デビューから約3年…“初心”を取り戻しに行くバンドの姿勢!

 谷口鮪(Vo./Gt.)、古賀隼斗(Gt./Cho.)、飯田祐馬(Ba./Cho.)、小泉貴裕(Dr.)による大阪出身の4人組ロックバンド“KANA-BOON”が2016年2月17日、ニューアルバム「Origin」を発売!今作は、先行シングルとしてリリースした「ランアンドラン」を含め、「TIME」以降の全てのシングル表題曲を収録。“Origin”=“起源”という意味が示す通り、彼らが今一度<音楽を始めた頃の気持ち>すなわち“原点”に立ち戻って制作した、渾身の意欲作となっております!

 『Origin』を制作するにあたり、メンバーと共に改めて今のバンドの姿を見つめたところ「ピュアな気持ちで音楽をやれていない部分があった」ことに気づいたと語るボーカル・谷口鮪。そんな彼らを救い、今作の核になった楽曲とは…。今回のインタビューでは、バンドの軌跡をはじめ、アルバム収録曲に込めた想いなどを鮪さんにたっぷりお伺いしました!そして、歌ネットでも非常に人気の高い“KANA-BOONの歌詞”の魅力に迫ります…!
ランアンドラン 作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
“位置について用意”の後に聞こえた
「また会おう」
これから僕を待つ未来がどんなものだとしても
君を過去に置き去りにはしない いつだって忘れないよ

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INTERVIEW
「“歌詞の意味がわからない”って言われたんです。」

“KANA-BOON”さんは高校の軽音楽部で結成されたんですよね。

谷口:はい、バンド名もずっと“KANA-BOON”です。Kが入って、ハイフンが入って、Nで終わって、なんか“KAT-TUN”みたいでイケるんじゃないかと思ったんです(笑)。当時、軽音部の連盟というものがあって、自分たちの高校含め、たくさんの高校がそれに入っていました。毎週土日は、うちの高校に他校のバンドを招いたり、僕らがゲストとして違う学校でライブしていたんですけど、うちの軽音部は部員が少ないのもあって、「どこ行ってもKANA-BOONがおる!」みたいな状態でした(笑)。あの頃のバンドの空気感は、今も変わらずあると思いますね。

活動をしていく中で、どんなバンドになることを目標にしていましたか?

谷口:やっぱり大きなステージに立つことを目指していたし、自分が音楽をはじめた頃に憧れたバンドのような存在になりたかったですね。僕が音楽に出会ったのは、中2の頃なんですけど、最初に衝撃を受けたのが“マキシマムザホルモン”で。かなり熱心なファンだったので、歌詞カードを読みながらCDを聴き込みました。あの人たちの歌詞は、日本語なのになんか違う国の言葉に聞こえるというか…。でもテーマがちゃんとあって、発音も気持ち良いんです。その出会いがきっかけでギターを買って、中3の頃にはもう、自分も音楽の道で生きていこうという気持ちがカチッと固まっていましたね。それからは“アジカン”とか、僕らの世代がど真ん中で聴いていたようなロックバンドの影響を受けました。

photo_01です。

軽音部で最初はコピーをやっていたそうですが、オリジナルの楽曲を作り始めたのはいつ頃からでしょうか。

谷口:高校2年生の頃です。先輩が自分たちのオリジナル曲を作って演奏していて、その背中を見ていたので自分たちも早く早く!っていう思いがあって。作り始めたときは何の取り柄もないような曲たちでした。でも、高3になって、なんとなく音楽の扉が開けてきて、だんだん自分たちでも「良い曲やなぁ」「KANA-BOONっぽい曲やなぁ」ということを感じられるようになっていきましたね。

バンドとして、その頃から変わっていった面はありますか?

谷口:歌詞はすごく変わりましたね。最初の頃は、発音して気持ちよかったり、サウンドに馴染んでたり、“語感”が良ければいいと思っていました。だから、高校在学中も卒業後もしばらくはそういう書き方で。でもある時、今とは違う音楽事務所の人と話す機会があって、その方に「歌詞の意味がわからない」って言われたんです。実際に自分の歌詞は“何かを伝える”というものではなかったから、おっしゃるとおりです…と。そこから、作詞の仕方を改めました。最初にまずテーマを決め、自分がこの曲で歌いたいのは何なのかということを考えつつ、語感も大事にするようになっていったんです。その出来事は自分にとってかなり大きかったと思います。

今、歌ネットではKANA-BOONさんの歌詞が多くのユーザーの方から支持されていて、歴代人気曲にも10曲が認定されています。たとえば、同じく歌詞が人気のback numberさんの場合は、彼らならではのラブソングの描写にとくに定評がありますが、“KANA-BOON”さんの楽曲ではどういったところが歌詞の支持ポイントだと思いますか?

谷口:あーもうback numberはチャンピオンですね(笑)。“KANA-BOON”の歌詞が人気っていうのはめっちゃ嬉しいです!「ここが支持されていたらイイな」という願望ですけど、綴っている心情が聴く人にとって等身大というか、背伸びしていないところですかね。それは曲を作るときに自分たちが意識していることでもあるので。

また、曲中での“言葉遊び”の面白さに関しても多くの称賛コメントが見られます。

谷口:それはかなり考えます。初めて聴いた時に「これ何やろ?」って惹きつけられるものを作るっていうのは昔から持っているこだわりで。あとKANA-BOONはよく“繰り返されるフレーズが中毒性に…”みたいな紹介のされ方もしますけど、それに関してはとくに意識してないというか、自分にとって気持ちよいフレーズだったからという理由しかないんです。でも、それが聴いてくれる人にとっても同じように気持ちよく感じてもらえていたらすごく幸せだなと思います。

“KANA-BOON”にとっての大きな転機というとやはり、2012年にキューン20イヤーズオーディションで優勝し、アジカンさんのオープニングアクトを務めたことでしょうか。

谷口:そうですね。それまでも地道に活動はしていましたけど、大幅にステップアップするチャンスだったのはあれが一番かなぁと。憧れのアジカンと共演することは、メジャーデビューを果たすことと同じくらい長年の夢だったんです。だからめちゃくちゃ嬉しかったし、めちゃくちゃ緊張したし、ここまでやってきてよかったと思いました。一気にいろんな感情がブワっと湧いた一日でしたね。

そこからは怒涛の快進撃といいますか、2013年にデビューされて、お茶の間でもKANA-BOONさんの曲を聴く機会が増えていきましたよね!今回のアルバムでもたくさんのタイアップ曲が収録されていますが、タイアップの楽曲を作るのはアルバム曲などを作る感覚とはまた違いますか?

谷口:タイアップの曲は、映像だったり、商品だったり、対象となるものがすでにあるのでどちらかというと作りやすいですね。たとえば「なんでもねだり」であれば、そのCMの映像にハマりつつ、テーマをちゃんと汲み取ることが大切で。そうなると選択肢はだいぶ限られてきて、その中で自分の書きたいことやKANA-BOONらしさを探していくんです。普段だと、ゼロの中からすべてを見つけるという途方もない作業なので大変なんです(笑)。あと、作詞には正解がありませんけど、タイアップとなると先方が「ダメです」と言ったら、もうそれは100点にはならないんですよね。だからこそ「満点を出すぞ!」っていう目標もあるし、自分を採点できる機会でもあるし、そういうやりがいがありますね。



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