まう天界 人間界の遥か高くに在る。  「そこにはミカエル、ラファエル、ウリエル、 3人の素晴らしい天使がいた」  「人間の女を好きになった?」 「うん」 「へえ。それで最近、地上ばかり見つめてたんだ」 「バカ言うなミカエル。天使が人間に恋をしても不幸になるだけだ」  守りたい 守ってあげたい 弱く儚く愛おしい人よ 不幸になるだけの悲しい運命(さだめ)だと  「それでも…」 「俺は反対しないけど、彼女、もう死期が近いよ」 「えっ?」  「ウリエルは死者の魂を天界に運ぶ天使。死期リストは絶対だ。 彼女のことは諦めろ。」 「僕のことを心配してくれるんだね、ラファエル」 「たとえ自分が不幸になったとしても、彼女を幸せにしてあげたいんだ」  「不思議だね丞。今までで一番雑念が消えてる」 「ああ。迷って迷ってここまで来たことにも意味があったのかもな」 「舞台の上でしか出会えないこの瞬間を、俺、ひと時も逃したくない」 「そういうお前だから、俺はお前と芝居がしたいんだよ」  「ふむ、死期の近い人間に天使が関わるのは禁忌」 「見守るだけでもいいんです。お願いします」 「日毎天使の力も失うよ。それでも…行きたいんだね。分かった」 「ありがとうございます、メタトロン」  叶わない想いよ 悲しき運命よ 人間に恋した天使は 不幸になる  「彼女の死期のこと、なんで教えたんだよ!」 「本当のことを知らない。大切な人に何もできない。 その悲しみをミカエルには背負わせたくなかった」 「だが、伝えたらあいつは行ってしまうだろ」 「分かってるよ!…ずっと3人でいたんだから」  「ずっと3人でいた。舞台のセリフなのに、俺、この感覚を知ってる。 ここにいたら、いつか見つかる気がする。俺の、本当のこと、大切な人」 「他人を理解できない私の心に、彼らの感情が浸透していく。 いや、観衆の心までも。これが舞台芸術か…実に面白い!」 「さあ、ここから2幕だ」  ミカエルは人間界に降りて、彼女の病院に向かった 出会ったのは 「主治医のフィリップ」 天使の羽根は、人間には見えない ミカエルは、彼女のことを教えてくれと頼み込んだ  「彼女のお友達? 彼女は今とても厳しい病状でね。 元気付けてあげてほしい」 「はい、僕も彼女に伝えたいことがあって…… でも直接会うことはできないんです」 「伝えたいことがあるのに、会えないとは不思議な話だが… それなら手紙を書けばいいんじゃないか」 「手紙……そうですね! そうします!」  それからミカエルは毎日毎日手紙を書いた 彼女からの返事も来るようになり、舞い上がるミカエル だがミカエルの羽はどんどん小さくなっていく… 「そして、ミカエルが地上に降りて数ヶ月が過ぎた」  ミカエル、素敵な報告があるんだ 「彼女の病状が良くなった。奇跡だよ」 「…本当ですか?本当に?…よかった」 「手紙に随分励まされたそうだ」 君は幸せを運んでくれた 「天使かもしれないね」 「いえ、僕は、ただの人間です」 「はは、わかってるさ。だが、僕らにとっては天使だった」 「僕ら?」 「ああ、彼女が退院したら、僕らは結婚するんだ」 「…おめでとう、ございます。よろしくお伝えください」  「ずるい伝え方だね。…すまない。 君の彼女への気持ちに気づいていながら、僕は」 「彼女の病気は治った。僕じゃ彼女を幸せにできない。 これでよかったんだ。これで…よかった」  「これが紬の表現力か、お見事。人の痛みを知っている君は、優しいね」 「東さんこそ、初舞台とは思えない。つくづく、 俳優は人生なんだって教えられます」  叶わない恋でも 天使に運ばれた恋よ 幸せに君が笑うなら、嬉しいんだ  「自分が一緒に居られるわけじゃないのに喜んで、 健気なミカエルらしいね」 「ミカエルも戻ってくるし、 人間の彼女も死なずに幸せになるし、よかったな」 「忘れたのか?人間の死期に天使は関わっちゃいけない」 「…どういう意味だ」 「彼女はリストから消えてない。 ミカエルが何をしても彼女の死期は変わらない」 「は? じゃあなんでミカエルに彼女のことを教えたんだ」 「言っただろ。何もできない悲しみをミカエルに背負わせたくなかった」 「それでも彼女は死ぬんだろ」 「でも、ミカエルは彼女の人生に関わった。