神田川南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 喜多條忠 | 南こうせつ | | 貴方は もう忘れたかしら 赤いてぬぐい マフラーにして 二人で行った 横丁の風呂屋 一緒に出ようねって 言ったのに いつも私が 待たされた 洗い髪が 芯まで冷えて 小さな石鹸 カタカタ鳴った 貴方は私の からだを抱いて 冷たいねって 言ったのよ 若かったあの頃 何も恐くなかった ただ貴方のやさしさが 恐かった 貴方は もう捨てたのかしら 二十四色の クレパス買って 貴方が描いた 私の似顔絵 うまく描いてねって 言ったのに いつもちっとも 似てないの 窓の下には 神田川 三畳一間の 小さな下宿 貴方は私の 指先見つめ 悲しいかいって きいたのよ 若かったあの頃 何も恐くなかった ただ貴方のやさしさが 恐かった |
雪が降る日に南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 伊勢正三 | 南こうせつ | | 雪が降るよ やまずに昨日から 昨日から 窓の外は何にも見えない 見えない 約束を信じてた 約束を信じてた 昨日の夢は 終わるよ 雪の上に 足跡続くよ 続くよ 私を連れてゆこうと あなたは言ってたのに 足跡を追いかけて 足跡を追いかけて 昨日の夢は 終わるよ 昨日の夢は 終わるよ |
おもかげ色の空南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 伊勢正三 | 南こうせつ | | 別れた時 おもかげ色の空を忘れました 飲みかけのグラスに映った 空を忘れました あの日の君は 笑いさえもうかべていた まるでぼくの後姿に よろしくと言いながら 通り過ぎる風 それが季節 とても寒い季節 ガラス窓のすき間みつけては せまい部屋の中へ なぜかさびしい夕暮れ時 風が止まり そんな時にふと思い出す やさしかった人を いつか君が忘れていった レンガ色のコート 僕には少し短すぎて とても着れそうにない 想い出として 君はここにおいてゆこう 部屋のあかり消しながら また会うその日まで また会うその日まで また会うその日まで |
こもれ陽かぐや姫 | かぐや姫 | 山田つぐと | 山田つぐと | | 春のあたたかな こもれ陽のなか れんげの花束 髪に飾した 17の君は 僕の花嫁 幼ない笑顔が 僕をよぎる 風の香りは あの時のもの もえぎ色は ただ夢の中 失くしたものは 僕の心 なぜ春は同じ かおをするのか |
今はちがう季節南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 伊勢正三 | 南こうせつ | | 君と別れた夏は こわれた置時計 そして風を忘れた 小さな風鈴 ブロックべいに沈む 夕陽がさびしくて 痛む胸の中に すんでます秋が 君が笑ってる 君が走っている アルバムの中 一つ二つ三つ 思い出見つけ わざとむなしくなるのさ 何もかもが昔 今はちがう季節 そしてぼくの心も 変わってしまった 君と歩いた道を 一人歩いてみる 低い丘を回って 海に続く道 青い青い海も 夏にさよならして 誰も乗らないボートが 砂に並んでる 狭いあの部屋で 毎日暮らしたいと 口ぐせのように いつも言ってたっけ そんな君だから 好きなままでいたいの 沖を走る舟は 白い波を残し 水辺で遊ぶ鳥は どこへ帰るのか |
突然さよなら南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつ | 南こうせつ | | どこまでいくのだろう こわれた僕の心 誰かにすがりつきたいが 同じことだろう 君のことを信じて 僕は頑張ったのさ けれど 君は何も言わないで 突然さよならさ 君は僕の何が 本当は欲しかったのかい 朝日のような夕陽を 僕は見ていた Lalala… 夢ならさめてみたい 冷たい風をもっと やさしい言葉はいらないさ 僕はゆくさ |
22才の別れかぐや姫 | かぐや姫 | 伊勢正三 | 伊勢正三 | | あなたに「さようなら」って言えるのは 今日だけ 明日になってまたあなたの 暖い手に触れたらきっと 言えなくなってしまう そんな気がして……… 私には 鏡に映った あなたの姿を見つけられずに 私の目の前にあった 幸せにすがりついてしまった 私の誕生日に 22本のローソクをたて ひとつひとつがみんな君の人生だね って言って 17本目からはいっしょに火をつけたのが 昨日のことのように……… 今はただ5年の月日が 永すぎた春といえるだけです あなたの知らないところへ 嫁いでゆく私にとって ひとつだけこんな私の わがまま聞いてくれるなら あなたは あなたのままで 変わらずにいて下さい そのままで |
