FENCEシャムキャッツ | シャムキャッツ | 夏目知幸 | シャムキャッツ | | 14階建て 伸びる マンションの影 少年に宿る 兆し 傾く 傾く 駐車場のフェンスに寄りかかる俺を 半ズボンのあいつがじっと見下ろす 俺はタバコをくわえ一服すると 陽の当たる方へ足を向けるんです ゴミたまる 河口 監視台の影 水位を見張る 妖怪 君は知ってるね? 漏れださないように調整してる 彼がいなきゃ君はだめになる お別れをしなきゃ 溺れて 苦しかろう 防水壁に腰掛ける俺を 半ズボンのあいつがじっと見下ろす ちからなくうしろに落っこちるので 君を濡らしてしまうかもしれません 伸びる マンションの影 見張る 監視台の彼 |
MODELSシャムキャッツ | シャムキャッツ | 夏目知幸 | シャムキャッツ | | 朝焼けの工業団地に 夜走りのトラックが戻って来る さめた缶コーヒーを飲み干し ドライバーの若者は寝床へ帰っていく 夕方には愛しいあのこに会える 小鳥がさえずり僕らの目覚めを促す頃 なるべき長く続ける為にはちょっとした 工夫もいるんだなんてこと 若いなりに彼は考えている 彼が眠りにつく朝に 彼女は出勤の支度 ラッシュの京葉線の車窓から 動き出す町を眺めて季節を感じている 夕方にはかわいいあいつに会える タモリがはしゃぎ下らなく午後が始まる頃 なるべく容姿に気を使うためにはちょっとだけ 食費を抑えなきゃって いつもいつも彼女は考えている 夕方二人はごはんを作る 月も傾き僕らが眠りにつく頃 なるべく二人で続けていく為にはもしかしたら ここじゃないところへ引っ越すのもいいねと話をする |
FOOシャムキャッツ | シャムキャッツ | 夏目知幸 | 夏目知幸 | | 法廷を出る裁判官 菜の花の匂いつんとくる 朝から晩まで威厳を保つ 嵐はまだ来ない なんだ、冗談じゃない 嘆く 裁判官 春は危険さ いい加減なのさ 重要書類整頓する 食い違う夫婦の言い分 窃盗犯の日常 焼けた車に残るイヤリング 忘れられないでいる 今でも話しかける 嵐はまだ来ない 泣けるそれぞれの理由を知る 裁判官 春は苦手さ 情っぽくなるのさ 玉のないルーレット コーヒーの渦のミルク ネズミのヒーローが手袋をはずす? 嵐はまだ来ない 新しい靴をおろせばよかった 嵐はまだ来ない 嵐はまだ来ない 嘆く 裁判官 |
TSUBAME NOTEシャムキャッツ | シャムキャッツ | 菅原慎一 | 菅原慎一 | | いつもの事なの 当たり前の言葉さ 君に伝えたり 僕の顔の代わりさ 夢の中でも覚えてるかい? ありきたりな台詞を 夢の中でも知っているだろう? お寿司が食べたいって こんな風に大体いつも同じこと考えてるの分かってる 夢の中でも覚えてるかい? ありふれてる気持ちは 生きているという 君の手のむくみ ららら 旅に出るにも 誰かしらにブーイングを浴びないと 僕たちは何者にもなれない 甘い物食べたらもう一眠りしよう |
AFTER HOURSシャムキャッツ | シャムキャッツ | 夏目知幸 | 夏目知幸 | | 嘘も本当も入り混ぜて 僕たちは時を泳いで行く 運ばれて来た喜びのリボンをほどいて風に投げる それぞれの場所へ帰って行く つかの間の時を踊っている 朝がくる時はちょっとだけ あったまる胸を冷ましている 騒音が重なって寝息みたい 高速道路の横で息を吐く 君の名前を思い出したり 忘れたりする アフターアワーズ 思ってたよりもすごい早さで 全てが普通になって行く 安心しなよ 今日のねたみだって ふきだすサイダーさ こぼれても泣かないさ ポケットに手を入れて ステップを踏み町をゆけば どぶ川が瞬いて 意味もなく誰かに会いたくなる 鼻水をすすり 水たまりをジャンプして まだまだ遊び足りない まだまだ帰りたくないのさ 歌が重なって叫んでいる 隙間を縫うように君は手足を揺らし 仕事の事を思い出しても 忘れたふりする アフターアワーズ 若い光 産毛と光 だるくエンドロールがかすんでいく まぶしくてねむたくて |