彼女の幸せを見届けたんだよ」 「それでも、こんなの辛すぎるだろ」 「だから、今度はミカエルには伝えない…俺は」 「それを、なんでお前は俺に言うんだよ」 「ミカエルの為に伝えるかどうかは、 ラファエルが決めればいいと、思うから」  「君には、辛い役回りばかり任せてしまうね」 「いえ、友達ですから」  叶わない恋でも 届かない声でも あなたが信じたその道を 見守っているよ  「…行くのか」 「うん」 「彼女には婚約者がいる」 「うん」 「今度行けばもう完全に天使の力を失う。 お前はこっちには戻ってこられない」 「…うん」 「…馬鹿野郎」 「ありがとう、ラファエル」  「君たちはずっと一緒だとばかり思っていたよ。よかったのかい?」 「あいつの背中を押すのが、俺の役目なんで」 「お前ならそうすると思ってたよ」  「ミカエル!」 「2人とも、無事ですか?」 「僕も彼女も無事だ!でも…どうしてこんな…!」 「良かった…幸せになってください」  「人間を救う。ミカエル、天使の本懐を遂げたね」 「ミカエル!」 「君は?」 「こいつの友達です!ミカエル!おい!」 「ラファエル…?」 「ミカエルは僕と彼女を車から守って…」 「彼女を病院に連れて行ってください!どこか怪我してるかもしれない」 「しかし…」 「こいつには俺が付いてます」  「天使の羽…?」 「彼女、今度こそリストから消えたよ」 「君は…!本当に天使だったのかもしれないね」」  「芝居を通してみんなとつながる‥ このことだったんだね。ボクは一人じゃない…孤独じゃない!」 「…ここにいてもいいのかな…ここがオレの居場所」 「唯一、繋がれる気がする仲間達と立つこの場所」  「彼女もう大丈夫だよね?」 「ああ。心配いらない」 「愛した人を守れて、親友の君に魂を送ってもらえて、僕は幸せだ…」 「ミカエル…馬鹿野郎」  「つむ…お前ともう一度舞台に立てて良かった」 「オレもだよ…たーちゃん」  もう一度、ここから始めよう。この場所から、この仲間たちと。冬組松崎史也・Yu(vague)Yu(vague)Yu叶わない想いよ 悲しき運命よ 人間に恋した天使を 憐れむ歌  ここは、天使住まう天界 人間界の遥か高くに在る。  「そこにはミカエル、ラファエル、ウリエル、 3人の素晴らしい天使がいた」  「人間の女を好きになった?」 「うん」 「へえ。それで最近、地上ばかり見つめてたんだ」 「バカ言うなミカエル。天使が人間に恋をしても不幸になるだけだ」  守りたい 守ってあげたい 弱く儚く愛おしい人よ 不幸になるだけの悲しい運命(さだめ)だと  「それでも…」 「俺は反対しないけど、彼女、もう死期が近いよ」 「えっ?」  「ウリエルは死者の魂を天界に運ぶ天使。死期リストは絶対だ。 彼女のことは諦めろ。」 「僕のことを心配してくれるんだね、ラファエル」 「たとえ自分が不幸になったとしても、彼女を幸せにしてあげたいんだ」  「不思議だね丞。今までで一番雑念が消えてる」 「ああ。迷って迷ってここまで来たことにも意味があったのかもな」 「舞台の上でしか出会えないこの瞬間を、俺、ひと時も逃したくない」 「そういうお前だから、俺はお前と芝居がしたいんだよ」  「ふむ、死期の近い人間に天使が関わるのは禁忌」 「見守るだけでもいいんです。お願いします」 「日毎天使の力も失うよ。それでも…行きたいんだね。分かった」 「ありがとうございます、メタトロン」  叶わない想いよ 悲しき運命よ 人間に恋した天使は 不幸になる  「彼女の死期のこと、なんで教えたんだよ!」 「本当のことを知らない。大切な人に何もできない。 その悲しみをミカエルには背負わせたくなかった」 「だが、伝えたらあいつは行ってしまうだろ」 「分かってるよ!…ずっと3人でいたんだから」  「ずっと3人でいた。舞台のセリフなのに、俺、この感覚を知ってる。 ここにいたら、いつか見つかる気がする。俺の、本当のこと、大切な人」 「他人を理解できない私の心に、彼らの感情が浸透していく。 いや、観衆の心までも。これが舞台芸術か…実に面白い!」 「さあ、ここから2幕だ」  ミカエルは人間界に降りて、彼女の病院に向かった 出会ったのは 「主治医のフィリップ」 天使の羽根は、人間には見えない ミカエルは、彼女のことを教えてくれと頼み込んだ  「彼女のお友達? 彼女は今とても厳しい病状でね。 元気付けてあげてほしい」 「はい、僕も彼女に伝えたいことがあって…… でも直接会うことはできないんです」 「伝えたいことがあるのに、会えないとは不思議な話だが… それなら手紙を書けばいいんじゃないか」 「手紙……そうですね! そうします!」  