教訓I加川良 | 加川良 | 加川良 | 加川良 | | 命はひとつ 人生は1回 だから 命をすてないようにネ あわてると つい フラフラと 御国のためなのと 言われるとネ 青くなって しりごみなさい にげなさい かくれなさい 御国は俺達 死んだとて ずっと後まで 残りますヨネ 失礼しましたで 終るだけ 命の スペアは ありませんヨ 青くなって しりごみなさい にげなさい かくれなさい 命をすてて 男になれと 言われた時には ふるえましょうヨネ そうよ 私しゃ 女で結構 女のくさったので かまいませんよ 青くなって しりごみなさい にげなさい かくれなさい 死んで神様と 言われるよりも 生きてバカだと いわれましょうヨネ きれいごと ならべられた時も この命を すてないようにネ 青くなって しりごみなさい にげなさい かくれなさい |
できることなら加川良 | 加川良 | 加川良 | 加川良 | | 小さくなって暮らしましょうよ うす目を開けて 歩きましょう 小股 内股 背をかがめ 必ず両手は ポケットに 女々しく 女々しく 暮らしましょうよね できれば日かげを えらびなさい 人ゴミの中は さけなさい 野次馬根性は いけませんよ 見ないように 聞かないように 女々しく 女々しく 暮らしましょうよね 他人を信じちゃ いけませんよ 祖国を愛するなんて 信じるなんて 泣かないうちに おやめなさい できれば あなた自身も信じぬように 女々しく 女々しく 暮らしましょうよね アルバムながめて なつかしもうよ 昨日の想い出は 大切に 昔は よかった よかったと 暗い部屋で 涙 ながしましょう 女々しく 女々しく 暮らしましょうよね |
悲しい気持で加川良 | 加川良 | シバ | シバ | | いくら歩いても いくら歩いても 悲しい気持ちは かわらない ああ まっぴらさ せまい 4帖半で せまい4帖半で 足腰 たたねえ ああ まっぴらさ パンとラーメンで パンとラーメンで 毎日 パンとラーメンじゃ ああ まっぴらさ 寒いのはもういやだ 寒いのはもういやだ おいらのハートは カチカチさ ああ まっぴらさ おいらの持ってる金じゃ おいらのもってる金じゃ 電車賃 高くて出られない ああ まっぴらさ だけど おいらにゃ足がある おいらにゃ足がある どこでもいかれる 足がある ああ まっぴらさ いくら歩いても いくら歩いても 悲しい気持ちは かわらない ああ まっぴらさ |
夜明け加川良 | 加川良 | 加川良 | アメリカ民謡 | | 生まれるって つらいね 死ぬってことは さみしいね だからその間に つかもう ちっとばかしの 愛するってのを |
戦争しましょう加川良 | 加川良 | 加川良 | 加川良 | | もうずい分 昔のはなし 大東亜戦争のころ 日本空襲 花ざかり 大日本帝国 苦戦中 沈黙続けていた 一人の男 神国大和の国のため もうがまんできんと馬にのり 全国各地をかけめぐる 空襲のがれた おもちゃ屋で 花火をたくさん 買い集め 花火の火薬をぬきとって 大きな爆弾 2個つくる 大日本帝国 すくう道 最早 これしかないんだと 大きな爆弾 2個かつぎ 太平洋を泳ぎだした アメリカよ まだかまだかと ふんどし1つに 刀を下げて 急がねば 急がねば 急がねばと 太平洋を泳いだのだ 思えば彼の目も足も 仲の良かった友達も アメリカ B-29 の えじきとなって 死んだのだ ナポレオンを思い出し 不可能はないとがんばった 歯をくいしばり泳いだのだ そのかいあってアメリカへ アメリカ上陸 あいなった ところが月日は 流れてた 日本敗戦 アメリカ勝利 今じゃ仲よくやっているという おこった彼は 再び日本へ 国会議事堂 前にして ギョロ目 出てこいとさけんだが 所は交通地獄の どまんなか 車にあてられ死んだという これは大日本帝国の 勝利と正義 ひたすら信じ 真実一路に 歩みつづけた 勇敢な男の物語 日本国民 政府の皆様 あなたの夫や子供や親の死を 犬死にさせないためにも 今こそ 立ち上がる時です 今すぐ戦争の用意をしましょう 今すぐアメリカをせめましょう 戦闘開始いたしましょう そして そして 勝ちましょう |
その朝加川良 | 加川良 | 加川良 | アメリカ民謡 | | 寒いある朝 窓辺で立っていたら かあちゃん連れて行く 天国の車がやって来た やがて俺達 一人ぼっちになるのかな でもよー俺が死んだら また母ちゃんに会えるよネ 車屋さん車引きさん 静かにたのみます あんたが連れてゆく それは寝てる母ちゃんだからネ やがて俺達 一人ぼっちになるのかな でもよー俺が死んだら また母ちゃんに会えるよネ 涙こらえどこまでも 車の後を追いかける でも母ちゃんが墓に入る時 目の前がかすんだヨ やがて俺達 一人ぼっちになるのかな でもよー俺が死んだら また母ちゃんに会えるよネ |