あの人の手紙南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 伊勢正三 | 南こうせつ | | 泳ぐ魚の群に 石を投げてみた 逃げる魚達には 何の罪があるの でも今の私には こうせずにはいられない 私の大事なあの人は 今は戦いの中 戦場への招待券という ただ一枚の紙きれが 楽しい語らいの日々を 悲しい別れの日にした 殺されるかもしれない 私の大事なあの人 私たち二人には 何の罪があるの 耐えきれない毎日は とても長く感じて 涙も枯れた ある日突然帰ってきた人 ほんとにあなたなの さあ早くお部屋の中へ あなたの好きな 白百合をかかさず 窓辺に 飾っていたわ あなたのやさしいこの手は とてもつめたく感じたけど あなたは無理してほほえんで 私を抱いてくれた でもすぐに時は流れて あの人は別れを告げる いいのよ やさしいあなた 私にはもうわかっているの ありがとう私のあの人 本当はもう死んでいるのでしょう 昨日 手紙がついたの あなたの 死を告げた手紙が |
アビーロードの街南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 伊勢正三 | 南こうせつ | | あの日の君は傘さして 青山通り歩いてた 君は雨の中 丁度今日みたいな日だった ビートルズの歌が きこえてきそうと 二人で渡った交差点 mm… いつもは君と歩く道 今日は一人で歩いてる 通りがかりの喫茶店 ガラス窓越し雨の街 いつもなら君を 無理して笑わせている頃 隣の二人は 見てきたばかりの 映画の話をあれこれと mm… 一人のテーブルつまらない 君に逢えない水曜日 車の流れが耳につく 話し相手もいないとき ポケットをさぐり やっと見つけた10円玉 公衆電話 だから 大きな声で言えないけれど 好きなんだ mm… 地下鉄駅まで帰る道 青山通り雨通り |
なごり雪かぐや姫 | かぐや姫 | 伊勢正三 | 伊勢正三 | | 汽車を待つ君の横で ぼくは時計を気にしてる 季節はずれの雪が降ってる 「東京で見る雪はこれが最後ね」と さみしそうに 君がつぶやく なごり雪も 降る時を知り ふざけすぎた 季節のあとで 今 春が来て 君はきれいになった 去年よりずっと きれいになった 動き始めた 汽車の窓に 顔をつけて 君は何か 言おうとしている 君の口びるが 「さようなら」と動くことが こわくて 下を向いてた 時が行けば 幼ない君も 大人になると 気づかないまま 今 春が来て 君はきれいになった 去年よりずっと きれいになった 君が去った ホームに残り 落ちてはとける 雪を見ていた 今 春が来て 君はきれいになった 去年よりずっと きれいになった |
黄色い船南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 山田つぐと | 山田つぐと | | 熱い日射しに 輝いた オレンジの山 見ながら飲んでる このコーヒー 港の昼さがり 僕は毎日 いつかきっと 行ってみせるよ 黄色い船で 海の向うへ 僕が積荷を おろす時 積荷の奴らは 僕の知らない国の話 きかせてくれるよ 僕は毎日 いつかきっと 行ってみせるよ 黄色い船で 海の向うへ やさしい目をした あの爺さん 嵐の夜に 海の底で飲んでいるよ 苦いコーヒー 僕はけれども いつかきっと 行ってみせるよ 黄色い船で 海の向うへ 海の向うへ |
妹かぐや姫 | かぐや姫 | 喜多條忠 | 南こうせつ | | 妹よ ふすま一枚 隔てて今 小さな寝息をたてている 妹よ お前は夜が 夜が明けると 雪のような 花嫁衣裳を着るのか 妹よ お前は器量が悪いのだから 俺はずい分心配していたんだ あいつは俺の友達だから たまには三人で酒でも飲もうや 妹よ 父が死に 母が死にお前ひとり お前ひとりだけが 心のきがかり 明朝 お前が出てゆく前に あの味噌汁の 作り方を書いてゆけ 妹よ あいつはとってもいい奴だから どんなことがあっても 我慢しなさい そして どうしても どうしても どうしてもだめだったら 帰っておいで 妹よ… |
好きだった人南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 伊勢正三 | 南こうせつ | 南こうせつ | 好きだった人 ブルージーンをはいていた 好きだった人 白いブーツをはいていた 好きだった人 ステテコもはいていた 好きだった人 Tシャツが似合ってた 失恋ということばは 知ってたけれど 失恋ということばは 知ってたけれど 好きだった人 金魚すくいがうまかった 好きだった人 ヤクザ映画に誘ってくれた 好きだった人 アベレージが 102 だった 好きだった人 ハンバーグを食べていた 失恋ということばは 知ってたけれど 失恋ということばは 知ってたけれど 好きだった人 つよがりをいっていた 好きだった人 一度だけキスしてくれた 好きだった人 レモンをかじってた 好きだった人 海を見つめて泣いていた 失恋ということばは 知ってたけれど 失恋ということばは 知ってたけれど 失恋ということばは 知ってたけれど 失恋ということばは 知ってたけれど 失恋ということばは 知ってたけれど 失恋ということばは 知ってたけれど |