それからミカエルは毎日毎日手紙を書いた 彼女からの返事も来るようになり、舞い上がるミカエル だがミカエルの羽はどんどん小さくなっていく… 「そして、ミカエルが地上に降りて数ヶ月が過ぎた」  ミカエル、素敵な報告があるんだ 「彼女の病状が良くなった。奇跡だよ」 「…本当ですか?本当に?…よかった」 「手紙に随分励まされたそうだ」 君は幸せを運んでくれた 「天使かもしれないね」 「いえ、僕は、ただの人間です」 「はは、わかってるさ。だが、僕らにとっては天使だった」 「僕ら?」 「ああ、彼女が退院したら、僕らは結婚するんだ」 「…おめでとう、ございます。よろしくお伝えください」  「ずるい伝え方だね。…すまない。 君の彼女への気持ちに気づいていながら、僕は」 「彼女の病気は治った。僕じゃ彼女を幸せにできない。 これでよかったんだ。これで…よかった」  「これが紬の表現力か、お見事。人の痛みを知っている君は、優しいね」 「東さんこそ、初舞台とは思えない。つくづく、 俳優は人生なんだって教えられます」  叶わない恋でも 天使に運ばれた恋よ 幸せに君が笑うなら、嬉しいんだ  「自分が一緒に居られるわけじゃないのに喜んで、 健気なミカエルらしいね」 「ミカエルも戻ってくるし、 人間の彼女も死なずに幸せになるし、よかったな」 「忘れたのか?人間の死期に天使は関わっちゃいけない」 「…どういう意味だ」 「彼女はリストから消えてない。 ミカエルが何をしても彼女の死期は変わらない」 「は? じゃあなんでミカエルに彼女のことを教えたんだ」 「言っただろ。何もできない悲しみをミカエルに背負わせたくなかった」 「それでも彼女は死ぬんだろ」 「でも、ミカエルは彼女の人生に関わった。彼女の幸せを見届けたんだよ」 「それでも、こんなの辛すぎるだろ」 「だから、今度はミカエルには伝えない…俺は」 「それを、なんでお前は俺に言うんだよ」 「ミカエルの為に伝えるかどうかは、 ラファエルが決めればいいと、思うから」  「君には、辛い役回りばかり任せてしまうね」 「いえ、友達ですから」  叶わない恋でも 届かない声でも あなたが信じたその道を 見守っているよ  「…行くのか」 「うん」 「彼女には婚約者がいる」 「うん」 「今度行けばもう完全に天使の力を失う。 お前はこっちには戻ってこられない」 「…うん」 「…馬鹿野郎」 「ありがとう、ラファエル」  「君たちはずっと一緒だとばかり思っていたよ。よかったのかい?」 「あいつの背中を押すのが、俺の役目なんで」 「お前ならそうすると思ってたよ」  「ミカエル!」 「2人とも、無事ですか?」 「僕も彼女も無事だ!でも…どうしてこんな…!」 「良かった…幸せになってください」  「人間を救う。ミカエル、天使の本懐を遂げたね」 「ミカエル!」 「君は?」 「こいつの友達です!ミカエル!おい!」 「ラファエル…?」 「ミカエルは僕と彼女を車から守って…」 「彼女を病院に連れて行ってください!どこか怪我してるかもしれない」 「しかし…」 「こいつには俺が付いてます」  「天使の羽…?」 「彼女、今度こそリストから消えたよ」 「君は…!本当に天使だったのかもしれないね」」  「芝居を通してみんなとつながる‥ このことだったんだね。ボクは一人じゃない…孤独じゃない!」 「…ここにいてもいいのかな…ここがオレの居場所」 「唯一、繋がれる気がする仲間達と立つこの場所」  「彼女もう大丈夫だよね?」 「ああ。心配いらない」 「愛した人を守れて、親友の君に魂を送ってもらえて、僕は幸せだ…」 「ミカエル…馬鹿野郎」  「つむ…お前ともう一度舞台に立てて良かった」 「オレもだよ…たーちゃん」  もう一度、ここから始めよう。この場所から、この仲間たちと。
to bloom...未だ見ぬ 景色を望んで 想いの分だけ 膨らむ この願いが 叶う日まで…  何事にも背中を向けて 何度同じ季節を見た? あと少しが踏み出せない 声に出したら届くのに  失うことが 【諦め】 当たり前だった毎日でも 【飲み込み】 君と出会った 【偶然?】 