求めます加川良 | 加川良 | 加川良 | 加川良 | | 女というものは ウソツキで シャベリで バカだと 誰かが言ってたよ そんな事はありませんと 僕は言う 僕は一人で 反対しています たった一人 僕は 女の味方です 女よ 女 だから女よ ちょっと僕のところへ 寄り道しませんか 僕のおよめさんになって下さいな |
妹に送る唄加川良 | 加川良 | 加川良 | アメリカ民謡 | | 愛しておやり 彼を わかるネ お前は女 おいしいものを つくっておやり 彼が好きな みそ汁を まわりの人とは 仲よくおやり 近所の子供が なつくよう しゅうとめさんとは 仲よくおやり つらい涙は 見せぬよう 内職するなら 昼のうち 彼がいる時 せぬように 押売り来たら うまくお返し コジキの人には 10円おやり うすく化粧はするように 彼がお前を 見直すさ きれいなエプロンするように 彼がやさしく ほほえむように しもやけ あかぎれ 気をおつけ 長い髪は 美しく あんまり 考えすぎぬよう いつも 笑って 暮らすように |
あきらめ節加川良 | 加川良 | 唖蝉坊・高田渡 | 高田渡 | | 地主 金持は わがままもので 役人なんぞは いばるもの こんな浮世へ 生まれてきたが わが身の不運と あきらめる お前この世へ 何しにきたか 税や利息を払うため こんな浮世へ 生まれてきたが わが身の不運と あきらめる 米は南京 おかずはきなこ 牛や馬でも あるまいし 朝から晩まで こきつかわれて 死ぬよりましだと あきらめる 汗をしぼられ 油をとられ 血を吸いとられてその上に ほうり出されて ふんづけられて これも不運と あきらめる 苦しかろうが 又 つらかろが 義務はつくさにゃ ならぬもの 権利なんぞを ほしがることは できぬものだと あきらめる 長いものには まかれてしまえ 泣く子と資本家にゃ 勝たれない 貧乏は不運で 病気は不幸 時世時節と あきらめる あきらめなされよ あきらめなされ あきらめなさるが 無事であろう 私しゃ自由の動物だから あきらめきれぬと あきらめる |
赤土の下で加川良 | 加川良 | 加川良 | 加川良 | | 奴を埋めるにゃ金はなし お役人が死体を横目でにらみ 鼻をつまんで 出した金 1万 642円 3分待ったら 葬儀屋が ジャンパー姿でやってきた 入ってくるなり 出た言葉 あと 2万円はいりますぜ 葬式にも いろんな型が あってね この死体にゃ悪いけど 霊柩車はつきません でも そう きっと 友達が 花束 送ってくれるでしょうよ 2日たって 坊主がやってきた 光った 自家用車でね 衣のシワを気づかい説教 請求が 2000円 赤土の中に 奴は埋められ 道端の小石が 目印さ 神よ 奴の魂たのみます 墓場の土に請求こねえようにネ 何がどうなり こんなにも 葬式ってやつは こんなに高い 俺たち 貧乏人 おちおち死ぬ事にもかかれない |
ゼニの効用力について加川良 | 加川良 | 加川良 | 加川良 | | ネェ お前さん方よ ゼニをいやしいものと思うなら 言っとくが その考えは まちがっていますよ この世はつめたいよ ゼニがなけりゃ そう ここにいるあんた達にも言える事ですよ ゼニの力が働けば この世は金色さ 凍ってたものも溶けて 日にあたたまる ネェ お前さん方よ ゼニなどくだらんものと思うなら 言っとくがその考えは まちがっていますヨ この世はさみしいよ ゼニがなけりゃ そう お前さん方は飢えるだろうし てあたり次第に奪いあう ゼニさえあれば やっかい事もおこらない ゼニのない奴ァ夢さえもてず あの世へ行く日を待ちわびるだけ ネェ お前さん方よ ゼニをいやしいものと思うなら 言っとくがその考えは まちがっていますよ この世は つめたいよ ゼニがなけりゃ そう善人だって偉人だって それにそのままあてはまる ゼニを信じぬカタブツが偉大をめざせるものじゃない 人として目ざすのは 善じゃなくて銭なんだ 正しいものが 正しくなるさ 正しいものが 正しくなるさ |
伝道加川良 | 加川良 | 加川良 | 加川良 | | 悲しい時にゃ 悲しみなさい 気にすることじゃ ありません あなたの だいじな 命に かかわることも あるまいし そうです それが 運命でしょう 気にすることじゃ ありません 生まれて 死ぬまで つきまとうのは 悩みというものだけなのですよ |