SUNDAYシャムキャッツ | シャムキャッツ | 夏目知幸 | シャムキャッツ | | 歯痒くてたまらない よく晴れた日曜日 髪をバサっと切ってきておくれよ 君のショートカット 僕が最初に見たいのさ 好きだから 新しいカメラを持って行くよ 高架下で待ち合わせしよう 照れないでいいかげん その顔をあげたらどうさ 君もまだもしかして 失うこと怖いって思うんだな さびしくてしょうがない よく晴れた日曜日 毛玉のカーディガンを貸しておくれよ このことは誰にも言わないよ しょげないで どうせすぐちょうどいい感じになるよ 僕はただこのままでいれるなら いいなって思うのさ 撮った写真は消せないよ 二人だけの秘密にしよう |
LAY DOWNシャムキャッツ | シャムキャッツ | 夏目知幸 | 夏目知幸 | | 無期休暇 転勤を断って まっさらな部屋 女が寝転ぶ 泡を吹く春の日差し 腕に触れるフローリングがひんやり 疑問は長く持っていられない 捨てるか 忘れるか なにもかもがそうなのかもしれない ミントグリーンのカーテンにしよう 3を並べた額に入れて アンリ・ルソーの絵を飾ろう 毎日言うの おはよう! いってきます! 平坦な人生も悪くない 気づかなければそのまま行けばいい なにから片付けるべきか 知っているのは歯医者さんくらい また余計なものばかりが増えるでしょう 退屈よりはいいかなと わたし今日のお代を払うのよ 落ち着いたらネコを飼おう 忍者の名前を拝借して 背の高い植物も置こう そいつに言うの おはよう! いってきます! でも今日はレイ・ダウン |
PEARL MANシャムキャッツ | シャムキャッツ | 夏目知幸 | シャムキャッツ | | 止めたビデオを戻して 君と恋した町へ 傷だらけで求め合うせいで こころが普通じゃなくなっていく 引き金に指をかける君が 最後の最後 微笑んで 赤裸々にされる僕の胸に穴をあける 透き通る青に憧れて 君は唇噛んだ 僕はと言えばプールで撃たれて そのまま沈んで死んだ しぶきの向こうに見える君は 付き合いたての頃みたいだった 騒がしい日々が訪れるのを望んでいる I'm a peart man 沈んでいく とめたビデオを戻して 君と恋した町へ あの日以来僕の胸から真珠の銃弾が取れない 引き金に指をかける君が 百分の一秒で変わる 物語の行く末に決着をつける I'm a peart man 沈んでいく |
SWEET DREAMSシャムキャッツ | シャムキャッツ | 夏目知幸 | 夏目知幸 | | 果てしない夢を見た 夕暮れ船は出て とろり すべっていく水兵さん 忙しい 彼は彼女を思い 目ん玉濡らして 淡く染まりだす雲を眺めてる どこまでも行ってしまおう 太陽と漕いで行こう まっ白いおせんべいもふやけちゃうほど スウィートドリームがいいよ 君とかくれんぼ スウィートドリーム何色? 僕はもう寝そうだよ 月夜はマルコ・ポーロ 大砲のざらつき ひらり めくるめく 黄金のランプ 彼は波の彼方 思いを巡らし この世界の軋みに耳澄ます どこまでも行ってしまおう 太陽の桃源郷 まあるいお魚も跳ね回るほど スウィートドリームがいいよ 君とかくれんぼ スウィートドリームまっ黄色 僕はもう寝そう スウィートドリームがいいよ 行けば行くほど スウィートドリーム何色? 僕はもう寝そうだよ Was fur eine schone Welt diese ist! |
MALUSシャムキャッツ | シャムキャッツ | 夏目知幸 | 夏目知幸 | | あのこが僕を揺らしてる 言ったことすぐくつがえして 点滅信号をわたる 団地のはしのコンビニで 揚げたチキンをほうばって だれにもばれないで消える もぎたての禁断の果実 小さな二人の手を汚して行く あのこが僕を揺らしてる 僕があのこを揺らしてる 永遠だって信じれる もぎたての禁断の果実 この世界にこの二人にひとつだけ 街灯もない公園で ひとつおしゃべりが終わって 静かに君は目をつぶる もぎたての禁断の果実 震える二人をそっと包んでいく あのこが僕を揺らしてる 僕があのこを揺らしてる 永遠だって信じれる |