何故だろう 【離せない】 この先を 【見てみたい】 視界が 一段と煌き 変わったんだ  始まりは 僕らで紡ぎ 未来を迎えに行こうか このまま“ひとつ”に結んで 大きな 【強い】 光となった  いつの間にか傷つけていた 失くした色に気づかない  満たされない毎日に怯えて 勝手に嘆いてた  目が覚める度 【呼吸を】 いつも同じ場所に 辛くて 【忘れて】 悔しさ滲む 【身体を】 包み込む 【見上げれば】 君がいて 【笑ってた】 陽だまりのような 心地良さ 瞳とじて…  誰かを想う 言の葉は こんなにも温かいんだ ちぐはぐな 僕の歩みも 一本の 【道に】 今 重なった  あの日流した 【痛みを】 涙を手のひらに集めて 【溶かして】 並んだ夢に 【与えて】 一つずつ 【大切に】 育てよう 【いつの日か】 凛と輝くときは きっと… ダイヤモンド  喜びは 共に刻んで 特別な鼓動 感じた 大きく育った 蕾は 高く 空へ花を咲かす  微笑みが満ちて…冬組織田あすか(Elements Garden)末益涼太(Elements Garden)末益涼太未だ見ぬ 景色を望んで 想いの分だけ 膨らむ この願いが 叶う日まで…  何事にも背中を向けて 何度同じ季節を見た? あと少しが踏み出せない 声に出したら届くのに  失うことが 【諦め】 当たり前だった毎日でも 【飲み込み】 君と出会った 【偶然?】 何故だろう 【離せない】 この先を 【見てみたい】 視界が 一段と煌き 変わったんだ  始まりは 僕らで紡ぎ 未来を迎えに行こうか このまま“ひとつ”に結んで 大きな 【強い】 光となった  いつの間にか傷つけていた 失くした色に気づかない  満たされない毎日に怯えて 勝手に嘆いてた  目が覚める度 【呼吸を】 いつも同じ場所に 辛くて 【忘れて】 悔しさ滲む 【身体を】 包み込む 【見上げれば】 君がいて 【笑ってた】 陽だまりのような 心地良さ 瞳とじて…  誰かを想う 言の葉は こんなにも温かいんだ ちぐはぐな 僕の歩みも 一本の 【道に】 今 重なった  あの日流した 【痛みを】 涙を手のひらに集めて 【溶かして】 並んだ夢に 【与えて】 一つずつ 【大切に】 育てよう 【いつの日か】 凛と輝くときは きっと… ダイヤモンド  喜びは 共に刻んで 特別な鼓動 感じた 大きく育った 蕾は 高く 空へ花を咲かす  微笑みが満ちて…
星と雪のプラネタリウムシャンランランランラン シャンランランラン 夜空に咲く プラネタリウム 星と雪が寄り添い輝く WINTER!!!!! MANKAI!!!!!  舞台をこよなく愛してる 芝居はいつでもストイック 昔から頼れる親友 丞  眠ってばっかでよく分からん プライベートも謎すぎる 隠れた才能開けば万能 御影  いつもうるさい 何言ってるかわからない でもマシュマロを沢山くれる アリス  美しいロングヘア 内に秘めたビッグベア 艶やかに咲きたまえ 東さん  優しい口調に可愛い風貌 みんなの事をよく見てる ボクたちのリーダー 紬  シャンランランランラン シャンランランラン 夜空に咲く プラネタリウム 星と雪が寄り添い輝く WINTER!!!!! 紬 丞 密 誉 東 MANKAI!!!!! W、I、N、T、E、R WINTER!!!!!冬組Yu(vague)Yu(vague)Yuシャンランランランラン シャンランランラン 夜空に咲く プラネタリウム 星と雪が寄り添い輝く WINTER!!!!! MANKAI!!!!!  舞台をこよなく愛してる 芝居はいつでもストイック 昔から頼れる親友 丞  眠ってばっかでよく分からん プライベートも謎すぎる 隠れた才能開けば万能 御影  いつもうるさい 何言ってるかわからない でもマシュマロを沢山くれる アリス  美しいロングヘア 内に秘めたビッグベア 艶やかに咲きたまえ 東さん  優しい口調に可愛い風貌 みんなの事をよく見てる ボクたちのリーダー 紬  シャンランランランラン シャンランランラン 夜空に咲く プラネタリウム 星と雪が寄り添い輝く WINTER!!!!! 紬 丞 密 誉 東 MANKAI!!!!! W、I、N、T、E、R WINTER!!!!!
真夜中の住人「お、おい?」 「……助けて」  「おはよう、昨日は世話になったね」 「これ、あんたが作ったの?」 「冷蔵庫にあるもので作ったから大したものはできなかったけど、 一宿一飯のお礼」 「すげ。どこの嫁だよ」 「それなりに長く生きてるけど、嫁って言われるのは初めてだな」  「うまっ! 俺は瀬尾浩太。あんたは?」 「玲央……九頭玲央だよ」 「玲央。行く場所がないならしばらくこの部屋使ってもらってもいいけど」 「こんな得体のしれない男を家に置くの?」 「や、部屋も綺麗にしてくれてるし……美味い。いてくれたら俺が助かる」 「お人好しだね。じゃあ、お世話になろうかな」 「あんたは食べないのか?」 「食事の時間が不規則なんだ。僕のことは気にしないで食べて」  「さすがだね。いつもと違う頼りない感じがよく出てる」 「強く見せてる俺のほうが演じてるのかもしれないですけどね」 「それをサラッと言える丞は、大人だし強いよ」 「せっかくこのメンバーなんだ。とことん冬組らしく繊細に行きましょう」 「うん」  「行ってきます」 「行ってらっしゃい」 「追い出すかよ。昨日……助けてって言ってただろ」 「ごめんね……」  「お隣さんですか? 今日から引っ越してきました、泉です」 「瀬尾です。ご丁寧にどうも」 「会社ですよね。引き止めちゃってすみません」 「いえ、なんか困ったことあったらいつでも言ってください」  「聞いたぞ。行き倒れの男を拾ったって? 怪しすぎるだろ。アラサー向けの ドラマか漫画じゃねんだから」 「ほっとけ。玲央は良い奴だよ。飯も美味いしな」 「はあ。んなこと言ってっといつか痛い目見るぞ」  「どうかねどうかね? ワタシのサラリーマン役は?」 「正直驚いた。こういう役もさらっとできるようになったんだな」 「優れた芸術家は何をしても一流なのだよ」 「頼もしいな」 「さあ好きなようにやりたまえ。我々が支えるよ」  ごめんねと言うのも ずるいかもしれないね 僕は君の命を喰らってる だけど どうしてだろう 君の血が欲しいのに 君の血が欲しくないんだ  「昨夜はすまない」 「……何が?」 「どうも最近悪夢にうなされるんだ。寝てる時、たぶんうるさかったろ」 「浩太は静かに寝てたよ」 「ならよかった」 「人の心配より自分の……」 「ん?」 「ううん。体は大丈夫? 会社は行ける?」 「ああ。今日も玲央の飯食ったから元気だよ。行ってくる」  「おはようございます」 「おはようございます」 「そうだ瀬尾さん。平日もお休みなんですか? 昼間にも隣から物音が 聞こえるので……」 「ああいえ、ちょっと友達が泊まってるんです」 「そうなんですか……。お友達が」  「どうだ? 紬から見てみんなは」 「シンプルに尊敬してる。どんな細かい演技も受けて返してくれるし、 みんなの演技もホントに多彩で面白い」 「ったく、一番やってるやつがそれ言うかよ」 「オレ達は……冬組に出会うために芝居をしてきたんだね」 「……だな!」  「おい瀬尾。顔色悪りーぞ」 「ちょっと今日は寝不足かもな」 「今日だけじゃねーよ。ここ一週間ずっとだぞ。一週間って居候が 来てからだろ? やっぱそいつおかしいよ」 「玲央のせいじゃないって」 「いいや怪しい。一回会わせろ」  「いい寝床を見つけたじゃないか。ボクにも分けてくれよ」 「彼はそういうのじゃない。干渉するな」 「冷たいんだな。ボクとキミの仲でしょ?」 「用がそれだけなら帰れ、フランツ」  お前が何にうつつを抜かしてるか知らないが ボク達は所詮 わかってる 太陽の光は強すぎる ……それでも 光には憧れてしまうだろう? 闇を忌み嫌うのは人間の弱さだよ 共に生きられはしないかと 願ってしまうのさ  「あれ? 玲央。あれは誰だ?」 「あいつが居候か? やっぱ絶対怪しい」 「そんな奴じゃないって。おーい、玲央!」 「浩太……」 「あいつか。確かにいい身体だね」 「フランツ、場所を変えよう」  「逃げた! さてはあいつら犯罪組織の一員とかだろ」 「いい加減にしろ、野々宮。……でも、なんで無視したんだよ?」  家にいさせてるのも ずるいのかもしれないな いるのが当たり前になってる 偶然出会った 見知らぬ男なのに ずっと一緒にいたいんだ  「キミ、あまり血を飲んでないね?」 「家に泊めてもらってる上に、本気では吸えないよ」 「その為の人間でしょ。いいから早く吸いなよ、キミが死ぬよ」 「僕もはじめはそのつもりだったさ」  「なんで黙って逃げちまうんだよ……玲央」  「この街まで追っ手が迫ってる。ボクはそれを伝えに来たんだよ」 「感謝する」 「あの家を出ない気か? 流石にもう」 「大丈夫。大丈夫だよ」  ごめんねとずるくても 伝えなきゃいけないね 僕は君に会えてよかった だから 最後にするよ 君の血が欲しい 君の血が誰より欲しいんだ  「世話になったね。長居するつもりじゃなかったんだけど、 つい居心地がよくて」 「そんなに焦って出なくてもいいのに。俺も助かってたし」 「そういうわけにもいかないよ」 「住むところ決まってるのか?」 「まあね。浩太……ありがとね」  「ああ、泉さん。おはようございます」 「お前……!」 「引っ越されるんですね。それじゃあ、これ僕からの餞別です」 「浩太、下がって!」 「泉さん?」 「残念だな。少しの間だったけどお隣さんだったわけだし」  「おいアンタ何してんだ!」 「ハハハハハハ、汚らわしい夜の一族よ。わが血盟の掟にのっとり汝を 排除する!」  「どけ。君も殺すぞ?」 「やめろ! 浩太は関係ない」 「は! 随分親しげなんだな。人間は食事にすぎないくせに」 「食事……? 何を言ってる?」 「そいつは吸血鬼だ。人間の敵なんだよ」 「吸血鬼? 玲央がそんな……!」 「浩太……」 「さあ、そいつを渡してもらおう」  「ハハハ、血の眷属に成り下がったか。いいだろう。二人とも送ってやる」  フランツ「あーらら。ご相伴にあずかろうと思ったのに貧乏くじひいたな。 仕方ないから手貸してあげるよ」 「吸血鬼どもめ……」  「すごいね密くん。稽古の時よりもさらに動きが洗練されてる」 「考えなくても体が勝手に動く。なんでかはわからないけど」 「密くんの過去に関係してるのかもしれないね」 「東みたいに、オレもいつか向き合いたい。自分の記憶と……」  「まだやる?」 「人間は貴様らには屈しない。白き刃が必ず貴様らを裁く」  「玲央! 玲央!!」 「そいつはボクに任せてくれるかな」 「だけど……」 「安心しろ。ボク達は同類なんだ」 「……わかった。玲央を頼む」 「素直だね。良い子だ」  ごめんなんてもう 言わなくていいんだ 俺の血なんかくれてやる だから お願いだから 生きてくれずっと お前を失いたくないんだ  「浩太は……?」 「無事だよ。さすがに彼に血を分けてくれとは言えないだろう?」 「ありがとう、フランツ」 「ばれたからには、もうここにはいられない。すぐに次の追っ手がくる」 「僕たちが何をした? 人より少し長く生きられるだけだ」 「異端は排除する。それが人というものさ」  「玲央?」 「お別れだ、浩太。君に会えてよかった」 「事情はもうわかった。出ていく必要なんてない」 「君のような人間がいるなら、退屈な生にも意味があると思えたよ」 「ずっと、そうして一人で生きていくのか?」 「それが僕らの宿命なんだ」 「……だったら、俺も連れていけ」 「何を……」 「道連れになってやるって言ってんだ。吸血鬼にでもなんでもなってやる!」  「今まで踏み込まなかった……踏み込めなかった距離……。 勇気を出して踏み出したら、今まで以上にみんなと繋がれた気がする」  「……ありがとう、浩太。その言葉だけで、僕は……」冬組松崎史也・Yu(vague)Yu(vague)Yu「お、おい?」 「……助けて」  「おはよう、昨日は世話になったね」 「これ、あんたが作ったの?」 「冷蔵庫にあるもので作ったから大したものはできなかったけど、 一宿一飯のお礼」 「すげ。どこの嫁だよ」 「それなりに長く生きてるけど、嫁って言われるのは初めてだな」  「うまっ! 俺は瀬尾浩太。あんたは?」 「玲央……九頭玲央だよ」 「玲央。行く場所がないならしばらくこの部屋使ってもらってもいいけど」 「こんな得体のしれない男を家に置くの?」 「や、部屋も綺麗にしてくれてるし……美味い。いてくれたら俺が助かる」 「お人好しだね。じゃあ、お世話になろうかな」 「あんたは食べないのか?」 「食事の時間が不規則なんだ。僕のことは気にしないで食べて」  「さすがだね。いつもと違う頼りない感じがよく出てる」 「強く見せてる俺のほうが演じてるのかもしれないですけどね」 「それをサラッと言える丞は、大人だし強いよ」 「せっかくこのメンバーなんだ。とことん冬組らしく繊細に行きましょう」 「うん」  「行ってきます」 「行ってらっしゃい」 「追い出すかよ。昨日……助けてって言ってただろ」 「ごめんね……」  「お隣さんですか? 今日から引っ越してきました、泉です」 「瀬尾です。ご丁寧にどうも」 「会社ですよね。引き止めちゃってすみません」 「いえ、なんか困ったことあったらいつでも言ってください」  「聞いたぞ。行き倒れの男を拾ったって? 怪しすぎるだろ。アラサー向けの ドラマか漫画じゃねんだから」 「ほっとけ。玲央は良い奴だよ。飯も美味いしな」 「はあ。んなこと言ってっといつか痛い目見るぞ」  「どうかねどうかね? ワタシのサラリーマン役は?」 「正直驚いた。こういう役もさらっとできるようになったんだな」 「優れた芸術家は何をしても一流なのだよ」 「頼もしいな」 「さあ好きなようにやりたまえ。我々が支えるよ」  ごめんねと言うのも ずるいかもしれないね 僕は君の命を喰らってる だけど どうしてだろう 君の血が欲しいのに 君の血が欲しくないんだ  「昨夜はすまない」 「……何が?」 「どうも最近悪夢にうなされるんだ。寝てる時、たぶんうるさかったろ」 「浩太は静かに寝てたよ」 「ならよかった」 「人の心配より自分の……」 「ん?」 「ううん。体は大丈夫? 会社は行ける?」 「ああ。今日も玲央の飯食ったから元気だよ。行ってくる」  「おはようございます」 「おはようございます」 「そうだ瀬尾さん。平日もお休みなんですか? 昼間にも隣から物音が 聞こえるので……」 「ああいえ、ちょっと友達が泊まってるんです」 「そうなんですか……。お友達が」  「どうだ? 紬から見てみんなは」 「シンプルに尊敬してる。どんな細かい演技も受けて返してくれるし、 みんなの演技もホントに多彩で面白い」 「ったく、一番やってるやつがそれ言うかよ」 「オレ達は……冬組に出会うために芝居をしてきたんだね」 「……だな!」  「おい瀬尾。顔色悪りーぞ」 「ちょっと今日は寝不足かもな」 「今日だけじゃねーよ。ここ一週間ずっとだぞ。一週間って居候が 来てからだろ? やっぱそいつおかしいよ」 「玲央のせいじゃないって」 「いいや怪しい。一回会わせろ」  「いい寝床を見つけたじゃないか。ボクにも分けてくれよ」 「彼はそういうのじゃない。干渉するな」 「冷たいんだな。ボクとキミの仲でしょ?」 「用がそれだけなら帰れ、フランツ」  お前が何にうつつを抜かしてるか知らないが ボク達は所詮 わかってる 太陽の光は強すぎる ……それでも 光には憧れてしまうだろう? 闇を忌み嫌うのは人間の弱さだよ 共に生きられはしないかと 願ってしまうのさ  「あれ? 玲央。あれは誰だ?」 「あいつが居候か? やっぱ絶対怪しい」 「そんな奴じゃないって。おーい、玲央!」 「浩太……」 「あいつか。確かにいい身体だね」 「フランツ、場所を変えよう」  「逃げた! さてはあいつら犯罪組織の一員とかだろ」 「いい加減にしろ、野々宮。……でも、なんで無視したんだよ?」  家にいさせてるのも ずるいのかもしれないな いるのが当たり前になってる 偶然出会った 見知らぬ男なのに ずっと一緒にいたいんだ  「キミ、あまり血を飲んでないね?」 「家に泊めてもらってる上に、本気では吸えないよ」 「その為の人間でしょ。いいから早く吸いなよ、キミが死ぬよ」 「僕もはじめはそのつもりだったさ」  「なんで黙って逃げちまうんだよ……玲央」  「この街まで追っ手が迫ってる。ボクはそれを伝えに来たんだよ」 「感謝する」 「あの家を出ない気か? 流石にもう」 「大丈夫。大丈夫だよ」  ごめんねとずるくても 伝えなきゃいけないね 僕は君に会えてよかった だから 最後にするよ 君の血が欲しい 君の血が誰より欲しいんだ  「世話になったね。長居するつもりじゃなかったんだけど、 つい居心地がよくて」 「そんなに焦って出なくてもいいのに。俺も助かってたし」 「そういうわけにもいかないよ」 「住むところ決まってるのか?」 「まあね。浩太……ありがとね」  「ああ、泉さん。おはようございます」 「お前……!」 「引っ越されるんですね。それじゃあ、これ僕からの餞別です」 「浩太、下がって!」 「泉さん?」 「残念だな。少しの間だったけどお隣さんだったわけだし」  「おいアンタ何してんだ!」 「ハハハハハハ、汚らわしい夜の一族よ。わが血盟の掟にのっとり汝を 排除する!」  「どけ。君も殺すぞ?」 「やめろ! 浩太は関係ない」 「は! 随分親しげなんだな。人間は食事にすぎないくせに」 「食事……? 何を言ってる?」 「そいつは吸血鬼だ。人間の敵なんだよ」 「吸血鬼? 玲央がそんな……!」 「浩太……」 「さあ、そいつを渡してもらおう」  「ハハハ、血の眷属に成り下がったか。いいだろう。二人とも送ってやる」  フランツ「あーらら。ご相伴にあずかろうと思ったのに貧乏くじひいたな。 仕方ないから手貸してあげるよ」 「吸血鬼どもめ……」  「すごいね密くん。稽古の時よりもさらに動きが洗練されてる」 「考えなくても体が勝手に動く。なんでかはわからないけど」 「密くんの過去に関係してるのかもしれないね」 「東みたいに、オレもいつか向き合いたい。自分の記憶と……」  「まだやる?」 「人間は貴様らには屈しない。白き刃が必ず貴様らを裁く」  「玲央! 玲央!!」 「そいつはボクに任せてくれるかな」 「だけど……」 「安心しろ。ボク達は同類なんだ」 「……わかった。玲央を頼む」 「素直だね。良い子だ」  ごめんなんてもう 言わなくていいんだ 俺の血なんかくれてやる だから お願いだから 生きてくれずっと お前を失いたくないんだ  「浩太は……?」 「無事だよ。さすがに彼に血を分けてくれとは言えないだろう?」 「ありがとう、フランツ」 「ばれたからには、もうここにはいられない。すぐに次の追っ手がくる」 「僕たちが何をした? 人より少し長く生きられるだけだ」 「異端は排除する。それが人というものさ」  「玲央?」 「お別れだ、浩太。君に会えてよかった」 「事情はもうわかった。出ていく必要なんてない」 「君のような人間がいるなら、退屈な生にも意味があると思えたよ」 「ずっと、そうして一人で生きていくのか?」 「それが僕らの宿命なんだ」 「……だったら、俺も連れていけ」 「何を……」 「道連れになってやるって言ってんだ。吸血鬼にでもなんでもなってやる!」  「今まで踏み込まなかった……踏み込めなかった距離……。 勇気を出して踏み出したら、今まで以上にみんなと繋がれた気がする」  「……ありがとう、浩太。その言葉だけで、僕は……」
MANKAI☆開花宣言夢をいっぱい咲かせよう 君とパッパッとパッと パッと☆MANKAI  イエス! どんなシナリオが待ってる? 高鳴りながらページをめくる  トライ! 難しい場面につまずいても 駆け出したら それが「はじまり」という名のステージ  夢を見るすべてに 脇役なんていないはずさ 君と(二人) 目指す(咲かす) 毎日がほら 奇跡さ  さあ 幕を開けましょう 僕らだけの物語 ずっと憧れてた 場所がそこにある 夢をいっぱい咲かせよう 君とパッパッとパッとパッとね 力一杯 咲かせよう 君とパッパッとパッとパッとね パッパッとパッと パッと☆MANKAI  ノー! たった一度の失敗 考え出したら 迷い込んでしまうのがラビリンス  思い描くすべてが うまくいくとは限らないけれど 君は(いつも) 絶対(満開) 笑顔のほうが 素敵さ  何度でも這い上がろう バカみたいと言われても やめられない理由(わけ)なら ちゃんと胸(ココ)にある 焦らないで見ててね いつかパッパッとパッとパッとね 少しくらい大目に見てね きっとパッパッとパッとパッとね パッパッとパッとパッと さんハイッ!  忘れたいジレンマ 拭いたいトラウマ あの日の傷跡 だってまだ癒えない まだ癒えないけど 進むしか手はない  立ち止まる暇はない レッツゴー! レッツゴー! レッツゴー! レッツゴー!  奇跡さ  さあ 幕を開けましょう 僕らだけの物語 ずっと憧れてた 場所がそこにある 夢をいっぱい咲かせよう 君とパッパッとパッとパッとね 力一杯 咲かせよう 君とパッパッとパッとパッとね パッパッとパッと パッと☆MANKAI冬組大石昌良大石昌良大石昌良夢をいっぱい咲かせよう 君とパッパッとパッと パッと☆MANKAI  イエス! どんなシナリオが待ってる? 高鳴りながらページをめくる  トライ! 難しい場面につまずいても 駆け出したら それが「はじまり」という名のステージ  夢を見るすべてに 脇役なんていないはずさ 君と(二人) 目指す(咲かす) 毎日がほら 奇跡さ  さあ 幕を開けましょう 僕らだけの物語 ずっと憧れてた 場所がそこにある 夢をいっぱい咲かせよう 君とパッパッとパッとパッとね 力一杯 咲かせよう 君とパッパッとパッとパッとね パッパッとパッと パッと☆MANKAI  ノー! たった一度の失敗 考え出したら 迷い込んでしまうのがラビリンス  思い描くすべてが うまくいくとは限らないけれど 君は(いつも) 絶対(満開) 笑顔のほうが 素敵さ  何度でも這い上がろう バカみたいと言われても やめられない理由(わけ)なら ちゃんと胸(ココ)にある 焦らないで見ててね いつかパッパッとパッとパッとね 少しくらい大目に見てね きっとパッパッとパッとパッとね パッパッとパッとパッと さんハイッ!  忘れたいジレンマ 拭いたいトラウマ あの日の傷跡 だってまだ癒えない まだ癒えないけど 進むしか手はない  立ち止まる暇はない レッツゴー! レッツゴー! レッツゴー! レッツゴー!  奇跡さ  さあ 幕を開けましょう 僕らだけの物語 ずっと憧れてた 場所がそこにある 夢をいっぱい咲かせよう 君とパッパッとパッとパッとね 力一杯 咲かせよう 君とパッパッとパッとパッとね パッパッとパッと パッと☆MANKAI
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